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2005/06/27

世の中には、返却されない答案もある

春学期の期末考査が終わりました。少しずつ答案が返却されてくるでしょう。君たちは、その得点に一喜一憂するのでしょうが、私はここでもう一度確認しておいた方がよいことがあるなと思って、そのことを書きます。

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君たちがこれからたくさん受けていくテストというものには、大きく二種類あると考えられます。一つは、英検や自動車運転免許取得のようなテストです。もう一つは、入学試験や入社試験のようなテストです。

どうちがうのでしょうか。英検や自動車運転免許取得のようなテストは、ある一定の基準をクリアすれば、合格者は何人出ても構わないと言うテストです。例えば、英検の3級を100人が受験して基準点を100人クリアしたら、100人に英検3級の賞状が手にはいるわけです。自動車運転免許取得のテストでも同じです。

しかし、入学試験のテストの場合は違います。100人が受験しても募集が50人しかなければ、50人は合格し、50人は不合格になります。高校側が想定した合格基準点を100人がクリアしていても、上位50人しか合格できないわけです。

つまり、進路に直接関わる試験は受からせるためにあると言うよりは、落とすために設定されているというのが正しいわけです。差を付けるようにできているわけです。

                   ◆

さらに学校のテストと入試のテストの違いを見ていきましょう。
まず、学校で行う定期考査の場合、
(うーん、これはちょっと理解しているから、×ではなくて△にしてあげよう)
と答案に書き込むことがあります。これは、君たちが理解している内容や理解に至るまでの努力を考慮して少しでも得点をあげようという思いが先生達に働くからです。
しかし、入試の場合は違います。入試のテストには△はありません。○か×かの二つだけです。
私たち人間は、基本的に前向きに生きるようにできているので(いや、自分を甘やかすようにといってもいいかもしれない)、△を貰った答案は、入試では×になるにもかかわらず、いつのまにか△は○として考えるようになってしまいます。そうなると、間違っているものにもかかわらず、(これは合っていた)と思うようになり、正しい答えを理解し、覚えようと言う気持ちにならなくなることがあります。私などは、君たちの成長を評価したいという思いと、ここで×にしないとこの子どもたちは成長しないぞという思いがぶつかり合って、△をつけるのには結構考え込むことがあります。

次に、学校のテストの場合、答案が返却されてきたときに答案に対して質問をすることができます。
「先生、ここは〜ということを書いたので、○ではありませんか?」
と。しかし、入試の答案は返却されません。ですから、質問する機会すらありません。
ここから次のことが分からなければなりません。

・ 答案は、誰がどう見てもそうとしか読めない文字で書くこと。

です。
入試で答案を採点する時間は一日から三日程度です。それで千枚の採点をしなければならない学校もあります。すべての採点官の目が優れていてるなんてことがあったとしても、千枚の採点をきちんとするなんてのは、難しいわけです。であれば、君たちは読みやすい字を書くべきなのです。君の答案は誰が採点しても、きちんと採点してもらえる答案にすべきなのです。

綺麗な字を書く必要はありません。読みやすい字を書きなさい。読みやすい字とは、


・太く
・濃く
・大きく


書かれた字です。この三点を備えた文字は読みやすいです。
答案は、君が理解していることを採点官に伝えるための用紙です。理解して貰うためには、相手に理解して貰いやすいように、君が努力すべきです。読んでもらって当然なんてことを思っている人がいるのならば、早急に考え方を改めるべきです。

                  ◆

「でも、先生。それなら入試直前にやればいいんじゃないですか? いや、入学試験の時だけでもいいんじゃないですか?」

という質問があるかもしれません。うむ。しかし、違う。そんなに簡単にいくなら私たちだって試験の直前の時だけ注意する。人間の癖は急には直りません。急に良くなりません。急に悪くなることはできますが、突然良くなることはありません。少しずつしか良くなれないのです。脳の働きがそうさせているのです。

だから、試験の前に「読みやすい字を書くんだよ」と言い続けましたし、二年生は試験の見回りのときにも「太く、濃く、大きく書くんだよ」と話したのですが、まあ、読みにくい字(細く、薄く、小さく)で書いている答案が目立ちました。

注意書きに示してあるとおり、試験の前に伝えてあるとおり、そのような答案は減点してあります。

次回は、期待します。

(国語科教科通信 志学 NO8 より)

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