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2005/09/22

さあ、お習字をやりますぞ

mosho
書写の授業に入りました。二年生は漢字、三年生は漢字と平仮名をやる予定です。漢字のお手本は「蘇孝慈墓誌銘」(そこうじぼしめい)という中国の古典中の古典で、西暦603年の作品です。中学校の書写のお手本を書くような先生であれば、必ず学んでいる古典の作品です。

文字には、五つの基本の形があります。君たち流に言うと「フォント」というのが分かりやすいかもしれません。それは、楷書、行書、草書、篆書、隷書というものです。この「蘇孝慈墓誌銘」は、楷書というフォントができあがった時期にできあがった作品で、楷書を学ぶにはこれから始めるのが良いと思います。そういうわけで、このお手本の文字を学びます。

ちなみに、三年生の平仮名は西暦1120年頃成立した「関戸本 和漢朗詠集」(せきとぼん わかんろうえいしゅう)という本からの文字で、これまた書道の先生で学んだことのない人はいないという、本物の文字を学びます。

                  ◆

日本に限らず、アジア圏では字がうまい人は、「頭がいい人」「性格がいい人」と思われる傾向があります。字がうまい人は、うまくなるために一生懸命練習したのは事実で、本当に頭がいいかどうか分かりませんが、そう思ってくれるのですから、うまくなるに越した事はありません。

20年前はワープロが使える人が少なかったので、ワープロができると重宝(ちょうほう・大切にすること)されましたが、今は逆で筆が使える人が重宝されます。数の少ないところに価値が集まるのです。

さあ、しっかりとうまくなりましょう。

                  ◆

授業では、書道・書写を学ぶための三つの基本について、まず説明をしました。

君たちが社会に出てから使う筆は、小筆が中心になります。これで名前と住所が書ければ、結婚式、葬式、年賀状はばっちりです。小筆は、毛の全体を柔らかくしてしまうと書きにくくなります。筆先から2/3までを解(ほぐ)しましょう。

構え

小筆の持ち方は、1)親指の腹で筆の中心を押さえる。2)人差し指の第二関節にあてる。3)中指を下から添える。の三つのパートからなります。さらに、手首を反らして筆をまっすぐに立てること、手のひらの中にウズラの卵が入っている感覚で柔らかく持つことが大事です。
左手は、半紙の左下を軽く押さえるか、右手を載せる台にします。
書くときに姿勢は、両足をしっかりと床に着け、身体と机の間を握り拳一つ分あけ、背筋を伸ばします。こうすることで、書いている文字だけでなく、半紙にある文字全体に目を配ることができるようになります。

呼吸

スピーチの時の逆になります。スピーチの時は、「息を吐いて、吸って、止めて」話すと教えました。書写の時は、「吸って、吐いて、止めて」書きます。
字を書くときは、大きな力を必要としません。身体の余分な力を抜くために、「吸って、吐いて、止めて」書きます。

この三つが書道の基本です。

                  ◆

実際の練習では、お手本を写して書く「模書」(もしょ)という方法で学びます。日本ではあまり好まれていない方法ですが、中国では今も丁寧に扱われている練習方法です。

古人の美しい筆跡を、「ゆっくり」「丁寧(ていねい)に」なぞりながら、自分の身体にその筆跡を移し込んでいきましょう。

美しい文字が書けるようになりますように。

(教科通信「志学」 NO. 17 より)

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コメント

>「模書」(もしょ)

この方法を教えてください。
手本を下に敷いて、上に半紙を重ねる。
半紙を筆で写すように丁寧に書いていく。

という方法でよいのでしょうか?

基本的にはそうです。
ですが、いくつか工夫が必要です。

お手本は下に敷くものと、見ながら書くものの二枚が必要です。下に敷くだけでは文字がよく見えないからです。

また、このときに使う半紙は、仮名の練習用の半紙にする必要があります。これですと、薄くて滲まないので、ゆっくりとなぞり書きをするときに重宝するわけです。

ま、これではよく分からないかもしれませんので、生徒の実際の様子を写真にして、後ほどメールしますね。

なるほど。

>仮名の練習用の半紙

ですか。
そういうものの存在さえ知らない私……。
ウーム、無知だぁ……。
勉強になります!

いやあ、普通知りませんよ。
初心者が使った方がよい筆とかも、書道をやっていないと知らないでしょう。

私はあべたかさんからパソコンのことを教わっていますから、そういうものじゃあないですかねえf(^^;。

もう、マックの知識もあべたかさんの方が上だろうなあ。

大変参考になります。
まだまだ始めたばかりなので、筆の持ち方、呼吸、書くときのスピードなどなど、いつも迷っています。
書についての書き込み、楽しみにしています。

書道(書写)は、静かなスポーツだと思っています。ですから、呼吸はとても大事です。

この他にも視点移動や重心移動など必要なポイントはあるのですが、まずはこの三つを意識して書かれることが大事だと思います。ここが安定して身体に落ち着くと、上達は早いと思います。

北海道では、ディベートの他にお習字の話しでも盛り上がりそうですね(^^)。

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