自分でやる部分が増えるのだ
期末試験が終わった。今回のテストでは、いつもの漢字の出題よりも多くの漢字を出した。いつもは、読みが5問、書き取りが5問の10問だが、今回は書き取り15問で行った。というのは、この間、漢字の学習方法として新しく「津川式超記憶法」というものを紹介し行ってきたからだ。
私としては、
・ 重点的に指導してきたところ
・ 努力をすれば点数につながるところ
の配点を多くしたつもりだ。で、その結果はどのようになったかが問題である。
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採点して得た感想は何かというと、
(ああ、学習習慣ができている人と、そうではない人の差がでたな)
というものである。『志学 NO.25』に私は以下のように書いた。
引用開始 ーーーーーーーーーー
津川式記憶術の私が考える弱点、つまり、四回時間をおいて記憶をするという部分の克服方法です。もう一度引用してみましょう。
なお、どのくらいの期間が「覚えている期間」かということですが、基本は、覚えてすぐに一回目、八時間〜一日以内に二回目、二〜四日以内に三回目、四〜一〇日以内に繰り返す時間を見つけてください。
『世界最速「超」記憶法』109p
引用終了 ーーーーーーーーーー
まさに、ここであったと分かった。
確認してほしい。授業中に津川式で漢字を覚えている時には、90%以上の諸君が、その場で簡単に漢字が書けるようになっていたこと。ところが、期末考査になると、できた人とできなかった人に分かれているのだ。
漢字の満点である30点を手に入れることのできた諸君は、この引用した部分がきちんとできた人であろう。そして、満点に遥かに届かなかった人は、ここができなかった諸君であろう。
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私の知り合いに、この津川式の漢字の学習方法を使って、小学校の学級で漢字学習に取り組んだ先生がいる。その学級では、一週間後の漢字テストでは、50問の漢字、1問2点で平均点が98点を超えたということが報告されていた。
この小学校との違いはどこにあるのだろうか。それは、小学校では「二〜四日以内に三回目、四〜一〇日以内に繰り返す」を担任の先生が帰りの学活を使ってやらせていたが、中学校では、国語の授業中にこれをやらなかったことにあると思っている。中学校ではやらずに、『「二〜四日以内に三回目、四〜一〇日以内に繰り返す」ことは大事だから、やるんだよ』との話をした。かなり丁寧に話をした。
私は、意識してこの違いで指導した。
◆
では、なぜ国語の授業中にやらずに、話をしただけにしたのか。もう分かると思いう。そうだ、「先生がその場にいて、時間を作り、強制的に行う学習」から、「先生が心の中にいて、時間は自分で設定し、自分からやろうと思って行う学習」を身につけてくれることを期待したからなのである。
学校に行っていれば勉強ができるようになると言うのは、半分正しくて半分違う。やっぱり自分からやる時間がないと、身に付くものも身に付かない。だから「側座核」の話も『志学』に書いたのだ。
小学校の勉強は、先生が側にいてくれていいのだと思う。だから、学級担任がほとんどの教科を教えてくれる。だが、中学校以降はそうではない。自分でやる部分が増えるのだ。
心の中に、
(よし、これはやらなければならないぞ)
と自分で自分に声を掛け、自分や自分の仲間とでやらなければならないことが増えてくる。そして、ここは大人が手助けしにくい部分なのだ。
なぜなら、それは、君が大人になるということの一部なのだからだ。
(教科通信「志学」 NO. 35 より)
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