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2005/11/03

日本語の一人称名詞

日本語には、一人称名詞が非常に多くある。「わ」から始まるものだけでも、「わたし、わたしくし、わ、わっち、われ、わい、わし、わらわ・・・」とある。だから、" I love you. "を日本語に訳そうとすると、とても難しいことになる。

そんな一人称名詞であるが、先日の事件で女子高生がブログに綴っていた一人称名刺に「僕」がある。

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この「僕」という人称代名詞だが、基本的には男の子が使うものである。ところが、私の観察によると、一部、女の子が使う例がある。

小学校の4年生ぐらいの女の子が使うことがある。今の生徒に聞いても、使っていたことがあるという生徒は別に珍しくはない。これは、第二次性徴を迎えた女の子が、自分の変化を認めることができず、少年としての「僕」を名乗るのではないかと思っている。もちろん、無意識であろうが。

で、この「僕」は加齢と共に「私」になっていくのだが、一部中学生、高校生であっても使う女子生徒がいる。これを観察すると自己肯定観が乏しい生徒に現れていることが多い。

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また一方で、自分のことを、自分のニックネームや名前で呼ぶ生徒もいる。「あゆはー」とか「めぐみはー」のような場合である。(なぜか、この場合語尾が延びることが多い)このような生徒は、自己中心的な発想、つまり「ミーイズム」であることが多い。

自分が世界の中心であり、自分が世界の中の一部である「私」という客観的な位置に立つことができないのである。女王のように振る舞う子もいれば、愛らしいキャラとして守られることを求める子どももいる。結局は「私を見てみて」であるのは同じである。

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たかが、一人称名詞ということなのかもしれないが、私は少年期から青年期に移るときの大きな発達課題だと考えている。

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