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2005/11/07

自己PRカードの書き方 進路学習補助資料

都立高校を受検する諸君は、この「自己PRカード」というものを書かなければならない。この「自己PRカード」は、受検書類の中で唯一学校長の判子がいらないものである。つまり、あなたとあなたの保護者が、書類を書くことに責任があるのだ。これは、(注意)にも書いてあるように、「志願者が黒のボールペンで記入する。」のである。

「自己PRカード」に書かなければならない内容は、以下の文言である。

私が貴校の(全日制課程、定時制課程、通信制課程)を受検するにあたり、入学を希望する理由と中学校での活動で特にPRしたいことは、次のとおりです。

1 入学を希望する理由(この学校に入学したい理由と入学してから自分がしたいと思うことなどについて記入しましょう)
2 選択教科や総合的な学習の時間について(第3学年の学習活動の中で、自分が特にPRしたいことを具体的に記入しましょう)
3 諸活動の状況及び実績について(3年間の中学校生活の中で、学級活動、生徒会活動、学校行事、部活動、ボランティア活動、資格・検定等の取得、その他の活動のうちから、自分が特にPRしたいことを具体的に記入しましょう)

さて、何を書けばいいのだろうか?

                  ◆

私たちが口を酸っぱくして言ってきたことは、「きちんとやって結果を残していきましょう」ということであった。「自己PRカード」を書くために言っていたわけではないが、ほとんどの諸君が都立高校の進学を考えることになるだろうし、書くなら書く内容がなければ書けないからである。

ということは、何もやってこれなかった人には厳しいカードだということが分かる。しかし、この「きちんとやって結果を残していきましょう」ということが実感としてわかるのは、
(ああ、私は何もやっていなかった)
と分かる頃なのだから始末が悪い。

果たして、もう駄目なのか。いや、違う。あきらめるな。方法は、二つある。

                  ◆

一つ目。今から「きちんとやって結果を残す」である。大丈夫、まだ時間はある。必死になったときの人間は強い。一つで良い。小さくても良いので、いや小さい方が良い。君にしかできない何かを、きちんとやって結果を残すのだ。書くに値する事実を残すのだ。

やってきた→ この高校に行く → もっとやれる

という流れを作るのだ。

二つ目。やれなかったことを分析するである。あなたはやれなかったのだ。何がやれなかったのか分析するべきである。そして、やりきれなかったことが分かれば、次に生かせるのだ。

やれなかった。→ この高校なら → 今度はやれる

という流れを作るのだ。

                  ◆

二つの方法を行う場合、どちらにも必要なことがある。それは、「なぜあなたはこの高校なのか」という点である。そこで重要なのが東京都教育委員会が出している「本校の期待する生徒の姿」である。ここには、高校側が来てもらいたい生徒の姿が描かれている。たとえば、富士高校では、

本校の特色は、「日々の学習」と「特別活動(部活動・学校行事など)との両立にある。どちらの活動においても、伝統ある進学校にふさわしい、より高い成果が得られることを目標とする。以下の項目について中学で成果をあげ、入学後も引き続き努力できる生徒を期待する。なお、文化・スポーツ等特別推薦を実施する

として、以下に具体的に6つ書かれている。

この中の何か一つが、あなたの「やってきたこと」または「やれなかったこと」とつながるとき、あなたはその学校に必要な人物となるでしょうし、自分を発揮できる学校を見つけることができるのではないかと考えている。つまり、「自分と高校のリンク」を探すことが大事なのだ。

                  ◆

念のため、一つだけ禁句(きんく)を紹介しておきましょう。禁句、つまり書いてはいけない言葉は

「がんばりました」

です。

なぜかというと、この言葉は君が書く言葉ではなく、試験官が呟(つぶや)く言葉なのです。
君が「クラブを頑張りました」と書いてあっても、試験官はなにがなんだか分かりません。ですが、

「演劇部の部員として、一日30分ずつ週に5〜6日間、中学校3年間欠かさずに発声練習をしてきました。」

と何をしてきたのか具体的に書いてあれば、試験官は君の書いた自己PRカードを読んで、

「この生徒は頑張ったんだねえ」

と呟いてくれるのです。「頑張りました」は、君が書く言葉ではなく、試験官が呟く言葉というのは、そう言う意味です。

三年生は、今日から面談。午後、『面接ガイド』も参考に、内容を少し考えておこう。

(教科通信「志学」 NO. 32 より)

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コメント

池田先生、覚えてますか?和田中学校の太田です
自己PRカードの事を調べていたら
偶然このページにたどり着きました!!びっくりしました!!

言いたい事はいっぱいあるのですが、
とりあえず、
あ け ま し て お め で と う ご ざ い ま す
あとそっちの学校でも頑張ってください!!

でわでわこの辺で…


PS自己PRカード、記事を参考にさせて頂きます!!

いよう、太田くん。元気かい。
そろそろ、本番だねえ。
よく、私のページにたどり着いたね。

このページに来る人の検索ワードで確認してみると、「自己PRカード」をキーワードにしている人が結構いるんだよね。みんな必死なわけだ。

この文章は、今の高校一年生用に書いた文章だ。基本は変わらないと思う。じっくりと考えて丁寧に読みやすい字で(濃く、太く、大きく)書くことを心がけてください。

職員室には年末に私の方から送った北野天満宮のお札があると思います。みんなが自分を成長させることの出来る進路を選ぶことが出来ますようにと、願をかけてきました。体に気をつけて。良い結果が出ますように。

そして、三年の皆によろしく伝えてください。

いゃぁ、にしてもほんとにビックリしましたよ!!
開いたページに、

『京都橘大学文学部 池田 修』

っの文字があるんですもん!!エェェッ!?みたいな感じでした

自己PRカードはとりあえず下書きは書くことが出来ました。
あとはいろいろ先生型の添削も受けながら頑張って
清書していきたいと思います!!
ってなワケでPRカードも含めて受験頑張ります!!多分!!

自己PRカードを書き間違えてしまったのですがどうすればいいでしょう?

はい、はじめまして。
中学3年生かな。初めての人には、ご挨拶ね。

さて、都立高校受験の自己PRカードですね。
間違えた場合は、修正液等は使わないで新しい紙に書きます。新しい紙は先生に言えばくれるはずですよ。

いい自己PRカードが書けますように。

今、ちょうど高校受験の真っ最中です。
つい最近自己prカードを書けといわれたのですが、書く内容は以下のとおりです。
1、志望理由について
2、中学校生活の中で得たことについて
3、高等学校卒業後の進路について
です

僕は中学校で三年間、委員会などには入っていませんでした。
部活は1年生のときは理科部で、2年生は陸上部で、3年生では帰宅部でした・・・
大会にもでず、校外の活動もまったくしていませんでした。
書く内容がまったく浮かばず、困っています。
アドバイス程度でかまいませんので、コツなどお教えいただければ、幸いですヽ(´▽`)/

まったくしていませんでした。とありますが、そんなわけはないはずです。家で何をしていましたか? そこで自分が考えていたこと、やっていたことを紙に書き抜いてみましょう。20個ぐらい書き抜くこと。

そして、志望動機の理由書の文言を良く読んで、自分が考えたこと、やっていたこととリンクさせて、

やれなかった。→ この高校なら → 今度はやれる

の流れに乗せて書くようにしてみてはどうですか?

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