年の瀬に向かっている
さすが私である。本日から始まった高校の入試相談。東京の高校は、今日と明日とで私立の推薦試験の打ち合わせを終える。だが、財布を持たずに出かけてしまった。
電車には定期券で乗れたので、財布を忘れていることに気がつかなかった。降りる時になって、
(ない)
と気がついた。
ここで家に帰っていては、子どもの使いになってしまう。
そこで、
「すみません。財布を家に忘れてきてしまって差額が払えないんですけど」
と下車する駅で、定期券を見せながら話したところ、
「じゃあ、ここに必要事項を記入してください」
ということで、お金を借りることができた。
これで入試相談には間に合い、なんともなくすんだのだが、考えてみれば帰りの電車賃もない。
そこで、
「すみません、子どもたちは立派なのですが、私がおっちょこちょいで、財布を忘れてきてしまって。ちょっとお金を貸していただくことはできないでしょうか?」
と借りてしまった。
実に何とも情けない話であるが、さすが私である。
生徒に迷惑がかからなくてよかった。
◆
一日の仕事が終わった帰り道、見上げると月が出ている。
ああ、満月か。
いや、明日あたりが満月か。
今年の最後の満月だなあ。
いくつもの満月を今年も見てきたんだなあ。
天の原ふりさけ見れば
春日なる三笠の山に出でし月かも
百人一首 7 安倍仲麿
百人一首の指導に入っていることから、こんな歌を思い出してしまう。
季節は、冬じゃないような気もするけど、思い出してしまう。
そして、そうくれば自動的に
日は昇り 日は沈み振り向けば
何もかも移ろい去って
青丹よし平城山の空に満月
まほろば さだまさし
も出てくる。
なんか、年の瀬に向かっているのだなあと思った。
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