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2005/10/27

新しい本が出ました 『こんな時どう言い返す』

今日はもう一つ嬉しいことがありました。
私の二冊目の単著が今日できあがったのです。

本のタイトルは、『こんな時どう言いかえす ユーモアあふれる担任の言葉』です。
konnatoki

授業づくりネットワーク会員版に書いていたものをベースにしてできあがりました。

たぶん類書は無いと思います。
良かったらお求め下さい。

注文は、ここか、ここでよろしくお願い致します。

津川式を全ての担当生徒に教える

今日も嬉しかった。
漢字である。

私が担当する4クラスの内、二年生2クラスにも実施してみた。
見事に、9割以上の生徒が『津川式「超」記憶術』の例題に取り上げられている10個の漢字を覚えてしまっていた。

中には海外に長いこと住んでいて、漢字がほとんど駄目な生徒もいるのだが、これもうまくいった。記憶の仕方を教える前に、

『それじゃあ、いまから10個の漢字を言うから、書いてみましょう』

と事前に書かせてみたところ、件の生徒は、0/10であった。

『おーし、大丈夫だ。君のためにあるような記憶法だから、安心してやってみよう』

と励まし、やってみる。
その結果、10/10であった。念のため、授業の最後にもう一度書かせてみたら、やっぱり10/10であった。嬉しいねえ。

                  ◆

授業後、彼は相当嬉しかったのだろう、教卓の私のところにやってきて、
「先生、ありがとうございます。漢字がはっきり見えました。こんなの初めてです」
とわざわざ言ってくれた。
『そうか。じゃあ、家に帰ってお父ちゃんに報告しなくちゃな。心配していたから』
と私も嬉しかった。

確認して分かったのだが、この本の例題として扱われている10個の漢字は、中学校の第二学年で覚えるべき新出漢字であった。

中学校二年生が、中学校二年生で覚えるべき漢字を覚えたのだから、当たり前のことと言えば当たり前なのだが、そこがそうはいかないのが中学生。それが9割の生徒ができたのだから、嬉しい嬉しい。

良かった。

入試に出た300の漢字を覚えるぞい!

ということで、少しずつ試してみた結果、かなり効果がありそうだと言うことが分かったので、「津川式『超』記憶術」を使って、昨年の入試問題に実際に出題された、304字の漢字を覚えることにしよう。

この304字は、期末考査の試験範囲でもある。期末考査まであと一ヶ月ある。ということは、一日に10問ずつ漢字を覚えていけば間に合うのである。実際はもう既に30字近く覚えているのだから、大丈夫であろう。

今までは、授業の最初にこの記憶法に従って漢字を覚えて来たが、これからは授業中ではなく、君たちの勉強に任せたい。毎日こつこつとやることで効果が出るし、毎日やらないと300字が終わらないからだ。

ただし、覚えるためのプリントは用意した。最初に正しい漢字を見ないと、間違った漢字を覚えてしまう可能性があるからだ。毎日一枚(20字分)のプリントが集配棚に入っているので、朝の学活で配り、休み時間を使って帰りの学活までにやっておいてほしい。3Aでやってみたところ、20字の漢字を例の四つのステップ1 でやってみたところ、6分30秒ほどでできていた。クラス全体でこの時間だ。自分のペースでやれば5分程度だろう。帰りの学活までになんとかなるだろう。

そしたら、帰りの学活で国語係の指示に従って、30秒だけ使ってその日の内に行ったプリントの復習をして欲しい。漢字に○を点けた場所を確認するだけで良い。これだけで漢字を思い出すためのきっかけが、短期記憶から長期記憶に移りやすくなるはずだ。

ここまでをまとめる。


1)朝、集配棚からその日の内の漢字プリントを教室に持ってきて、朝配る。
2)帰りの学活までに、20問の漢字を覚えてみる。
3)帰りの学活で、国語係の指示に従い30秒で、○を点けたところの確認。


だ。すると、

4)期末テストの漢字の部分で、満点が続出

となることを期待している。

                  ◆

以下の写真は、君たちに配布する漢字ドリルプリントの一部である。

kanji


ちょっと説明しておく。
このドリルには、空欄が三つある。左から順番に「確認1」「修正」「確認2」である。

「確認1」は、○をして問題を隠して最初に書いてみる場所。
「修正」は、「確認1」で書けなかった漢字をもう一度書いてみる場所。
「確認2」は、5個まとめて書くときに使う場所。

というように作ってある。

漢字の採点で重要になる、漢字の止めや跳ねが書けているかどうかのチェックは、互いにプリントを交換して他人の目でやっておくと良いだろう。

そして、このプリントを持ち帰り、トイレの壁に貼っておき、寝る前にもう一度確認ですぞ。これで満点(のはず)である。

(教科通信「志学」 NO. 27 より)

2005/10/25

本の帯を作ろう

二年生は、「本の帯を作ろう」の単元を行っている。できあがった作品は、杉並区の『「本の帯」アイディア賞』に応募する。募集期間は10月31日(月)が閉めきりなので、ここになんとかして間に合わせよう。

教科書には1pしか説明がないので、授業では参考書を用意した。『「よのなか」教科書 国語 心に届く日本語』(新潮社 藤原和博編著)である。この中には、プロの本の編集者が帯の書き方を説明している部分がある。それによると、


 帯 = 小さな広告


(同著201p)であるという。
広告である以上、以下の点が大事になると言う。

1) 広告する商品の特性を理解している。
2) 広告の対象者の特性を理解している。

帯を作ることを頭に置いて簡単に言えば、1)は、「その本にしかない、優れた魅力」のことであり、2)は、「本を読ませたい人の傾向」である。今回は、中学生に読ませると言うことを前提にして作っている。

                  ◆

さらに、次の説明をした。広告として使われているパンフレットと帯は広告の種類として同じような特徴があるので、それを理解しようとするものだ。新聞にある広告を材料にした。いくつかの広告を比較して分かったことは、紙を使った広告には4つの特徴があることが分かった。

1)キャッチコピー
2)ボディコピー
3)ビジュアル
4)仕様

である*1 。基本的にはこれら4点が使われている。簡単に説明しよう。
広告は、商品を買って貰うために作られているわけだが、そんな広告も見て貰わなければ意味がない。沢山の広告のうち自分の会社の商品だけは見て貰いたい。そこで、お客さんが思わず見てしまうような仕掛けが必要になる。それが、1)と3)である。1)は普通大きな文字で書かれており、内容はなんだかよく分からないがお客に(おや?)と思わせるものになっている。また、3)は写真、絵を使って1)と同じ効果を期待して作られている*2 。

2)は、1)で目をとめさせたお客に、1)の説明をするために書かれる文章である。商品の良いところを丁寧に説明してある。4)は、買う気持ちになったお客に買うために必要な情報を載せてある。インターネットのアドレス、連絡先の電話番号、会社の所在地、商品の値段、サイズなどである。

                ◆

で、ここまで説明して、帯とは何かを説明したところで下書きを書かせてみることにした。が、どうもうまくいかないようだ。

そこで次の方法をやってみることにした。

・ イメージの花火

である。
思いつかないのは、アイディアがないのではなくて、引き出す方法・道具がないからだと考えてのことである。これらのものは、頭の中にあるアイディアを引きづり出すためのツールである。そういう意味では漢字の記憶方法の津川式に似ているなあ。

イメージの花火は、頭の中にあるものをどんどんだして、出し切ってから重要なものを絞り込むことが大事である。一人ブレーンストーミングと言っても良い。花火の外側に生み出された言葉は、中心のテーマから多少離れているので、キャッチコピーの言葉として適しているだろう。

さあ、内容の説明と作成の方法は説明した。あとは、君が作り始めることだ。

提出締め切りは、10/27(木)の朝。今回は5:00pmの提出も認める。

良い作品を期待する。

*1 これらを考えて作る作文のことを、コピー作文とも言います。
*2 自動車のCMでは、その車を買ってもらいたい人たちの青春時代に流行っていた曲を流すことで、テレビに振り向かせるという「キャッチソング」という手法を使っています。

(教科通信「志学」 NO. 26 より)

2005/10/24

トイレと睡眠の力 ー短期記憶を、長期記憶に落とし込むー

では、どうしたらいいのか。それは次号につづく(か?)

と勢いで書いてしまったので、考えてみたいと思います。
何のことかと言えば、津川式記憶術の私が考える弱点、つまり、四回時間をおいて記憶をするという部分の克服方法です。もう一度引用してみましょう。

なお、どのくらいの期間が「覚えている期間」かということですが、基本は、覚えてすぐに一回目、八時間〜一日以内に二回目、二〜四日以内に三回目、四〜一〇日以内に繰り返す時間を見つけてください。
『世界最速「超」記憶法』109p

おそらく、この二回目の「八時間〜一日以内に二回目」というのは、「寝る前に行う」と言うことも関連していると考えられます。

                 ◆

人間はなぜ寝るのでしょうか?もちろん、日中活動した身体を休ませるために寝るという意味もあります。ですが、人間の睡眠は他の意味もあります。それは、

記憶の整理

というものです。
養老孟司先生の「よのなか」科でのお話によれば、人間の脳みそは寝ている間も起きている間も使っているエネルギーは変わらないのだそうです。寝ている間に脳は寝ているのかというとそうではなく、昼間頭の中に入り込んできた膨大(ぼうだい・とっても量の多いこと)な情報の整理を行っているのだそうです。つまり、これはいる情報、これはいらない情報と分けているのです。

人間の睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」というものに分かれます。前者は身体を休ませていますが、脳みそは、浅い睡眠状態で記憶の整理をしています。このノンレム睡眠の状態に入っている人を観察すると、閉じている瞼(まぶた)の下の眼球が動いていることがあります。はい、この時多くの人は夢を見ています。
後者のノンレム睡眠は、大脳を休息させていると考えられ*1 、この繰り返しの周期が90分であることが分かってきています。

なもので、すっきりとした睡眠時間を確保するためには90分単位で考えると良いということなのです。例えば、朝の6時に起きたいと考える人は、12時半に寝るのではなく、12時に寝た方がすっきりと起きられるということなのです。

脱線1 では、睡眠をとり続けなかったらどうなるのでしょうか。
その時、人間の脳みそは、起きているのに寝ている状態を擬似的(ぎじてき・区別のできないほど、良く似ていること)に作り出そうとします。簡単に言うと、起きているときに情報の整理を始めるわけです。だから、聞こえないものが聞こえる幻聴や、見えないものが見える幻視が始まるのです。

脱線2 チャーチルの昼寝
イギリスの首相であったチャーチルは、どんなに忙しくとも昼寝を1時間取ったそうです。これは、寝ることにより体力を復活させることもありますが、それにより頭の中身を整理させる効果もあったようです。
最近では日本の高校(福岡県立明善高校)でも昼寝を推奨しているようです*2 。

で、遠回りをしてしまったが、寝ることが記憶の整理に繋がることが分かってくれたと思う。だから、寝る前に重要な部分を見直すことは大事なのです。

                  ◆

さて、そこで寝る前の復習方法である。津川式の復習は非常に簡単だ。見るだけだ。だから私は、わざわざそれだけ行う必要はないと考えた。ではどうするか。

トイレに学習したプリントを貼り、用を足しながら or 足した後に確認する

である。どうだ。
寝る前にトイレに行かない諸君はいないだろう。そのついでの時にやればいいのである。

授業で使ったプリントをトイレの壁に貼り続けていけばいいのである。そうすれば、三回目も四回目もできるぞ。

と書いて、私も中学生の時にトイレに貼っていたのをや思い出した。記憶、奥が深いなあ。

*1 『海馬/脳は疲れない』(ほぼ日ブックス 池谷裕二著)によれば、脳は疲れず目や身体が疲れるだけだともあります。脳が疲れていたら、人間は簡単に死んでしまうとのことでした。
*2 asahi.com 2005.8.30 昼寝15分で成績アップ? 高校で調査「能率上がる」

(教科通信「志学」 NO. 25 より)

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