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2006/01/26

「頭を垂れる」の「れる」は?

授業中に助動詞の「れる・られる」の説明をしていたら、
(う〜〜〜〜〜〜〜ん?)
という顔をしている男子生徒がいた。
『どうしたの? どこが分からないの?』
と聞いたところ、
「先生、【垂れる】はどうなるのですか?」
という質問があった。これは、非常に良い質問である。
どうして、良い質問なのかというと、助動詞の「れる・られる」に関して理解が始まっていないと出来ない質問だからである。そして、学習を進めると多くの諸君がぶつかる疑問を、質問にしているからである。

                   ◆

この質問は、文法の問題では中・上級の問題なので、今回は触れるつもりはなかったのだが、折角だから触れておこう。
まずは、前回の復習だ。

1_thumb


だから、

1) 濃霧に遮られて、先が見えない。
2) この岬から海峡が見られます。

とあったとき、1)は、「遮ら」+「れ」+「て」と単語に分けることが出来て、これは「五段活用動詞【遮る】の未然形」+「受身の助動詞【れる】の連用形」+「接続助詞【て】」と説明できる。
また2)は、「見」+「られ」+「ます」となり、「上一段活用動詞【見る】の未然形」+「可能の助動詞【られる】の連用形」+「丁寧の助動詞【ます】の終止形」と説明できる。

では、「垂れる」はどうなのだろうか?

                   ◆

「垂れる」は

3) 水が垂れる。
4) 頭を垂れる。

のように使う。この場合、3)の「垂れる」は、自動詞として働いていて、受身や尊敬の助動詞を使うことが出来ない。だから、他動詞として働いている4)で受け身を作ってみる。すると、

5) 先生は慰霊碑の前で、頭(こうべ)を垂れられた。

となる。これを1)、2)のように単語に分解すると、「垂れ」+「られ」+「た」となり、「下一段活用動詞【垂れる】の未然形」+「尊敬の助動詞【られる】の連用形」+「過去の助動詞【た】の終止形」となるのだ。

つまり、「垂れる」は、もともと単語の中に「れる」という言葉を含んでいるのであって、助動詞の「れる」とは関係ないのである。だから

問 「頭を垂れる」のれるは何でしょうか?

とあった場合、「下一段活用動詞【垂れる】の活用語尾」と答えるのが正しいのである。あんだすたん?

                   ◆

とまあ、ここまで説明してもさらに分からない生徒諸君が多いようなので、次の国語の授業では、「文法大質問大会」を行う。

質問用紙に質問を書いて、国語係りに提出してください。1年生のところからでも良いよ。

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コメント

>4)で受け身を作ってみる。すると、
    ^^^
5) 先生は慰霊碑の前で、頭(こうべ)を垂れられた。

以下の説明にあるように、ここは受け身ではなくて、尊敬ですね。

イクトスさん、ありがとうございます。
受け身で説明を作ろうと思っていて、
途中で尊敬に代えてしまったんでした。
明日学校で訂正します。

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