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2006/03/06

エスカレーター下り上りの法則

勉強については、「湯船の法則」を四月の段階で教えた。これは、「閾値(いきち)」という考えを説明したものだ。勉強というのは、やってもやってもできないもので、ある瞬間突然できるようになる性質のものであるということを説明したものである。

さて、このことはこの一年間で実感できたであろうか、また、この期末考査で実感出来たであろうか。

で、この「湯船の法則」の他に、もう一つ勉強に関する真理(だと思うが)を話そう。それは、「エスカレーター下り上りの法則」である。

                   ◆

仲間を見ていて、勉強のできる人はいつも勉強ができると思う事はないだろうか。(なんであいつはいつもいい点数なんだろうか?)と思う事があるだろう。これには答えがあるのだ。

「湯船の法則」では、湯船からお湯が溢れる瞬間が解る瞬間と説明したが、もうちょっと詳しく言うと、分からないところを学んでいる時は、下りのエスカレーターを下から上っている状態ということが言えるのだ。

良い子の諸君はやっては行けない事だが、それでも君たちもひょっとしたら小さい頃いたずらでやった事があるかもしれない。上から下に向かって降りてくるエスカレーターに乗り、上に向かって駆け上がることである。上にたどり着くには相当のエネルギーを必要とする。一気に駆け上がらなければならない。途中で(はあ、疲れた)と休んでしまうとまた元の位置にまで戻ってしまう。

これが勉強ができないでいる諸君の現状なのである。一気に駆け上がらなければならない時は、駆け上がらないと、元の位置にまで戻されてしまうのである。そして、精神的にはかえって疲れるのである。
(俺は、やってもダメだ)
と。

エスカレーターで下から上るとき、1階から2階にきちんとたどり着けば、下に戻される事はない。これは勉強で言えば、学習内容を納得した状態であり、できるようになった状態である。この状態を作りながら、1階から2階。2階から3階へと駆け上がっていくのである。そうすれば、ちょっとずつ休みながら確実に上に上っていけるのである。

ところが不思議な事があるのだ。湯船の法則で示したお湯の溢れる瞬間になると、エスカレーターの場合は、下りだったのが急に上りになるのである。その瞬間から、流れが逆になるのである。そのままの勢いで駆け上がるとどんどん上に上る事が出来るのである。

エスカレーターが上に向かって進んでいるのだから、思いっきり駆け上がらなくても「足踏み」をしているだけで上に上っていくので、余裕を持って勉強する事が出来るようになるのである。勉強のできる人というのは、下りのエスカレーターを上ってはいないのである。

だから、勉強ができる人はどんどんできるようになり、出来ない人はますます出来なくなるのである。さらに、下りのエスカレーターのスピードは、学年が進むにつれてどんどん早くなってくるのだ。そりゃあそうだ、勉強する内容が増えるのだから。

そうだとすれば、君たちには一刻も早く上りのエスカレーターに乗ってほしいと思う。そうすると見える景色が違ってくるだろう。

                  ◆

(そんな馬鹿な)
と信じられない人もいるかもしれないが、私だって多少は勉強ができるようになった経験はある。その時はなんだかよくわからなかったが、その時の経験をまとめるとこのように説明できるという事なのだよ。

いや、君だって記憶にないだけで経験はしているんだよ。君が歩けるようになったとき、君は何回も転がっていたんだよ。自転車に乗れるようになった時だって、何回もこけたんだな。下りを駆け上っていたんだよ。でも、忘れているだけなんだよ。

勉強で苦しんでいる諸君よ、一気に駆け上がってほしいなあ。そして、足踏みをしているだけで勉強ができるようになる快感を味わってほしいなあ。

しかし、このエスカレーターは波があって、上りだと思っていたら実は下りに変わっている事がある。ここには注意すること。その時には、また一気に駆け上がるべし。老婆心ながら伝えておく。

(教科通信「志学」 NO. 52 より)

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