感想文と小論文の違い 1
三年生は感想文と小論文を書き、二年生は感想文を書くこの一年であった。二年生の諸君の来年は、今まで以上に文章をたくさん書く事になるだろう。予習として感想文と小論文の違いをまとめておこう。
まず、感想文も小論文も、どちらも作文であるので、共通項がある。
そこから説明しよう。
【共通項1 読者がいる】
私は当たり前だと思うのだが、この読者がいることを理解しないで書く人が少なくない。あなたが書いている文章は、誰が読むのか、誰に読んでほしいのかということを理解しないで書いているのだ。ここをまず、しっかりと考えよう。すると、次のことが導かれる。
「あなたが書きたい文章を書くのではなく、読者が読みたい文章を書く」
ということである。ま、実際はあなたが書きたい内容の中で、読者が読みたいであろう部分に絞って書くことになるのであるが、読者がいるということをきちんと意識することが大事である。
となると、さらに
「濃く、太く、大きく」書く
ことが大事になるのだ。これは、筆記用具が鉛筆の時に言えることである。君たちは実際にはワープロで書くことがほとんどになるが、読み手が読みやすく書くということには変わりない。フォントの種類や大きさ、レイアウトなども考えて書くのだね。
【共通項2 書くためのステップがある】
これは、
1)ネタだし、ネタ集め
2)構成
3)執筆
4)推敲
という四つのステップを踏んで書くという事である。
【共通項3 書くためのフォーマットがある】
感想文は、
1)クライマックス(出来事の山場、一番感動したところ。会話文で入ると良い)
2)説明
3)感じた事
の順番である。たとえば、
1)(あ、いかんいかん。ここで泣いてはいかん)
2)三年生が指揮者に体を投げ出すように歌っている。中学校生活最後の歌、卒業式の合唱だ。3)これで彼らが和田中学校を本当に終わるのかという実感はまだないのに、彼らの歌でそれが迫ってくるのを感じた。
のようにである。
小論文は、
1)序論 何が問題なのか、なぜ問題と思ったのか、問題の定義などを述べる。
2)本論 問題はどのようにしたら解決するのか、その良さは何かを述べる。
3)結論 まとめるとどういう事なのかを述べる。
の順番である。たとえば、
1)電車の優先席は、若者の心を育てないという問題がある。優先席があるのだから、年寄りはそこに座れば良い。普通の析の前に年寄りが立っていても関係ないと思う若者がいるのである。少子高齢化社会が進む中でこれは深刻な問題である。
2)この問題を解決するには、電車の優先席を廃止することで、どの座席であってもお年寄りには優先席に座らせるのだという気持ちを育てる事が大事である。
3)これが若者に優しい気持ちを育て、少子高齢化社会に良い効果を与えるのである。
という感じである。実際はここにデータを付け加えて、もっと丁寧に説明していくのであるが、流れとしてはこういう封に書くのである。
それでは、違いである。違いも二つある。であるが、それは次号に続くのであった。
(教科通信「志学」 NO. 57 より)
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