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2006/04/21

「大きな声」の意味

昨日の授業では、教師にとっての声について考えてみた。国語科教育法ではあるが、授業の基礎として教師に必要不可欠な声を理解する事はかなり大事だと思う。

本当は、板書の基礎技術と一緒にやる予定だったのだが、声だけで授業の指導案が90分ぐらいになってしまったので、後半の板書は次週に回す事にして授業に臨む。しかし、それでも足りなかった。あれもこれも話しておきたいと思うので、足りなくなってしまうんだなあ。精選が必要だ。

            ◆

この授業は大学の3.4年生に教えている。そこで、先週

「強制ではありませんが、できれば、スーツ等を着て授業を受けると良いですよ。一週間に一回でもスーツを着る習慣を身につけておく事が、就職活動をするにも教育実習をするにも良いと思います。スーツに着られているという感じではなく、スーツを着るという感じになるには割と時間がかかるものです」

と話したところ、1/3ぐらいの学生がそれらしいスーツを着て参加していた。こういう素直さが京都橘大学の学生の良さであろう。その素直な心を持ちつつ、ひねくれてしまっている生徒にきちんと立ち向かえる指導力を身につける事ができたら、鬼に金棒だろうなあ。

            ◆

この授業で学生達が印象的だったのは、なぜ大きな声が必要かということであったようだ。
大きな声は叱るときに必要、遠くにいる生徒に声をかけるときに必要とか言っていたのだが、それは違うと話した。

引用開始 ーーーーーーーーーー

今日の授業で一番印象に残ったのは、大きな声は危険・緊急の時に必要だということです。

引用終了 ーーーーーーーーーー

教師の力は、「人格の力」「指導の力」「管理の力」の三つが必要だと看破したのは家本芳郎先生である。その中の「管理の力」は、生徒の健康と安全を守る力である。

大きな声は、生徒の安全を守るために必要なのである。

「危ない!」

の一言で、教室中の生徒全員が体の動きを止めるぐらいの大きな声が出せなければならないと思う。とっさの時の大声である。

遠くにいて声が届かない時は、こっちに呼んで話せば良い。来なければ自分で歩いていけば良い。さらに、高いところから話す、生徒を座らせるなどをすれば、小さな声でも事が足りる事がある。しかし、生徒の危険を大人としての教師が察知した時に、瞬間的に止めるのは「大声」しかない。

その声を出せる事が、教師として仕事をする際に必要最低限であり、かなり重要な声だということを扱った。

その上で、明瞭な声、明るい声で話すことの意味と方法、声の出し方、話し方と講義を続けていくうちに時間切れとなってしまった。つづきは来週である。来週も時間切れになりそうな木もするが。

            ◆

授業を終えて、急いで京都駅に向かう。家に戻りスーツケースを抱え地下鉄に乗り込む。予定していた新幹線には乗れなかったが、まあ、指定席が確保できたからよし。

新幹線の中で軽い夕食をとり、授業のアンケートを読みながらコメントを打ちつつ移動。寝ようかと思っていたのだが、気がついたら新横浜。品川下車の予定だからそのまま起きてしまった。

             ◆

半月ぶりの東京。
そりゃあ、生まれてこのかた東京暮らしをしているのだからまだまだ帰ってきたという感じである。「宇宙戦艦ヤマト」の
「地球か。なにもかもが美しい」
とまではいかないが、美しく見える。

京都は古都の景観を守るために、ビルの高さ規制があり、高層ビル群がない。だからビルの明かりによる夜景がない。そこが違うんだろうなあ。というか、そういうビルの夜景の美しさに慣れて生きてきたからなあ。

山手線、京王線と乗り継いで自宅に戻る。
ああ、やっぱりいいなあと思ってしまう。

一間のマンスリーマンションとは違い、3LDKの我が家は広い。
そして、出窓から見る景色は広々としている。

軽くお茶を飲み、景色を味わって寝た。

             ◆

さて、今日の午後は和田中学校の離任式である。
何を話そうかなあ。
まだ、考えていない。

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コメント

 久しぶりに中学校国語科・学級経営のページを開いたら、京都橘大学という文字を見つけ、blogをのぞいてみると、東京の中学校で働いていらっしゃった先生が、母校で働いていらっしゃると知り、とても驚きました。先生のblogを拝見していると、椥辻や醍醐などの懐かしい言葉を見つけ、いてもたってもいられずコメントを書いています。
 学生時代、私は教職課程を履修していました。(現在24歳)もちろん、国語科教育法もです。現在、地元の中学校で講師2年目を迎えています。2年連続で担任を持たせていただき、忙しく楽しい毎日を送っています。大変なこともありますが、この仕事を選んで良かったなぁ・・・と毎日思っています。
 私の後輩が、教師になるために頑張っているんだなぁ~と思うと、顔も知らない後輩だけどうれしく思います。教員採用試験を今年は受けようと思っています。私も後輩に負けないように頑張らなくては!!!
 では、またお邪魔させていただきます。

はじめまして、池田です。
そうですか、京都橘大学ご出身ですか。
びっくりしましたでしょ、いきなり久しぶりに見たHPの作成者が母校に勤務しているなんて(^^)。

椥辻って、普通読めませんよね。でも、知っている者にとっては明らかに郷愁を誘う地名ですよね。

国語科教育法は梅本先生に習いましたか?
私の授業は木曜日の5限です。学校の都合がつくことがあればお越し下さいね。

また、今年採用試験を受けるとの事。ぜひ、頑張って下さい。学生支援センターなどには情報もありますので、私の授業以外でもお越し下さい。また、時間があったら、研究室でお話ししましょう(^^)。お茶ぐらいはあります。

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