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2006/07/08

教育実習報告会

国語科教育法の授業の後、教育実習報告会があった。4回生が3回生に対して自分の実習の経験を語る会である。

私の大学の時はこんな良い会はなかったなあ。いや、あったのかもしれないけど私は出なかった。いや、あると分かっていても私は出なかったかもf(^^;。

しかし、良い会であった。

私が報告をする4回生に事前に伝えておいた内容は次の事である。

引用開始 ーーーーーーーーーー

話してほしい事は、

1)実習に行く前にやっておいて良かった事
2)実習中にもらった言葉とその説明
3)実習を通して得た自分の課題

それに研究授業の指導案を持参すること

引用終了 ーーーーーーーーーー

発表する4回生は初めて話す学生諸君だったので、実習前と比べてどのように成長したのかは私にはよくわからないが、それにしても
(ああ、実習を通して成長したんだろうなあ)
と思わせる話し振りであった。集団に対して話すという経験を経てきているというのが分かる話し方であった。

私は一人一人のスピーチに対して、会場から質問を促し、私の方で補足説明をしと司会の役をしていた。

4回生の発表で印象的だったものを記そう。

「聞く事が大事です」

指導教官から貰った言葉。生徒指導では、どうしても教師は話したくなってしまうのだが、基本は聞く事なのだ。これが出来るようになるのは時間がかかる。中学での実習中、授業の前に突然始めた喧嘩を止めに入った先輩は、指導しつつも生徒の言い分を聞いた。これが、あとあとの指導に大きく影響したと話していた。

難しい判断である。
「授業を遅らせてまで生徒の話を聞くことに意味があるのか。授業が大事でしょ」
と言われればそれも一理ある。指導教官の考え方や学校の生徒指導方針によって、実習生が行った指導は正しくもなり、悪くもなる。

だけど、どうしようと考えている時間は現場にはない。なんて言ったって目の前で起きているんだから。ここは腹を決めて、(私ができる指導方法の中で、どうしたら生徒の為に一番良いのか)を直感で選び、やるしかないのだ。現場の先生だってそうしている。

この瞬間の判断力を鍛えるのは、経験である。しかし、君たちには経験がない。だから、人間との関わりを増やし経験を重ねる事、また、教育関連の本を読み本の事実をあなたの経験の一部に加えるのだ。

「あなたのような下手な授業でも懸命に聞こうと思っている生徒がいるのよ。だから懸命に授業をしなさい」

これも指導教官から。厳しくもありがたい言葉だ。そうなんだな。子どもたちって優しいんだよ。
「分からないのは、オレが頭が悪いからだ」
と自分を責める。そうじゃないって、教え方が悪いから理解できない授業というのだってたくさんあるのに、自分を責めるんだ。

だから、教師は厳しく自分の授業を磨かなければならないのだよ。

これを繰り返す事が、「教えたいという教師と学びたいと言う生徒の美しい関係」を作ることになるのだね。

「先生、来年この学校に返ってこいよ。オレが甲子園に連れて行ってやるから」

泣けるねえ。男の生徒ってのはガキだけど、かわいいよな。こういうこと平気で言えるから。頑張って教師になるんだぞ。

また、自分が得た課題と言う事では、共通して出ていたものがある。それは、「知識が足りない」ということである。

昨日の私の授業で能の話になり、私はちょっとだけ謡をやってみせた。
諸君は、驚きながらもニヤニヤ笑っていた。
(先生、良くやるなあ)
ってな感じだろうか。

まあ、それはそれで「良い」。まだ君たちは学生なんだから。だけどね、君たちは先生になるんだよ。能の話を授業でする時に、ちょっとでもいいから生徒の目の前で能を演じられる事が大事なんだよ。生徒の
(先生、良くやるなあ)
(恥ずかしくないのかな?)
(おかしいんじゃないの?)
という視線を受けながら、それでも少しでも理解をさせるためにやるんだよ。

で、実習生の言葉だ。自分の知識が足りないと言っていた。諸君に聞いてみたら京都の大学にいながら能を一回も見た事が無いとのこと。これじゃあ、とてもじゃないが生徒に能の事を授業で語る事なんて出来ないぜ。知識が足りなさすぎる。

「毎朝の学活で話す事柄が無くて困った」
「説明すれば説明するほど生徒が分からなくなっていったのを感じてしまった」
「言いたい事はあるのに、それを説明する言葉が見つからなかった」

これらは、すべてがそうだとも言えないが、基本的には知識量のなさから来ている事だ。

じゃあ、どうしたらいいのか。先輩達は口を揃えていっていたね。
「もっと本を読みます」
と。
そうだな、それが一番良いと思うよ。

どのぐらい読むのかって?
んーん、そういう質問はねえ。君がどのぐらいの読書量をしてきたのかにもよるけど、ちなみに私は常に5〜10冊ぐらいは同時進行で読んでいるよ。

何から読む?
んーん、これも同様の理由で難しいが『<教育力>をみがく』(寺子屋新書 家本芳郎著)は、私の授業を受けるのには必読書だね。

さらに、三回生の諸君は宝物をもらったはずだ。それは研究授業の指導案である。諸君はその指導案がなんで宝物なのかがまだ分からないだろう。

だが、やがて分かる。諸君が実習中に研究授業をやるときに必ず書かなければならないのが、その指導案である。

国語科教育法2の授業で私が指導する事になるが、ある程度書けるようになってから教育実習に行かないと、実習先で辛い事になるぞ。

私達は研究授業の当日には行く事もあるが、君たちが指導案を書いている時は、側にいられないからな。だからその時に、先輩から貰った指導案が宝になるのだ。

面白いと思った指導案を、一度書き写しておくといいだろう。書き写す事で細かい事が理解できるはずだ。

先輩達は、しっかりと君たちに伝えるべき事を伝えてくれた。三回生の諸君、一年後は君たちの番だな。期待している。

(教科通信 修学 NO26、7より)

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