『2005年のロケットボーイズ』
夏の楽しみと言えば、仕事関係ではない、楽しみとしての読書をすることが挙げられる。
国語の教師をしていると、どんな本を読んでいても
(を、これは、教材として使えるぞ)
なんて妙な職業意識が出てきて、本そのものを楽しむことがなかなかできない。ので、私は楽しみの読書は授業の無い時にするようにしているのだ。
◆
『2005年のロケットボーイズ』(五十嵐貴久 双葉社)を読み終えた。
前作の『1985年の奇跡』でも十分に楽しませてもらったのだが、今回も安心して楽しませてもらった。パターンとしては特別に新しいものがあるわけでもないが、それだけに安心して、2005年という時を楽しめた。
本当は、お気に入りの日野市の市民プールのプールサイドで、この物語のラストを読み終える予定で読んでていたのだが、例によって後半戦の盛り上がりに、読むのを自制することができず
(えい! 読書ってのはこの盛り上がりを楽しむ為にあるんじゃないか。いま、読み切らずに我慢してどうする)
と思い、結局読み切ってしまった。
満足。
◆
私は国語の教師のくせに小説はあまり嗜まないのだが、物語は好きである。だが、人生の厳しい部分を小説で問いかけられても、ちょっと待ってくれ。そんなこと言われてもと思ってしまうのだ。
物語の展開、エンターテイメント性になら、私の時間を注ぎたいとは思うが、辛いことを文字に表しているものを、なにも読まなくても良いんじゃないかと思う。そうです、私はホラー映画を見る人の気持ちも分かりません。何もお金と時間をかけてわざわざ怖い思いをするのは、私には理解できません。
私が能天気だからだろうかf(^^;。
◆
『2005年のロケットボーイズ』。これだけ楽しめて1600円は、十分安いと思う。
夏の一冊にどうぞ。
感動の多い一日だった。
さあ、寝るか。
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コメント
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どうも、五十嵐貴久です。本人だったりします。
感想、どうもありがとうございます。
さて、そんなこんなで私の新刊「パパとムスメの7日間」が、このたび朝日新聞社から発売されました!47歳のパパと、17歳のムスメの体と心が入れ替わって起きる大騒動を描いた話でございます。よかったら、試しに読んでみていただければ嬉しいです。ではでは。五十嵐貴久でした。
投稿: 五十嵐貴久 | 2006/10/09 21:12
でえ・・・・・・!
ご本人ですか?
こりゃあ、初めまして。
いあや驚きです。
なんで私のブログにf(^^;。五十嵐さんの本を紹介している他のブログには登場されていませんのに。
私も高校・大学時代を井の頭公園近辺で過ごしていたこともあり、『1985年の奇跡』から非常に楽しく読ませて頂きました。いまでも成蹊大学には研究会の会場でお世話になっています。
『1985年の奇跡』は、映画にならないのでしょうか?ラストシーンは、映画にぴったりだと思うのですが。おニャン子クラブを聞きながら、映画で泣きたいです。
新刊のご紹介ありがとうございます。
さっそく生協から取り寄せてみます。
ではf(^^;。
投稿: 池田 修 | 2006/10/10 05:15