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2006/09/30

今月の歌詞 9月 真夜中のテニスコート

曼珠沙華も色が落ちてきたし、長濱浪漫ビールは「秋エール」を売り始めたし、部屋の中でランタンを点けても暑いと感じなくなったし、入道雲はすっかり減ったし、もう秋なのは分かる。

だけど、今はこの歌を聴きたい。

            ◆

真夜中のテニスコート

むせるほどの緑の風を金網越しに吸い込めば
闇が昨日を連れ去るように少女達の姿も消えた

昔ここで別れた人を思い出してしまうのは
さっき飲んだカンのビールが乾いた目を潤したから

遠い遠い時間の中へ心は帰って行くけど
着慣れたブルーのTシャツ捨て去る時が来たのか


水銀灯照らすコートでただ夢中に追いかけた
いつもそれは男にとって他愛もなく素敵なことさ

遥か彼方光の中へ無くした何かが悲しい
それでも傷跡かくして見えないものを追うのさ

            ◆

作詞は珍康化で、作曲と歌は濱田金吾である。80年代の上質のAORの代表であった。
残念ながら、浜田省吾に名前がそっくりだったので、私が
『濱田金吾がいい!』
と言っても誰も理解してくれなかった。

しかし、今は良い時代だ。
同好の士が簡単に捜せる。
インターネットでね。

そうだよ、やっぱり濱田金吾は最高だよ。

            ◆

時代はこれからバブルに向かう頃であり、今から思えば妙な熱気が街に溢れていたのを思い出す。246号、青山通りを訳も無く夜通し歩き続けたのは、この頃である。あれは若さの馬鹿野郎が私を歩かせただけではなく、時代もそうだったのだと思う。

私もあの時代に生きていたものとして、多少はテニスができる。
当時の仲間達とテニス合宿なるものもした覚えがある。
昭島や千葉だけでなく、軽井沢だってテニスをしに行ったのものだ。

若いときには、夏の日差しのきつい午後だって平気でテニスができたものだが、たまにナイター料金を払ってやる夜のテニスは、少しゆとりのある大人になった感じがして、なんとも言えないものであった。

そして、
(少年時代は過ぎ去ってしまったのだなあ)
とサーブの練習をし続けながら思った。

それは、
夏なのに、
思い切り動いても気持ちの良い汗しか出ない、
真夜中のテニスコートであった。

2006/09/29

特別活動論最終課題提出締め切り日

特別活動論の最終課題の提出締め切り日が今日であった。
受講生の9割の以上の学生がこの課題に取り組んだことが分かった。
これから出席、提出物、課題などを元に、成績をつけることになる。

学生用の掲示板には以下のように書いた。

引用開始 ーーーーーーーーーー

課題提出ご苦労さんでした。
初めての経験だらけで大変だった部分もあったことでしょう。
しかし、多くのことを学んだのではないかと思う。

だた、実際はまだまだ多くのことをしなければならないのは、分かるかな。

実踏計画、実踏(本当は、施設の人との打ち合わせ、旅行代理店の人との打ち合わせもあるのだが、今回は、相手のことを考えて割愛したのは、理解しておくように)、実踏報告書は、遠足の教員側の担当者の準備であり、この先に、実施学年での細かいスケジュールの打ち合わせ、職員会議での学校全体への周知、保護者会での説明、教育委員会への計画書の通知がある。

生徒への指導では、学活での実行委員会決め、クラスの係決め、班長の選出、実行委員会の指導、栞作りなどがあり、やっと実際の遠足本番を迎えるわけである。

もちろん、帰ってきてから、遠足のまとめをクラス、実行委員会レベルで行い、保護者への会計報告、教育委員会への実施報告、文集作りと行うのである。

これらは、晴天で、生徒指導上も身体的にも配慮することの無い生徒ばかりで、当日事故が発生しなかったときに行われる非常にありがたい遠足の場合である。つまり、この課題は、宿泊を伴う行事のうちの初歩の一部であるということが分かっただろう。二泊三日の修学旅行となるとどういうことになるか、想像してみると良い。

            ◆

諸君の感想を読んでみて、多いのが

「計画通りでいいと思ったら、実際に行ってみたら違っていた」
「一人で行くのと、集団を動かすのは違うと思った」
「こんなに大変だったんだ。今までの先生に感謝したい」

というものであった。
生徒の立場で見える景色と、先生の立場で見える景色は、同じものを見ていても全く違うということに気がついたのようなので、良かったと思っている。

なぜ、これらの計画を立て、実踏をするのか。
それは、安全に子どもたちの活動を保障するためである。自信を持って子どもたちに学ばせるためである。
学校内の活動では、子どもたちの安全を守るためにさまざまな手だてがとられている。しかし、外での学習となれば、その安全のための手だてを一時的に手放すことになる。だから、念入りにやるのである。

正直なところこの実踏には、正解はない。正解は無いが不十分な実踏というものはある。また、正解は無いが、質の高い実踏というものもある。本番や本番に至るまでの子どもたちの学習と安全を保障するために、まずは十分に準備を行うのである。

今回の実踏の課題は、場所を公園に指定し、比較的安定した場所を選んだつもりである。初心者向けの場所だ。
しかし、中級、上級となるともっと大変だぞ。
私の経験でも、山の中でオリエンテーリングをさせる時には、子どもが迷子になりそうな細い道は、その道がどこまで続いているのかすべて確認したし、養護学校で遠足に連れて行く時は、トイレの場所の確認だけでなく、トイレの扉を開けて子どもが落ちないかどうかも確認するとのことであった。

教師が子どもを引率するということは、そういうことなのである。

            ◆

「子どもたちが、この計画に従って楽しく学んでくれたら嬉しいと思う」

という感想もあった。

そうだね、それが教師の喜びの一つだ。
来年度、一年生が入ってきたら是非、貴方のその計画で岡崎公園を案内してあげてください。
そのとき、貴方が成長していれば公園はまた別の姿で貴方の前に現れ、去年は気にもしなかったところに気がつくようになっているはずです。

課題提出、ご苦労さんでした。
私はこれから評価に入ります。
じっくり見ます。
心して待つように。

p.s.1 蛇足ながら、君たちが私に言う言葉は「おつかれさまでした」「ご苦労様でした」ではないよ。
このところ、私が大学から帰る時に声を掛けてくれる諸君がいるが、そういうときは、「おつかれさまでした」「ご苦労様でした」ではなく、「ありがとうございました」とか「失礼します」ですね。アルバイト言葉ではない言葉も使えるようになりましょう。

p.s.2 さらに蛇足ながら、この特別活動論は教職を(なりたい程度の違いはあるだろうが)目指している諸君が受講しているはずだ。公衆道徳ぐらいは守れなければならない。学内を見ていて、私が気になるのは、

・ ベンチの上に土足で乗っている。(足を折り曲げて)
・ 指定の場所で喫煙をしていない。
・ 静寂な図書館にも関わらず、ヒールの音が響いている(特に階段)のに配慮の無い歩き方。

受講生で心当たりのある諸君は、厳重に注意されたし。教師になる資格なしと判断されても仕方が無いぞ。

引用終了 ーーーーーーーーーー

そうなのです。
先生は、授業の前後、試験の前後、課題提出の前後が勝負なのです。

さあ、やっぞ。

2006/09/28

教材論と指導論に入って行く

通常の授業が始まった。
シラバスとにらめっこで、一週間かけて最終調整をしながら授業をつくるの日々が始まった。
90分一本勝負である。
今日の授業は「国語科教育法2」だ。
教材論と指導論に入って行く。

            ◆

国語の授業が子どもたちに人気のない事実から入る。
国語の教師を目指すぐらいだから、私の教えている学生達は国語が好きである。少なくとも嫌いではない。しかし、教室にいる子どもたちは、「国語が嫌い、苦手、できない、無関心」である子どもたちが多い。この状況にどう取り組んで行くのかである。

ここは、私のここ数年のテーマである「国語を実技教科にしたい」の主張を展開しながら行った。学習ゲームとワークシートの話が中心になったが、その理論と実践を投げかけた。

先週行った楢原中学校の三年生に向けての模擬授業がいい体験となって、学生の頭の中で理論と実践が結びつきながら理解が深まってきているようで嬉しい。

これを受けて、後期は実際にやる部分をどんどん増やす予定だ。
折角の京都橘大学の少人数の授業である。ゼミのようにどんどんやって行く。そのことを通信に書いた。

引用開始 ーーーーーーーーーー

楢原中学校の模擬授業、ご苦労さんでした。授業をつくるということを具体的に体験できたのではないかと思います。

思ったより上手くいかなかった人、それなりに出来た人、色々でしょうが全部ひっくるめていい体験であったと言えるでしょう。感想を三人ほど。

            ◆

今回準備時間が短く、不十分な点がありました。やはり、前もった準備は大切だということが分かりました。5人で分担・話し合いをして、やっと50分程度の授業ができたのに、これを一人でやるかと思うと頭がパンクしそうです。授業をしてみて、真剣にメモをとってくれたり、「楽しかったです」と言ってくれた生徒がいて、(やってよかった〜)と思いました。それと同時に、生徒に興味を抱かせる導入の仕方・ざわついている時の対応の仕方・授業に参加していない生徒をどうやって参加させるかなど、勉強しなければいけないことも多く見つかりました。

            ◆

池田先生が「授業は性善説で考えるんじゃなく、性悪説で考えたほうが良い」とおっしゃっていたことがよくわかりました。
わかっているはずの質問に答えてくれなかったり、予想していた答えとは違う答えがかえってきた時はすごく焦りました。その時は班の人たちに助けてもらいましたが、教師は助けてくれる人がいません。生徒から予想していたのとは違う反応がかえってきた時の時の対策をしっかり考えることが大事だとわかりました。

            ◆

今回グループで30分の授業をやりましたがとても疲れました。一人で50分やれるのか不安です。
やりながら自分自身すごく授業時間が長く感じました。たぶんそれはほとんどの生徒が「退屈だ」と思うような授業にしかなっていなかったのと、生徒を動かす技術が自分にはまだないからだと思います。
でも、昨日は本当に精一杯やったし、今の段階ではあれ以上できないので今後努力したいです。

            ◆

三回生の前期でこんな経験をしている学生は、全国を見渡しても本当に少ないと思います。体験したこと、そこから課題を得たことを大切にして行きましょう。

さて、後期は前期に得た知識、また模擬授業で得た課題を元に、実際に授業をつくるレッスンを指定校と思います。3回生の後期が終わると、当たり前ですが諸君は4回生になるわけで、すぐに教育実習が待っていると考えていいでしょう。

四回生の国語科教育法で自分の力不足を感じても、取り戻す時間はあまりありません。三回生の後期だからこそ、具体的に授業をつくり、ダメだったところを取り戻す努力ができると思っています。そういう意図で国語科教育法2の授業を構成していますので、しっかりと取り組んでください。(付いてきてくださいと言っていないことに注意)

            ◆

で、後期に君たちにやってもらうことをザッと挙げておきます。

語りのテスト
学習ゲーム
 対義語でポンなど
学習指導案づくり
模擬授業
定期考査作りパート2
メディアリテラシー
 ブログ
評価から評定へ

資料集作り
人生名言集
短編問題集
メディアリテラシー
 デジタルストーリーテリング
 一枚の写真から
 メディア断食

多少の変更はあるとは思うが、このぐらいはやるであろう。1から7が授業中のレッスン。8から11が課題になる予定です。

しっかりと取り組んでください。

教科通信 『修学』(9月 28日 NO. 34)より

引用終了 ーーーーーーーーーー

さあ、明日は特別活動論の最終課題の締め切り日である。学生諸君、12:30pmが締め切りだからね。くれぐれも指定した書式で、指定した時間までに提出するようにね。でないと、評価できませんからね。

うしゃあ。

講座案内 10/7,8

児童教育学科開設記念シンポジュームでお世話になった、
土作先生と赤坂先生が再び京都の地で講座を担当されます。
今度は、実際の小学生相手に行います。

私は残念ながら、10/8に本年度最後のオープンキャンパスのお仕事があるので厳しいのですが、
学生の皆さん、是非足を運んでみてください。

引用開始 ーーーーーーーーーー

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  野口芳宏先生の国語,佐藤幸司先生の道徳 他,
      児童相手のリアル授業が見られるイベントです!!
      とっておきの道徳授業&学級づくりセミナー 京都大会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●日時 2006年10月7日(土)午後1時00分〜午後4時30分
         10月8日(日)午前9時30分〜午後4時40分
第1日目 10月7日(土)
 講座  渡辺尚久先生「七つの習慣」実践発表+実践のためのポイント
     赤坂真二先生「学級状態分析法」アドラー心理学的見地から
第2日目 10月8日(日)
  ☆京都教育大附属小5,6年児童対象の研究授業
  授業者  野口芳宏先生(国語)  佐藤幸司先生(道徳)
       土作 彰先生(理科)  赤坂真二先生(学活)
  授業者の先生方により講座もあります。
●会場 京都教育大学附属京都小学校
●定 員   150名
●参加費   6000円
●申し込み方法
  志賀宛てに申し込みの連絡を入れてください。
  *連絡方法は,FAX・メールのいずれかでお願いいたします。
★FAX:(075)431−1827
       京都教育大学附属京都小学校 志賀宛
☆E-mail miyako@kyokyo-u.ac.jp
☆イベント案内
  ⇒http://www3.yomogi.or.jp/nakap/toiro/dousyuuibento.htm

引用終了 ーーーーーーーーーー

参加した諸君の報告を楽しみに待っています。

2006/09/27

特急 きのさき1号

昨日は、ひっっっっさしぶりのオフ。
一日中、読み止しの本を読む。
思ったよりも進まずだが、いま追いかけているテーマに関連している本をまとめ読みをしているので、いろいろと頭の中でリンクが張れて楽しい。

            ◆

にも関わらず、夜中悪夢で目が覚める。
私が住んでいた東京の街が、テロの攻撃を受けて大爆発をしてしまったのだ。

街の中を駆け巡り、さまざまな人の安否を確認し、街を平静に保つにはどうしたらいいのか、
私の家族はどうなっているのか、と確認していたのだが、あまりの凄さに、夢の中で大声を上げてしまい、夢かと思ったら実際にも声を上げていて、その大声にびっくりして目が覚めた。
明け方の4時である。

このところ、嫌な事件が多いから、それが頭の中に溜まっていたのだろうか。
「寝ている時まで仕事しなくてもいいのよ」
と奥さんになだめられ、もう一度寝る。

朝起きると、口の中が腫れていた。
ああ、いよいよ歯医者に行かなければならない。
疲れが溜まって歯が浮き出したのだ。
身体は疲れていたのね。

ふう。

            ◆

本日は、昼から福知山まで出張。京都駅から「特急 きのさき1号」に乗り出向く。京都市から京都府へと移動するわけだ。

車窓からは、
刈り取ったばかりの一面の田圃。
青空。
曼珠沙華。
秋だ。

それにしてもこの風景に電線は無粋である。かつて、地下に埋設すると大変なコストがかかるということで電柱にしているという話を聞いて、
(なるほど)
とも思ったが、ちょっとまて。ガスや水道だってライフラインだが地下にあるではないか。これって電力会社の単なる言い逃れではないの?

            ◆

今日は模擬授業というより、ガイダンス。
1学年100人ぐらいの私立の女子高2年生。45分のガイダンスを2回行う。
授業形式でやれないのはちょっと残念だったが、熱心に聞いていたのでやりやすかった。

            ◆

ガイダンスが終わり、帰りの電車を待つ間に福知山駅の本屋に入る。
何気なく手に取ったガイドブックに、福知山城のことが書かれていた。
(へー、明智光秀の城なんだ)
私、歴史関係本当に知らない。

福知山駅を出てすぐに、車窓からは福知山城が見えた。
(へー、駅から近いんだ。きれいな城だなあ)
と無知な私は素直に喜ぶのであった。

            ◆

さ、帰りの列車では、明日の授業の準備だぞ。

2006/09/26

読書占い

「読書占い」と私が勝手に名付けている方法がある。

(本のタイトルは分からない)
(作者も分からない)
(でも、なんとなくこんな感じの本を読んでみたい)
と思っている子どもに、
「君の読みたい本は、これだ!」
とお勧めすることができる占いです。

詳しくは、
http://www.himawari.or.tv/cgi-bin02/2006/2006/09/10_9.html#more
を読んでね。

もちろん、子どもでなくても良いですよ。
読書の秋にお楽しみください。

講座案内

厳しい状況になれば、その厳しい状況をバネにして伸びようとする人たちがいる。私もそこからエネルギーを貰うわけだ。

エネルギーを貰える二つのご案内です。

            ◆

***********************************************************
特別支援教育を考えるセミナー
  「特別支援教育における人間関係論的アプローチ」
     〜「切る保育・教育」ではなく「つなぐ保育・教育」の提案〜
***********************************************************
★ 日 時   平成18年10月29日(日) 9:00〜12:45
★ 場 所   大阪市立総合医療センター さくらホール
★ 主 催   人間関係論的アプローチ研究会
★ 会 費   1,000円
★ 趣 旨
 AD/HD,自閉症,LD,知的障害などなど。診断を受けている子どもたちであろうとなかろうと,
一人ひとりは皆違い,一まとめにできるものではありません。
 最近,聞き慣れない障害名を理解していくために,まず,その特徴を知り,それを一まとめにして
把握しようとする状況が拡がっている様に感じます。
 「専門性」の名の下に,そのような状況が拡大・増加しているように思うのです。
 「特別支援教育」がこのように「特別な子どもたち」に対する「特別な指導」を行う方向で進んでい
けば,子どもたちをますますクラスから分断する方向で進んでいくのではないかと危惧します。
 私たちは,このセミナーを通して,これまでの現場で大切にされてきた実践・知見を整理していきた
いと考えています。
   「切る保育・教育」ではなく「つなぐ保育・教育」へ
  人と人とのつながりを大切にする「保育・教育」へ
 私たちは,それらを目指しています。
 教育・保育・福祉・研究の現場でこれまで実践してきた知見をお伝えし,共に考える時間を作りた
いと考えています。
★ プログラム
基調提案「人間関係論的アプローチとは何か」(青山新吾:岡山市立石井小学校)
話題提供「通常学級における人間関係論的アプローチ〜学級集団づくり・授業づくり〜」

                 (吉田英生:津山市立西小学校) 
「通常学級における人間関係論的アプローチ〜学級で『障害』について考える授業」
                 (久保山茂樹:国立特殊教育総合研究所)
「医療現場における人間関係論的アプローチ 〜家族とのおつきあいを通して〜」
                 (堅田利明:大阪市立総合医療センター) 
「つながり・関係の拡がりと人間関係論的アプローチ〜子どもに関わる人同士をつなぐ〜」

                 (古谷充:周南市立徳山小学校)
「保育・福祉現場における人間関係論的アプローチ〜実習生と子どもとの関係づくりに役
立つ視点〜」           (永井智樹:福山市草笛学園)
まとめ 「特別支援教育と人間関係論的アプローチ」(久保山茂樹) 

★ 申し込みは下記のアドレスに「氏名・所属・住所・電話・Eメールアドレス」をご記入の上
申し込んでください。後日、詳細な二次案内をお送りします。
           古谷  充  furuya@bronze.ocn.ne.jp
           堅田 利明  katada_t@d1.dion.ne.jp
           青山 新吾  MXF02541@nifty.ne.jp

            ◆

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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★目次
1.イベント概要
2.申し込み方法
3.講演会に関するご質問

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1. イベント概要 ☆疑問!その1 「1泊2日の期間中何をするの?」

子どもをトリコにするプロ教師3名による講演、講師と学生が共に
考える少人数制ワークショップ、多様な学生の考え方に触れ、創り
上げるグループワークな ど、「全員参加型」の合宿を行います。

         主役は学生100人。

そして二日間で得た学びや気づきを、そのままで終わらせない!!
キャリア教育のプロの講演・アドバイスを受け,「自分だけの教師
像」を描き、その夢の実現方法を、1泊2日100人の仲間と共に考
えます。それさえ決まれば

あとは「行動あるのみ!!」です。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
☆疑問!その2 「いつ?どこで?いくら?・・・」

○日 時 :2006年 11月18日(土) 12時開始〜
              19日(日) 13時解散 ○場 所 :大阪国際ユースホステル ○地図 :http://www.osaka-yha.com/osakakokusai/

○参加費:7000円(未定)
○定 員 :限定100名(事前申し込み順)
○申 込 :申し込み受付はまだ開始しておりません。
★詳細は随時はミクシー及びブログにてお伝えいたしますので、ご覧
ください。
(ブログ) http://blog.canpan.info/gassyuku/
(MIXI)http://mixi.jp/view_community.pl?id=1322522 ———————————————————————————————————
☆ 疑問!その3  「誰が主催してるの?」
■主催者=「ALL関西教育フェスタ’06in大阪実行委員会」とは
「教師を目指す学生が本気で学び合える場を創ろう!」
「励ましあい、一生学び合える教師の輪を創ろう!」 「日本の教育界を若い力で盛り上げて行こう!!」

その思いを胸に、関西の5大学(大阪教育大学・関西大学・近畿大学
滋賀大学・武庫川女子大学)から教師を目指す学生11人が集い、企
画運営を行っています。
(今後実行委員の自己紹介などもブログで行っていきます)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2.申し込み方法
申し込み方法については、後日メール及び、ブログ、ミクシーにて詳
細が決まり次第、 ご連絡させていただきます。(現在はまだ申し込み
受付を開始しておりません)

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3.ご質問

「ALL関西教育フェスタ’06in大阪」に関するご質問等については

事務局(石川)までお願いいたします。
pcアドレス: atsu600823@yahoo.co.jp
最後までお読みいただきありがとうございます。 今後詳細が決まり次
第、再度メール、ブログ、ミクシーで告知をさせていただきます。
よろしくお願いします。

2006/09/25

第三部の展開を先生方に提案し直すことにした

充実した時間を作って頂くことができた。
コーディネータとしては、実に幸せである。
「京都橘大学児童教育学科開設記念シンポジューム」が終わった。

            ◆

「授業の達人に学ぶ15分の可能性〜子どもは一日でどのくらい成長するのだろうか?〜」

というテーマで、4人の講師の先生方に漢字指導という同じテーマで1人15分の模擬授業をして頂いた。4人の先生方とは、

“教育の鉄人”、10マス計算・国語指導で有名。テレビ東京「ガイアの夜明け」出演。杉渕鉄良先生(東京都足立区立五反野小学校教諭)

ITを活用した授業に取り組む。NHK「わくわく授業」出演。佐藤正寿先生(岩手県奥州市立水沢小学校教諭)

ミニネタ研究会代表、お笑い教師同盟に所属。土作 彰先生(奈良県広陵町立広陵西小学校教諭)

学校心理士、学級経営・アドラー心理学を研究。赤坂真二先生(新潟県新潟市立曽野木小学校教諭)

である。
コーディネータとしての私の仕事はこの4人の先生に来て頂くための調整がほとんど。で、この4人の先生が来てくださることになったので、もう成功したのも同じだと思った。

            ◆

シンポジュームでは、通常、基調講演があり、その基調講演を巡って議論を重ねていくという方法を採ることが多い。この方法も当初考えたのだが、今回はこの基調講演の部分を、模擬授業という方法で行うことにしたのである。

本学の学生に児童役をやらせ、一方で会場のみなさんも授業に巻き込んでこの「基調講演」である模擬授業は行われた。1人15分である。みなさん、時間をぴっちりと守って授業を展開し、それぞれのフィールドに根ざした提案をされて行く。いやあ、すごい。自分で呼んでおいてなんだが、すごい。

            ◆

この「基調講演」に対する会場からの質問に答えつつ、それぞれの先生が自分の授業を振り返るのが第二部。私からの共通の質問も織り交ぜながら、語って頂いた。

内容そのものは面白いのだが、その展開を見ながら、今ひとつ固いやり取りになっているのを感じていた。私が先生方の本音を引き出していないなあと感じていた。

漢字指導が共通のテーマであるのだが、漢字指導は授業の具体例として取り上げているのであって、それだけで終わりにするつもりは、もともとない。

この授業を支えている子ども観、指導観、教師観、授業観などの観の問題。指示、発問、語り、評価言、教材提示などの指導技術の問題。この二つの問題には是非入り込んで行きたいと思っていたのだが、その入り口辺りでウロウロしている感じがしていた。

            ◆

そこで、スケジュールには無い休憩時間を10分入れ、最終の第三部の展開を先生方に提案し直すことにした。授業を受けた学生からの感想と質問を私がインタビューで拾い、それを直接講師の先生方にぶつけるという方法だ。学生からの質問が呼び水となって会場からの質問が豊かになればと思ってやってみた。

すると、予想以上に学生からの感想と質問が良かったのだ。

『メモをする時は、事実のメモと疑問のメモと、最低二種類は書こう。先生の話が終わってから、「質問はありませんか?」と聞かれてから質問を考えるようではダメだぞ。疑問・質問をメモしながら話は聞くものだぞ』

と夏の集中講義では口を酸っぱくして言っていたのだが、これが効いたのかもしれない。最初に御礼を述べ、感想を言い、質問をするという流れも出来ていた。ここで思ったより時間を使ってしまったのだが、その分、観や指導技術の具体的な部分に触れることができた。

会場からの質問は二つ引き受けて、最後は講師の先生方がお互いから学んだ点を言語化して頂いた。異質なものから学び合うことが、このシンポジュームの土台にある。講師の先生方は、何を学んだのかを言葉にして頂こうと思ったのだ。

批判し合うことも大事だ。だが、「基調講演」で会場にいる人が共通して体験した事実から、講師の先生方は何を感じたのかを言葉にして頂きたかったのだ。

会場には、学生や若い先生達がたくさんいた。経験や実力がないと同じものを見ても、見えないことがある。その学生や先生達に
(ここがポイントだったんだ)
と分かってもらうためには、講師の先生方による言語化が必要だと考えたのだ。

最後の最後は、コーディネータのまとめ。私だ。
今日の三時間半で展開された事実とその意味を振り返りつつ、終了することが出来た。感謝感謝である。

            ◆

会場に来てくださった、仲間の先生方からも声をかけて頂いた。三重県からの山川先生、京都の糸井先生、そして、梅本先生の教え子で私もちょっとだけ教えたことのある別宮先生。満足して頂けたようで、ありがたかった。

また、企画広報を担当してくれた事務方、講師の先生方との調整や会場設置をしてくれた事務方、休日に元気に参加してくれた学生。京都橘大学のみなさんに支えられて、良い時間を過ごせました。このシンポジュームに関わってくださったすべてのみなさんに、感謝です。

PS. 開場してから開会までの30分に会場で流した音楽を選定したのだが、これが良かったと言われたことや、2分30秒程度のオープニングムービーも作ったのだが、これが良かったと言ってくださった方もいて、実は、これも嬉しいf(^^;。

2006/09/24

こういうのを知性っていうんだよな

23日は、楽しみにしていた竹内常一先生の講座である。「教育基本法を新しく読みひらく」である。滋賀の高生研が主催。彦根で開催。折角東京から来てくださるのだ、行かないわけにはいかない。半日たっぷりとお話を伺う。相変わらず竹内節である。

「自分たちの力で教育を良くしようとするのが、今の教育基本法であり、国が目標を決めてやるから黙ってやれというのが新しい教育基本法である。どっちの教育が良い? どっちの社会が良い?」

とバッサリと切ってくれて、改正案は2条が胆であることを中心に解説してくださった。

私は、大学の授業では授業の仕組み、仕掛け、そして種明かしをしながら進めているつもりだが、竹内先生は教育と教育を取り巻く社会の仕組み、仕掛け、種明かしをしてくださる。そして、ときどきこの国にある、えも言われぬ息苦しさの原因を明らかにしてくださる。

世の中に断片的に示されているものを組み合わせて、権力が何を目指しているのかを
「ほら、こんなんだよ」
と示してくださる。
(こういうのを知性っていうんだよな)
と不肖の弟子はシミジミ思うのである。

もちろん私は竹内先生にはなれないが、同じ教育学の世界に入っているのだから、先生に学びつつ、私のオリジナルの世界も追求していこうとも思った。

先生、ありがとうございました。

            ◆

さて、明日はいよいよ京都橘大学児童教育学科開設シンポジュームだ。
これも楽しみ楽しみ。

2006/09/23

キャリア開発演習4があってもいい

楢原中学校の生徒に向けての授業では、学生達はたくさん学ぶことが出来たようだ。
大学の授業では、なるべく実践に即して指導しているつもりだが、実際に教えることで学ぶこととは質が違う。

私が授業で教えてきた内容が、
(ああ、こういうことだったのね)
と理解できる場面が多くあったようだ。

たとえば、私は
「授業は性善説で作らないこと。性悪説で作ること」
のように指示を出している。
人間が性善説か性悪説かということではない。授業づくりはということである。
簡単に言えば、

(質問すれば、生徒は答えてくれるだろう)

という立場に立たないということだ。
もちろん、質問したら答えてくれる場合もあるし、答えさせるように授業をつくるのだが、何の疑いもなく(質問すれば、生徒は答えてくれるはずだ)という思い込みで授業をつくると、そうでない場合、パニックになる。

だから、
(質問に答えてくれない場合は、どうやって展開しようか)
と予め考えておかなければならないわけだ。これが「授業は性善説で作らないこと。性悪説で作ること」という意味である。

こんなことを、今回の授業で学生は実感することが出来たというのである。良かった良かった。

            ◆

溜まっている事務仕事をしに大学に向かい、その後、京都駅に楢原中学校の子どもたちを見送りに行った。

入場券を買って新幹線のホームに入るなんて、初めてかなあ。
ホームには疲れきった子どもたちがいた。
私が直接教えていた生徒達ではないので、交流はなかったが、嬉しい時間を作ってくれた子どもたち、そして先生達を京都に住むものとしてお見送りしたいなあと思ったわけだ。

ホームでは修学旅行の臨時の新幹線を待つ中学生だらけ。
この列車には何人かの知り合いの先生が乗っているようだったが、そこまでは挨拶には行けなかった。

窓から見える子どもたちに手を振って、別れを告げた。

            ◆

夕食は、この夏の集中講義を乗り切った学生達と食事。中華料理だ。蒸し鶏が絶品であった。

最終課題を出し終えた学生達は、口々に
「なんか、あの充実感が懐かしくなります」
という。
つまり、
「今の生活が物足りない」
というのだ。

課題を提出したある学生のメールに、
「キャリア開発演習3の授業がある夢を見ました」
という言葉が添えられていたのを、ここで紹介したのだが、学生は
「悪夢だ!」
と爆笑であった。
でも、
「あったら受けたい!」 
「キャリア開発演習4があってもいい」
と話す学生も多く、なんというか
(うーむ、倒れるぞ)
と思った。もちろん、学生の方だが。

ただ、こんな話もした。
『足りないと思っているのならば、そこを自分と自分の仲間でやるのが大学生なんじゃないかね。先生、お願いしますというのもいいんだが、自分たちでどうしたらいいかと考えてやるのが大切なんじゃないかな。そこが高校までと圧倒的に違うのではないかと思うのだけどね』
と。

高い要求かなあf(^^;。
しかし、気持ちのよい志を持つ学生達だ。
楽しみ楽しみ。

2006/09/22

懐かしい楢原中学校との交流

いつもより2時間ほどゆっくりと寝て起きる。
さあ、今日から後期が始まる。

集中講義に関して、課題を提出するインターネット掲示板を作ってあるのだが、そこにある学生の最終感想にコメントしつつ、昼を過ごす。コメントしながら改めて思う。

よくわからないが、授業はやっぱり一回限りのものだと思う。
この夏の授業をもう一度やれと言われたら、まあ、出来なくはないが正確には出来ないだろう。
学ぶ彼らと私が同じでも、あの濃密な空気はまた別のものになっていたと思う。
だから、授業は恐ろしくて、楽しいのだと思う。

            ◆

今日の夜は、懐かしい楢原中学校との交流があった。
交流と言っても、授業の一環である。
私が指導している学生達が、修学旅行で来ている中学三年生に、京都に関して授業をしたのだ。

100人、3グループに分かれた初対面の中学3年生に、学生5人が一組になって授業を行うのだ。まだ教育実習に行っていない学生達なので、少し心配であったがこれは杞憂であった。

事前の準備も十分に行い、授業案も練り、練習も重ねて、なかなかのできであった。
あるグループは、京都の食べ物を抹茶のスイーツに絞り、10種類を食べ歩き値段ランキングでやっていた。「いいとも」のあの方式である。

たしかに、私はその方法でやると面白いのではないかとアドヴァイスしたが、まさかきちんとやりきるとは思わなかった。

あるグループは、全員着物で行い、あるグループはスケッチブックのクイズ形式で授業を進めとよくやった。うーむ、さすが京都橘大学のまじめな学生達である。

取り組みの過程の中で、学生は授業の準備の大切さを学んでくれたのではないかと思う。これが、来年度の教育実習に繋がるといいなあ。

            ◆

その後、軽く食事をとって解散。
さあ、いい感じで後期が始まったぞ。

2006/09/20

自分から逃げたくなる時もありました

本日最終日。キャリア開発演習2の最終日であり、集中講義の集中の最終日である。45×90分の授業を、するほうもするほうだが、受ける方も受ける方である。しかし、やりきった充実感はあるなあ。

駆け抜けた!っという感じで終わるかと思ったら、フワッとゴール地点に入ったと言う感じであった。余力を残したというわけでもないが、実際のところ明日からのことも考えるとこういうゴールでないとね。

それでも、やりきった感は非常に心地よい。

            ◆

キャリア開発演習2の午前中の課題は、小論演習である。600字、40分で書く。
アイディア出し、構成、執筆、見直しの時間配分がどのようになるのかを実感させる。

そして、上手く書けなかった諸君に、計画していた時間配分と、実際との差を考察させる。また、テーマについてどのような切り口から攻めて行ったら良いのか、また、実際はどのように攻めて行ったのかを確認。

その後書き込み回覧作文で、お互いの作品を評価する。
ここまでが1限。

最初は抵抗感があった書き込み回覧作文も、もう大丈夫。というより、批判的な意見がないと物足りないようになってきている。自分の文章のどこが分かりにくいのかを指摘してもらうことに喜びを得始めたのは、嬉しい。

            ◆

んでもって2限は、同じテーマ、同じ時間配分、同じ文字数で、小論文をリライトさせる。

『同じテーマ、同じ時間配分、同じ文字数でもう一度書くなんて、意味がないと思った? 簡単だと思った?』

書き終わってから学生に確認する。

『簡単と思ってくれれば、それで良い。そうなんだね、一回書けば二回目は簡単なんだよ。仲間からアドヴァイスを貰い、アイディアを貰って書けば、二回目は楽なんだな。だから、一つのテーマを一回書いてみることなんだよ。そうすれば、二回目は楽になるでしょ。新しい知識を得て、切り口を手にして、三回目を書けばさらに書けるようになるよ。いろいろな論文のテーマでやってみるといいな』

リライトさせることが、作文の力をつける指導ではとても重要だと私は考えている。その重要性を学生は感じてくれたようだ。

            ◆

さあ、3限。1/45の最後の90分である。
この90分では、キャリア開発演習1、2を振り返りつつ、まとめるという時間にする。 

最初の30分を使い、何を学んできたのか私の方から授業の中身を簡単にまとめながら振り返る。(うーん、良く出来た指導の流れだ)と改めて感動する(嘘)。

そして、学生には授業のまとめと、今後についてのスピーチの課題を示す。20分で準備して、2分間のスピーチだ。

1)この授業で学んだこと
2)これから私がしたいこと
3)これから私がしなければならないこと
4)これから私がしてはいけないこと

を柱にして行った。

それを聞いていると、彼女らにいい学びがあったのではないかと思えてきた。
仲間と一緒に勉強することの意味と重要性を感じてくれたようだ。
教師という仕事とは何ぞやと考えてくれたようだ。
この自分が教師になるためには、何をすれば良いのかを深く考え始めてくれたようだ。
それが証拠に、ここで出会った仲間達と一緒に教職の自主勉強会を始めるとのことだ。

大学の学びの最大の楽しみは、自主勉強会にあると私は思っている。同じ志を持つ仲間達と、単位にもならない勉強をヒーヒー言いながらやっていくのが、大事な学びなのだと思う。折角、教師というすんばらしい仕事を目指そうとしたんだから、たっぷりと勉強してくれい。

ま、なんかあったらアドヴァイスぐらいはするから、その時は研究室に来なさい。

            ◆

学生達の感想の一部である。

引用開始 ーーーーーーーーーー

 キャリア1・キャリア2を終えて皆さん、池田先生お疲れ様でした。

 本当この30時間は、私にとってかけがえのない時間になりました。講義があるときは、辛くてしんどくて今すぐにでも逃げ出したいと思ったことは、数え切れないほどあります。
でも、友達ががんばってる姿や成長する姿、また自分の成長が目に見える形で見ることができたことが何より楽しくて最後まで、やり通すことができました。

 講義を受けていて、何度も自分は教師に向いているのだろうか?と何度も自問自答を繰り返しました。答えなどでていませんが、自分が夢に向かってがんばってることが何より重要な気がします。

 知識がないこと。本当に落ち込みました。専門分野にしても教育のことに関してもすべてにおいて知識がないことに。だけど、そのことに面と向かう機会をこの集中講義で得ることができました。自分の長所、努力するを発揮できるときなのだと気づかされました。努力して、息を抜くことを忘れていたら、息を抜くことを意識的に自分に教えてあげたいです。

 教員採用試験まで、あと一年をきりました。でも、まだ時間はたくさんあります。この残された時間を有意義に使っていきたいとおもいます。

引用終了 ーーーーーーーーーー
引用開始 ーーーーーーーーーー

本当に大変な一ヶ月だったと思います。本当にあっと言う間で、毎日が速かったです。
でも、常に毎日何か考えさせられる事ばかりで充実していたと思います。寝不足やら色々見舞われましたが・・・。

皆さんの意見を聞いたり、自分で何かを書いたり、発表する事で今までぼんやりとしていたものが少しはっきりしてきたと思いました。

最初は「このまま続けていて大丈夫なのか」とよく考えてへこんでいましたが、今では前よりも教師の仕事に興味がわいてきて「どんなに大変でもやってみたいんだ」と思うようになりました。
知識(雑学、一般常識など)やまだまだ専門分野の知識が足りていない事などあり、自分から逃げたくなる時もありましたが、ここまでやってこれて少し自分と向き合えた部分もあるんじゃないかと思いました。

皆さん・池田先生改めてありがとうございました。お疲れ様でした。

引用終了 ーーーーーーーーーー
引用開始 ーーーーーーーーーー

キャリア開発演習1・2を終えてまずは自分に「よくやった」と褒めてあげたいです。授業を受ける日は本当に気合いを入れていかないとダウンしそうなほど私にとってはきついものでした。けど何とか休まずに出席できたことを誇りに思っています。

この授業を受けてやはり自分がまだまだ小さいことに気づかされ落ち込み、また頑張ろうとも思いました。今日のスピーチで述べたようにまずは本を読むことから入って、小論のトレーニングをしっかりしていきたいです。

池田先生に教わったやり方なら本当に苦しく大変なものではないと思うので、「やってみたいな」と感じるようになりました。教え方ひとつで生徒の人生までも変えられるんだと実感しました。また、それだけ教師の責任は大きいのだと改めて実感したし、少しプレッシャーにも感じました。

けど、いつか今回の池田先生に教えてもらったように生徒が前向きに考えられる授業をしてみたいです。そして、生徒の心に残る先生になりたいです。

引用終了 ーーーーーーーーーー

彼女らの感想を読みながら、
(はあ、終わったなあ。学生達もよくやりきったな)
と、しみじみとしていたら、電話。

「先生、教授会が始まります」

をを、そうであったf(^^;。
お仕事お仕事。

さあ、明日から大学は、「正式に」後期の授業開始。
夜は楢原中学校との再会だ。

キャリア開発演習2の最終課題

で、キャリア開発演習2の最終課題ですが、何かのご縁で先生方に、うちの学生達がお世話になるかもしれません。すみませんが、その時は温かく、厳しくご指導頂ければと思います。

こんな最終課題「kdai2.pdf」をダウンロード
を出しています。

2006/09/19

ちゃららっちゃ、ちゃっちゃちゃらららん。

本日は、午前中が面接指導を受けて分かった弱点への対処方法のレッスン。午後が教員採用試験用の小論文のレッスンである。学生にも疲れがたまってきているので、講義にすると寝てしまう学生が出てくる。だから、なるべく実習を伴ったものにしようとした。

            ◆

模擬面接試験を受けてみて分かった、学生に足りないものといえば、

1. 圧倒的な知識の量
2. 知識を自分の言葉で説明する力
3. 瞬時の切り替えに対応できる力

である。これを受けて、今日は3を中心にしてレッスンを重ねた。もちろん、授業中だけではクリアできないが、自学や仲間とのペア学習でできるようにやりかたを教えたのだ。

「つながりゲーム」「無関係ゲーム」「謎掛け」「イメージボード」などである。

            ◆

学生に勢いがついてきたので、1〜3の力をすべて使う、レッスンも行った。「子ども電話相談室に答える」である。

「子ども電話相談室」は、佐藤さんのHPにあったものだ。私も同じことを考えていて、TBSラジオやNHKの夏休みの電話相談で、面白い質問があるとメモをしていたのだ。が、番組のHPを見たら、質問と答えの一覧が載っていた。これを使った。

教師は子どもの質問に答えなければならない。その子どもからの質問がたくさん載っているのだ。これを使わない手はない。

ホームページからダウンロードしておいた問題に番号を振り、学生には自分の好きな番号を言わせた。もちろん、番号にどんな問題が潜んでいるのか、学生は知らない。小学校4年生が相談相手という想定で行った。

1. 友達に約束を破られました。どうしたら友達関係が上手くいきますか?
2. うんちはなぜ茶色なのか?
3. 気温が38度だとすごくあついのに、お風呂だとあまりあつくないのはなんでですか?
4. どうして体をあらわす漢字には「月」という字がつくのですか?
5. 詩がうまくかけないので、うまく書けるコツを教えてください。
6. どうして新聞の字は小さいんですか?
7. 将棋の二歩は何でいけないんですか?

などである。
(そんなあ)
というような質問をするのが子どもである。その子どもの質問を丁寧に扱い、適切な答えを述べる。私はその答え方にコメントしてレッスンを重ねた。これは良いレッスンだ。

            ◆

小論文は、論文と小論文の違い。教員採用試験の小論文のテーマ、タイトル.書き方、注意事項などを説明した後、重要なタームについて200字でまとめる練習と書き込み回覧作文での相互評価ということをした。

この時は、
「辞書を見ることなく、今の君の頭の中の言葉だけで説明するように」
と指示した。

これにより、自分の今までの学習の知識だけで説明することになる。その後、教育辞典ではどのように定義されているかを確認することを指示する。

ちなみに、今日扱ったテーマは、「学力向上」「個性」「授業」である。これを30分で200字ずつまとめるのである。この積み重ねが、面接や小論文に繋がると考えている。

            ◆

そして、最終課題を発表した。
ちょっと大変なので、前倒しで最終日の前に発表。
その内容は、明日のブログの心だ!

ちゃららっちゃ、ちゃっちゃちゃらららん。
(って、分かるかなあ)

2006/09/18

走りきるという感じだろうか

祭日とかゴールデンウィークとか関係なしに動いている。しかし、これは今に始まったことではない。もともと人ごみが好きではないので、GWにどこかに出かけて行こうという気持ちはほとんどなかったし、研究会やクラブ活動の試合などは、この期間も関係なしに行われるので、意識が弱いのかもしれない。

            ◆

なもんで、今日も大学に出かけてきてキャリア開発演習2の授業の準備をしている。残すところこの授業もあと7時間。2日間である。集中講義の集中で考えると、7/45ということになる。

修士論文を書いていた時も感じたのだが、ゴールが近づくとなぜか切なくなる。書いている最中は、腹筋も背筋も痛くてヒーヒー言っていたくせに、書き終わりが見えてきて後少しとなると、なぜか書き終わりたくなくなった。

この集中講義の集中も、8/28に始まった時には
(倒れないように。倒れないように)
と思って始めたが、ゴールが見えてきた今は、
(最後までリズム良く)
と言う思いと
(もうちょっと走りたいなあ)
という思いが交差する。

実に不思議な感覚だ。

            ◆

しかし、大学の授業ってのは中学校のそれとは違うなあと思うこともある。大学の授業は中学校のそれではなく、小学校のそれに似ているのではないかと。

中学校の授業は、一つを作ったらそれをいくつかのクラスで指導する。三クラスあれば三回指導することになる。だから各クラスで微調整をしながら、授業の質を高めることが出来る。最初のクラスはちょっとクオリティは低いが、年間通じてやればどこも最初になったり最後になったりするから大丈夫である。

だが、大学の授業はこれではない。一回一回の授業である。次の授業は来年以降になる。もちろん、その次の授業は社会情勢の変化や学問の進歩があるので、同じということにはならない。だから、走りきるという感じだろうか。

今までにあまり経験したことのない感覚だ。

            ◆

本当は、同時進行で進めなければならないメールの返信とか、原稿とか、仕事とか、研究とかがあるのだが、ごめんなさい。こっちの方を優先しています。あと二日間ですので、よろしくお願いいたします。

さて、帰るか。

この時間と空気が

昨日は、月に一度の大津市民のための文化財無料開放の日である。広報に載っているチケットを持って行くと、いつもは有料の場所が無料で入れる。これを使わない手は無い。

一日で回ったのは、

旧竹林院庭園
日吉大社
西教寺

である。すべて家から車で30分程度のところにある。歴史の中に住んでいると言って良いだろう。

            ◆

実は、もともと私はこういう神社仏閣には、ほとんど興味がない。そんなところを回るぐらいなら、景色の良いところで本を読むか、風呂につかって過ごす一日の方が良い。

だが、奥さんがこういうのを好きなので、私は運転手として回る決意をしていたのだ。が、実際回ってみるとこれがなかなか良い。

詳しくはHPを見て頂きたいのだが、それぞれ感想を一言言うと、
旧竹林院は、庭が見事。午前中に行くことをお勧めする。東から入る日光で庭が映える。庭を見ながら読書ってのもいいなあと思った。
日吉大社は、静謐な感じが良い。社の中に小さな流れが作られているのだが、これが良い。京都の鬼門を守る為のお社なのでありがたい感じ。
西教寺は、見晴らしが良い。明智光秀のお墓がある。

            ◆

東京中心の生活をしていては、絶対に出会うことのない時間だろうなあと思う。
東京にいては、絶対に触れることのできない空気だろうなあと思う。
で、この時間と空気が新しい私を作ってくれているんじゃないかなと感じることがある。

それがどのようなものなのかを楽しみにしつつ、今日は集中講義の最後の準備をしに大学に行こうと思う。

2006/09/16

意識と身体は時間差で

オフだと頭は分かっているのだが、身体は日常の反応をしてしまい、今日も5時台に起きてしまう。今日は届くことのないネット課題の提出を知らせるメールを一応確認しつつ、朝を過ごす。

ゆったりと朝ご飯を食べ、朝風呂に入ろうと準備をする。その合間に横になったら、また寝てしまった。意識と身体は時間差で追いかけっこをしているようだ。

            ◆

今日は一日だらだらと過ごしつつ、仕事関連ではない本、つまり研究室に並べておけない本f(^^;をダーッと購入し読みまくる。折角なのでお気に入りの琵琶湖のほとりの砂浜で読む。南東からの風が窓を開けた車の中を通り抜ける。カーラジオからはアヴァンティが聞こえてくる。

これが心地よいんだな。

そして、そういう本で頭の中をシャッフルしていると不思議なことに、授業のアイディアが出てくるのだ。急遽、来週の火曜日の授業の内容を変更することにする。

やはり、集中講義の期間は授業に集中だなあ。

            ◆

と言いつつ、夜は『電車男』を見ているf(^^;。
この映画にも興味があったし、今関心を持って追いかけているテーマにもちょとリンクしそうなので。

で、主人公の電車男・山田孝之くんは、西部さんに似ているなあと思った。ディベート関係者のみなさん、そう思いませんか?

それからどうでもいいんだけど、卒業生のみなさん、今月号の「プレジデントファミリー」に、最近の私が載っています。ちょっと痩せたと思わないf(^^;。

模擬面接について学ぶ

今日は、採用試験の模擬面接について学ぶ。

1限 採用試験における面接指導とは。
2限 面接に使う個票を書く。
3限 学生同士で、面接をし合う。

面接とは、面と接である。「外側から判断される面と、言葉によってつながれるかを見る接である」と言えるだろう。ペーパーで見ることの出来ないところを判断するわけだ。

まず、何が問われるのかを理解する為の説明をして、実際に学生同士でやってみた。外側から見てみると、そつなく出来ているようである。しかし、それはこの夏を一緒に過ごしてきた学生同士での面接であるからだろう。

面接官の立場になって相手を見ると、試験を受けている時には見えないものが見えてくることがある。それを体験させたかったのだ。

            ◆

4限 教育委員会の先生に実際に面接試験をして頂く。
私がかつてお世話になった校長先生で、現在教育委員会でご活躍されている先生に来て頂いた。そして、実際にやってみる。

教室の空気が全然違い、学生はかなり緊張していた。ただ、試験監督の先生が穏やかだったので、学生は面接試験に思っていたよりも大丈夫だと思ったようだが、どうだかなあf(^^;。圧迫質問とかに耐えられるかなあ。

その中で、多くの学生が感じた課題は次のようなものである。

1) 教育に関する基礎知識が圧倒的に足りない。
2) 自分の言葉で説明する力が弱い。
3) 自分が教師になろうとする熱が伝えられない。
4) 瞬間的に言葉を切り返す力が弱い。
5) 結論を始めに短く言い切ることが、頭では分かっていても、できない。

良かった良かった。課題を手に入れることが出来たようだ。
集中講義の集中もあと二日。
大きな山は、「小論文の書き方指導」を残すのみとなった。

さあ、頑張れ学生。
そして、私。

2006/09/15

今までのものよりも楽だと思いますよ

集中講義第三弾、「キャリア開発演習2」が始まった。

参加者は、ほとんどがキャリア開発演習1と特別活動論に参加した学生。ずっと一緒に夏休みを過ごしている学生達である。だから、私のやりかたを理解している学生だ。そして、連帯感というか運命共同体と言うか、良い意味でのあきらめ感というかf(^^;、そういうものが教室に醸し出されている。中には登録していないので単位がでないにも関わらず、参加している学生もいる。いい雰囲気である。

『今回のキャリア開発演習2は、今までのものよりも楽だと思いますよ』
授業開きで話した。
「えっっっっっ!」
と嬉しそうな顔が教室に広がる。
『うん、私がね』
失意の顔色が広がるf(^^;。

キャリア開発演習2では、演習の名の通り活動をたくさん入れる計画である。キャリア開発演習1が、教師を目指す自分の課題を手に入れるということが大きな目標であったが、今回の2では「理想の教師」とは何かを考えるということが目標の一つになっている。

その方法として、内観、ディスカッション、スピーチと言うワークを取り入れ、個人の作業とグループの作業を組み込みながら進める。

例えば、「なぜあなたは教師を目指すのか」という問いに、

1) 自分の理由を15個以上書き出す。
2) 主な理由をグループにスピーチする。
3) グループのメンバーから、質問を受ける。「それは教師でなくてもいいのでは?」など。
4) これを受けてディスカッションを行う。

というような方法などで行うのである。
ということで学生の授業内の作業量は増えるので、私の説明が減る。だから、楽になるのだ(嘘)。

            ◆

授業では私が用意した問を元に、上記のようなワークを繰り返し、学生の中にあるものを取り出し、議論を重ねて行った。そして授業の合間、合間に、

『で、このあと私はどういう授業展開をすると思う?』

と学生に投げかけて行った。
授業を受けるだけではなく、授業をつくる側の立場にも立たせながら授業を見る習慣を付けさせたい。
そして、

『この次は、こういう方法でやります。なぜだと思う? なぜかと言うとね』

と更に説明。なんか、手品の種明かしをしながら手品を進めているような気分であったf(^^;。キャリア開発演習2の授業では、授業方法のカタログを提示する部分もあっていいかなと思って進めている。授業方法にはさまざまな可能性があることに気づいてほしい。

            ◆

今日のゴールは、学生が提出した教師に必要な資質・力・技術を一覧にして、それが家本先生の三分類(管理の力、指導の力、人格の力)のどれに該当するかを検討。

そして、その結果を受けてどのような感想を持ったのかを発表。
その発表に私がコメントしつつ、学生たちにこの感想に含まれている課題の意味を解説するというまとめであった。

自分と言うもの、教師と言うもの、授業と言うもの。取り合えず、この三者の関係を学生達が押さえられれば今日の授業はオッケーかな。

さて、二日目は、教員採用試験の模擬面接のレッスンである。

2006/09/13

これが教師の喜びの一つ

集中講義の二発目「特別活動論」の講義が終わった。
どうにか倒れないで、たどり着けた。
ふう。

学生たちは、まだこのあと最終課題が残っているので、それをしなければならない。
最終課題は、「実踏計画書に従って、実踏を行い、実踏報告書」を書くというものだ。
提出は、10日後。

最終課題の発表後、教室の一部で悲鳴が上がったがf(^^;、学生諸君はその後に私が彼らの課題を評価するということを頭に入れていない。学生は、課題を解いておしまい。だけど、先生は課題を設計し、課題を評価するんよ。

疲れたが、心地の良い疲れである。
学生の授業の感想を読む限りでは、彼らにも充実した学びの時間を提供することができたようで、一安心である。もちろん、この集中講義は、今村先生の三日目があってこそ成立した集中講義である。本当に感謝したい。

            ◆

『この授業はハードである。だから教師の仕事を考えない人は、取らないことをお勧めする』
と授業の最初に正直に話しておいた。
15×90分の集中講義で、学生が現場に出て行く時に必要な力量を十分に与えることは出来ない。だが、
「うしゃあ、オレはこんな教師になるぞ」
とか
「これだけできるようになった!」
と実感できるプログラムにしたいとは思っていた。

            ◆

シラバスを書き終わってから、今村先生を講義にお呼びできることになり、シラバスの大幅な変更をすることになったが、この作業は本当に楽しい作業であった。その時にはまだ会ったことも無い学生であったが、その学生達の驚く顔、笑顔、泣き顔が、目に浮かんできたのである。

(んだから、ここをこのように調整して、ここでこの流れを作って、そうすると、そうだそうだ。三日目の今村先生に繋がる。おそらく今村先生はこの話をされるから、この質問を出してみよう。もし、出なかったらこの話だ。そしたら、学生は喜ぶぞ! びっくりするぞ!!)

なんてことを考えながら授業をプログラムし直していたのだ。
そして、その結果「大変だけど、力がつく」という評価を学生がしてくれている。実に嬉しい。

授業の評価の1つのパターンとして、次の4つが考えられると思う。

1)大変だけど、力がつく
2)大変だけど、力がつかない
3)楽で、力がつく
4)楽で、力がつかない

3)が良いのかなあと思うこともあるが、やっぱり上質の力をつける為には1)でないとダメなのではないかと思う。

ちょっと褒め過ぎのような感想であるが、褒められるのは嫌いではないのでf(^^;、そんな学生の感想を載せてみる。

引用開始 ーーーーーーーーーー

講義のはじめは、「とても厳しい先生だ」と思いました。なぜなら、授業10分遅刻で、その日の授業はすべて欠席とか初めてだったからです。しかし、受けてみると、「早く次の時間にならないかなあ」と思うようになりました。これだけ充実した講義は、今までなかったからです。

要は、教師という仕事の厳しさを理解するための講義なので、時間とか守れない人が教師になれるわけないということなのでしょう。逆にいえば、今自分にできないことをできるようにするための講義でもあるのだ、と思いました。

今一番自分がしなければいけないことは、なかなかわからないことではありますが、この講義の中で、何をすべきかわかりました。それは経験です。さまざまな人との出会いと別れ、痛みや苦しみ、喜びを肌で感じ、それらをこれからの自分に生かすことが、今の僕には圧倒的に足りないと思います。

何が必要か気づかせてくれる講義というのは、なかなかありません。つまり、この特別活動論がどれだけ他に類を見ないすばらしさを秘めているのか、ということの証明といえるでしょう。
その出会いに感謝し、この講義で得られたことをこれからに生かすことを誓いつつ、また池田先生の講義があれば参加したいと思います。

引用終了 ーーーーーーーーーー

            ◆

教育は人間の営みの中でもかなり高度で複雑な営みでろう。その教育を学ぶ学生には、上質で贅沢で本物に接する機会を与えたい。そうすれば、そこから学生は自分にあった何かを学ぶものだと、私は信じている。人間ってそういうものだと思う。

授業後研究室に残り、学生達が書いた今村先生の授業を受けての体験作文を100人分全て読んだ。「書き込み回覧作文」をしたので、学生のコメントまで全部読んだ。本当は、明日から始まる集中講義第三弾「キャリア開発演習2」の準備を先にしなければならないのだが、全員分じっくりと読んだ。

彼らが深い学びをしていることに幸せを感じ、疲れが軽くなるのを感じた。これが教師の喜びの一つだろう。

ある学生に、いや、二人の学生から別々に言われた。
「この夏休みはずっと池田先生と一緒にいる感じです」
『ははは、そうだね』
確かに、集中講義3連発を一緒に過ごす学生とは、ほぼ一ヶ月、毎日6時間ずつ過ごすことになる。
『忘れられない夏になったろう(^^)』
「はい(^^)」

私にとっても忘れられない夏になるな。
仕事に集中させてくれる奥さんにも感謝だ。

さあて、明日からの授業の準備だ。

再び、贅沢な時間

昨日の授業の興奮が消えないまま、朝、車に飛び乗った。
車内の冷房を27度になるように自動設定してあるのだが、今日はクーラーではなく温風が出てきた。そういう季節になったのだな。

            ◆

それにしても、昨日の授業は良かった。

1〜3限 今村先生のお話
  4限 池田から今村先生への質問、学生からの質問。その答え。

ということで、今村教育実践をたっぷりと語って頂き、さらにその哲学や指導技術についても語って頂いた。再び、贅沢な時間であった。

授業中の先生のお話を聞きながら、泣いている学生も珍しくなかった。
具体的な子どもたちへのかかわり合いを示して
「そんな簡単に子どもは変わらないよ」
と言いながら、
「教育は奇跡も起こす」
とも言われる今村先生。
教育の現場にいたものとして、それはとてもよく分かる。

4限の質問では、私は以下のような質問をした。

1)講座で触れなかったが、レジュメにある「嘉門達夫」では、何が言いたかったのか。
2)語りはどのようにトレーニングするのか。
3)今村克彦はどのように作られたのか。
4)東の義家、西の今村と並べられることがあるが、本人からその違いを説明してください。

この答えも面白かったが、インターネットに載せるのは控えます。
それが仁義のような気がしますf(^^;。

            ◆

その後、先生を囲んで食事会をする。
気配りの今村先生は、別々のテーブルに座っている学生のところに足を運び、笑わせながら再び教育について語ってくださっていた。

実に、楽しい学びであった。
今村先生、これからもよろしくお願いいたします。

2006/09/11

課題 実踏の下準備

特別活動論。集中講義二日目。授業の内容を書いてほしいと言うありがたいコメントを野中信行先生に頂いたので、嬉しくなって書くf(^^;。

本日の大きな課題は、遠足の実踏計画書を作るということである。

            ◆

1限 課題の説明 実作。
2限 実作。
3限 プリントアウトした未完成の課題を検討、修正。実際の例の提示。

完成したものは、明日の朝8:30までに教務と私のところにメールで提出というものである。

ところが、こういう意見があった。
「先生、大学に来るバスの始発に乗っても、明日の朝8:30までには来れません。9:00までにして頂けませんか?」
である。

私はこの意見を高く評価した。

『こういう意見はとても良いです。おそらく、皆さんの中にも(え〜、8:30では間に合わない)と思った人がいるでしょう。そして、後になって個人的に「先生9:00じゃだめでしょうか?」と質問に来るんですが、こういう人はダメです。みんなに関わる問題をみんなの前で質問する。そうすることで、仲間を助ける。それがいいんだね。私は高く評価します。そして、なるほどと思いました。教務に提出する時間は、9:00までにします』

特別活動は、集団との関わり、距離感を学ぶ授業でもあると私は考えている。このような質問が特別活動論の中で出ることは、嬉しかった。

            ◆

学生に出した課題の実際は、以下の通り。

引用開始 ーーーーーーーーーー

【実踏の下準備】

2006年 特別活動論 授業内課題 池田 修

あなたは、中学校1年生の秋の遠足の実踏(下見)に行きます。遠足の現地は、「岡崎公園 疏水近辺」です*1。遠足の当日は、平日の金曜日です。晴れの特異日であり、雨天時の活動は考えなくても良いことにします。

生徒は、8:00に集合して、16:00に解散します。集合・解散場所は、京都橘大学グラウンドです。集合場所から、現地までの交通は、徒歩と地下鉄のみです。
参加予定の生徒は、3クラス、100人。男子45人、女子55人です。特別に身体的に配慮を要する生徒はいません。生徒指導上大きな問題を抱えている生徒もいません。
各クラス6つの班が出来ており、仲間外れにされる生徒もいません。

遠足の引率をする教員は、学年主任1人、担任3人と、副担任1人、校長先生の合計6人です。
遠足の目的は、「班行動を通して協力しながら、岡崎公園から学ぶ」です。

課題:

以上の条件のもと、以下の項目について調べ、A4縦、横書きでエクセルにまとめます。インターネット等を活用して調べます。

提出は、メールとプリントアウトしたものの二種類とします。
提出方法です。まず、今日の午前中に出来た部分までをプリントアウトします。3時間目の授業中に確認して改良し、完成したものを更にプリントアウトして教務の提出ボックスに明日の朝、9:00までに提出します。

エクセルでまとめたものは、メールで、明日の朝、8:30まで池田のメールアドレスに送ります。

その際、重要な注意事項があります。メールの件名は、「特活課題 氏名」とし、ファイルにも「特活課題 氏名」とタイトルを付けます。メールの件名が、「特活課題 氏名」になっていないものは、メーラーがフィルタリングをしないので、あなたが送ったとしても、私は受け取ることは出来ません。十分に気をつけてください。

学部 学科 学生番号 氏名 
実踏予定日時
実踏場所住所(現地集合場所とします)
実踏担当者
活動費用
 交通費
 見学料
 お小遣い
活動場所
 現地集合場所
 見学場所(動物園、美術館、平安神宮等の中から最低一カ所は回る)
当日の時程(予定)
昼食場所
トイレ
危険箇所と想定される場所
緊急時の対応(住所、電話番号)
 救急病院
 警察
 消防署
お土産候補
その他

 なお、重要なポイント(評価の観点)は、次の3点です。

 1)生徒の健康と安全を考慮している
 2)無理無く、合理的な時程である
 3)目的を達成できる活動計画である

*1 「岡崎公園 疏水近辺」は、地下鉄東西線「蹴上駅」「東山駅」の間にあり、地下鉄の北側です。付近には、京都市営動物園、京都国立近代美術館、京都市立美術館、京都府立図書館、平安神宮、琵琶湖疎水記念館、南禅寺などがあります。

引用終了 ーーーーーーーーーー

この課題の中には、一つだけ意図的に計画から抜いたものがある。それを発見しつつ、この課題を4時間半の授業時間で完成を目指した。終わらない分が宿題なわけです。

やらせてみたところ、ある程度はできていましたが、中にはグーグルマップの使い方を知らない学生がいたので、使い方を教えました。すると、
「おーー!」
という歓声が起きる。そりゃあ結構感動するシステムだが、大学2年生なら知っていてねf(^^;。

どんな作品が出来あがるか、楽しみである。

            ◆

4限 今村先生の『夢の見つけ方教えたる』を元に、出した課題「書き抜きエッセイ」を元に、「書き込み回覧作文」を行う。

今村先生は、明日のスペシャルゲストティーチャーである。今村先生が出会ってきた子どもたちとの日々を綴ってきたこの本を学生が読み、その文章を引用して自分の考えを書く。それが「書き抜きエッセイ」。

それを元に、特別活動論を受講している学生同士が回覧しながらコメントを書き込む「書き込み回覧作文」。

この二つの作業を元に、

1)同じ本を読みながら、同じ場所にヒットする人がいる。また、自分なら全くヒットしないところを書き抜いていることを知る。
2)同じ場所を書き抜いていながら、自分とは違う切り口のコメントがあることを知る。

ということを実感させた。そして、明日の授業へのレディネスとした。
うーん、明日の授業は、私も楽しみだ。

            ◆

野中先生、こんな感じで宜しいでしょうかf(^^;。

2006/09/10

琵琶湖はもう少し、夏である

目が覚めたとき、ふと思い立って外に出てみた。
東の空が見事であった。
慌てて、車に飛び乗り近くの高台に向かう。

Biwasunrise12

琵琶湖の日の出である。
毎日こうして一日が始まって行くのだ*1。

琵琶湖はもう少し、夏である。

            ◆

午前中は授業の後処理をして、午後からはオープンキャンパスで児童教育学科のガイダンス。今日は生徒だけで70人が参加とのことだった。

ガイダンスでする話は、基本的には今年一年間は、同じものを微調整しつつ行っている。話があちこちに行くよりは良いだろうし、60分間という時間制限を考えると、横にずれたら戻れないからである。

ガイダンスが終わってから、何人かの生徒諸君から質問を受け受ける。
いくつかの大学と本学とで悩んでいるとのこと。
だもんで、どこで悩んでいるのかを聞いてみた。

それぞれの生徒が自分の進路について真剣に考えている。
そういう生徒が本学にたくさんやってくれば勢いがつくだろうなあ。

楽しみ楽しみ。

            ◆

で、みなさんが居なくなったキャンパスに残り、一人明日の授業の再確認。
明日は課題をさせ、その間に一昨日出しておいた課題の確認などをする予定。

学生諸君にどのぐらいのインターネットのスキルとエクセルのスキルがあるかによって、課題のクオリティーが決まってしまうが、教員採用試験にパソコンの基本的なスキルを求める都道府県もあるのだから、しっかりやらせたい。

さあ、帰るか。

*1 http://homepage.mac.com/ikedaosamu/には、広角で撮影した写真があります。私の住んでいるマンションも写っているはずです。

2006/09/09

アイディアをためてチャンスを待つ

今日は授業の整理を家で。

100人を超える出席管理は初めてなので、じっくりと。
幸いにして家に協力者がいるので、本当に助かる。

実は、今回の集中講義はインターネットの掲示板を活用している。
朝、出席カードを配布し確認。
そして、講義の最後に小さな課題を出している。
この課題は、今日の授業に最後まで参加していなければ分からないものを出している。

つまり、朝と帰りの出席をこれで管理することになる。

            ◆

現在は、民間の無料掲示板を使っているが、大学のサーバーを使ってうまいことできれば、もっと簡単に管理が出来るのではないかと思っている。

携帯電話からも書き込みが出来るので、遠くから通ってきている学生は帰りの電車の中で課題を行うこともできるので、大学生の課題提出方法としては良いのではないかと思っている。

というか、中学校でもこの課題提出の方法を考えて試行したこともあったのだが、学校のパソコン環境、生徒の状態、携帯電話の扱いなどから断念していた方法である。

で、このプランを今やっと出来るようになったというわけである。
一つのアイディアをプランとして形作り、実際に行うのには時間がかかるが、アイディアからプランにまで高めておけば、条件が整った時にすぐにできるわけで、それに備えているかどうかが大事なのだろうと改めて思う。

チャンスが来てからアイディアを出すのではなく、アイディアをためてチャンスを待つということか。

            ◆

昼ご飯は、西大津のタイ料理のお店「すぶる」へ。
980円でランチバイキング。食べ放題。
やっぱりうまい。

今日は、グリーンカレー、焼き飯、野菜スープ、トムヤンクン、牛肉と春雨の炒め物、タイ風酢豚、蒸し鶏サラダ、タピオカ、ココナッツミルク、ココナッツゼリーがメニュー。すべてをお替わりしながら食す。

西大津で一、二を争う上手い店だと思う。
食べ過ぎた。
夕ご飯、食べられるかなあf(^^;。

            ◆

さて、明日はキャンパス見学会だ。

チャイムが鳴った瞬間から授業を始める

集中講義二発目。特別活動論の開始である。今回は今までの大学の授業のうちで、一番受講生が多い。100人を越える。どうなるか、楽しみである。

            ◆

「先生というものは、授業開始1時間前には学校に来ているもんや。そのぐらいでなければ良い授業は出来ない」

と私の漢文の恩師、吹野安先生は大学の授業の時におっしゃっていた。中学校に務めている時はこれがなかなか出来なかった。少しでも長く寝ていたかったし、朝早く起きるようになってからは少しでも仕事をしていたかったし。

だが、大学の教員になった今、できるだけこの教えを守らなければと思っている。
確かに、1時間前に研究室について、授業の流れを確認し、資料を確認しとするのは良いもんだ。

20分前に教室に入り、機材のセットを行う。ノートパソコンを教室のプロジェクターにつなぎ、実物投影機を確認し、参考図書を並べ、出席カードやワークシートを揃える。

黒板に「特別活動論 集中講義 初日」と大きく書いて、チャイムが鳴るのを待つ。

            ◆

チャイムが鳴った瞬間から授業を始めるようにしている。
そこから遅れて教室に入ってくる学生も何人かいたが、注意をしながら次回からは認めないことを告げつつ、授業ガイダンスを行う。授業開きだ。

授業開きでは以下のことを話した。

・自己紹介
・参加者の実態把握
・この授業の進め方・受け方・ルール・特徴
・この授業の目指すところ
・授業に必要なもの
・出欠席の確認方法
・評価の方法

15コマの授業では、特別活動をすべてを丁寧に扱うことは出来ない。そこで、今回の特別活動論全体で「この授業で目指すところ」は三つに絞った。

1)学校教育における特別活動の項目を理解する。
2)学校教育現場で活躍していた先生から、現場の特別活動を学ぶ
3)遠足指導の流れを理解し、実際に計画を立ててみる。

今日は、1)を扱った。

            ◆

最初は、学習指導要領の確認である。

学習指導要領の特別活動の部分を、小グループを作って○読みをさせる。一人が声を出して読み、残りの学生は目で追いながら、気になったところ、分からないところにチェックをさせた。その後、私から
『気になったところはありませんでしたか?』
最初なので学生は固まっている。

そこで、
『目標のところを読んでみて、気になるところはありませんか?』
と範囲を限定して質問する。学習指導要領の特別活動の目的は以下の通りである。

引用開始 ーーーーーーーーーー

望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り,集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的,実践的な態度を育てるとともに,人間としての生き方についての自覚を深め,自己を生かす能力を養う。

引用終了 ーーーーーーーーーー

それでも、反応はない。
私は学生時代にこの文章を読んで、とても違和感を持ったのだが*1、今の学生は違和感を持たないのかなあと思い、さらに、限定した。

『「望ましい集団活動を通して,」とあるけど、気にならない? 私は自分が学生時代にこの部分を読んで、大きなお世話だと思ったんだけどなあ』

つまり、「望ましい」というのは、「誰が望んでいるの?」「どのようなものを望んでいるの?」「答えはあるの?」のように思っていたのだ。

『で、君たちはこういわれてそうだと思う?』

と確認すると、そうだという。
私はこの言葉を手掛かりにして、国による集団の統治とそれに対応する民衆の自治の関係を考察させたいと考えて授業案を構築した。

そして、もう一つ。批判的にテキストを読むと言うことを教えたいと思った。

『君たちは、学生だから素直に学ぶということも大事だ。しかし、学生なのだから、(これは本当なのだろうか?)と考えながら読み進めることが大事だ。私の授業をメモする時に、記録するメモと同時に、疑問を書くメモも行うこと。これが、やがて君たちの論文に繋がるんだぞ』

と話しつつ、授業を進めた。

            ◆

今日の授業の内容は、

1)特別活動とは
2)学級 出会い:黄金の三日間、3・7・30の法則
3)学級 日常:こんな時どう言い返す、学活、学級内組織、掃除指導、席替え、提出物指導など。
4)安全指導、進路指導、学校行事、儀式など。

であった。

*1 私が読んだのは、昭和52年度版「望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達を図り,個性を伸長するとともに,集団の一員としての自覚を深め,協力してよりよい生活を築こうとする自主的,実践的な態度を育てる。」改めて読んでみると、変化しているのが分かるなあ。

2006/09/07

集中講義は、一種のサバイバル

午前中から研究室にこもり、「特別活動論」準備。
本当にきりがないなあf(^^;。

一時間ごとにキッチンタイマーが鳴るように設定してある。
時々身体を解さないと固まってしまうからだ。

            ◆

少し早めの昼食をとり、生協、教務課、企画広報課とめぐる。
10月31日に宮城の中学校の研究会からお招きを頂いたので、その宿の手配を生協にお願いしに行き、事務局へはさまざまな打ち合わせ。

さらに明日からの授業で使う教室が変更になったというので、もう一度教室の下見のし直し。当初予定していた教室よりも最新の設備がある。
授業プランを多少変えなければと思う。

            ◆

パソコンを使用して課題を提出させるので、その下見もする。メディアセンターまで出向く。
『学内のサーバーを活用して、こんな授業は展開できませんか』
とか色々と相談する。

びっくりしたのが、授業で使うテレビ番組を録画しておいてくれると言うメディアセンターのサービス。ありがたいなあ。また、DVDの資料もあるので、研究室のPCで確認しながら授業の準備もできそうだ。

            ◆

ふう、やっと準備が取りあえず終わったぞ。
あと、土日に頑張れば大丈夫だ。
ま、日曜日はオープンキャンパスだが、なんとかなるだろう。

これから資料の印刷だ。
一週間前に頼んでおけば大学の印刷の部署の人が印刷してくれるのだが、どうもギリギリになってしまう。だからほとんど自分で印刷だ。

これが終われば帰れるぞ。
明日からの授業は登録で101人。
さて、何人が最後まで取り組めるかな。

集中講義は、一種のサバイバルのような気がしてきたf(^^;。

Kadaiikeda_106_1

写真は、大学から帰る時に見える大津の夜景。
よく見ると、大津プリンスホテルや琵琶湖に浮かぶ観光船も見える。
これを見ると、一日お疲れさんという感じになる。

2006/09/06

先生は、授業の前と後が忙しいの

午前中は、事務仕事。
なんとか一段落をつけて、生協に食事に向かう。

今月末に竹内常一先生が滋賀までやってくるので、『いまなぜ教育基本法か』(桜井書店)を読み終えなければならない。なもんで、食事をしながら読もうとしていたら、きときと君に遭遇。
話をしながら食事とする。先生、当日までには読み終わりますから。

            ◆

で、食事をしながら、きときと君に授業の構想を話す。

実は、キャリア開発演習1の中で行った模擬授業が予想以上に面白く、そこから新たに授業方法を見つけたので、授業を受ける学生としてはいかがなものかとアイディアを話し、感想を聞いてみたのだ。先日あべたかさんのコメントに書いたステップ3の指導方法である。

きときと君の話では、「是非、やってみたい!」とのことだ。

私も早くやってみたい。かなり面白いものになりそうだ。
(11月の教職合宿でまずは試しにやってみるか)
と、にやにやしていたら、

「先生は、先日の模擬授業も楽しんでいましたよね。先生が一番楽しんでいましたし、これも先生が一番面白いんじゃないですか?」

と言うので、

『その通りだよ。授業中は私が楽しくなければ行けない。授業中は授業を受けるものが必死にやるものだよ。そして力をつけて行くものだよ。私が授業中に必死にやっていたら、生徒や学生を観察し、評価し、指導することなんてできないでしょ。先生は、授業の前と後が忙しいの。大変なの。そして授業中は、うひょうひょと楽しんでいるの』

『授業の計画通りに授業が進み、仕掛けたところできちんと生徒や学生が反応してくれて、必死に力をつけようとしている姿を見ていて、私が楽しくないわけないじゃあないですか、嬉しくないわけないじゃないですか(^^)』

特にワークショップ型の授業、下からの教材づくりの授業においてはそうなると私は実感している。

            ◆

きときと君はその後、守るんじゃーに出動。ご苦労さん。私は研究室で授業の準備。
そう、授業の前後のうちの「前」に取り組みました。集中講義の二発目、特別活動論の準備ですね。

いやあ、面白くなりそうだ。
私が面白いということは、学生諸君は思い切り頑張ってねってことだけどf(^^;。

            ◆

気がついたら8時を回っている。
6時間近く机に座りっぱなしだ。それじゃあ、疲れるわけだ。

さあ、帰って昨日の「空耳スペシャル」の続きで頭をクールダウンだ。

映画二本+α

映画を立て続けてみた。映画なんて本当に久しぶり。少しは世の中の流れを理解しなければ。

一本目は、「UDON」。ユースケサンタマリア主演、小西真奈美助演の、フジテレビ系列の映画である。

フジテレビ系列の映画と言えば、「私をスキーに連れてって」「踊る大走査線」というあれである。今回の「UDON」は、「踊る大走査線」のスタッフが作っているとのこと。

家の近くの琵琶湖に面したシネマコンプレックスで見たのだが、平日ということもありゆったりと見ることが出来た。

できは、中の上というところであろうか。適度に笑えて、適度にジンと来るというできであった。

            ◆

映画が終わって外に出ると、なぜか中学生がたくさん居る。
お昼だというのに。

良く分からないのだが、大津の中学校はまだ短縮授業なのだろうか。
そんなゆとりがあるのか。
東京は短縮授業なんてやっていないだろうなあ。

            ◆

昼食事後、家の近場を散策する。

かつて琵琶湖ホテルであったところに、整備されて残っている「びわ湖大津館」に向かう。柳が崎湖畔公園という市民公園にしては、非常に立派である。昭和天皇も泊まったスイートルームが無料で見学でき、客間は会議室としても使える。大広間では結婚式も出来る。

P905001

庭はきれいに手入れされており、喫茶室から見る琵琶湖もきれい。ゆったりとお茶をした。
西大津の駅からは15分程度歩かないとたどり着けないが、ものは考え方で京都駅から30分でここに来れるわけである。

何かの集会に使えないかなあと思った。

            ◆

夜は、「有頂天ホテル」を鑑賞。
こちらは前評判通り、安定した面白さを披露してくれた。

三谷さんの映画は長回しが特徴である。カットをつなぐのではなく、ワンカットが長く場合によっては3分ぐらい回している。そのためか流れがスムーズで、日常生活のワンシーンのように感じる。

伏線をたくさん張りながら、それが修練して行く姿は面白いが、佐藤浩市の演じる政治家だけ、あとどうなったのかがわからなかった。

            ◆

で、最後に「空耳スペシャル」を見る。
いやあ、笑いすぎてお腹の筋肉が痛かった。
あまりにも痛かったので、前半で諦めて寝た。

明日は筋肉痛だ。

2006/09/04

大学は大きすぎない方が良い

ふう、終わった。一つ目の集中講義が終わった。
心地よい疲れである。

            ◆

本日は3時間。基本的にはすべて、模擬授業を行った。
参加した学生は20人ちょっと。
この学生全員に模擬授業をさせた。

当然、模擬授業は50分もさせない。
いや、できない。
実施したのは、3分間の模擬授業である。
中には、
「たった三分で正直何がわかるのだろうと思っていましたが、」
という学生も居たが、3分間も授業を見れば、分かってしまいます。

学生に示した、要項は以下の通り。

引用開始 ーーーーーーーーーー

模擬授業の導入の項目

【注意点】

◆ 授業の設定は、中学校または高校とする。
◆ 対象学年は、任意に決めて良いが、模擬授業を始める前に告げること。
◆ 授業内容は、任意に決めて良いが、模擬授業を始める前に告げること。
◆ この講座を受講している学生を、生徒と見立てて授業をすること。
◆ 学習グループで、模擬授業の内容を考え、代表者が実際に行うか、全員が行うかは、状況を見て決める。
◆ 二回行うこともありうる。
◆ 教材を作ることは、今回はしない。チョークと話と文字だけで行う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【教師の事前確認】

1 心のゆとり
2 教材・教具・教材研究・筆記用具・出席簿
3 身だしなみ

【授業開始 導入部】

ーーー 教室のドアを開け、生徒に挨拶をする ーーー

ーーー 日直に号令をかけさせる ーーー

ーーー 生徒の出席確認 ーーー

ーーー 季節の挨拶、または、時事ネタのスピーチ三十秒から一分 ーーー

◆ 季節の挨拶、時事ネタは次の教科書の内容に関連することとする。

ーーー 教科書の指定した単元の授業を始めることを指示する  ーーー  

ーーー 黒板に今日やる単元のタイトルを書く ーーー 

ーーー 今日の授業の目的を話す ーーー 

◆ 時間が余れば、授業を展開しても良い 


引用終了 ーーーーーーーーーー

設定の確認、模擬授業、自評、コメントをワンセットにして、繰り返し指導する。
たった3分であるが、間が持たない学生も居る。いわゆる頭が真っ白になってしまう状態の学生だ。

さらに、板書の書き順がめちゃくちゃであったり、文字の大きさが揃わない、きれいな字が書けない、小さくなってしまうなんてのはざらであった。

まあ、これは仕方が無い。授業の何たるかを知っているわけではなく、今まで自分が受けてきた授業からモデルを作り、とにかくやってみるということをさせたわけであるから。

この授業の目的は、あくまでも「教師を目指す自分にとっての課題」を手に入れることである。学生達は、今日の授業の感想を書き、今までの授業を振り返り、さらに最終課題を完成させて、この授業を終える。

最後に興味があったので、手を上げさせた。
『この授業を受けての感想を3段階で答えてください。1)参った。2)まあこんなもんだろう。3)まだまだの3つです』
と言って手を上げさせたら、4/7、2/7、1/7の割合であった。
ま、良いバランスかな。

            ◆

それにしても、この授業、集中講義でなおかつ20人ちょっとの受講生であるからこのように行うことができたが、これが100人ともなるとどうなるのだろうか。こういう授業で全員に行うことはできないなあ。

講義を中心にして、実際にやるのは代表者数名ということになるのだろう。それじゃあ、力を育てるのは難しいだろうなあ。大学は大きすぎない方が良いと、授業をする側からもしみじみと思う。

さあ、明日は久しぶりのオフだ。

あら不思議。いた。

日曜日は、京都市内で大学の地区別懇談会と同窓会があり、文学部の教員として参加。
大学が行う地区別懇談会というのはどのようなものかと思ったが、大学への要望や質問を貰い、その場で交流するものであった。

なんか中学校の保護者会のような気もするが、大学でやることに意義があるのだろう。子どもは子ども、大人は大人でそれぞれの成長に関わって情報を交流するのだから。

食事を一緒に取り、交流をする。
その後、キャリア関連の講演を聞く。講師の先生は、中央大学まで授業に出かけて行っているそうだ。私はその中央大学のある高幡不動の隣の隣の聖蹟桜ヶ丘から、京都に来ています。ご縁だなあ。

            ◆

で、これで終わるかというとそうではなく、なんと私の「文化講演会」があったのだ。
みなさん、文化ですよ、文化。私が文化ですよ。びっくりですねえ。
90分話すわけですが、「授業をつくるということ ー中学校の漢字指導を例にー」ということで行ってしまいました。

保護者の方の自己紹介では、
「岡山会場に参加しないで、ここに来たのは、娘がお世話になっている池田先生の講演を聞きたいからです」
のようなことを数人に言われ、
(うむむ、これはこれは)
と思っての文化講演会であった。

            ◆

結果はアンケートを見る限りでは、及第点だったようだ。
保護者には、教職関係の方も割と多く、
「明日からの授業で使います」
と言ってくださる方も居て、ああ良かった。

そして、さらにこの後は、同窓会も行われた。
私は今年からなので、知り合い等は当然居ないかと思ったのだが、あら不思議。いた。

数年前に、京都橘大学のあるゼミ合宿に呼んで頂いたことがあるのだが、その時のゼミ生が
「池田先生の講演会があると聞いてきました」
と何人かが来てくれたのだ。嬉しいねえ。

さらに、授業作りネットワークに参加していた当時の学生さん達も。
今は、さまざまな形で教師の仕事に関わっているという。
これも嬉しい。

楽しい時間を過ごしました。

2006/09/02

今日は「特別活動論」の準備

授業の準備をしに昼前から大学に向かう。
昨日から今日にかけてあることが思った以上に順調に進んでいる。
これは嬉しいものだ。ありがたいものだ。
この勢いを借りて、仕事を進めよう。

           ◆

大学に向かう坂道を上っていたら、坂道の隣にある田圃で稲刈りが始まっていた。
昨日乗ったタクシーの運転手さんは、
「あと10日で新米ですね。でも、今年は春先の日照時間が少なかったから延びるかな?」
と言っていたが、近江米の新米まで後少しだ。

ついでと思って運転手さんに聞いてみた。
『近江米の他に、秋になると美味しくなるものは、この辺りではなんですか?』
と。
すると、予想だにしなかった返事が返ってきた。
答えは、このブログの最後に*1。

私は爆笑するやら感心するやらであった。

           ◆

大学では学期の始めにシラバスを公開する。これを見て学生はどの授業を受けるのかを考える。だから、授業の始まる半年前ぐらいにシラバスを作ることになっている。

なもんで、実際に授業が近づいてきたり、始まってみたりするとシラバスとやろうとすることがずれることがある。その調整をしつつ授業の準備をするわけである。

今日は特別活動論の準備。
シラバスを書き終わって教務に提出してから、授業にゲストティーチャーをお呼びすることができた。今村克彦先生である。

楽しみだあ。
すっごい楽しみだ。

今村先生に授業をして頂く関係で、シラバスを大幅に調整し直すことになったのだが、それはもう全然問題ない。

           ◆

で、気がついたら研究室の外は真っ暗。
いやあ、終わらないなあ。
楽しい苦しみだ。

*1 正解は近江牛。「牛は秋になると美味しいのですか?」と聞いてしまった。
馬肥ゆる秋というのは聞いたことがあるが、牛? おじさん曰く、
「春は、子牛を産むので痩せてしまうんだ。秋になると脂肪がついて美味しくなるんだな」
みなさん、牛の旬は秋です。

新しい職務級

ちょっと見逃していたのだが、こんな記事が載っていた。

「都教委:公立校教職員の「職務級」7段階に 「統括校長」と「主任教諭」新設 /東京」

というものである。来年度から始まるそうだ。

東京都の教員には主幹という職種があり、副校長(東京では教頭のことをこのように呼ぶ)の補佐をする仕事がある。学校は優れた管理職がいれば、たちどころに変わる。なんせ、職員が働こうと思うからだ。

私が敬愛している元校長は
「私の仕事は先生方が働きやすい環境を作ることです」
と言い放ち、
「子どものことは、先生に任せます」
と言ってくれた。そして、その通りにしてくださった。
これは、非常に働きやすかった。
だから、管理職は力のある人がきちんと仕事をしてほしいポジションである。

ただ、残念ながら今の東京のシステムは働くが分からしてみるとあまり魅力的ではない。主幹の選考試験に申し込んでくる先生の数が足りず、申し込み期間を延長するそうだ。

本当かどうかは知らないが、主幹制度は事実上崩壊しているという話を複数の所から聞いているしなあ。

そんな中で、新しい職種を作って賃金に差を付けてとしても、果たして有能な人材は集まるのだろうか。

教員が保護者や地域からのクレーム対応に追われて、目の前の子どものことに関わることができないようなシステムであり続ける限り、新しい職務級を作っても厳しいと思うなあ。

いや待てよ、ひょっとしたら主幹をなし崩しに廃止して、主任教諭に移行する為の手段なのかなあ。うーむ。

2006/09/01

新入生キャンプの下見

本日は、下見である。
来年立ち上げる児童教育学科の新入生キャンプの下見である。

今年の四月、文学部日本語日本文学科のキャンプについて行ったので、イメージは手にしている。このイメージを元に、児童教育学科に相応しい新入生キャンプを作るための下見である。

写真は、宿泊地付近の琵琶湖の北部エリア。Konan


            ◆

この新入生キャンプの目的は

・ 新入生がお互いに顔見知りになる
・ 学科の先生達の顔を知る

というものがあるのだが、もう一つ

・ 4年間の大学での学びの方向性を知る

というものを考えている。
児童教育学科は、小学校、幼稚園、保育園の先生になりたいと考えている学生を受け入れる。だから、大学では、学生として学ぶ視点は、教師として指導する視点にリンクしていなければならない。そのリンクしている部分を「学びの方向性」ということで考えている。これを実感させたい。

今回は琵琶湖のほとりにある体験学習の施設をメインにして、新入生キャンプを行うのだが、この施設は基本的には保育園、小学校、中学校レベルの体験活動がメインで、高校生になるとちょっと物足りなくなる。

だから、大学生になるともう全然だめなのだが、それは体験をメインに考えている場合である。そうではなく、自分が教師になった時に、どのように子どもに体験させるのか、どのような学習活動が考えられるのかということを考えさせるには、ちょうどいいレベル設定だと考えている。

その下見である。
施設側にこの目的を伝えたところ、非常に興味を持ち、新たにプログラムを組むと言ってくださったので、楽しみである。

            ◆

夜は施設を移動して、キャンプファイヤーなども行う予定。
教員になってから学んでも良いが、学生のうちに一回ぐらいキャンプファイヤーをやるのもいいだろう。そして、このキャンプファイヤーも将来的には自分たちが企画するわけだ。

私の構想としては、この新入生キャンプの企画そのものが、「特別活動」の授業内容の一部になりうるので、二年生の後期の授業で
「来年の新入生キャンプの計画を立てよ」
という課題を出し、良い企画を実際にやってみるという学習もいいかなと思っている。

理論として学んだことを、実際に検証する。そのサポートを大学の教員が行う。そういうことをしてみたい。

実は、これは私が教員になって一年目に、教育委員会に提案した内容である。

『宿泊研修をするのなら、一日目はフィールドワークで「この場所での遠足のプランを考えよ」という課題を下さい。夜に企画書を書くので、翌日にその評価をしてください。そして、実際に現場で検証してください』

と教育委員会に提案したのだ。その企画は非常に良いと評価されたが、さまざまな理由で実施されることがなかった。それが、やっと実現する方向にある。20年かあ。

            ◆

実踏後、もう一つの仕事をこなす。
ここではびっくりするプレゼントがあった。
blogには書けないことだが、実に驚いた。

今日も忙しかったなあ。

京都迎賓館

8/31。
あべたかさんから頂いた「桃様」を使って「桃ビール」を作り、一日の終わりを楽しむ。今日も面白い一日だった。

            ◆

集中講義の4日目は、来週の月曜日。ということで今日はオフ。午前中は市民プールに向かう。夏休み中だけやっているということで、今日が最終日。9月の半ばまでやってくれても良いのにと思う。

ゆっくりゆっくりと泳ぐ。1000m弱泳いだか。
今年の夏は、3年前に購入して一回も使っていなかった「浮かぶ椅子」を味わうことができた。水中に浮かべ、それに座ると見事な浮力で水の中に座ることができるのである。泳いでない時はこれで寛いでいた。ああ、気持ちがよい。

だがちょっと気を抜いたら、とんでもないことになってしまった。プールサイドでネッ転がっていたら、そのまま寝てしまったのだ。夏の終わりとはいえ、すごい日差しで身体が真っ赤になってしまった。うむ。

            ◆

午後からは、見事抽選に当たった「京都迎賓館」見学会に出向くことにする。
京都御所の中に作られたこの迎賓館は、国内に番目の迎賓館である。一国に二つの迎賓館は必要ないという意見もある。そうだよなあと思いながらも、赤坂の迎賓館は日本らしくないしねえとも思う。

京都御所は広く、京都迎賓館まで結構な道のりであった。しかも、指定されている時間がせまっていたので、あの砂利道の上を走った。はあ。

ついてみたら何のことはない
「何でそんなに急がれているんですか?」
だと。だって、国のやるものは、本当に馬鹿みたいに時間厳守ってことが多いじゃないですか。国も変わったねえ。

            ◆

中に入ってみると、それは質素でありながらとんでもなく豪華な作りになっているのが分かった。例えば、石。石一つとっても、全国の石を集めているのが分かった。壁に行っている装飾も唐紙を使った壁紙や、金糸を使った細工など、まあすごい。無駄と思えるぐらいに工夫をしている。

これらは税金の無駄遣いという意見もあるだろうが、私はある程度はそれも仕方が無いと思っている。なぜならば、これらは「伝統文化・伝統工芸の伝承」という意味においては価値があるからだ。

例えば、諏訪湖の御柱祭にしても7年に一回であるが、これを7年に一回することで伝統が続くのである。桧皮ぶきの屋根の張り替えだって、これがあるから伝統工芸が続くのだと考えている。

一度無くなってしまった文化をもう一度興すのはとても大変である。それをこういう形で継続させることには一定の意味があるのではないかと考えている。

            ◆

ちなみにこういうときには、私の奥さんは非常に良い目を持っているので、一緒に行くと私だけでは発見できないところを発見する。細かいところを見ているのだ。やはり、視点の違う人と一緒に行くのがこういうときのポイントなのだろう。

私が発見したのは、茶室に飾ってあった色紙である。
ちょっと遠くにあったので、念のために確認したらやはり、あの短歌であった。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる」
だ。

季節に寄ってその時々の歌を掛けるのだそうだ。そのように会場の係のお姉さんが説明してくれた。で、このお姉さんが非常に詳しい。色々と答えてくれる.最初、学生の倍とかと思ったが、そのレベルではない。作者、会社、由来、特徴とたちどころに答えてくれる。内閣府に就職した一年生職員の研修なのだろうかと思わせるぐらいであった。

ちなみに、茶室の横には今の首相の直筆の書道作品が飾ってあった。表装が見事であった。
書かれている文字は、一文字目が右にずれていた。なかなか味わい深いものがあった。

            ◆

思ったよりじっくりと見たので時間がかかった。
昼ご飯に市内でラーメンを食し、バスで京都駅まで戻ってきていくつかの買い物をして、家に着いたのが7時過ぎ。

午前中の日焼けをかばいながらぬるめのお風呂に入って、桃ビールである。

みんな、「桃ビール」を楽しんでいるか。もうそろそろ桃様の時期は終わるぞ。一年後になってしまうぞ。

と思いながら、一日を終えた。

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