« 琵琶湖はもう少し、夏である | トップページ | 再び、贅沢な時間 »

2006/09/11

課題 実踏の下準備

特別活動論。集中講義二日目。授業の内容を書いてほしいと言うありがたいコメントを野中信行先生に頂いたので、嬉しくなって書くf(^^;。

本日の大きな課題は、遠足の実踏計画書を作るということである。

            ◆

1限 課題の説明 実作。
2限 実作。
3限 プリントアウトした未完成の課題を検討、修正。実際の例の提示。

完成したものは、明日の朝8:30までに教務と私のところにメールで提出というものである。

ところが、こういう意見があった。
「先生、大学に来るバスの始発に乗っても、明日の朝8:30までには来れません。9:00までにして頂けませんか?」
である。

私はこの意見を高く評価した。

『こういう意見はとても良いです。おそらく、皆さんの中にも(え〜、8:30では間に合わない)と思った人がいるでしょう。そして、後になって個人的に「先生9:00じゃだめでしょうか?」と質問に来るんですが、こういう人はダメです。みんなに関わる問題をみんなの前で質問する。そうすることで、仲間を助ける。それがいいんだね。私は高く評価します。そして、なるほどと思いました。教務に提出する時間は、9:00までにします』

特別活動は、集団との関わり、距離感を学ぶ授業でもあると私は考えている。このような質問が特別活動論の中で出ることは、嬉しかった。

            ◆

学生に出した課題の実際は、以下の通り。

引用開始 ーーーーーーーーーー

【実踏の下準備】

2006年 特別活動論 授業内課題 池田 修

あなたは、中学校1年生の秋の遠足の実踏(下見)に行きます。遠足の現地は、「岡崎公園 疏水近辺」です*1。遠足の当日は、平日の金曜日です。晴れの特異日であり、雨天時の活動は考えなくても良いことにします。

生徒は、8:00に集合して、16:00に解散します。集合・解散場所は、京都橘大学グラウンドです。集合場所から、現地までの交通は、徒歩と地下鉄のみです。
参加予定の生徒は、3クラス、100人。男子45人、女子55人です。特別に身体的に配慮を要する生徒はいません。生徒指導上大きな問題を抱えている生徒もいません。
各クラス6つの班が出来ており、仲間外れにされる生徒もいません。

遠足の引率をする教員は、学年主任1人、担任3人と、副担任1人、校長先生の合計6人です。
遠足の目的は、「班行動を通して協力しながら、岡崎公園から学ぶ」です。

課題:

以上の条件のもと、以下の項目について調べ、A4縦、横書きでエクセルにまとめます。インターネット等を活用して調べます。

提出は、メールとプリントアウトしたものの二種類とします。
提出方法です。まず、今日の午前中に出来た部分までをプリントアウトします。3時間目の授業中に確認して改良し、完成したものを更にプリントアウトして教務の提出ボックスに明日の朝、9:00までに提出します。

エクセルでまとめたものは、メールで、明日の朝、8:30まで池田のメールアドレスに送ります。

その際、重要な注意事項があります。メールの件名は、「特活課題 氏名」とし、ファイルにも「特活課題 氏名」とタイトルを付けます。メールの件名が、「特活課題 氏名」になっていないものは、メーラーがフィルタリングをしないので、あなたが送ったとしても、私は受け取ることは出来ません。十分に気をつけてください。

学部 学科 学生番号 氏名 
実踏予定日時
実踏場所住所(現地集合場所とします)
実踏担当者
活動費用
 交通費
 見学料
 お小遣い
活動場所
 現地集合場所
 見学場所(動物園、美術館、平安神宮等の中から最低一カ所は回る)
当日の時程(予定)
昼食場所
トイレ
危険箇所と想定される場所
緊急時の対応(住所、電話番号)
 救急病院
 警察
 消防署
お土産候補
その他

 なお、重要なポイント(評価の観点)は、次の3点です。

 1)生徒の健康と安全を考慮している
 2)無理無く、合理的な時程である
 3)目的を達成できる活動計画である

*1 「岡崎公園 疏水近辺」は、地下鉄東西線「蹴上駅」「東山駅」の間にあり、地下鉄の北側です。付近には、京都市営動物園、京都国立近代美術館、京都市立美術館、京都府立図書館、平安神宮、琵琶湖疎水記念館、南禅寺などがあります。

引用終了 ーーーーーーーーーー

この課題の中には、一つだけ意図的に計画から抜いたものがある。それを発見しつつ、この課題を4時間半の授業時間で完成を目指した。終わらない分が宿題なわけです。

やらせてみたところ、ある程度はできていましたが、中にはグーグルマップの使い方を知らない学生がいたので、使い方を教えました。すると、
「おーー!」
という歓声が起きる。そりゃあ結構感動するシステムだが、大学2年生なら知っていてねf(^^;。

どんな作品が出来あがるか、楽しみである。

            ◆

4限 今村先生の『夢の見つけ方教えたる』を元に、出した課題「書き抜きエッセイ」を元に、「書き込み回覧作文」を行う。

今村先生は、明日のスペシャルゲストティーチャーである。今村先生が出会ってきた子どもたちとの日々を綴ってきたこの本を学生が読み、その文章を引用して自分の考えを書く。それが「書き抜きエッセイ」。

それを元に、特別活動論を受講している学生同士が回覧しながらコメントを書き込む「書き込み回覧作文」。

この二つの作業を元に、

1)同じ本を読みながら、同じ場所にヒットする人がいる。また、自分なら全くヒットしないところを書き抜いていることを知る。
2)同じ場所を書き抜いていながら、自分とは違う切り口のコメントがあることを知る。

ということを実感させた。そして、明日の授業へのレディネスとした。
うーん、明日の授業は、私も楽しみだ。

            ◆

野中先生、こんな感じで宜しいでしょうかf(^^;。

« 琵琶湖はもう少し、夏である | トップページ | 再び、贅沢な時間 »

コメント

 無理な注文を聞いていただき、ありがとうございます。
 おもしろいですね。こんな授業が大学で行われていることに驚きます。こういうことは、他の教員養成大学でやられているのでしょうか。それとも、まったく池田先生の独創的なものでしょうか。
 「明日の授業が楽しみだ」という最後の感想。これですね。
 こんな思いを現場の教師達が、忘れているのだとしみじみと思いました。
 明日、子供達と会えることをわくわくして待っている。そういう教師の原点を取り戻していくにはどうしていけばいいのだろうと、改めて思いました。

おはようございます。池田です。
今日の授業と学生の提出具合が気になって、早起きしてしまいましたf(^^;。遠足の当日に早起きする子どもと代わりがありません。

特別活動論を担当する時に、当然他の大学のシラバスを拝見したのですが、やはりというか残念というか「知識」に偏りすぎている講義が多く見られ、(それじゃあ伝わらないなあ)と思いました。

今回、作業を通して学生には「教師として、学校外で安全に子どもたちを学ばせる」ということの意味と方法を具体的に理解させようと考えて、この授業を計画しました。

私の知る範囲では、東京学芸大学の山田先生が、学生に実際に飯ごう炊飯の計画を立てさせやらせるという授業をされています。

私が大学院でお世話になっている時に、
「遠足の具体的な指導の授業が無いのは、おかしい」
と話していたら、(そうか)と実際にその授業をつくってくださいました。

今回の私の授業の感想としては、

引用開始 ーーーーーーーーーー

「遠足って疲れる」と言っていた自分を殴りたいと思いました。製作していて普通の道なのに通れないんじゃないかとか、もし生徒がいなくなったら…など考えると、限りがなくて遠足なんて学校行事からなくなればいいのに…と、途中から思い始めてしまいました。先生たちの影の仕事のほんの一部を経験し、今まで知らなかった大変な部分を知れてよかったです。そして先生にすごく感謝しました。

引用終了 ーーーーーーーーーー

引用開始 ーーーーーーーーーー

今まで遠足とは、先生たちの指示に従って、また、自分たちの立てた計画に従って行われるただただ楽しい行事でした。しかし、今回実踏計画を作ってみて『たかが遠足に、こんなにも綿密な下準備が必要なのか!!』と感じたのが正直な気持ちです。それだけ難しい作業に感じました。生徒の安全を確保するために先生たちはこんなにも一生懸命やってくれていたのか、と、いまさらながら嬉しさを覚え、同時に教師っていうのは常に体を張っていなければならないのだな、と、身が引き締まる思いがしました。遠足のことばかり気になってすぐにプリント類をなくしてしまっていたことを今心から反省します。

引用終了 ーーーーーーーーーー

のようなものが割と見かけられ、遊ぶ側から遊ばせる側へ、指導される側から指導する側へという視点の転換が必要なのだということを、実感しつつ学ぶことが出来たようです。

この授業では山を3つ用意してありますが、これで1つ目の山は登頂です。今日が今村先生の講義で2つ目の山。

そして、3つ目は・・・。
学生、頑張れです。


コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/95613/11856373

この記事へのトラックバック一覧です: 課題 実踏の下準備:

» またもトラックバック [山田雅彦@cocolog]
 野中様、初めまして。池田さん、ご無沙汰してます。  名前を出していただいた山田 [続きを読む]

« 琵琶湖はもう少し、夏である | トップページ | 再び、贅沢な時間 »