「逸題」 井伏鱒二
京都に来て初めての中秋の名月である。
二日連続の高校の模擬授業を終えて、京都で奥さんと待ち合わせ。
本当は、奈良の猿沢池まで行こうかと思ったのだが、
天気が悪そうだったので取りやめ。
烏丸あたりでいろいろと買い物をして、食事をして
烏丸通を京都駅まで夜の散歩。
そしたら、少しだけ月を見ることができた。
そうだ、そうしたらあの詩だ。
引用開始 ーーーーーーーーーー
逸題 井伏鱒二
けふは仲秋明月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあはせ
よしの屋で独り酒をのむ
春さん 蛸のぶつ切りをくれえ
それも塩でくれえ
酒はあついのがよい
それから枝豆を一皿
ああ 蛸のぶつ切りは臍みたいだ
われら先ず腰かけに坐りなほし
静かに酒をつぐ
枝豆から湯気が立つ
けふは仲秋明月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあはせ
よしの屋で独り酒をのむ
引用終了 ーーーーーーーーーー
私の教え子には、全員教えているこの詩。
みんな日本のどこかで、または世界のどこかでこの月を見ているかなあ。
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