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2006/10/23

なんとも、嬉しい今宵

「池田先生、孔子様は良いこと言ったね。【後生畏るべし】だね」
20年前には考えられもしなかった。吹野先生に「先生」と呼ばれるなんて。
「後生畏るべし」なんて言われるなんて。

            ◆

大学の恩師の一人、吹野安先生と今日、久しぶりに電話でお話をすることができた。転職のご挨拶を送ったのだが、連絡をいただけなかったので大学の同窓会に確認したところ、先生から電話を頂いたのだ。先生の話によると、体調を崩されていて連絡ができなかったとのことだった。

吹野安先生にはとても厳しく指導頂いた。
学生の時には
(もう、どうでもいいから単位がほしいよ)
と思っていたが、今になって厳しく指導して頂いたことを心から感謝する。

大学5年生が決まった時に
「池田、5年生やるのか。そうか、じゃあ、この単位は無くすから来年も授業受けろ」
と折角とった漢文概論の単位をあっさりと取り消してくださいましたf(^^;。

指導する側に回れば、厳しく指導することがどんなに大変なことなのかが分かる。
「ああ、いいよいいよ。ん〜ん、いいよ」
なんて流して行けば生徒や学生と衝突することもなく、仏の○○なんて呼ばれて終わるのだろうが、それがどういう人間を育てるのか、今はよく分かる。

世間がどうとか、社会がどうではなく、目の前の学生に自分の価値観でガンガン指導してくださった先生だから、今も懐かしくありがたいのだと思う。

            ◆

「声を聞くと分かるよ。顔が浮かぶよ。声に勢いがあっていいねえ」
20年もお会いしていないのに、先生は、そのように話してくださった。
「若いんだから、社会にガンガン異議申し立てして活躍しなさい」
『先生、私もう、そんなに若くないです』
「なにを、まだ、はな垂れだ!」
そう言い放ってくださる先生がいることに、幸せを感じる。

『採用試験に合格したとき、「先生に30歳で大学院に戻ってこい」と言われました。ありがたく思いましたがいけず、それからさらに時間が経って大学院に戻れました。大学は5年間かかりましたが、大学院は1年で終わらせることができました。遅くなりましたがなんとか約束は果たせました』
「何かやる学生だとは思っていたよ」
『ありがとうございます』
「あの世に行く前に一度会いたいね」
『先生、憎まれっ子世にはばかるですよ』
なんて、恐ろしくて言えなかったf(^^;。

            ◆

「良い先生を育てるんだぞ」
『はい、先生にご指導頂いた厳しさには適いませんが、厳しく指導したいと思います』
「期待してるよ」

20年前にはこんな会話が先生とできるとは思わなかった。
なんとも、嬉しい今宵であることと。

さあ、吹野先生からもご指導頂いた。
厳しく行こう。

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コメント

私の人生で最大の恩師が吹野先生です。
気にはなっていたのですが連絡が出来ずにいた吹野先生。
本日思う事があり、検索したところ貴辞を拝見し、4年前のものと思いながらも、感慨深く投稿させて頂きました。

先生らしいコメントが拝見できて嬉しく思いました。

ありがとうございました。

ああ、うれしい。同窓ですね。そして、同じ恩師でネットで繋がれるとは、実に嬉しい。コメントありがとうございます。

最近直接連絡を取りましたか?
喜ばれると思います。
どうぞ電話をして下さい。

20数年前、吹野先生のお宅でちらし寿司をいただいたのを思い出しました。講義でいただいていたのは、紅潮したお顔でお叱りの言葉でしたが・・・。

「孟嘗君」さえ知らない若い中国人相手に貿易していますが、時々先生の受け売りで「お前らそれでも歴史認識あるのか!」と不義理をする連中に偉そうなことを言ってます。 

吹野先生つながりで、池田先生の著書も拝読させていただきます。

とても嬉しいです。今年は野球も駅伝も母校が頑張っていて嬉しく思っている中で、こうしてまた吹野先生つながりでコメントを頂けるのは。

>>講義でいただいていたのは、紅潮したお顔でお叱りの言葉でしたが・・・。

まさに(^^)。
でも、講義をする側になるとあの厳しい顔が、頭の中でなんとも優しい顔に見えて仕方がないのです。

私ももちろん、先生の言葉の受け売りで授業をしています。ですが、教育はラグビーだと思っていますので、先生の言葉を受けとめ、少し自分で前に出て、さらに後輩に伝える。これが仕事だと思っています。

>>吹野先生つながりで、池田先生の著書も拝読させていただきます。

ありがとうございます。吹野先生の御著書のように小書は、洛陽の紙価貴しとはまだなってはないと思いますが、この辺りを読んでいただければ、幸いです。

『教師になるということ』(ひまわり社)

今年こそは、吹野先生にお会いしたいと思っている池田でした。

悲しいお知らせです。
吹野先生が御亡くなりになりました。
とても残念です。

先生の意志を引き継いで行こうと思います。

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