この国は十分に
COOPER Sでロングドライブがしたいと思い、若狭まで駆け抜けた。単純な片道で75キロ。あちこち回って200キロのドライブだ。途中、名残の紅葉を楽しみ、土砂崩れの跡を眺めのドライブであった。
小浜で魚を食べ、風呂に入り、景色を目で、深呼吸をした。
ふう。
雲の流れがはやい。
その雲の影が若狭の入江を作る山山に移りながら変化を与えている。
命の洗濯。
◆
帰る時に、もう一つ神社に行こうと言うことになった。
「神宮寺」である。
私は入り口で急激な睡魔が襲ってきたので、帰りの運転に備えて仮眠を取ることにした。奥さんだけが中に入る。
一時間ぐらい立ったろうか、奥さんが興奮して帰ってくる。
「すごいすごい」
その日の最後の参詣者だったようで、中で宮司さんが丁寧に説明してくれたそうだ。紅葉が美しいだけではない。
◆
この小浜という街はシルクロードの日本のスタート地点と言うことも言える。大陸の文化がここから日本に入って行ったのだ。そして、その証拠に小浜と奈良とをつなぐものが残っている。そういえば、小浜から大学に来ている学生が
「小浜は海のある奈良です」
ということを言っていたが、なるほど、そんな感じがする。
この神宮寺は毎年三月二日に「お水送り」という行事を行う。
このお水送りとは、奈良の二月堂で行う「お水取り」の水を、小浜から奈良まで送るという行事である。二月堂を作ったお坊さんがこの小浜と関係があることもあるのだが、まあ、とにかく壮大なロマンである。
奈良のお水取りの水は、小浜から送っているのだという。つまり十日間掛けて届くと言うのである。繋がっているのだと言う。これがお水取りと同じだけ毎年つづけられているのだ。
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美しい国なんてことをわざわざ言わなくても、この国は十分に魂を揺さぶるものに包まれている。
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