保育士中心の話をした
今日は大阪の高校で模擬授業。国語の授業の話をする予定で行ったら、保育園の先生になりたいという生徒がほとんどだったので、急遽話を変更した。子どもの言葉の発達を脳科学が解明した部分と絡めて保育士中心の話をした。
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『はい、では授業を始めますので、マフラー取りましょう』
開始と同時に、言う。
一瞬教室に厳しい空気が流れるが、それは仕方がない。授業を受ける。しかも、お客さんがきてくれて授業をしてくれるのであれば、そのぐらいのことをはきちんとできなければならない。私はおそらく一回しか彼女らとは縁がないだろうが、それでもそういうことは言わなければなあと思うんだよね。
(きちんとした話をするのだから、聞くみなさんも、ちゃんと聞くんだよ)
という思いを込めて、一つ一つ反応を確かめながら話をした。
途中からは、ちゃんと聞いてくれた。
引用開始 ーーーーーーーーーー
子どもを教えるのに、保育園とかなら、簡単だと思ってたけど、自分の声で、その子を振り向かすことが出来るかっていったら、かなり難しいなあと思った! 漢字の覚え方はこれから先とても役立つと思いました。凄くためになる話をありがとうございました。
引用終了 ーーーーーーーーーー
というような感想を多く貰ったので、一安心である。
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しかし、「子どもを教えるのに、保育園とかなら、簡単だと思ってた」というのはあるんだろうなあ。そう思っている高校生が多いのではないかと、今まで模擬授業をしてきた感触や感想で、なんとなく思っていたので、今日は「簡単ではない」ということも話した。
『私は去年まで中学校の先生をしていましたが、中学生なら頭にきた時は「むかつく!」と言えるし、体調が悪い時は「頭が痛い」と言えます。
けどね、君たちが就こうとしている保育士さんが相手にする子どもたちは、まだ日本語が話せない赤ちゃんから始まって、自分をうまく表現できない子ども、子どもを育てる経験の少ないお母さん。こういう人たちを相手にするんですよ。
だから、君たちに子どもを見る目がないと、子どもが危ないんです。きちんと説明する力がないと仕事が進まないんです。だから、たくさん勉強しないとね』
『例えば、君は国語が好き? ん? まあいいや、国語が好きだとしよう。そして数学は嫌い。ま、君がそうであることは君の人生においてはあることだし、それはそれでまあ良い。だけど、君が数学が嫌いだと言うことで、君が相手にする子どもに数学を教えないというのでは困るよね。
君がお母さんになった時、「私はカレーが嫌いだから、私の子どもにも食べさせません」ってのは変でしょ? 先生になるってことは、色々な可能性を持った子どもたちにきちんと対応できるってことなのね。だから、君は、先生になるんであれば、少なくとも高校生が学ぶことに関しては、すべてをきちんとやっていくことが大事なんだね。たっくさん勉強するんだよ(^^)』
高校一年生の彼女らは、感想を見る限りでは分かってくれたようだ。
ああ、良かった。
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