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2007/03/24

『図解 よくわかる 授業上達法』

『図解 よくわかる 授業上達法』(上條晴夫 学陽書房)を贈って頂いた。
上條さんの新刊である。
早速拝読した。
さすが、上條さんという本である。

上條さんとの出会いはかれこれ15年も前になると思う。ディベートの講座を一緒に受けたのだが最初だ。そのころの私は「授業づくりネットワーク」なる団体そのものも知らなかった。それがいまでは私の研究と修養の中心の団体になるわけで、もし、この団体に出会わなかったら今の京都暮らしは全く考えられなかったと思う。ちなみに、上條さんもディベートに出会わなかったらこの本はなかったと思われる。

            ◆

そう、本の話である。
勉強家の上條さんがこの20年間に学んできた内容をコンパクトにまとめている。授業の技術に関して大きく二分してそれぞれ30種類提示している。教師の指示系列の技術を「タテ力」、生徒の交流を支える技術を「ヨコ力」である。こんなにどーんと出してしまっていいのか?と思うぐらい内容の濃い本である。

特徴的なのは一つ一つの授業の技術・考え方を「図解」していることにある。実は、私にとっては非常に懐かしい図解である。上條さんがいろいろな講座で説明をする時に使っていた図解も随所にあり、それを見て懐かしく思っている。もちろん、初見のものもあり勉強しながら読んだ。

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読後の感想を誤解を恐れずに言えば、この本は「中級者以上」の本である可能性が高い。というのは、この本を読んだだけで初心者がすぐに授業が上手くなるとは考えにくいからである。というのは、ここで提示されている授業の技術・考え方が実感として伝わってこないのではないかということがある。

しかし、逆に授業経験が5年ぐらいあり、なおかつある程度授業上達に関して意欲を持っている教師が読めば、もの凄い武器になることばかりである。自分の授業で上手く行かなかった時に、何が不足しているのか、どう手だてをすれば良いのかが分かるからだ。

授業の技術を中心にまとめている本ではあるが、その実、技術から入り、それを支えている授業観に迫ろうとしている本ではないだろうか。もしそうだとすれば、授業初心者もこの本を傍において授業を作ることから、やがて自分の授業の観を高めるための入門書になるのかもしれない。

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私が期待したいのは、合計60のそれぞれの技術に関して50分のワークショップをやってくれないかなあということである。それが完成して新人の教師が初任研や三年以内に「授業づくりネットワーク」などで受けることができれば、その教師の人生は変わるだろうなあと思うのだ。上條さん、よろしくお願いいたします(^^)。

教師なら手元に置きたい本である。

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