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2007/04/30

メインテナンスの一日

GWだというのに、朝早くに起床。四時台に起きてしまった。
水でも飲んでもう一回寝ようかと思ったのだが、朝焼けが始まっていたのでそのまま起きてしまう。流石に寝間着のままで外に出るには涼しいが、もうそろそろ年に数日あるかないかの、外でそのまま寝ることの出来る日がやってきそうである。

            ◆

午前中から奥さんと一緒に外に出る。新居の調度がまだ揃っていないので、探しに出かけた。そしたら色々なものを見つけた。

今年の国語科教育法を受講する学生たちは、身長の低い娘たちが多い。板書の指導をしているのだが、黒板の上の方が使い切れない。娘たちは、それを気にしている。合格して専任教員になれば、教壇等を作ってもらって支障なくすることも出来るだろうが、教育実習の時には無理だ。

で、板書を指導する私としては考えた。
(そうだ、台だ)

で、ホームセンターで台を探すことにした。いろいろと探して二種類の台を手に入れる。今度の授業に持って行こう。

            ◆

結婚した当時に買った「カリモク」の椅子の調子が悪くなっている。先日新幹線でぼーっと車窓を眺めていたら、瀬田に「カリモク」のショウルームがあるのを発見。そこで修理の見積もりを頼みにも行く。

私が使っているこの椅子は、有名人も使っていることが分かっている。(後から知ったのだが)
あの『蝉時雨』の作者の藤沢周平さんである。

折角なので新品同様に直してもらおうかと持ったのだが、椅子の座面に使っていた布がもう欠番になっているので、どうしようか悩んでしまった。うーん、しばらく考えよう。

            ◆

琵琶湖の東側の湖岸道路を通りながら、琵琶湖大橋を渡って家に向かう。GWだというのに、道は気持ちよく流れる。ああ、田舎は気持ちがよい。

坂本にあるスーパーで、岩牡蠣などを購入。今晩のおつまみ。
もう、出ているんだな。幸せ。

            ◆

家に帰ってのんびりしていたら、今日もの花火。突然であった。ハート形の花火が多かったから、結婚式のセレモニーとして上げたのだろう。麦酒を楽しみ、幸せを祈る。

そんなGWの一日だった。

2007/04/29

湖上に竜巻

驚いた。

(今日は風が強いな)
と昼頃リビングから琵琶湖を見ていた。
すると、急に波が大きくなり黒い雲が西から琵琶湖の上に掛かり始めた。

その瞬間である。
湖上に竜巻が出現したのである。竜巻は3つほどあった。
それが、琵琶湖でヨットの練習をしているグループを襲った。

Tatumaki


あっという間に、ヨットは転覆。
そして、竜巻は通り抜けて消えてしまった。

雷が鳴っている。

レスキューのボートが転覆しているヨットのところに向かう。
そのヨットの上には人間が乗っている。
(良かった。人は無事だ)

なんかとんでもないものを見てしまったなあ。

            ◆

昼間は部屋で本を読み、学生の書いた文章にコメントをしながら過ごす。昼寝をするつもりだったが、ついつい。

今日読んでいたのは下らない本もあるのだが、この下らない本が結構好きな私。きちんとした本は、後世にまで残るのだが、下らない本はそのタイミングで手に入れておかなければ、後ほど手に入れるのは難しい。だから、買ってしまう。

だが、この下らない本から一つの授業をつくることが出来たりもする。今日読んでいた本もその一つ。今日なんか二つの授業をつくることが出来そうだ。しめしめ。

            ◆

夜は花火。
この時期に花火というのは珍しいが、琵琶湖汽船が創業120年ということで、琵琶湖に人口の島を作り金曜日土曜日とお祭りをしていたのだ。そのお祭りの一環で、二日間夜に花火があがった。

両日ともものの5分程度であったが、湖の花火を楽しむことが出来た。
夏の花火大会が実に楽しみだ。

Hanabi


なお、竜巻と花火の写真は、のちほどアップしようかどうか考え中であります。

◆ その後、人命には関わらなかったようでしたので、4/30にアップしました。

2007/04/28

生命保険の見直し

いやあ、面白い。
生命保険の見直しのお話。

新しい家に引っ越したので、オプションとして資産相談が付いてきた。無料ということで受けてみることにした。これも勉強である。本日二回目。

            ◆

私の基本的な考えは、

・必要なものを買う。
・欲しいものはちょっと待って考えて必要か、どうしても欲しいかを考えて買う。

である。逆に買わないのは、

・向こうから「良いものですよ」買いませんか?と言ってきたもの。

である。
冷静に考えれば、「売り手に利益がある」から、電話をかけてくるわけである。もっと言えば、「売り手に利益があるから」ガンガンCMを流しているのであると思っている。そして、そこで売ろうとする商品の代金は、電話代とCM代が含まれているのである。

            ◆

「生命保険を見直しませんか?」
と二年前から随分と電話があったのだが、忙しくて取り組めずにいた。さらに、上記のように売り手に取って利益のある情報を、わざわざ顧客に教えてくるはずがないと思っていたので、伸ばしていた。

で、結論。
やっぱり生命保険の買い替えを勧めていたのは、私が嘗て行っていた生命保険の契約が、会社にとってかなり損を出す、つまり、私にとってはかなり美味しい契約だったため、そこの部分を生命保険の見直しによって解消させようとするものであろうということが、分かった。うーん、おそるべき見直し。ああ、良かった。

電話代をかけて、CM代を使って
「どうですか?」
と言うものは、注意である。

良いもの、必要なものは、営業をしなくとも売れると考えている。

            ◆

ただし、ブランドは別。だから、ブランドを重視する。
さて、そのブランドを踏まえた論考は、そのうち。

2007/04/27

学生の相談に乗る

学生の相談に乗る。
塾の講師を始めたが、授業が上手く行かないという相談である。
教師としての実力を磨くには、塾の教師をやるのが良いという私のアドヴァイスを受けて、この春から挑戦し始めたと言う。それはよしよしである。

だからそれに関して相談があるというのであれば、私にも責任の一端がある。相談に乗る。
いろいろと聞いてみると完全に舐められている。
馬鹿にされている。ちょっと見ると子どもが悪いようにも思えるが、実は違う。
その原因は子どもにあるのではなく、学生の方にある。

要は、教材研究が全く足りないのである。

            ◆

『その場面を再現してごらん』
『その授業のために、その教科書の2ページで何個質問を考えた? 発問は?』
『90分の授業のために、どれだけの時間をかけて準備した?』

いくつかの質問をするが、はっきり言って話にならない。
厳しく指導する。

『君は、教師を目指しているんだろ? 5人の子どもを相手にして、その子どもたちを伸ばすことにもっと全力でぶつかって見なさい。アルバイトだって、子どもの前ではプロの先生なんですよ。給料をもらっているんですよ』

            ◆

あまり学生には見せない私の大学での授業細案も少し見せる。

『あのね、言いたくないけど私が90分の授業をつくるのに、その6〜7倍の時間をかけて準備しているんだよ。10時間ぐらいはかかっている。それ以前にもたっくさんの本を読んで、基礎的な知識や指導法を体に入れて、それでいて直接の90分のために10時間ぐらいかけて作っているんだよ。これがその細案の一部だ』
「・・・」
『どうした?』
「先生は、最初から出来るのだと思っていました」
『あほか。最初から出来る人なんていない。もっと言えば君は出来ないのに努力もしていないじゃないか。悩むなんて100万年早い。「ここまでやりました。でも、できません」というのなら、解決方法を考えることはできる。だが、まだそんなレベルではない』
「先生はこの研究室にある本は全部お読みになったのですか?」
『まだ読み終わっていないものもあるが、基本的には全部だ。家には遊びの本がまだあるぞ』
「そうなんですか」
『本を読めと言っているだろう。これだけ読んで、これだけ教材研究してというぐらい準備して子どもたちの前に立ったことがあるか? 準備はやりきったと言う思いで教室に入れば、子どもたちにそれは伝わるはずだ。まだ、やっていないから不安なだけだ。それは悩みではない、不安だ、準備が足りないまま授業に出て何かあったらどうしようという不安だ。それが子どもに見破られているんだ。だから舐められるんだ。まずは、やりなさい。やりきりなさい。学生時代なら時間はあるはずです』
「はい」

            ◆

素直なのは、うちの学生の良いところである。
本当に教師になりたいなら、頑張れ。
君は三回生だ。まだ、採用試験まで1年ちょっとある。
応援する。

第二回 明日の教室 ご案内 5/19

第二回 明日の教室 ご案内

好評のうちに、第一回目をスタートすることが出来ました。第二回のご案内をいたします。今回は美術家、岩井成昭さんを講師にお招きします。是非多くの方にこのワークショップを体験して頂きたいと思います。

なお、材料を用意する都合から、当日の受付は難しいことをご理解ください。

日時:5月19日(土)  13:00~17:00
会場:京都橘大学児優館 図工室
http://www.tachibana-u.ac.jp/official/information/access.html
講師:岩井成昭さん@美術家
会費:一般2000円、学生1500円

申し込み:http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P2213754

◆ 講師の方の交通費は、プロジェクトを担当しているP3 art and environmentさんが負担して下さることから参加費を低く抑えることが出来ました。

講師略歴:1962年東京生。東京在住。1990年より音声やノイズなどを収集し、ギャラリー空間に再構成したサウンド・インスタレーションを連続して発表する。 90年代後半からは人と社会の関係性にテーマを求め、主に欧州・豪州・日本における多文化状況の調査を通してビデオや音声による作品を制作。近年では、以前からの手法に加えて、インスタレーション・テキスト・パフォーマンスなど、使用メディアや作品形態の幅をさらに広げると共に、世界各地の都市や地方に滞在し、地域のコミュニティや伝統を現代の文脈の中で再構築する試みを続けている。

内容:「幣のフィールドプロジェクト」
岩井さんによるワークショップと、陶芸作品作り。皆さんの作品が実際に北海道の「十勝千年の森」に送られ、オブジェとして設置されます。

今後の予定:

6月23日(土)  
講師 土作彰さん@奈良県広陵町立広陵西小学校教諭

7月7日(土)
講師 佐藤正寿さん@岩手県奥州市立水沢小学校教諭

8月25日(土)  
講師 野中信行さん@横浜市立大池小学校教諭

9月15日(土)
講師 蓮行さん@劇団衛星代表

◆ 研究会の日程は講師の都合等により、変更する場合もあります。


今日は人に会う日だった

今日は人に会う日だった。

午前中に一件、午後に一件、夜に一件。そしてその合間に学生が授業の相談やら本を貸してくださいやらで訪れる。その合間に事務仕事をしようと思ったが、流石にこれはほとんど出来なかった。

去年は大学に移って最初の年ということもあり、基本的には「授業と学科の立ち上げの仕事」の二つだけしようと思い、その通りにしてきた。私の性格からして、最初に頑張っておかないと後から頑張るということはないだろうし、来年度以降はもっと大学の仕事が増えるから、今のうちに授業をつくり込んでおこうと思ってそれをやった。

で、今年は研究のスタートの年とすることにした。京都に移ってきてやっとどう動くかも少し分かってきたし、今までの研究仲間や新しく出会った仲間たちとも動けるようになってきたので、エンジンをかけた。

国語科指導法、コミュニケーション、コンピュータ、学級担任論などの領域に跨がりながら、動き出すことが出来そうである。ありがたやありがたやである。

『搾取される若者たち ーバイク便ライダーは見た!』

『搾取される若者たち ーバイク便ライダーは見た!』(集英社新書 阿部真大)を読んだ。団塊ジュニア以降の若者たちが陥る仕事の上の問題点をしている。

不安定雇用の職種であるバイク便のライダーは、若手によって支えられている。不安定雇用にも関わらず、彼らはワーカーホリックに陥って行く。そのからくりを著者自らが一年間バイク便ライダーをすることで明らかにした著作。

私も学生時代にアルバイトで塾の講師をしていたが、そこでの雰囲気がこの本に描かれている雰囲気に多少似ている。明るくて爽やかなのである。塾講師とバイク便ライダーでどこが似ているのかと思われるかもしれないが、実に似ている。さっと読める文体なので、その謎は読まれると分かると思う。

一種のキャリア教育としてこの本を捉えることも出来る。それは、爆発的に売れた『13歳のハローワーク』に関する次の批判からも見て取れる。この批判は、私が感じていた違和感の一つである。

引用開始 ーーーーーーーーーー

『13歳のハローワーク』に代表されるような無責任な自己実現を促す職業教育が、当面は問題であろう。同書にはなんと「乗り物が好き」の欄に「バイク便ライダー」が紹介されているのである。これを読んだ一三歳の子がバイク便ライダーを目指すようになったとき、著者はどのように責任をとるのだろうか。やはり、生涯年収やその職業の安定性、将来性なども同時に書き添えておくべきではないだろうか。そうすれば、バイク便ライダーをしていつまでも食べていけるなどという幻想を抱く若者が今後、少なくなるかもしれない。それを知らせた上で、バイク便ライダーを目指すか否かは彼らの選択に任せれば良い。職業への「夢」(これまで否定するつもりはない)と同時に、そのリスクも考え合わせることが出来るような知識をもった若者を育てていく教育が求められているだろう。

引用終了 ーーーーーーーーーー

私も特に高校生に教師とはどういう仕事なのかを話するときは、教師としてのリスクをかなり語るようにしている。その上で、彼らが選ぶのであれば大いに応援するから、うちの大学で学びたまえと話すようにしている。

いい面だけでなく、リスクまでも見えているのが大人であり、そのことを伝えなければガイドにはなりにくいはずだ。

『ピラゴラ装置 DVDブック 1と2』

『ピラゴラ装置 DVDブック 1と2』(慶応大学佐藤雅彦研究室 小学館)を読んだ。ん、見た?ご存知NHKの「ピタゴラスイッチ」の人気コーナーのDVDである。
あれは面白い。アルゴリズム体操も面白いが、このピタゴラ装置は本当に面白い。

一度本屋に並んでいたのを見たのだが、その時に手に入れなかったらあっという間に売り切れ。それで今回は発見した瞬間に購入した。

いいなあ。
物理ってこんなに面白かったのねと分かる。

これは児童教育学科の英知を結集して、さらに新しい装置を学生に作らせたいなあ。

2007/04/26

『裁判官の爆笑お言葉集』

『裁判官の爆笑お言葉集』(長嶺超輝 幻灯舎新書)を読んだ。
著者による裁判の傍聴や判例文から、印象的な判決の言葉を集めたものである。

ディベートのジャッジをする身としては、判決の重さはそれなりに自覚しているつもりである。その判決一つで全国大会に出場できたりできなかったり、決勝トーナメントに出場できたりできなかったりするわけである。

一つ一つの言葉を吟味するという面では、もちろん裁判官の方が上だろう。その部分を読んでみたいと思った。

この本のタイトルは『裁判官の爆笑お言葉集』であるが、『裁判官の爆笑お言葉・ありがたいお言葉集』ぐらいでも良かったのではないかと思った。

「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きていてもらいたい」

という裁判長の言葉の真意はどこにあるのか。読んでみると、なかなか凄いものがあります。

2007/04/25

まだ明るい

今日は久しぶりに早く帰れる。
まだ明るい。

研究入門ゼミの授業も熱心に学ぼうとする新入生の姿勢に助けられて、楽しく充実して行うことが出来た。

よし、読みかけの本を今晩はたくさん読むぞ。
さ、帰ろう帰ろう。

一子相伝の秘技を伝える

二限にお客さんがいらっしゃって研究室でお話。地域で発達障害の子どもを支援するボランティアサークルを開いている方がいらっしゃった。本学の卒業生とのこと。大事な話だなあと思いつつ、いまの私はそこまで手を広げることは難しくどうしようかと思いながら伺った。学科の先生に相談してみよう。

            ◆

昼休は、映画の上映会で作品を鑑賞。
新入生キャンプで撮った写真を学生のオリターがフォトストーリー3で編集したムービーを大教室で上映した。

いやあ、いい作品であった。
「計画、実際、まとめ」という行事の三つの要素をきちっとオリターたちはやりきった。大義じゃ、褒めて使わすってところだ。ここまでできる大学生はなかなかいないぞ。

この作品を世に出すにはあといくつかの関門があるので、それを彼らに挑戦させたいと考えている。ここの関門をくぐり抜けることができれば、もうこれでアルバイトもできるはずだ。がんばれ。

            ◆

4限、国語科教育法2。先週の続きの「発声と板書」。なかなか国語の内容に入って行かないが、ここは譲れない。今日の授業は教育実習に行く他の学科の学生も聴講に来ていた。そう、そうなのである。このタイミングで「発声と板書」をやることで、教育実習に行く学生がぎりぎり学び直すことができる場となる。

私自身、ぎりぎりにならないと仕事が進まないタイプである。やっと少し直ってきたがまあ、計画的にというのはなかなかねえ。でも、ギリギリになって火がついてやろうという学生であっても、それがいるなら受け入れましょう。同病相哀れむってことわざもあるじゃないですか。

この授業のあるトピックは、一子相伝の秘技を伝えることにしている。ま、30人相手ですから一子相伝ではないのですが、
『いいか、この技は、決してインターネット等に書くではないぞ』
ときつく言い渡してから、伝授した。その時の彼らの顔が忘れられない(^^)。

            ◆

6限。教育実習2。
三年生の教職を目指す学生への指導の一回目である。中学校現場で学生を受け入れてきた経験から、このような学生を求めている、このような学生はお断りしたいというような話をした。

学生たちは真剣に話を聞いていた。これが京都橘大学の教育を目指す学生たちの良さである。(いや、ほかも良いと思うのだが、授業をしていないのでf(^^;。)心の底から良い教師になってほしいと思う。

            ◆

授業が終わり、仕事の片付けをしていたら電話。職員のS君からである。
「先生、食事に行きませんか」
今日の教育実習Ⅱの担当でもあった彼である。9時には家に帰ると電話をしていたのをキャンセルし、今日中には帰ると電話をし直す。車を大学に残して向かう。

料理はみんな美味しかった。絶品は、エイのほほ肉の唐揚げである。クジラやマグロのほほ肉は食べたことがあるが、エイは初めて。軟骨と皮と肉の食感が心地よく、味もアンコウの唐揚げのようで美味しかった。

うーん、食べ過ぎたかな。

2007/04/24

授業の感想に答える6〜12

引き続き、感想に答えて行きましょう。なんか、諸君の感想の文面が一気に長くなったと思うのは、気のせいでしょうかf(^^;。

S1 教師にとって“声”は本当に大切だと思う。実際私は今生徒であり、何人もの先生の授業を受け、今までもいろんな先生から教えを受けてきた。そこでやはりハキハキとした先生もいれば、何を言っているのか分からない先生もいた。私は、先生によって自分の理解力も変わってくるし、その教科に対する興味や関心も変わってくる。そうなれば先生というのは生徒の人生に大きく影響を与えることになる。
私も、影響を与える先生を目指す者として、生徒への向き合い方をいろいろ学びたい。そこで今日の授業は本当に授業をする上での基礎であり、一番重要な部分でもあったかと思う。“何を伝えたいかを考えて話す”また目的別で、注意なのか、しかるなのか、ほめるなのか・・・。また、立ち位置によって聞く側の感じも話す側の感じも変わるということ。声の通り方は教室の前と後ろで違うこと。分かっているようで、いつもは別に気にしていない、しかしそれはとても重要なことであること。そんな重要な発見ができた授業だった。
まだ実践の経験がない私は、想像上の自分でしか考えられないけど、イメージトレーニングも重要だと思うし、今日学んだことは常に頭に置きながら、これからも授業にのぞんでいきたい。

T 大学の授業でできることには限りがあります。90分で理論と実際とをやるのは時間が本当に足りません。それを補うために参考文献をどんどん紹介しています。理論の部分を補うためです。読み進めてください。
実際のところは、理論を意識してトレーニングすることが大事です。分かったことをできるようにする。そのための方法がトレーニングです。

S2 今日の授業は、私にとって一番必要であり、一番苦手なキーワードでした。大きな声で話すという事が苦手なので、声で勝負という教師の仕事が今でも不安でいっぱいです。克服するためにも、今日の授業で聞いた、『正しい発声』や、『どうやって声を出すか』ということに興味を持ちました。
中学の頃、学級委員をしていた時も、どうしたらみんなが聞いてくれるんだろう…と試行錯誤を重ねたこともありました。困ったときは担任の先生がクラスを静めてくれたり、板書を手伝ってくれたりと、助けの手が近くにあるという状況でした。しかし、今度自分が教師になるということは、生徒に教えなくてはいけないし、伝えなくてはいけないという立場になります。それを思った時、声の大きさ、伝える方向が本当に重要になっていくんだと、感じました。教卓より前に立つか、後ろに立つかで話を聞く側にいる生徒の気持ちの動きも違うということや、感情を伝えるのに方言で話したほうが、伝わりやすいということも、改めて知り、勉強になりました。
話す技術である構成で、授業の初めに『今日は○○について話します』とか『全部で3つあります』というように、はっきりとしたゴールを示してくれる先生の授業は受けやすいと私自身も思っていました。大きな声という苦手分野ではあるけれど克服しながら、聞き手にとっても話し手にとっても窮屈にならない、話術を身につけていきたいと思います。

T 自分が苦手な分野を理解しているということはとても大切なことです。苦手なことが分かれば、対策が立てられます。
大きな声が出ないのであれば、出すための筋肉トレーニング(冗談ではなくて本当に)をすることなどもあります。さらに、小さな声であっても、構成やデリバリーが上手だときちんと伝わるということもあります。
課題はどこにあるのかを認識し、対策を立てましょう。

S3 「声で勝負!」今回の授業を受けて、本当にそうだな、と思いました。
私はよく、あまりの早口のため聞き取ってもらえない事が多い。自分では、ゆっくり話しているつもりでも、現実はそうでない事が多い。私は高校生の時に携帯で自分たちの会話を録音したことがある。本当に驚いた...よく噛まずに舌が回るな〜と感心したほどだった。このままでは、生徒に伝わらず、コミュニケーションさえ出来ないかもしれないと思った。
私は生徒と書道を通して、いっぱい伝えたいことがある。だから、まずは、これから毎日、ゆっくりと人に伝える、という事を意識しながら話そうと思う。そして恥をかかないように「正しい言葉」を使いたい。本や新聞を読まないと・・・と今日も感じました。

T 録音すると本当にびっくりします。まずは、自分の現状を確認することです。
伝えたいことがあるとき、たくさん話すという方法をする人が多いのですが、逆に、伝えたいからこそ黙るという方法もあります。ま、少しずつ勉強してください。

S4 今日の授業で生徒に対する話し方、声のかけ方の難しさについて知りました。
授業の中でも発声にメリハリをつけ、立ち位置にも気を配り、間をあけ、話すスピードに変化をつけたり・・・と沢山のことに気をつけなくてはならないことを改めて知りました。
先生が夏場でも首にタオルを巻いて寝たという話を聞き、教師というのは本当に「声で勝負」なんだと思いました。
これからきちんとした発声を身につけていきたいと思います。

S6 
声。
追求していくと、どんどん可能性が見えてくるものです。声自体はただの周波なのに……出し方ひとつ・工夫ひとつでどうしてこうも伝わり方が違うのでしょう。
声は『出る』ものではなく『出す』ものなのだと実感しました。ただの音じゃなく、言葉や感情がついてくるからこその“声”なんですね。
そして鍛えることで変化がつけやすいからこそ、自分だけの武器(個性)になるのだな、と今回の授業を受けて思いました。
ここ二年ほど合唱をしているので発声は触り程度なら知っていますが、歌うときに気をつけることと喋るときのそれがこんなにリンクしているとは思っていなかったので衝撃です。特に声のベクトルの話は興味が沸きました。人前で喋るときにどんどん試していこうと思います。

T いっぺんに全部を理解するのは難しいと思います。一つずつ理解していいって下さい。そして、一つずつ理解して行ったら、次に一つずつ身につけて行ってください。
意識してできるから、無意識にできる。そして、さらに意識して使うというように身につけた技術を使えるようになるのが、発達です。「出る」から「出す」へ。そして、「出す」から「出る」へと行くはずです。その最初のスタートラインについたと思ってください。

S5 今日の授業で黒板に板書する際に赤色のチョークを使うのは適切でないと初めて知りました。黒板に板書する際は、「大きく、濃く、丁寧に」の三つを注意して書くことは知っていたのですが、色のことまでは注意が行き届きませんでした。
 生徒の中には色弱の子や、その他の障害を持っている子がいる可能性があります。授業は自分中心で行うのではなく、生徒中心に行うものです。自分一人の判断ミスが生徒を傷つけ、その後の人生を大きく狂わせてしまう可能性もあります。このようなことをつねに念頭に置いて生徒と接しなければいけないと思いました。

T 教師は生徒に不利になるかもしれない個人情報は、きちんと守ります。だから、どの子どもがどのような健康状態になっているのか等は、知っていても生徒には伝わらないようにします。だから、君たちが生徒、学生のときには分からないのが当然です。
それでも教師は、身体的にハンディのある子どもを守りながら授業や指導を進めて行きます。その時に他の生徒から
「なんで、あの子だけあれは良いの? 先生、贔屓じゃないの?」
と言われることがあります。そのとき、
『いいですか。人には色々な事情があるものです。言いたくないこと、知られたくないこともあります。それを理解しなさい』
などと教えながら、前に進むしかないのです。そのときに子どもが
(なるほど)
と思うかどうかは、先生が信頼されているかどうかにかかってきます。先生が努力を重ねなければならないのは言うまでもありません。

S7 教師になるために必要なことの中に、声の出し方があることにまず驚きました。大きな声を出さなくてはならないのはわかっていたけれど、「声の出し方」「どうやって声をだすのか」というふうに理論的に考えて、発声についてを学ばなければならないんだなと思いました。
次に、『教育ではどんな声を出すのか』という項目で、明るい声から始めるとありました。そこでは“笑顔”で話さなければいけません。私は笑顔が下手だと思っているのですが、頑張って自然な笑顔ができるようになりたいと思いました。また、“間”の話では、私は話の中で、「えー」「〜でー」などが多いです・・・。人と話す時にできるだけそれが出ないように気をつけなければならないと思いました。
最後に、自分の経験などを自分のコトバで話せるかどうかが大切ということから、もっとたくさん勉強や体験をしてその中でたくさんの失敗を重ねて、自分の事を語れるようになりたいと思いました。語るときには、大きな声で言えるように・・・。発声ということを意識しなければならないと思いました。

S8 今日の万葉集の板書はとても緊張しました。書いてから自分の席についた時、2行とも見事に歪んでいてとてもショックでした。ノートに書くのと黒板に書くのとでは全然違うかったので、今まで板書してきてくれた先生方ってすごいと思いました。

S9 教師という職業は深いものだと思ってはいたけれど、正直思っていた以上の深さでした。声の出し方や大きさ、スピード、立ち位置、ジェスチャーになどによって子供達に対する伝わり方も変わるし、まさしく教師は声で勝負しているなぁと感じさせられました。
今日の授業をきっかけとして、自分の声質や話し方を知り、日常の中から意識して話しをしようと思いました。

S12 今日の授業では、教師にとって「声」がどれだけ大切で、重要になるものなのかよく分かりました。
授業をするとき、ただ喋るのではなく、目的・状況に応じて発声をかえたり、声の出し方、話しの仕方など、こんなにもたくさんの事を考えなければならないのかと、驚きました。
今日教えてもらった大きな声の出し方や、間の作り方など、実践してみようと思います。

T 自分の課題が見えてきたことは、大きな進歩だと思います。今、多くの人は学校教育現場に立ってからこれに気がつくことが多いと思います。採用試験の1年前、現場に立つまえの2年前ですから。まず慣れることです。そして、習熟に向かいます。さあ、スタートです。

S10 今日の授業で先生が、「発音は目的・状況によって変えるもの」とおっしゃいました。その説明を聞いていて、「うん。うん。」と納得して聞いていました。頭では理解していることも、改めて言われると、やっぱりとても重要なんだと感じます。また、理解しているだけでは駄目で、知識として吸収したぶん、放出していかなければならないとも感じました。
前回の授業で先生が「生徒を見抜く力も必要」とおっしゃっていたことが、発音でも必要なのかと思いました。一言で「目的・状況」とは言うものの、そこには、常に生徒を見ている教師がいると感じました。
 また、私が一番驚き、これから私が習得しなければならないと感じたことがありました。それは意識から無意識しなければならないということです。どのような言葉を生徒に言うのかは、考えて言うのは駄目で、瞬間的でなければならないということです。私はまだ、言葉のレパートリーが少ないと思うので、これから経験をつんでいきたいと思いました。

T 教師に必要なことは、経験を積むことです。経験を積むことで子どもの見え方が多様になり、指導の切り口も豊かになります.学生のうちは、その経験を積むことが難しいわけです。ですので、お勧めは、

1)学習集団を指導できる塾の講師をする。
2)研究会に参加する(私の研究室の壁に案内があります)。
3)実践記録の本を読む。
4)教育雑誌を読む。(「授業づくりネットワーク」がお勧め。図書館にあります)
5)教育に関わるボランティアに参加する。
6)教育に関わる自主ゼミに参加する。

ちなみに、私は大学のとき、1)、3)、6)をしていました。

S11 この授業を受ける度、今まで知らなかったことや知ってるようで知らないことを学べる。すごく自分の為になっている気がして大変だけど嬉しい。
今回は声についてだが今の自分でも実際に試してみたり練習したりできる事もあったので早速明日から特訓したい。
伝え方を学び身につけるだけでこれからの人生大きく変わる気がした。

T そう、大事なのは知っているようで実は知らなかったということを知ること。そして、身につけること。まず、知るとはどういうことなのかを考えてみると良いですね。参考文献は『「わかる」のしくみ—「わかったつもり」からの脱出』(新曜社 西林 克彦 )などがあります。

S13 教師にとって「声」が重要であり、目的・状況によって発声が変わり、瞬時にその判断をしなくてはならなく、その言葉で生徒に多大な影響があると分かった。教師という仕事は繊細で激務だと感じた。
今回の授業の中で、
『お笑いの世界に学ぶ教師の話術』が紹介されてとても興味を引かれた。
お笑いが好きなので、一度読んでみたいと思った。先生の話で竹中直人の芸の話がでてきて、私は以前テレビで見て、その時、やってみたが全然出来なかったことを思い出しました。

T お笑いが好き。それならば、「お笑い教師同盟」http://www.owarai-kyousi.com/に加入をお勧めします。私も入っています。この同盟の出している本を読むことをお勧めします。世界が少し広がると思います。

S14 声を出していられる限度が3時間だと聞いて驚きました。
そのことを聞いて実際に考えてみると教師の声は出勤してから仕事を終えるまでずっと声を出している仕事だということを改めて感じました。
このことを考えるといかにして仕事を終えるまでの間、声を出していられるかという配分を考えなければならないと考じました。

S23 声を出すということ。それはすごく単純な行為のはずなのに、状況が変わるとすごく難しくなるものなのだということを、今日の授業で改めて知ることができました。
私は普段、大勢の人の前に立って喋る、ということをする機会がありません。なので、実際その場に立った時に出来るだろうか、と不安にもなりました。頭ではわかっていても行動に移せない。そうならないように、これから声を出す時には少しずつ意識していこうと思います。
そして、「お疲れ様」の話がすごく印象に残りました。なぜなら、自分もよく、誰に対しても「お疲れ様」と言ってしまうからです。自分が気付いてないだけで、そういう言葉は他にもあるのだろうと思います。発声だけでなく、ことばも普段から意識して使うようにしなければならないと感じました。

T 一度やってみると良いですよ。三時間ずーっと本を読み続けることを。生徒の前で立って、本を持って、声を出して読みます。それを録音しておくのも良いですね。いろいろなことが分かると思いますよ。教育実習に行く前に挑戦することをお勧めします。これも一つの準備です。

S15 今日の授業を聞いて教師には「声」がとても重要なものなのだと知りました。そしてその「声」の中でも私は「間」に関する話がとても印象に残りました。先生が授業中に例えで「『え〜』の回数を数える生徒もいる。」と言っていましたが、私も実際に中学時代に先生の「え〜」の数を数えたことがあります。その時は「この先生はなぜこんなにも『え〜』と言うのだろう?」と少しイライラしながら思っていましたが、おそらく今自分が大勢の人の前に出て話をしたら、言葉が続かなくておもわず同じようなことを言ってしまうと思います。無意識にでてしまう「え〜」という言葉だからこそなかなか直すのは難しく、教師が生徒に対して丁度いい「間」を提供するのはとても困難なことなんだと思いました。普段話す時に意識していなかった「間」というものを改めて考えさせられた時間でした。

T 「え〜」を言いたくなったら、黙ることです。黙れば、間になります。って授業中にも言いましたが、これがなかなかできないのですね。でも3ヶ月ぐらい意識して、録音して振り返れば治りますよ。できるかできないか、ではありません。やるかやらないかの話です。

S15 「さんまと紳介の違い」が特に興味深かったです。

さんまはアシストのパスを出してゲストにゴールさせるのに対し、紳介は自分でゴールを決める。なるほど、そのとおりだと思いました。

教師が子どもに知識をひけらかしても、子どもは何の関心も持たない。子どもが興味を持つのは、「自分はできるんだ」と思わせてくれる教師なのだと思いました。

T これだけ巷に情報が氾濫すると、知識を持っているだけでは評価されないわけです。一見くだらない知識が、先生の説明を聞いたらなるほどと思えるような、その切り口を提示できるかどうかがポイントです。

自分はできるんだ!と思わせてくれる先生、そうです。そんな先生になってください。そして、本当にできるようになる子どもを育ててください。

S16 「教師は声が勝負」ということが授業を聞いてよくわかりました。どこで誰に何を話すかが重要、声の大きさもその場にあっていなければならない、正しい日本語、正しい言葉を話さなければならないなど、今の自分にはできないと思うことがたくさんありました。100人いたら100人が、自分に言っていると思うような声を出すことはできないし、正しい日本語を話せるかというと全く自信がありません。発声に必要な要素やどうやって声を出すのかということを聞いたので、実践していこうと思います。これからの自分に必要な話がたくさん聞けたと感じています。自分の言葉で話せるようにもなりたいし生徒が引きつけられる雑談ができるようにもなりたいと思いました。

T 普段何気なくできていると思っていることを、本当にできるようにすることは、実は難しいんですね。自分ができるようになり、さらに国語の教師であればそれを子どもたちができるように指導できなければなりません。

さあ、教師修行は始まったばかりです。

S17 今日の授業を受けて、人前で話をすることは、本当に難しいことだし、奥の深いことだと思いました。
それと同時に、普段、少し気を付けるだけで改善されることも少なくないなと感じました。
声の出し方やメリハリをつけることはトレーニングが必要かもしれないですが、立ち位置を変えたり、ジェスチャー加えたりすることはすぐに実践できるのではないかと思ったからです。

私はキャンプカウンセラーのボランティアをしているので、こどもたちの前で話す機会がありますが、なかなかうまく話せず、こどもたちに伝わっているのかどうか心配になる時があります。
それが小学校低学年や幼児なら尚更です。
相手に合わせて話し方を変えることも必要なスキルだと思います。
今日の授業を参考に実践して、自分の力にしていこうと思いました。

ちなみに…そのボランティアの研修で、間を含めた話し方を修得するために落語を見て練習したことがあります。
先生が明石家さんまの話をされたこともあり、芸能の中にもヒントは隠されているのだと感じ、その研修を思い出しました。

S18 私は、人の前に立って話す事が苦手です。「教師は声で勝負する」と聞いてどきっとしました。声の出し方など、練習しようと思いました。

今日の授業で印象に残ったのは、しんすけより明石屋さんまのような教師にならなくてはいけないということでした。授業の中で生徒の一人一人を尊重し、個性を伸ばしてやることも大切なんだとわかりました。

T なんだかんだ言って、落語家漫才師は、話のプロです。学ぶところは多くあります。そして、教師も話のプロでなければならないと思っています。

S19 本日の講義を受けて、教師には教科の指導以前に板書の仕方から声の出し方に至るまで注意すべき点が山のようにある事が分かりました。
声の大きさや発音の明瞭さなど、今の私には少し自信がありませんが、これから一歩ずつでも前進していけたらよいと思います。
普段意識の行きにくいところではありますが、声の出し方などのテクニックはコミュニケーションや発表などの場面でも必要となることが多いので、毎日の積み重ねで身に付けられるように努力したいです。

T テクニックを身につけることもとても大事だと思いますが、その一方でどうしても子どもたちに語りたいというものを貴方自身が身につけることも、とても大事です。その両方が上手く重なり合った時に、子どもたちに届く語りができるのだと思います。

S20 『校庭で100人に伝わる声』
私は正直出せるかわからない。友達と会話しているときも、「何?篭ってよく聞こえんのやけど」と言われてしまう。
原因に、今日池田先生がおっしゃっていたような、口を大きく開ける、相手の方をきちんと向く(声のベクトルのイメージ)がきちんと出来てなかったことがあると思う。
これから日常的に意識して直していきたい。
また、授業のところどころで有効な雑談を入れることは、生徒の集中力を高めるうえで大切な行為だと思った。自分自身も数多くの雑談ができるよう、出来る限りたくさんのことに挑戦していきたい。
旅行が好きなので、この大学生活中のどこかで一人旅にでもでかけようかな。

T 一人旅、是非出かけてください。それも海外が良いな。そして、それは日本よりも経済的に貧しいところが良いです。経済的な貧しさ豊かさと心の貧しさ豊かさを、考える良いきっかけになると思います。また、子どもたちは旅の話が大好きです。たくさん旅してください。将来の子どもたちのためにも。

S21 復習として国語科教育法を聴講して、まだまだ自分なりの課題が多いと感じた。
今日の授業でやった「正しい発音とは自分の感情がきちんと表現できる声」というのが印象的だった。
声を出すことにはなれてきたが、自分の感情を表現するまでには至っていない。
教育実習まで一ヶ月半。それまでにもっと声や板書の力を付けたい。
私たちのゴールは教育実習でも採用試験でもないが、まずは一つ一つクリアしていきたい。
頑張ります。

T そう。実習はゴールではないが、大事な通過点である。しっかりね。

S22 今日の授業で「声」についての話を聞きながら、以前にビデオにとった日本語教授法の模擬授業での私の様子を思い出していました。自分の欠点はわかっているつもりで、夢中になると失念してしまいます。常に自分を客観視することが大切なのだと思いました。一人に質問しているときも全体に話しかけているようにする、というのは自分の中では新発見だったので、心がけていきたいと思います。
 板書については、赤色が見えない子もいる、ということは身近なことなんだなと話を聞いていて感じました。

T どこかに冷静で居る自分がいないと、授業は回せませんね。もちろん、熱い自分も居ないとダメなのですが。ここのバランスは計画を立てた上で実践で磨いて行くことになるとおもいます。そして、振り返りです。

S24 板書も声の出し方も、自分の伝えたいことを正確に明瞭に伝えるためには、常に相手(生徒)を意識しなければいけないので、やはりすごく難しそうだと思いました。
ただ分かりやすく話すだけでなくて、何処から、誰に向けて何を話すか。今日は教師から生徒へ向けての方法を教わりましたが、まずは練習に、自分から友達や家族へ向けての話し方を意識してやってみたいと思います。普段出来ていないことは絶対に急には出来ないので、こうやって自分を鍛えていきたいです。

S25 授業を受けているときに、「同じ90分なのにどうして授業によって疲れ方が違うんだろう」と思っていたのですが、今日の講義を聞いて解決しました。
話し手がずっと張った声で話していたり、話の間に「えー」を多く使ったり、語尾を長くしたりすると聞き手には負担になりやすいんですね。
大勢の前で話そうとすると上手く言葉が出てこなくて、「えー」などとよく言ってしまうのですがこれからは気をつけようと思います。

発声に必要な要素で、「お腹(丹田)で声を支えること」という項目がありました。
私は弓道をしているのですが、弓を引く上で丹田に力を込めることはとても大切です。
自分が授業外でやっていることも教職に通じるところがあるんだ!と感じ、嬉しかったです。また、何事にも真剣に向わなくてはと思いました。

T 教師の話は、基本的に誰かに何かを説明する、説得するという話であることが多いです。誰に、何を「説明、説得」するのかを意識することは、通常の日常生活ではあまり考えません。だって、30人もの前で立って話すことなんぞありませんから。

だからこそ、そういう機会を作って挑戦してみてください。

S26 今日の授業で最も興味深かったのは、明石家さんまと島田紳助の例えです。

私は二人とも知り合いではありませんから人間性までは知りませんが、トーク番組などのテレビを通した印象では、明石家さんまの方が、視聴者としてゲストのことを知れる気がしていました。それが今日の話と直接関わるかはわからないけれど、明石家さんまは相手の話を引き出す(相手に自ら失敗談などの話をさせ自分を落とさせる)のに対し、島田紳助は自分が話をどんどん進める(相手の失敗談を自分で話し、相手を落とす)なぁと感じていました。

後者で注目を浴びるのは、教育の場においては教師ですが前者は生徒です。先生の話の通り、やはり生徒は自分が主役にたったほうが意欲も上がるし次に繋げることができるかもしれないと思いました。

T もう少し説明すると、明石家さんまと島田紳助の両方の立場に立てることが必要です。ただ、今までの先生はほっておくと島田紳助タイプになり、明石家さんまになることはあまりありません。なぜなら、先生がすべてを説明して、先生がすべてを仕切ることが教師の仕事と思うことが多いからです。

状況に応じてどちらもできることが大事です。

【研究会情報】

京都橘大学を会場にして、行う研究会です。若手教師を育てる研究会を月に一回をペースにして行います。全国から選りすぐりの講師をお招きします。

興味のある諸君の参加を許します。参加費は1500円から2500円です。

5月19日(土)  
講師   岩井成昭さん@美術家

1962年東京生。東京在住。1990年より音声やノイズなどを収集し、ギャラリー空間に再構成したサウンド・インスタレーションを連続して発表する。 90年代後半からは人と社会の関係性にテーマを求め、主に欧州・豪州・日本における多文化状況の調査を通してビデオや音声による作品を制作。近年では、以前からの手法に加えて、インスタレーション・テキスト・パフォーマンスなど、使用メディアや作品形態の幅をさらに広げると共に、世界各地の都市や地方に滞在し、地域のコミュニティや伝統を現代の文脈の中で再構築する試みを続けている。
 
内容    「幣のフィールドプロジェクト」
岩井さんによるワークショップと、陶芸作品作り。皆さんの作品が実際に北海道の「十勝千年の森」に送られ、オブジェとして設置されます。

この後も続々あります。研究室の前の掲示を見てください。

国語科教育法1、2通信『修学』NO7~NO13より

2007/04/23

そんなもったいないお言葉

今年の前期は、月曜日は研究日としているので、大学に行かないであちこちを回って見て歩いたり、自宅で仕事に没頭することが多い。

んが、仕事の溜まっている私は今日も大学に行く。外を見て歩く途中で寄ったので30分以内で大学を出る予定だったが、図書館、学術振興課、学生支援課、教務課、庶務課と回るとやはり1時間はかかってしまった。

            ◆

メールボックスにメモがあった。
「岩手大学の望月先生から電話がありました」
え、望月先生?

望月先生と言えば、岩手大学教育学部の学部長をされていた先生で、石川啄木の研究者、短詩形の文学の研究者として常々尊敬している先生だ。国語の学会に行ってご挨拶するといつも優しく話を聞いてくださる。

その望月先生から電話? 何事か?

            ◆

あわてて電話をすると、
池田さんのディベート指導のDVDを購入したいのだけど」
とのこと。
げげ。
「いろいろディベートの指導をしてみたけど、池田先生のあのシナリオ方式の指導方法が一番良いです。今度、新人の国語教師たちに指導する時に参考にしたいのです」
とおっしゃる。

先生、そんなもったいないお言葉。
早速手配をして贈らせてい戴きました。お役に立てれば幸いです。

            ◆

で、京都市内でいろいろと仕事を済ませ、ちょっと休憩をしようと「一保堂」に向かう。寺町通にあるお茶屋さんだ。

前から気になっていた二つのお茶を手に入れる。「嘉木」と「京番茶」である。この二つまったく正反対である。嘉木は、煎茶の高品質のもの。京番茶は、茶葉を摘み取ったあとの葉っぱで作った番茶である。京都の人の日常のお茶である。

嘉木は、一保堂に隣接する嘉木という同名のお茶どころで味わった。お茶の入れ方を教えてもらって自分で入れる。

やってみた。
凄かった。
これはお茶なのかと思った。

香り、あまさ、苦さ、渋みが幾重にも重なっている。特に甘さが際立つ。一度この店で味わうべきである。お菓子と一緒で600円ぐらい。

京番茶も凄いぞ。味見をさせてもらったのだが、その味は一言で言えば「焚火を飲んでいる味」である。なんだこりゃあと思う味だ。しかし、飲んだ後の爽やかさはいい。しかも値段が安い。これも購入。

興味のある人は、行くべし。

            ◆

毎日いろいろあって面白いなあ。

「たほいや」と「句会」

一つの仕事が終わった。ディベート指導方法のDVDを出したところから、第二弾のDVDを出すことになり、その収録が昨日終わった。この準備でこの三日間はかなり忙しくしていた。午前中に「たほいや」午後に「句会」を収録した。

            ◆

今回のDVDは、「たほいや」と「句会」である。どちらも学習集団を活用した学習ゲームである。少なくとも私はそう考えている。一見遊んでいるように見えるが、学習している。いや、思い切り遊んだ方が、思い切り学習しているという構造を持つのが「学習ゲーム」の特徴である。これをもっと学校教育現場に入れたいなあという思いが私にはある。

            ◆

学習ゲームは、体験を重視した学習方法である。「国語科を実技教科にしたい」という考えを持っている私は、そういう観点からもこの学習方法を重視している。

体験を主体とした学習の指導案づくりは、実は矛盾した指導案になる。とっても練り込んで何処からでもかかってこい、という綿密な指導案作りが一方で必要でありながら、ざくっと枠だけ作ってあとはその場で対応というものでもある。どちらも必要だ。

なぜならば、子どもたちがどのように動くのか、その先を予測して対応を考えておく必要があるからであり、考えても無駄なほど子どもたちは豊かに行動するからである。

だが、ここに「ゲーム」という枠を入れると、ある一定のルールに縛られることで、子どもたちが自由に動くことができるようになる。そしてその枠の中で教師は目的を持って指導することができるようになる。さらに、子どもを見る目を鍛えることができるようになる。ここが学習ゲームの魅力の一つである。

            ◆

このDVDシリーズは、東京学芸大学の大熊徹先生が監修をしてくださっている。いつもあたたかく的確な指摘をしてくださる。体験型学習に置ける評価の重要性についてご意見を戴き、さらにお褒めの言葉も戴いた。うれしいなあ。

今回もわざわざ東京から収録の現場に来てくださった。収録前日は、久しぶりにお酒をご一緒することもできた。仕事をしながら学べる。幸せなことだ。

            ◆

年内には販売の運びになると思います。その時は、ここでご連絡します。


2007/04/20

楽しい仲間たちだ

4/19

新年度の事務仕事が堪りつつある。まずい。研究室が広くなったので、片づけなくてもなんとかなるので、他の仕事を優先していたらそうなってしまったのだ。ふむ。

            ◆

いくつかの文章を書き、日曜日の仕事の準備をして過ごす。すると、学生がやってきた。新入生キャンプのオリターのT君である。作品が仕上がったので持ってきてくれた。入学式から新入生キャンプまでに撮り貯めた写真を元に、ムービーに仕上げて持ってきてくれたのである。

研究室のPCに接続してみた。
いやあ、力作である。

これ、新入生が見たら泣くな。
保護者が見たら大泣きだな。
高校生が見たら入学希望者増加だな。

来週の火曜日の昼休に、清心館で上映会を行うとか。
見に行こう。

            ◆

夕方からは三条に繰り出す。学科の教員の親睦会である。一年先に来ている私が会場をセットして、みなさんをお迎えする形となる。

三条近辺にある歴史的な遺跡をちょこっとだけ観光案内して、夕暮れの街に足を進める。先斗町にある鴨川の見えるちょっとしたお店。料理もなかなか美味しい。そこで楽しくお食事。三時間半も居続けた。

楽しい仲間たちだ。
これからの児童教育学科の夢を多いに語る。
今日も良い夜だった。

流石、専門家だ

4/18 夜は生協の主催する教職対策講座の講師を務めていらっしゃるK先生と食事をする。もの凄い力を持っている方だ。年齢が近いこととコミュニケーション教育に関して問題意識が近いということから、時間があれば一緒に食事をする。

私も教職対策講座のガイダンスで、ガイダンスのまとめのスピーチをしたのだが、これがまあ、見事に分析されてしまったf(^^;。もちろん、良い意味で驚いているのだ。

食事には講座に出ている学生も連れて行ったのだが、残念ながら学生たちは私のスピーチがどのような仕組みで行われているのかは、説明を受けるまでは分からなかったようだ。もちろん、説明を受けたら分かるのだから下地はできているんだけどねえ。

私なりに考えたスピーチの構成と、駆使した技術をきちんと見て取ってくれているというのは、嬉しいものである。流石、専門家だなあ。

終電で帰宅。

2007/04/19

メールマガジンの紹介

私が、ベースキャンプにしている研究団体のメールマガジンを紹介します。
豪華執筆陣が、刺激的な原稿を載せ続けております。研究会等の情報もあります。
良かったらご購読の登録してください。もちろん、無料です。

最新号を載せておきます。

引用開始 ーーーーーーーーーー


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★目次★

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1 「授業成立プロジェクト」続投の弁
         授業成立プロジェクトリーダー   上條 晴夫
2 これからの「授業成立プロジェクト」について
         授業成立プロジェクトリーダー   上條 晴夫
3 教師力UPセミナーのお知らせ          編集部
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 お待たせしました!!メールマガジン「授業成立プロジェクト」、リニ
ューアル第1号です。
 土作彰さん(奈良・小学校)、石川晋さん(北海道・中学校)、田中光
夫さん(東京・小学校)という豪華メンバーと、私、中村健一(山口・小
学校)がワイワイガヤガヤ話し合ったことをお伝えしていきたいと考えて
います。
 毎週水曜日に発行します。よろしくご愛読ください。

 さて、リニューアル第1号では、授業成立プロジェクトリーダーである
上條晴夫さんが、授業成立プロジェクトを2年延長した理由と、これから
の活動について書いてくださいました。「授業成立プロジェクト」第2幕
のスタートです。

------------------------------------------------------------------
1 「授業成立プロジェクト」続投の弁
         授業成立プロジェクトリーダー   上條 晴夫
------------------------------------------------------------------

「授業成立プロジェクト」読者の皆さま、こんにちは。
 プロジェクトリーダーの上條晴夫です。

 おかげさまで2005・2006年の2年限定の「授業成立プロジェク
ト」が無事に終了しました。授業成立のむずかしくなった状況の中、その
基礎技術の集積と研究の枠組みを考えるという取り組みでしたが、予想を
超える成果を得ることが出来たように思います。
 以下、本プロジェクトの成果について、少し具体的に説明をさせてくだ
さい。

 まず、プロジェクトの母胎である教育研究集団「授業づくりネットワー
ク」が編集する教育雑誌「授業づくりネットワーク」について。2年間ず
っと「授業成立の基礎技術の集積・研究」をコンセプトに特集づくりをし
てきましたが、読者の方から一定の評価をいただけたようです。読者が漸
増し、いわゆる「V字回復」を達成することができました。
 
 次に「授業成立の基礎技術」をメインテーマにした「授業づくりネット
ワーク」の春・夏の集会の参加者数です。それ以前の「学力低下」をテー
マにした集会をはるかに超える200〜250の参加者がありました。近
年にない参加数になっています。また、隔月で実施のる連続ワークショッ
プも30〜50名の参加数です。ご支持の現れと思います。

 この動向を受けて、昨年暮れの編集会議で鈴木宣昭編集長より「200
7年度以降も、ぜひこのコンセプトで雑誌特集を継続したい!」という提
案を受けました。当然、「授業成立プロジェクト」の動きとリンクする話
です。提案文書を作って、授業成立プロジェクト40名委員会に諮って、
およそ以下のような方針を決定することとなりました。

 本MMの皆様にも、ぜひ引き続き、ご購読を賜りたく、お願い申し上げ
ます。

                授業成立プロジェクトリーダー
                          上條晴夫

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2 これからの「授業成立プロジェクト」について
         授業成立プロジェクトリーダー   上條 晴夫
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■大きな方針

 1)「授業成立」プロジェクトを2年間延長します。
 2)次の「授業成立」プロジェクトは基礎的・実践的な活動に重点をお
   きます。
   *2005〜2006年度はプロジェクトの問題意識を広げるため
    「数にこだわる」作戦をとりました。2007〜2008年度は
    プロジェクトの問題意識を深めるために「異質を交流する」作戦
    をとります。

■2007・2008年度活動見通し

 ●1・「活動中心の授業」の実践的研究を進めていきます。

   *そもそも「ワークショップ型授業(=活動中心の授業)」とはな
    にか?従来の「体験・活動を中心とした授業」とどう違うのかと
    いう議論があります。そうした議論も積極的に取りあげて、授業
    づくりを進めたいと思います。
   *とくに「表現系の授業」に力を注いでいきます。「遊び系の授業」
    を前提に「表現系の授業」を進めることが授業成立を左右する大
    事な分岐点になると考えるからです。学習者の学びをどう作り出
    していくかを考察します。
   *「話し合い系」については従来の「討論・話し合い」との違いに
    ついて積極的に吟味を加えていきます。「ランキング」「部屋の
    四隅」「ディベート」などのワークショップ型学習の意味・意義
    を検討します。
   *できる限り「表現(演劇・音楽・舞踏)のプロ」に学ぶ場を多く
    作り出すようにしたいです。「話し合いのプロ(?)」からも学
    ぶ場を作りたいです。

 ●2・「教師養成教育」の中核となるメソッド開発を考えます。

   *学級崩壊で一番多いのは1年目〜5年目の教師です。この事実に
    こだわりたいと思います。従来の大学教育・現場教育(新採用研
    修・3年目研修)に欠けていたものは何であったのかを具体的に
    考えます。
   *東京青年塾・関西青年塾に続き、すぐに東北青年塾も立ち上げで
    す。若い教師に必要な実践的な力量を考えたいです。当然、大学
    の教師養成との関連も考えます。この作業を通して「授業成立の
    基礎」を考えたいです。
   *「省察(リフレクション)」概念をヒントに本研究会が開発して
    きた「ストップモーション方式」や「あすの授業」(実践記録の
    文体)を中心とした教師トレーニングの方法について再検討をし
    ます。
   *大学教師を中心に「教師養成教育」の中核となるメソッドについ
    て現場教師も学べるような場を作っていきます。(本誌「授業づ
    くりネットワーク」2007年度のリレー連載として「教師教育
    物語」を企画しました)

  ●3・「授業成立の基礎技術」の実践アイデアを募集します。

   *過去2年間の「授業成立の基礎技術のアイデアは拙著「子どもの
    やる気と集中力を引き出す授業30のコツ」(学事出版)を中心
    に提出されていました。これからは拙著以外のところから積極的
    にアイデアを募ります。       
   *たとえば、木附隆三氏の「心地よいくり返し」という考え方。ま
    た古川光弘氏から「オープンエンドアプローチ」の考え方が授業
    成立の基礎技術になるはずだというご提案をいただいています。
    検討を進めたいです。
   *本誌・メールマガジン・ホームページなどを中心に「授業成立の
    基礎技術」の実践アイデアを募集します。「授業成立の基礎技術」
    という問題領域に絞った実践アイデアの交流ができたらいいなあ
    と思います。
   *主に現場の教師を中心に「導入の工夫」「3分間の雑談タイム」
    や「ヒマそうに歩く机間指導(=子どもが声をかけやすい)」の
    ようなちょっとしたアイデアを出し合う場を作っていきます。

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3 教師力UPセミナーのお知らせ    編集部
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☆ 教師力UPセミナー(今週末開催! お待ちしています)

 ■ 日時:2007年4月21日(土)13:00〜17:00

 ■ 場所:成蹊大学9号館302教室(武蔵野市吉祥寺北町)
   *JR中央・総武線、井の頭線、地下鉄「吉祥寺駅」下車
    吉祥寺駅前より関東バスで成蹊学園前下車(約10分)

 ■ テーマ
  「子どものやる気と集中力を引き出す授業の原則&コツ」
  

 ■ 内容
 (1) 著書『子どものやる気と集中力を引き出す授業30のコツ』の
    第2章「授業成立の10の原則・30のコツ」を熱く語る
                        (1時間)
 (2)「つかみ」と「フォロー」についてのワークショップを行う
                         (2時間)
 (3)「授業成立の基礎技術」Q&A(1時間)

 ●講師:上條晴夫氏(東北福祉大学准教授)
   特定非営利活動法人「授業づくりネットワーク」理事長。
   学習ゲーム研究会代表。
   実践!作文研究会代表。お笑い教師同盟代表。
   著書
   『ワークショップ型授業が子どものやる気を引き出す』(学事出版)
   『子どものやる気と集中力を引き出す授業30のコツ』(学事出版)
   『図解 よくわかる授業上達法』(学陽書房)
   『教師のためのキャラクタートーク術』(たんぽぽ出版)
                           など多数。

 ■ 定員:50名(定員になり次第締め切ります)

 ■ 参加費:2500円(授業づくりネットワーク会員:2000円)
  *当日お支払いください。

 ★ 申込・問い合せ先
  1)氏名、2)会員・一般の別、3)〒・住所、4)電話・FAX番号、
  5)勤務先、6)メールアドレスを明記の上、下記あてにFAX、Eメール
  またはハガキでお申し込み下さい。

 授業づくりネットワーク事務局 担当:鈴木宣昭
 〒162-0814 新宿区新小川町6-12 TEL/FAX:03-3269-3715
 Eメール:yoyaku@jugyo.jp

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【編集後記】
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 「授業成立プロジェクト」のHPにもお越しください。
 http://www.jugyo.jp/js-pro/

  次号は4月25日発行です。中村が「授業成立プロジェクト」に対す
 る熱い思いを書かせていただく予定です。どうぞお楽しみに。

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メールマガジン「授業成立プロジェクト」
第76号(読者数1080)  2007年4月18日発行
授業成立プロジェクトリーダー 上條晴夫  haruo.kamijo@nifty.ne.jp
【本プロジェクトに関心を持った方は、ぜひメールを下さい】

編集責任者 中村健一 kenek728@yahoo.co.jp
【ご意見・ご感想をお待ちしています。→中村健一 kenek728@yahoo.co.jp
校内研でワークショップをしたい等の問い合わせもお待ちしています。】

登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
==================================================================

◎メールマガジン「授業成立プロジェクト」のバックナンバー
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引用終了 ーーーーーーーーーー

では。

明日の教室 次回は5/19

ということで、今後のご案内を。4/19現在のご案内でして、講師のスケジュールの関係で変わることもあります。よろしくお願いいたします。

5月19日(土)  講師    岩井成昭さん@美術家
1962年東京生。東京在住。1990年より音声やノイズなどを収集し、ギャラリー空間に再構成したサウンド・インスタレーションを連続して発表する。 90年代後半からは人と社会の関係性にテーマを求め、主に欧州・豪州・日本における多文化状況の調査を通してビデオや音声による作品を制作。近年では、以前からの手法に加えて、インスタレーション・テキスト・パフォーマンスなど、使用メディアや作品形態の幅をさらに広げると共に、世界各地の都市や地方に滞在し、地域のコミュニティや伝統を現代の文脈の中で再構築する試みを続けている。
 内容    「幣のフィールドプロジェクト」
岩井さんによるワークショップと、陶芸作品作り。皆さんの作品が実際に北海道の「十勝千年の森」に送られ、オブジェとして設置されます。

6月23日(土)  講師    土作彰さん@奈良県広陵町立広陵西小学校教諭
著書には、『ミニネタで愉快な学級を創ろうよ』 土作彰編著、『ミニネタ&ゲームで面白い授業を創ろうよ』 土作彰編著、『ミニネタ&ワークショップで楽しい道徳授業を創ろうよ』 土作彰著、『基礎学力がつくワークショップ型授業』 土作彰著などがあり、日本教育ミニネタ研究会代表も務められています。
内容    「明日から使えるミニネタ授業(仮題)」
土作先生による、明日から使えるミニネタを可能な限り、楽しく、多く紹介してもらう予定です。

8月25日(土)  講師   野中信行さん@横浜市立大池小学校教諭
著書には、「困難な現場を生き抜く教師の仕事術」「学級経営力を高める3・7・30の法則」「新卒教師時代を生き抜く心得術60・やんちゃを味方にする日々の戦略」があり、学級経営に力を注ぎ、数多くのクラスを鍛えてきたベテラン教師、いや、スーパーベテラン教師です。
 内容    「新卒教師時代を生き抜く心得(仮題)」
著書の中にある、野中先生による学級経営の心得の全てを伝授していただく予定です。

2007/04/18

正統的周辺参加という理論

正統的周辺参加(Legitimate Peripheral Partcipation 通称LLP)という学習の考え方がある。詳しくは教育原理等の授業でやると思うが、簡単に言うと、

学習をある「文化的実践(cultural practice)」への「参加」ととらえる*1

というものである。徒弟制度をモデルとして発見された学習の方法である。私は、このところこの正統的周辺参加のことを、君たちの姿を見ながら改めて思っている。なんのことだか分かるかな。

            ◆

当たり前だが一期生の君たちは、先輩が居ない。だから、のびのびとやれるということも言える、

だが、逆に言えば大学の一年生として、その学科の先輩たちから、なんとなしに教えられる大学生としての振る舞いというものが、抜けてしまっているのではないかと思えるのである。

以下の二つの例は、C組のメンバーで見たものではない。が、同じようなことがあるのではないかと思って、老婆心ながら書いておく。


その1 研究室への入り方

所用があって私の研究室に質問をしにきた新入生を見て、私は驚いた。
コートを着たまま、大きな鞄を肩からぶらさげたまま私のところに質問に来るのだ。しかも、どこの誰だかも名乗らない。通常なら
『出直しなさい』
と言うところだが、
(あ、習っていないな)
と思い直して一つ一つ教えた。通常なら、先輩たちの動きを見て、自然と身に付けるところだが、それができていないのだと思ったのだ。

ただ、指導すればきちんと従うのが諸君の良いところ。そこで、基本的な心得を書いておいた。理解するように。

引用開始 ーーーーーーーーーー

池田研究室に入る際の心得

1)研究室に入る時は、脱帽、脱コートをして身だしなみを整える。
2)ノックをする。
3)『どうぞ』の声があったら、「失礼します」と入室する。
4)入室後、研究室の左側にある椅子に荷物を置く。
5)所属、学年、名前、用件を端的に述べる。

なお、当然であるが、勝手に研究室内のものに触れない。

引用終了 ーーーーーーーーーー

分かったかな? これは、私が学生時代に恩師に指導された内容である。

その2 挨拶

「こんにちは、先生」という諸君が増えてきて、これは良いことだと思っている。だが、戴けない言い方もある。おそらく本人はおかしいと思っていないだろう。それは「お疲れさまです」である。

この言葉は、仕事をしている仲間同士で、目下の者が目上の人に対して言う言葉である。(逆は、ご苦労さん)
このところ私が帰ろう歩いていると、「お疲れさまです!」と言う者がある。「君はいつから私の同僚になったのだ?」と突っ込みを入れたくなる。また、すれ違い様に「お疲れさまです」と言われると、「疲れてないぞ」と言い返したくなる。

こういう時は、「失礼します」とか「さようなら」とか言うのである。場合によっては「こんにちは」「ありがとうございます」のこともある。なんでもかんでも「お疲れさまです」と一つの言葉で済ますのではない。適切な言葉を適切に使うことが大事である。

社会で自分のやりたいことをやれるようになるには、まず、正しい言葉を身につけることだ。これが社会へのパスポートの一つになるのだ。

*1 レイヴとウェンガー著/佐伯胖訳『状況に埋め込まれた学習——正統的周辺参加』産業図書, 1993.に詳しい。

平成19年度 京都橘大学文学部
児童教育学科Cクラス 研究入門ゼミ通信「起筆」NO.2より

意識を持った4年間であれば

いやあ、疲れた。

授業は研究入門ゼミと教職ガイダンスだけだったのだが、会議が二つ。
学科会議と学部教授会であった。学科会議はパワーランチであったし。それぞれの間が10分ぐらいしかなく、一気に流れて行ったのであった。ある意味、中学校のこの時期よりも濃かったなあ。

            ◆

それにしても、新入生の諸君とする授業は楽しい。

教員養成のための学科であるからして、教師・保育士を目指している。私の授業では、4年間と言う「短い」時間なので、その短い時間に教師の、授業の仕組みとタネを明らかにしながら進めることにしている。

今まで彼らは、10年以上学校教育で「学ぶ」主体であったのだが、4年後には学ぶ主体でありつつ、教えることを仕事にしなければならない。だが、当たり前だが今はまだ、彼らが学ぶためにどういう仕組み、方法が行われていたのかは、ほとんど意識されていない。

その彼らに、意識付けをして学ぶための学び方を教えるのが、新入生に向けての授業である。児童教育学科の研究入門ゼミではこれを行っている。

            ◆

私は楽しいが、ひょっとすると新入生は、不安かもしれないf(^^;。

(そんなこと聞いてねーよ)
(そんなに学ばなければならないの?)

とか思っているかもしれない。
だけど、そんなことをしらないで教師になるなんてことは、もっと恐ろしいことである。意識を持った4年間であれば、それはかなりのことが学べる。しかっかり学んでほしいなあ。

2007/04/17

娘を嫁に出すってのは

引っ越しをしてから、朝の時間がゆったりできるようになった。駅からは遠くなったのだが、その分、湖西線の音はしなくなり、静かに過ごすことができるようになったからであろう。田舎がいいなあ。このゆったり感が、飛んで行く日中の時間であっても大丈夫にしてくれるのだろう。

            ◆

会議から始まる一日である。立ち上げのための会議が続く。大変だけど面白い。午前中はこれをして過ごす。

            ◆

今日の授業は国語科教育法1である。授業で必要な「発声」と「板書」を予定した。実際は、発声の部分の途中で終わってしまったので、「板書」は来週に持ち越し。

兎に角、教師の仕事は声だと思っている。
今日のシラバスです。

引用開始 ーーーーーーーーーー

発声の基礎
 教師の仕事と声
 発声は目的、状況に応じて変わる。
 声の出し方の実際
  正しい発声とは
  どんな声を教室では使うのか
  どうやって声を出すのか
  どうやって話すのか
   声の大きさの加減
   声の向かう方向
 立ち位置
 滑舌調音の練習
 アクセントの確認

引用終了 ーーーーーーーーーー

ワークショップを入れながらやりたいのだけど、時間が足りないなあ。声だけで15回の授業があっても良いと私は思いますね。そうすれば、結構ワークショップができると思うのだけどね。

            ◆

教育実習が迫ってきているので、学生たちに実習直前指導も行った。学校教育現場できちんと指導して頂けるように、細かく厳しく行う。

昨年度、国語科教育法1と2で指導した学生たちが、教育実習に行くのかと思うと、
(娘を嫁に出すってのはこんな気持ちかな)
とも思う。
そんな父親の気持ちになった私は、最後にいくつかの教育実習サバイバルアドヴァイスを行った。
がんばれよ〜〜〜〜〜〜。


4/22(日) 業務連絡

業務連絡
関係しているみなさんへ。
4/22(日)の撮影の件です

08:30 正門前集合
09:30 撮影開始
17:00 片付け完了〜撤収〜解散

昼ご飯は出ます。
服装は、スーツとは言いませんが割とかっちり系の服装がいいかな。
午前中が、たほいや。午後が句会の予定です。
句会の兼題は午前中に発表します。

分からないことがあれば、池田にメールを下さい。

授業の感想に答える1〜5

一回目の授業で、みなさんが掲示板に書いた感想についてコメントをしましょう。

S1 先輩からいろいろ噂を聞いてました。とてもびびっています。
しなければいけないことは多いけれど確実に自分の為になるものだと思うので精一杯がんばります。

S4 去年の後期に実際に課題に追われている先輩に話を聞いていて、覚悟はしていたのですが、予想以上でした。
でも、クリアしていくことは、確実に自分の力になるということが実感できました。板書のようにまとめることだったり、模擬授業をすることだったり、いろんな魔法のかけ方を学べたり、と。学習意欲がわきました。

T まあそんなに緊張するなって。先輩たちは、先輩たちがいないなかで毎週必死に新しい課題に取り組んで行ったわけだ。諸君は先輩がいるんだから多少楽だと思うよ.その分、授業のレベルを去年より上げるかもしれないがね。大学生なんだから授業のレベルが高いなんて泣き言を言うんじゃないよ。

S2 今日の授業をうけて、「湯船の法則」が印象に残りました。
生徒の学習量を湯に例えていてわかりやすく、なるほどと思いました。
いつ湯があふれるか分からないということを楽しみにできたらいいと思いました。

S3 今日の授業を受けて、<指導力>や<生徒にやる気を出させるために>という先生の話が印象に残りました。どうせできないと思ってやる気を無くしてしまう気持ちは、私自身も持ったことがあるので、その頃の気持ちを思い出して、<湯舟の法則>がとても自身のつく話だと思いました。これから、この法則を思い出しながら頑張っていきたいと思います。

S10 90分が早く感じました。噂の通りハードな授業になりそうだ、と思いました。しかし、エスカレータ逆走は本当にその通り!!だと思いました。
メモの取り方も段々上手くなっていくような気がします。この一年、自分自身が成長できるよう頑張ります!! 

T 湯船の法則にしても、エレベーター逆走の法則にしても、子どもの実感に訴えることのできる例えを見つけることが大事なんです。それが見つかれば、説明はかなり生徒に届きます。自分の経験と子どもの実感の両方にリンクする「例え」を説明のためにたくさん探してください。

S5 今日の授業で印象に残っていることは、「生徒に魔法をかける」といったところでした。私は中学校の頃からクラブでバレーボールをしているのですが(現在も…)、必ず子供ができることをやらせ、そしてそれができたらいっぱい褒める。それによって子供は自信がつく。こういった指導方法はクラブのような勉強以外の面でも共通していることなんだなぁと思いました。
今まで自分が経験してきたことなどを重ね合わせながらこの授業に取り組んでいけたらいいなぁと思いました。

S9 授業が始まった瞬間とても緊張しました。印象に残ったことは“湯舟の法則”です。勉強はやってもやってもできないのは、まだ閾値に達していないということと聞いたとき、高校時代の自分と重ねてしまいました。とても納得してしまいました。
もう一つ印象に残ったことは、“子供たちに誤解を解く魔法をかける”ということです。そんな素晴らしい魔法が自分にもかけれるような先生になりたいと思いました。

T 子どもは、良くなりたいんです。成長したいんです。だから、そのように方向を向けてあげれば良いんです。それが、私の言う「魔法をかける」というものの正体の一部です。魔法は先生の数だけ、子どもの数だけあると思います。あなたたちにとって一番良い魔法を探してください。

S6 説明能力は大事だと改めて感じました。
現場に行けば、多くの『何故?どうして?』に対して納得のいく答えを返せなければならないと思うと、自分の知っていることはまだまだ少ないと痛感しました。本当に膨大な知識がなければいけないと感じました。

T もう少し言えば、膨大な知識は最低の条件です。今は、インターネットで簡単に膨大な知識の簡単にアクセスすることができ、さらにそこから必要な情報を簡単に検索することができるようになっています。これは相手が中学生でも高校生でも同じです。
教師を目指すのであれば、または教師であれば、その膨大な知識を自分の言葉で説明できるようになっていなければなりません。
「勉強」ってなんですか? それを小学校4年生が納得するように説明できますか? これができるようになるのが大事です。

S7 とうとうこの時が来たな…と緊張しています。しかし、本当に教師を目指しているのであれば、これからの教職関係への取り組みは真剣に向き合っていかないといけないと思っています。
今日の授業では、とにかくメモを取ることに精一杯で、授業の内容が頭に入っていないかもしれません。要点をつかんで、メモを上手にまとめることも国語力のひとつではないかと感じました。次回からは、もう少し肩の力を抜いて、授業を楽しく満喫できたらいいなぁと思っています。
池田先生、そして受講している皆さん。これからの1年間よろしくお願いします。

S8 池田先生の夏季集中を受けて、池田先生の授業形態は分かっていたつもりでしたが、正直第一回目の授業は辛かったです。しかし池田先生の一言ひとことを見逃さずにメモを取ることは、「ことば」という魔法を使う第一歩だと思っています。池田先生が使えるその魔法をいち早く取得する為にも、次回も頑張りたいと思います。
余談ですが、授業の後、池田先生が研究室に居られて助かりました。有難う御座いました。

S15 今日の授業はメモをとるのが追いつかなくてとても苦労しました。多分まだメモのとりかたが下手なのだと思います。次からはメモのとりかたをいろいろと工夫して少しは余裕をもって授業を聞けるよう頑張りたいです。90分という時間の長さを感じさせない、内容の濃い授業だったと思います。

S19 今日の授業は春休みで呆けていた私のいい目覚ましとなってくれました。いや、実際は目覚し以上。ガツンと殴られた感じです。
国語科教育法1でなんとなく察してやってきたことの説明を今ようやく聞いて、ああ!と納得。すっきりしました。
「湯舟の法則」は今日お風呂を入れながら、しみじみ「確かにそうだな…」と思い返していました。英語を勉強しているときに長い間成果がでなかったのに、ふっと突然分かる様になった経験があります。
しかし今日の授業は情報量が多かったです。焦りました。これは国語科教育法1の時からですが、要領よくメモすることが苦手で、聞きながら書く、ということがなかなかできずに困っています。国語科教育法1ではそれを克服する努力をしつつ、授業に臨んでいきたいと思っています。

T メモの取り方ですが、慣れないうちは次のことに心掛けましょう。

1) メモを取りながら意味を考えることは、あまりしない。ただ、記録に専念する。
2) 記録したものを時間を置いて見直し、意味を考える。

慣れてくるとこの1)と2)を同時にできるのですが、慣れないうちにこれをやると混乱します。子どもを指導する時も、教師が一つのことをさせていると思っていても、子どもから見たら二つのことを同時にさせているというときに混乱していることが多くあります。内容を分解して一つずつやるようにすると、混乱は減ります。

S11 いよいよ専門的な分野になってきたなと感じた。前年度の集中授業は半分お遊びだったのか!と思えてしまうほどだった。そして前年度の授業でも感じたことだが、先生の授業の世界に入り込んでしまい、授業が短かったように感じた。

T ま、学問は最高の遊びだという人も居ますから、それはそうなのかもしれませんが。この授業でも大いに言葉と頭を使って遊んでもらいます。楽しみにしていてください。

S12 90分間メモを取るのに必死で大変だったけれど、ことばは超能力だと思うという話や、湯舟の法則など印象に残る話が多く聞き入っていて、時間が経つのをすごく早く感じた。奈良の大仏の授業をするときの二種類の進め方のインパクトの違いや、最初の授業で子供に魔法をかけることなど本当に勉強になる話ばかりで、この一年大変だろうと思うけれど頑張ろうと思った。

T コンパクトに今日の授業の内容をまとめていますね。上手い上手い。

S13 「何故勉強するのか」考えなければいけない。強く心に残りました。自分の一言で子供の人生に影響を与えてしまう。教師と言うひとは、私にとって一番身近で、とても影響力のあるひとです。未熟な私は、まず考えること。それが一番大切なのだと、今の時点では思っています。

T 参考図書は『なぜ勉強させるのか』(諏訪哲二 光文社新書)です。理論としてはこの本が分かりやすいし、納得するものだと思います。ですが、その理論を自分の言葉で子どもたちに語れるかどうかというのは、別の話です。ここができるかどうかが大事なポイントです。

S14 2回生夏の「特別活動論」以来、久しぶりの池田先生の授業です。早速課題も出ましたが、一つひとつ自分なりの考えとことばでまとめあげて消化していきたいと思います。
 ただ、掲示板の課題や、メールでの課題は、ネットを介するのでいつもちゃんと出来ているか不安になります。
 また、私はメモを取りながら講義を聴くことが苦手なので、今日はいきなりハードでした。
 でも、これも自分なりの工夫でまとめて、この授業が終わる頃には得意と言えるくらいになりたいです。
 正直言うと、私はあまり教師にいい思い入れがないので、この授業を通して、まずはどんな教師が自分の理想とする教師か見つけられればいいなあと思います。

T 教師に良い思い入れがない。良いじゃないですか。あなたがよい教師になれば良い。今まで習ったよくはない教師を分析し、どうしたらよくなれるのかを考えればよい。これを反面教師と言いますね。

S16 国語科教育法は他の授業にない刺激を感じた。良い緊張感のまま授業を続けていたので終わったときはちょっと疲れてました。教師になればこれが毎回続くと考えたら、少しずつでも慣れていかなければいけないなと感じました。
また、池田先生の授業はパフォーマンスも多いので授業の内容が印象にすごく残りやすいです。先生が最後におっしゃっていた勉強の苦手な子にかける魔法術、ぜひトライしてみようと思います。

T ということは諸君は「魔法使いの弟子」ですな(笑)。

S17 「わかりやすい」素直にそう思いました。だらだら話をするのではなく、要点がはっきりしているのでメモもとりやすく、あっという間の90分でした。
また、「ことば=超能力」には感動しました。私ですらそうなのですから、これから国語を学ぼうとする子供たちにとって、普段自分たちが何気なく使っている言葉が実は超能力のようなものだったなんて、魅力を感じずにはいられないだろうなんて思いました。

T ありがとう。わかりやすくするために、私は実はいろいろな工夫をしています。これから授業を進めて行く中でその工夫について君たちに説明をし、君たちが工夫をできるようになることを求めて行きます。がんばってね。

S18 教育はビジネスではない、という言葉が印象的でした。教育で重要なのは、能率の良さや利便性ではないということ。生徒ひとりひとりとじっくり向き合う、教師というのはいわばアナログな職業なのかもしれない、と感じました。

T はい。人間はデジタルでもアナログでもなく、人間なんですね。そして、「ビジネスを戦争で語るな、教育をビジネスで語るな」という言葉があるのですが、私もそう感じています。
授業で触れた「学習権宣言」(1985年 UNESCO 国連教育科学文化機関)をもう一度載せておきましょう。

引用開始 ----------

学習権とは、
読み書きの能力であり、
質問し、分析する権利であり、
想像し、創造する権利であり、
自分自身の権利を読み取り、歴史をつづる権利であり、
あらゆる教育の手立てを得る権利であり、
個人および集団の力量を発達させる権利である。

中略

学習権は、経済的発展の手段ではない。それは基本的権利の一つとして認められなければならない。学習行為は、あらゆる教育活動の中心に位置づけられ、人びとを出来事のなすがままにされる客体から、自分自身の歴史を創造する主体に変えていくものである。

引用終了 ----------

是非、全文を読んでみてください。

S20 授業中、あんなに必死にメモをとったのは久しぶりでした。90分の授業がとても充実していたと思います。どの授業ももっとメモをとり、真剣に授業に取り組まなければならないなと反省しました。
池田先生の授業はみんなをひきつけます。授業の内容も勉強になりますが、先生の授業を身を持って受けているので授業自体がすごく勉強になります。
予習復習が大切なのはよくわかっているのですが、自分ではなかなかできません。でも課題がだされるのでとてもありがたいです。 他の授業も自分のために予習復習をしようと思います。

T 授業中に自分で自分の課題や疑問を見つけることが、大学での予習復習に繋がります。例えば上記の「学習権宣言」ですが、「中略」の所には何が書かれているのだろうか。ユネスコの宣言には他にどんなものがあるのだろうか。なんて考えると良いわけです。それを授業に入る前に、授業後に調べておくだけで授業の理解は随分違うのです。

S21 湯舟やエスカレーター逆走など例えがおもしろく、とても分かりやすかったです。
ただ、今日はノートを取るのに必死で、話を聞き逃してしまった部分もあるので、次からはそうならないよう頑張ります。

S22 内容の濃い90分でした。
一瞬たりとも気が抜けない授業だったので、後半トイレに行きたくなり、きつかったのですが、なんとか大丈夫でした。
授業内容について行けるかどうか、いまから不安ですが、必死に喰らいついて行きたいと思います。
よろしくお願いします。

S23 講義中に感じることはありませんでしたが、終わったときに少し頭が痛みました。
それだけ集中して講義を聞くことが出来たのだと思います。
90分はあっという間で今回の授業では板書が追いつかない所があったので、次からはもう少し自分の頭の中で整理して書けるようにしたいと思います。

S24 講義の内容がとても充実していて、頭で整理しているうちに話題は次へと進んでいき、メモを取るスピードが追いつきませんでした。要点だけは逃さずメモを取れるよう頑張ります。
「国語が好きで、国語ができるから、国語の先生になる」という先生の言葉に、はっとしました。国語が嫌い、できないと感じている生徒にどう魔法をかけるのか。大切なことだなと感じました。

S25 去年この授業を受けているときは楽しいのと同時にとても大変でいつも課題が終わると何よりもほっとしていた記憶があります。でも、授業を受けながらいつも勉強不足を実感していました。これから教育実習、採用試験とたくさんの山場がありますがこの授業を受けていれば意識が高いまま臨めそうです。今年年もよろしくお願いします。

T S25君は去年格闘して単位を取っていますから、今年は別の視点から授業を見ることができるでしょう。それは、私がどうやって授業を構成しているか、演出しているかということです。去年と比べながら下回生の反応等を見ながら授業を受けると面白いと思います。また、下回生からの相談にも適切に乗ってあげてください。やらせないと力は付かないなと判断したところは、突き放すということです(笑)。

S26 とても熱のこもった授業で、長い90分が短く感じました。が、内容がとても濃くて国語の授業のことだけではなく、教育活動の全般について学べたのでよかったと思います。私は、メモはあまり取らないほうなので、今日聞いたことを自分なりにまとめて書く作業に戸惑いました。これも、一つの国語の勉強だとおもいました。

T 大学は学問をするところです。学問となれば、専門的力量を高めることになります。ですから、対象とする領域は狭くならざるを得ないものです。ところが、学校教育現場にでると子どもというのものは、丸ごとということが分かると思います。それぞれの専門的な力量を束ねて実践に取り組む主体といのが、私は「担任」だと思っています。この授業は来年度児童教育学科の「学級担任論」で扱う予定ですが、この授業でもいくつかのポイントは行うつもりです。

S27 緊張あり、笑いありの楽しい90分でした。
教育は本当は長い、という話が一番心に留まりました。学問は一生続くもの、人は成長し続けるもの。一定期間で子どもの良し悪しを図るような人間にはなりたくないなと思います。
火曜四限は教育の基礎を一から学ばせていただく楽しい一時になりそうです。張り切ってついて行くので、どうぞよろしくお願いします。

T 確かに担任の先生が変わると子どもたちの様子が急に良くなるということがあるのも、教育の特徴です。しかし、人間の性質、脳の特徴から言えば人間は習慣の動物でありますから、急に変わるのは急に悪くなるというのがあるのではないでしょうか。じっくりと時間をかけて指導することの方が、大事だと考えています。ただ、誤解の内容に言えば「じっくりと時間をかける=一回一回は手を抜いても良い」と思っている教育者が居ますが、これは違います。一回一回ちゃんと指導していても、教育には時間がかかるということです。

S28 とても長くて短い90分でした。他の授業とはまた違う緊張感があり、疲れたけれど、楽しかったです。それと同時に「話を聞きながらまとめる」という行為の難しさを改めて実感しました。早くコツを見つけて、要点をきちんとまとめられるようになりたいと思います。
そして、先生のお話を聞きながら、生半可な気持ちのまま教職を続けてはならないとつくづく感じました。挫けそうになることも多いのですが、頑張りたいと思います。

T 私は教師以外の仕事をした経験がないので良くは分からないのですが、どんな仕事でも生半可な気持ちでやるのは良くないと思っています。人生の多くの時間を閉める仕事の時間。個々を手を抜くということは、その人の人生がいい加減なものになりがちと言っていいのではないかと思います。ただ、先生と呼ばれる仕事は基本的にはなりたくてなる仕事です。そうだとすれば、やらざるを得ないで仕事についている人たちよりは、もっと懸命に仕事をすることを求められているのではないかと思います。

◆◆◆

とまあ、最初なので全員分書きましたが、今後全員分になるかどうかは、わかりません。
(あ、これはどうしてもコメントしたいな)
と思わされる文章にはコメントするという方向に向かって行くと思います。

私とクラスの仲間を意識して、読みたいと思わせる文章、返事を書かなければと思わせる文章を書いてください。

国語の教師にそれができなければ、子どもたちに力を付けることなんてできません。

さあ、しっかりね。

                        国語科教育法1、2通信『修学』NO2~NO6より

2007/04/16

春は忙しい。

春は忙しい。
京都のことを理解しておかねば、新入生に説明が出来ないので市内を走り回っている。こういうときカーナビは本当にありがたい。

朝から松尾大社に出かけてきた。松尾様といえば、お酒の神様である。いや、お酒を勉強するために行ったのではない。夏休みの集中講義の準備である。ただ、今の時期は山吹が非常に美しい。本学の山吹も相当美しいが、松尾大社にある山吹は小さな川の両側に咲いており、これは本学にはない。

さすがに平日の朝は、最新号の「サライ」の表紙になった松尾大社と言えども、人は少ない。天気予報では午後から雨ということであったが、曇り時々晴。川面に映る山吹が美しい。Matuo


            ◆

「ほそかわ」なるラーメン屋で昼ご飯を食べる。京都の醤油豚骨ラーメンは薄味なのだが、ここのは東京のそれに近くて美味。

道を挟んで「小川珈琲 本店」がある。京都の珈琲の老舗である。滅多に来ることもないだろうと思って入る。珈琲も美味だが、フレジェがめちゃくちゃ美味しかった。

            ◆

月曜日は研究日にしてあるので、大学に行かないでもっとあちこち見て回りたいのだが、授業の準備もしなければならないので、午後から大学に向かう。

学生の対応をしながら、準備を重ねる。
ああ、他にもしなければならない仕事が・・・。

気分転換に窓の外を見る。

  窓あけて見ゆるかぎりの春惜しむ 高田蝶衣

こんな句を思い出した。そして、肩の力を抜いてもう少し頑張ろうと思う。ルーティーンワークではない仕事をする楽しさが、教育の仕事には多い。これが楽しいのだ。

さあ、やっていきましょう。

仏は何回まで許すのか?

昼に、大津の名残の桜を楽しみに出かけた。
長良公園というところが、桜の名所の一つであり、新居からも旧居からも見えていたので気になっていたのだ。

車でひょいと5分走る。
すると、谷間に広がる桜の公園があった。芝生の上ではバーベキュウらしきものをやっているグループが居た。名残の桜ということもあるのだろうが、混みきっているという感じはなくバトミントン等も出来るぐらいであった。

私達は車で山頂までゆく。
そこに車を止めて、買ってきたパンを食す。
駐車場は山の斜面にあり、その斜面沿いに桜並木があり、この並木が我が家から見えていたのだ。

車の上には、桜吹雪。
切ない、切ない。
明日は雨だと言うから、これが今シーズン最後だろうなあと思いつつ、こんな近くに名所のあることを喜びつつ、桜吹雪を浴びる。

            ◆

12時の時報がなった頃だろうか、眼下の町から「千の風になって」のメロディーが聞こえてきた。トランペットである。それほど上手と言うものではなかったが、確かにこの曲である。

(なんだ?)
と思ってきょろきょろ探すと、どうもお寺辺りから聞こえる。黒服の人たちも見える。おそらく出棺かなにかなのだろう。そのときの合図の曲として、この曲を使っていたのだ。なるほど。

            ◆

その後、大学に向かう。
研究室の中の資料の整理である。
奥さんに手伝ってもらうf(^^;。

私は遅れていた学研の原稿書きを進める。

            ◆

書きながらわからなくなってしまった言葉がある。
「仏の顔も三度まで」
である。これは、「仏の顔も三度」という言い方もある。

疑問1

どちらが正しいのか?

ま、ここでは取りあえず「仏の顔も三度まで」で進めることとする。

疑問2

仏は何回まで許すのか?

私は、2回は大丈夫だが3回目は許されないという感じで使っている。が、よく考えるとこれはおかしくないか? 三度までというのであれば、4回目からは許されないということになる。しかし、私の実感としては違う。私は3回目からだ。みなさんは、どうであろうか。

んじゃあ、なんで3回目からと思うのか? おそらく「二度あることは三度ある」「三度目の正直」などのことわざが、3回目から変化を示していることからこれらに影響されているのではないかと思う。

これを受けてあちこちの辞書を確認したが、辞書には明確な答えは示されていなかった。
うーん、どうなっているんだろう。

            ◆

夕方は、船の居なくなった琵琶湖を見ながら原稿下記。
無線LANにしてあるので、テラスでの作業も快適。
ライトアップされた噴水が奇麗であった。

2007/04/15

若手教員のお悩み

「明日の教室」の第一回目が終わった。私が初めて事務局をすることになる研究会だ。定員を上回る参加者に来て頂くことができた。感想を見る限りではみなさん、喜んで頂けたようである。良かった良かった。

            ◆

研究会の最初に、「お悩み相談カード」なるものに今困っていることを書いてもらうことにした。参加者の困っていることに少しでもアクセスできればと思って用意したのだが、これが驚いた。

教員を目指す学生、非常勤講師、新卒5年以内の方々を主な対象にしようということで始めた研究会である。どんなお悩みがでてくるのかと思っていたのだが、これが実に多様で、深い問題を呈していた。このお悩み相談に答える時間を60分用意していたのだが、とてもじゃないが足りないとカードを見た瞬間に思った。

「多様で、深い問題」ではあるが、共通していた部分もある。それは、授業に関する相談がなかったということである。逆に言えば、すべて学級経営、学級担任仕事に関する問題だったということだ。

これには糸井先生も私も驚いた。

            ◆

これは授業に関しては大丈夫ということではない。授業を作ることも大変だが、それ以上に学級のことが大変なのだと言うことである。

教師になるための単位を取って、免許を手に入れて、教員採用試験に合格して、担任を持って。それでいきなり抱える問題の山。
(こんなはずじゃなかった)
と思う先生が多いと思う。

担任が抱える問題は、個別的で具体的である。だから、その問題を解決できるのは担任以外に居ない。もちろん、学年の先生や先輩から、またこうやって研究会に参加して学んだり相談したりして身につけて行くのだが、実際にやるのは担任なのだ。

            ◆

来年度は、学級担任論という授業を持つことになる。おそらく、教員養成系の大学ではほとんど開かれていない講座だろう。(グーグルで探すと、富山大学にあるぐらいである)なんで、この講座が開かれないのか、実に不思議である。担任をしない教師はいないのに。

実際のところ、90分×15回の講義で学級担任のなんぞやから始まってその仕事について教えきれるかと言えば、それはNOである。しかし、90分×15回であっても何もやらないのと比べれば、全然違うだろう。

私もこの研究会で、教師がどのようなことに困っているのかを具体的に知ることできる。そして、そのことを元に、学生の教育に活かして行くことができるのではないかと思っている。

いろいろな人がかかわり合って、いい教育を作る。
そういうことだ。

2007/04/14

池田先生、どうぞ

今年度の目標の一つに、体のメインテナンスがある。治しながら使うという考え方をリアルにしなければならない私の体である。その中でも一番が、歯である。親は私が母親のお腹の中に居る頃から充分に気をつけてくれていたし、私もそんなに悪さをした覚えはないのだが、歯は悪い。これを徹底的に治したい。

            ◆

昨日は歯医者で治療のした準備をしたり、方針を聞いたりしていた。学会発表で使ったスライド等を見せながら、どのように治療するのが効果的かと説明してくれた。
説明そのものは非常に分かり易く、治療の準備なども丁寧でよかったのだが、問題はそのコストである。MINIがもう一台楽勝で買えてしまうぐらいの金額を言われた。

これはどうしようかと思っていたら、もう私が納得したと思って次の予約を入れようとしている。これは勘弁。私は最低三カ所の歯科医を回って、1)コスト、2)期間、3)治療方針などを聞くつもりである。

一般的には、あれですぐに治療に入る人が多いのだろうか? そうだとすれば信じられない。

            ◆

それから困るのが、先生とばれるとすぐに先生と呼ばれてしまうことだ。
「先生、ここはどうですか?」
とか
「池田先生、どうぞ」
とか言われてしまう。患者なんだから池田さんでいいじゃないですか。先生と呼ぶことも個人情報保護の観点からするといかがなものか?と思うんですけど。

            ◆

んでもって、締切を三日間過ぎてしまった原稿を書き上げて、メールで送る。
はあ、一息ついた。

あと三つだな。
書くことは考えること。
課題に挑んで行こう。

2007/04/13

季節的には今が一番よい

午前中は夏の集中講義の準備で岡崎公演へ。
いやあ、桜が奇麗でした。
琵琶湖疎水際には桜並木が続くのですが、これが見事。

ここを小舟に乗って川面から見上げるという趣向のお遊びが、この時期だけある。
岡崎桜回廊十石船めぐりである。
去年これを知ったのだが、大学になれるのに精一杯で乗るなんて余裕はなかった。
(来年にしよう)
と思っていたので、今回は頑張って乗った。

Okazaki

いやあ、25分ぐらいの乗船だが、気持ちがよい。実はこの琵琶湖疎水を巡る船を、琵琶湖から京都までというルートで復活させようと言う話が大津側である。トンネルの老朽化などから問題はあるのだが、これを実現してほしいなあと思う。すんごい企画だと思う。岡崎桜回廊十石船めぐりが1000円だから、3000円ぐらいでやってくれれば嬉しいなあ。

            ◆

で、施設を見学して歩く。京都国立美術館、府立美術館、市立動物園、市立図書館、平安神宮、南禅寺、都メッセなどなど非常に多くの施設がある場所だ。休憩にはもってこいの場所がある。とっておきの場所だが、お知らせしてしまおう。ここの美術館のカフェである。

季節的には今が一番よい。
テラスでは、満開の桜の花かげに埋もれながら、琵琶湖疎水を行き交う十石船を眺めることが出来る。有機栽培豆の珈琲が350円。お値打ちである。

            ◆

早めの食事をして大学に向かう。
原稿を書かねばならない。締め切りを過ぎている。来週の月曜日まで締め切りを延ばしてもらったので、頑張らなければならない。

と、そこにノックの音が。
去年国語科教育法1、2で鍛えていた学生たちがやってきた。預かっている和綴じ本を受け取るという名目で、新しい研究室を覗きにきたというところであろうか。久しぶりに見る娘たちの表情は、一回り成長した感じがあった。

教育実習を控えつつ、就職活動もするということで多忙な時期に入る。
「実習が心配です」
というが
『大丈夫。そんじょそこらの実習生では太刀打ちできないほどの私の授業を乗り越えてきているんだから、謙虚にかつ小さく自信を持って行きなさい』
と話す。本当だよ。頑張れよ。

            ◆

会議の時間まであと1時間。
(ちょっと体でも動かすか)
と大学の中を探検。そんなに広くない大学だが、それでもいつも行くところは決まっているので、そうではないところを見て歩く。特に桜の場所を見て歩く。

いやあ、すごいところを発見。誰も来ないだろう。桜の花びらの絨毯があった。P4120085

ソフトクリームのような、質感。
私は両手で掬って思わず青空に向かって投げ出した。
人には見せることの出来ない姿であるf(^^;。

            ◆

で、原稿が進まないまま、会議に突入する。
学科立ち上げのために、いろいろな確認をする必要がある。今日は5時から9時まで二つの会議である。

一つのものを協同で作り出すために、あれこれと考えを述べ合い、それを調整して具現化するためのプラに仕上げて行く。しんどいが楽しい作業である。一週間後、半月後、一年後、四年後の学生の成長を考えて、じっくりと練り込むのであった。


2007/04/12

負けへん!

昨日の研究入門ゼミは合同で行った。つまり、一期生が全員集まって行ったのである。
この研究入門ゼミの目的は二つ。学び方を学ぶと、学びを通して仲間を作るである。

去年からいたということで、私がこの授業の受け方心得を話すことになる。内容についてはメモ書きではあるが、事前に学科の先生方に
「こんなことを話しますが、いいですか?」
と確認を取っておいた。

学科の会議がまだじっくりと取れないので、学科の方向性を細かいところまで煮詰めていない。もちろん、これらのことは進めながら煮詰めて行くしかないのだが、学生を一カ所に集めて話すということは、きちんと伝わる可能性が高まる一方、私だけがやりやすい方法、考え方を提示してはならないことになる。

だから、メールで学科全員の先生に送って確認してもらうことにした。

            ◆

新入生キャンプの感想を読んでの、私の感想から話を進めた。
学生たちは「団結」が好きである。感想にも多く、この言葉があった。団結できたとあった。だが、私は団結がいじめを生むことも知っている。

『教師になるのであれば、団結のベクトルがそのようにも動くことを理解しなければならないし、団結を求めた時に、そこには居られない子どものことも考えられるようにならなければならない。

勝ち負けにこだわるのは、子どもたちでよい。教師は、そこに至るまでの過程で子どもたちが何の力をつけてきたのか、何が足りないのか、今後どうしたらその足りない力を付けられるのかを考えられなければならない。

また、勝ったチームは良いが、負けたチームにどういう言葉掛けができるかで、教師の質が問われるのだ。表面的に当たり障りのないことを言っていれば、子どもたちはそれを見抜くよ』

のような話をした。学生たちは真剣に聞いていた。

            ◆

続けて、授業を受けるルールの話。このルールは場合によっては高校よりも厳しいかもしれない。が、授業規律は大学であって大事なのは同じ。4つ程話す。

さらに、デフォルト課題の説明。この授業では毎週どんな課題であっても、次の二つのことを課題として行う。

1)インターネット上の掲示板に書き込みをする。
2)毎週一冊本を読み、イーサーネット上のデータベースに書き込みをする。

というものである。
1)は、主に授業の感想を書き込む。新入生キャンプの時に使ったクラス掲示板をそのまま活用する。学生たちはもう慣れている。

2)は、私が約15年前から構想を温めてきていたものである。本を読ませたいという発想でいろいろとやってきているが、その中で効果のあるものの一つが「書き抜きエッセイ」である。
これをインターネット上で行いつつ、学生たちの読書データベースを構築しようと言う発想である。毎週一冊の本から一部を書き抜き、該当箇所に関する意見を書き込んで行くものである。

システムそのものは大学のPC担当の職員の方に作ってもらった。おそらくこれは小中学校でも実施は可能なはずで、そのための研究になるのではないかとも思っている。半年後にこのデータベースがどのように成長しているか、非常に楽しみである。

            ◆

学生の感想の一部である。

引用開始 ーーーーーーーーーー

今日のゼミで先生のお話しを聞き、教育者になるには自分が思っている以上に考える事が多く大変な研究がいると思いました。私は今までただ単純に子供が好きで保育士になりたいと思い続けてきました。今まで先生が計画してくれた事を教えてもらってやるのが普通でしたが今度は自分が計画をたてて行く番だと早くもっと自覚しなければならないと思いました。生徒は先生を見て育つと言われていましたが、その通りだと思いました。私も昔の先生の事を鮮明に覚えています。常に見られているという意識を頭のすみにおき、はじのない教育者になりたいです。とっさの判断もあたふたする方なので出来るようにならなければいけないと思いました。この4年間、学ぶ事がたくさんあると思いました。頑張ります。
引用終了 ーーーーーーーーーー

引用開始 ーーーーーーーーーー
今日の研究入門ゼミでは「団結力」という言葉が一番印象に残りました。私はこの言葉は良い意味でしか使ったことがなく、裏の意味を考えたことがありませんでした。今日池田先生の説明を聞いて言葉が持つ裏表を考えるきっかけとなりました。
これから先、生徒の前に立つ人間になり、さまざまな問題に直面したときに的確な判断が出来るか不安に駆られましたが、この4年間でその不安を取り除けるくらい勉強しようと思いました。
引用終了 ーーーーーーーーーー

引用開始 ーーーーーーーーーー
今までは『学校の先生がしいてくれたレールに沿って進めば良い』と思っていたけど、今回の授業を受けて『自分の力で進まないといけない』と自覚しました。教師になるには、知識を沢山持ってるだけじゃいけない。いろんな経験が必要だし、大学生の今だから!!ってことがいっぱいいっぱいあるんだなぁって思いました。勉強も、その他も、いろんな事を経験して、中身を充実させたいです。池田先生の話が『負けへん!自分で積極的にたくさんのこと掴むねん!!』って火をつけてくれました。4年後、大きくなって、橘が大好きで大好きで仕方ないくらいになろうって思いました!!
引用終了 ーーーーーーーーーー

学生たちが、向学心に燃えているのが分かりとても嬉しく思う。
さあ、授業で勝負勝負。

研究入門ゼミ通信「起筆」NO.1

結局通信を書いてしまう私がいます。
今年は、研究入門ゼミと国語科教育法で書くことになるんだろうなあ。教師のスタイルはなかなか変わらないものだなと思う。

お付き合いください。

引用開始 ーーーーーーーーーー


ご入学おめでとうございます。

今年度、君たちのCクラスのクラスアドヴァイザーとなりました、池田 修と申します。
一昨年度まで、東京の杉並区立和田中学校というところで、教鞭を執っていました。昨年度から京都橘大学にお世話になる事になりました。

この授業を受けるみなさんは、将来先生になろうという意志を持っているみなさんです。そのみなさんが将来教育・保育の現場に立った時に十分に力を発揮できるように、大学では基礎学力と専門的力量を鍛えることになります。この授業では、教育・保育の専門的な学びを支える学び方を身につけて行くことになります。じっくりと学びましょう。

さて、以下には新入生キャンプの感想を、文体を変えて載せます。

            ◆

信じられないくらいの一週間が過ぎ、そして、その最後の一泊二日にとんでもない新入生キャンプがあり、これを乗り切った諸君は心地よい疲れと充実感を持っているのではないかな。改めて京都橘大学の一員になったことを、歓迎するよ。

勉強する側から、勉強させる側へ。遊ぶ側から遊ばせる側へ。ルールを守る側から守らせる側へ。教師と言う仕事は、子どもを育て次世代につなげるためにある仕事だ。少しでもよい学びを与える、少しでも良い環境を用意する。そのきっかけをこの新入生キャンプで、オリターたちの活躍から学ぶことができているとすれば、アドヴァイザーとしての私も嬉しい。

            ◆

残念ながら我らがCクラスは、後一つのところでさまざまな賞を手に入れることは出来なかった。これは本当に残念である。
(二つ取ったクラスよ、いいから一つぐらいこっちに寄越せよ)
と思う。

が、実は諸君は他のクラスが絶対に手に入れることの出来ないものを手に入れているのである。

            ◆

教師になる時に必要なもの。それはたくさんある。が、その中でも私がかなり重要だと思っているものがある。それは、努力しても頑張ってもダメだったという経験である。

何もしないので、ダメ。こんなのは何の意味もない。やってもやっても出来なかった経験。これが大事なのである。君たちが将来出会う子どもたちは、やってもやっても出来ないことを繰り返す子どもがほとんどである。それでも、やってもやっても出来なくても、やり続けて行くのが人生なのである。

そんなとき、やったら出来たという人生を繰り返している人には、この「やってもやっても出来ない」という子どもたちの気持ちは分かりにくい。しかし、君たちはこれをやりきっている。これが大事なのである。教師を目指す人間にはとても大事なのである。

そんなことが分かる教師であれば、やってもやっても出来ないことを繰り返している子どもに、
「大丈夫。君がそれを繰り返していれば、やがてなんとかなるさ。先生もそうだったし」
と心からの言葉で言ってあげることができるのだ。君の経験と素直な言葉が子どもに届くものだ。

            ◆

やってもやっても出来ない経験でも、これを繰り返していると、ある日突然出来るようになる。これを閾値というのだが、これについては授業で扱うことにしよう。

とまれ、よくやりきった。
私は、君たちの姿を見ながら、とても嬉しくなったよ。
(やってもやっても出来ないか。なあんだ、オレと同じじゃん)
とね(^^)。

引用終了 ーーーーーーーーーー

研究入門ゼミ通信「起筆」NO.1より

2007/04/11

本日中に、100000アクセスか?

さあ、やって参りましたキリ番です。
100000アクセスの貴方、書き込みをお願いします。
前後の貴方もよろしくお願いいたします。

ボランティアスタッフの募集

ボランティアスタッフの募集

看護学部の先生が関わっている、山科地区の自閉症児をもつ親の自助グループのキャンプスタッフを募集しています。代表の方は京都橘大学の卒業生です。教職を目指す学生にとって障害児教育、特に話題の発達障害児と関わりをもつ事はよい経験になると思います。
回生を問わず、参加してもらえたらと思います。食事付です。

日時:2007.5/3〜4(恐らく日帰りも可能)
場所:やましなの家(山科駅から北へ徒歩約20分)
内容:発達障害児と遊ぶこと 

参加したい諸君は、私のところにメールを下さい。
http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P2213754
です。

いい日和だ

今日は特別な日だったので、京都市内にでかけていき用事を済ます。いい日和だ。

ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ
紀友則

この歌は、一年のうちのたった数日しか存在しない。しかし、確実に存在する。それが今日である。

用事を済ませながら、いい日だったことを感謝する。

ちなみに、いい日は重なっていて、私の両親の結婚記念日である。自分の年齢に一つ加えると結婚の年数が分かる。便利である。

            ◆

京都市内は小学校や幼稚園の入学式入園式の姿があちらこちらで見ることができた。京都という土地のせいか、お母さんの着物姿が目立つ。私の小学校の入学式は母も着物で参加していた。式の時に民族服ってのは、いいなと素直に思う。

滋賀の桜を味わうと決めつつも、やはり市内に入ってしまえばそれは見ないで過ごすのももったいない。平野神社、今宮神社、鴨川、河原町通と桜の名所を見ながら通り過ぎる。

P4100019

平野神社

P4100055

今宮神社

P4100085

鴨川

P4100088

昼休のキャンパスの桜

(はんなり、って京言葉の語源は確か、花也だったよな)
なんてことを思ったりしながら時々車を止めて、ぼーっと見たり、写真を撮ったりしていた。

ああ、春も盛りを過ぎようとしている。
切ない、切ない。

            ◆

そんな思いを胸に、でも気持ちは授業モードに切り替えて、今年度一発目の授業の最終準備を研究室で行う。印刷したプリントの確認、授業の流れの確認、リハーサル、時間配分の微調整などをしながら研究室で過ごす。

今日の授業の国語科教育法1は、私の研究室の前の部屋が授業の教室である。臨床教育実践スタジオだ。授業の始まる10分前に研究室をノックするものがある。なんだろうと受け入れると、去年この授業を取っていた学生たちが
「先生、持って行くものはありませんか?」
と来てくれる。今年も授業を受けて去年の復讐を、いや、復習をするというのだ。一回目の授業は荷物が多いので助かる。

            ◆

開始5分前には学生全部が教室に揃っていた。私も5分前に教室にいて資料の最終チェックをしていた。チャイムが鳴るまでの間、シーンとした空気が充満する。いい感じだ。そして、チャイムと同時に
『起立』
である。

今日の授業は、〜「授業開き」について その理論と実際〜という感じで90分を行った。去年よりも受講予定の学生数が多い。倍ぐらいいる感じがする。でも、
『この授業は厳しいので、いい加減な気持ちで国語の教師の免許を取るか、という人にはお勧めしません。特に、後期の国語科教育法2では、授業の前後にアルバイトとかの予定を入れるのは止めた方がいいと思います。な、四回生?』
と彼女らに振ると、大きく
(んだ、んだ)
と首を縦に振っていた。

先輩たちがいるというのは、学生たちに取っては心強いことだろう。

            ◆

授業が終わり、荷物を二回分けて研究室に運ぼうと思って、一個を教室においておいたら三回生の学生が持ってきてくれた。嬉しいねえ。今年もいい学生が多そうだ。

おーし、思い切り指導するぞい。
力を付けるぞ。

            ◆

その後、研究室に残り締め切りになっている原稿の執筆を続ける。
が、研究室にやってくる学生が多い。筆が進まない。
うーむ。
あ、そうか。

私の研究室は、大学の中央にある中庭に面している。そこから見上げると私の研究室が見える。夜になると、研究室に明かりを点けるわけで、それだけで
(を、池田先生まだいるな)
と分かってしまう。これだな。だから来るんだな。

学生が来るのは良いことだが、集中して文章を読んでいる時や書いている時は、ちょっと困る。何か対策を考えないとなあf(^^;。

            ◆

夜はお祝いの食事。
久しぶり「タケノコとホタテのふきのとうホワイトソースグラタン」を食す。下北沢の麦酒専門店で教えてもらったレシピだ。このほろ苦さがいい。甘鯛、つぶ貝の刺身もいい感じであった。

授業を中心に生活が動き出した日であった。

2007/04/10

海津大崎の桜

前期は月曜日をオフの日の一つにするつもりである。後期は授業が満載なのだが、前期は高校での模擬授業が控えているため、週の中に定期的に入る授業は少なく集中講義の集中となっている。休める時に休んでおくことが大事である。

            ◆

なもんで、湖北に出かけてきた。
海津大崎である。
日本の桜100選にもなっているここの桜は、去年知った。琵琶湖の最北端の湖岸に全長4キロ約600本の桜があるのだ。これがそろそろ見頃になってきたというので、出かけてきた。今年は京都ではなく滋賀の桜を攻めている。

近江今津というところから、琵琶湖汽船に乗り湖上から眺めるのである。
久しぶりの船は心地よかった。
まだ、甲板にでると肌寒かったが、エンジン音の響きに耳鳴りが消えるのでこれはこれで心地よい。
P4090078

全行程90分の花見は、なかなかなものであった。これで2200円ならまあいいかな。
ではあるが、折角近江今津まで来ているのだからということで、車でも海津大崎に行ってみることにした。Kaizu


シーズンの土日は一方通行であるが、昨日は平日でもありのんびりと車を走らせることが出来た。桜のトンネルが4キロ続くのは見事である。あまりの美しさに、奥琵琶湖パークウェイまで足を伸ばしてしまった。

こんなに美しい道が無料というのだから嬉しい。ここも桜の名所でそのつづら折りの道を登りながら次々に展開する桜の並木の変化を追いかけて行くとかなり山を登り詰めることになる。はあ、ため息。リンクしたHPと同じような景色を見ることが出来た。

            ◆

だが、好事魔多し。
この道。一方通行であった。元に戻ろうと思ったらこれが出来ない。実はこの日15:00から東京から雑誌の編集者さん、17:00から糸井先生を研究室に迎えることになっていた。時間はもうすぐ13:00。

カーナビに相談したら、北陸自動車道から名神高速道路を通って帰れと指示が出た。ひえ〜、琵琶湖一周ダア。

            ◆

車検から帰ってきたMINIを心地よく走らせてなんとか5分遅れで研究室に到着。私が20年取り組んできたテーマについて、雑誌の総力を挙げて形にしてくれるというのである。ありがたい。

今年度本か、論文かにしてまとめたいと思っていたところなので、力を借りてやってみたいと思っている。これについて一時間ぐらい話したところで、糸井先生到着。

4/11の「明日の教室」について、打ち合わせ。糸井先生が学級経営、私が授業、そして二人で参加者からのお悩みに答えるという三部だてを確認する。

それでもって、糸井先生にも今度の雑誌の企画に加わって頂いたりもした。

            ◆

日帰りで東京に戻ると言う編集者さんたちと山科駅前で食事をして、さらにあれこれ話す。糸井先生とは問題意識で共通している部分が多いので、一つのテーマで話していても、まるで打ち合わせをしていたかのように話が進む。4/11がますます楽しみになった。

充実した一日であった。

2007/04/09

三井寺の夜桜

久しぶりに9時半まで熟睡した。目覚めた時の雰囲気はいつもと同じ5時半だったのだが。静かな新居の御陰で心地よく疲れた体も回復の方向に。

奥さんの御陰で朝ご飯は、ホテルの朝食のような感じ。いや、数あるホテルでもこんな贅沢が出来るホテルはあまりないだろう。感謝感謝。

            ◆

新入生キャンプのまとめをしながら、昼過ぎまで過ごす。中学校の特別活動としての行事であればまとめとして作文を書かせるところであるが、新入生キャンプなのでなかなか書かせることは難しい。しかし、オリターたちは、インターネット上に掲示板を設定してくれていた。これも去年授業で活用したことを受けてやってくれたのだ。

新入生たちの書き込みを読みながら、改めてオリターたちに感謝。そして、新入生たちが京都橘大学での一歩目を踏み出したことを確認した。体験の後には振り返りが必要だということを学んでくれたかな。

            ◆

折角の満開の桜を味わいに行かないのはもったいないのだが、昼寝。このもったいない中での昼寝が実に贅沢である。

でも、選挙もあるので夜に出かけて行く.そのついでに三井寺のライトアップされた桜を見に行く。まったく選挙のついでに見に行くなんてこれも実に贅沢である。

            ◆

三井寺の駐車場は、桜の夜間ライトアップの時は無料になる。地元の人間が集まる。日曜日の夜ということあって駐車場はほぼ満車。しかし、それでも境内は人ごみと言う感じはない。

京都の二条城、清水寺などのライトアップの桜は去年見たが、自分のペースで見て歩くというよりは、後ろから押されてみるという感じであった。これがないのだ。流石、滋賀。いい感じだ。

            ◆
三重塔と桜

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境内の夜桜トンネル

P4080035

一番高いところから。実は新居も見えている。

P4080095

月見堂と夜桜

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琵琶湖疎水の取水口と夜桜

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三井寺の夜桜を満喫した夜であった。


2007/04/08

新入生キャンプ2

翌朝は、本当は昨日入り損ねた風呂に入ってから活動をしようと思ったのだが、時間ギリギリまでぐっすりと寝てしまった。私が外に出て風呂に入らないなんて、本当に珍しい。

            ◆

今日のプログラムは、朝食後に琵琶湖のスポーツ施設まで戻り、カヌー体験、よし笛作り体験、水棲生物観察を行った後、初日に行ったドラゴンボートの大会を行った。

前半の体験では、体験後に施設側の作った指導案を元に、自分が教師になったのであれば、この体験をどのように子どもたちに指導するのかという観点から、指導案のようなものを作るという課題を与えた。

大学に入って一週間以内で指導案を書くというプランは、自分で立てていてどうかと思った部分もある。
(んなもん、いいものが書けるわけないじゃん)
と思う一方で、いや今だから書かせたいと思うものもあったのだ。

この新入生キャンプでは、勉強する側から勉強させる側へ、遊ぶ側から遊ばせる側へ、ルールを守る側から守らせる側へと4年間掛けて自分を成長させて行くそのきっけとしたいと考えていた。指導案を書く、それは見本を見ながら改良点を考えるというレベルのものであっても、考えて書くことで、意識の改革のきっかけにしたかったのだ。

新入生たちは、良くその課題に取り組んでいた。新入生の意欲を感じる。

引用開始 ーーーーーーーーーー

ボートやヨシ笛作り体験して、指導案を書くことで、自分では分かっていても、子どもたちに教えるときには注意しないといけないことがたくさんあること学びました

引用終了 ーーーーーーーーーー

同様の感想をたくさん得ている。伝わったようだ。よかった。

            ◆

私は懸命に課題に取り組む姿を見ながらも、これから行う授業での課題をいくつか発見していた。

当たり前であるが、まだこの新入生は高校を卒業して一ヶ月以内であり、姿勢や体、受け答えなどはまだまだ一年坊主。私のことをカメラマンと思い込んでいる学生もいるf(^^;。去年の4回生を中心にした女子学生たちの会話とは違う。大学の教員を捕まえて、いきなり友達感覚から入るのは、苦笑してしまった。ま、これは行事だからいいでしょう。少しずつ授業で「教師としてのそれに」直して行きましょう。鍛えて行きましょう。

            ◆

後半のドラゴンボート大会は、ミニ運動会に続いてちょっと私の担任としての顔が出てしまった。オリターが頑張っているのだから、なるべく後ろに下がっていようと思ったのだが、ちょこっと出てしまった。風邪も治っていないのに大声で叫んでしまったf(^^;。オリター、御免。

結果は、残念だった。演劇でもいいところにいっていたし、ドラゴンボート大会でも漕ぎ終わったところでは、一位だと確信していた。が、演劇も入賞を逃し、ボートでは、ゴールラインを通過してから相手を追い抜いていたということで、決勝には残れず。残念。

ある新入生の感想である。

引用開始 ーーーーーーーーーー

オリターさん楽しい2日間をどうもありがとうo(^▽^)oドラゴンボートはほんまめっちゃ悔しかった!けど成長度ではNO.1やったと思う(^皿^)これからみんなどんどん成長していくんだろうな☆★

引用終了 ーーーーーーーーーー

本当にそうであった。

決勝では、教員+オリターチームも参戦したが、学生チームには惨敗でしたf(^^;。私はすっごい筋肉痛になっていますが、まあそれもいいでしょう。

            ◆

閉校式では、ドラゴンボート大会の表彰、施設の社長さんからのご挨拶、オリターからの一言、学科主任からの一言、オリターへの感謝状、集合写真撮影と感動的に進んだ。来年は、この新入生から新しいオリターが出てくる。そして、今年のオリターたちの凄さを改めて思うのだろう。そして、それをさらに越えてくれるだろう。期待している。

Heikousiki_2


オリターも、新入生も涙、涙であった。
ここから始まるんだと思うと私も、ぐっと来るものがあった。

            ◆

さて、祭りはここまで。ここから勉強と学問が始まる。その準備は着々と進んでいる。新入生諸君、ここからです。

新入生キャンプ1

みなさんは、信じられないかもしれないが、こればっかりはしょうがない。証人が、それも大学の教員の証人が10人もいるんだから、しょうがない。私達はある奇跡を見たのかもしれない。

京都橘大学文学部児童教育学科は、いま、船出をした。
P4060101_do


            ◆

今日は、児童教育学科の新入生キャンプである。そこでは、本学の先輩の学生が、オリターとなって新入生を歓迎し、導いてくれた。この導き方が、とても良かった。いや、本当に良かったのだ。

今回のオリターのほとんどは、私が去年授業で担当した学生たちなのだが、指導した内容をそのまま、またはそれ以上に具現化していた。私はこんな風に言っていた。

『これをやろうか、やるまいか。悩んだら、面倒くさい方を選択しなさい。そして、そのための準備をしておきなさい。で、本番、やってみて(これは必要のないことだ)(これはいまは出来ない)と判断したらバッサリと切り捨てなさい』

と言っていたことが、出来ていたのだ。
オリターの行動の一つ一つが、

「ヨウコソ橘へ」
「待っていたぜ、橘」
「君が主人公」
「仲間になろうよ」
「ここで勉強するなんて羨ましい」

ってな感じで動いていた。
信じにくいだろうけど、そうだったんだなあ。

            ◆

オリターというのは、新入生が大学生活にすんなりと馴染めるように学生生活のガイドをする役目の上回生である。児童教育学科では直接の先輩がいないので、他学科から応援に来てもらっていた。

その彼らが本当に必死に企画を立てて、新入生を動かしてくれていたのだ。今回の新入生キャンプのプランは私が立てたものだが、そのプランを実行して行ったのは、彼ら彼女ら10人なのだ。

            ◆

今日のプランは、琵琶湖の畔のマリンスポーツ学習施設で保育に関する講義と、ドラゴンボート体験。昼に、琵琶湖大橋を越えて琵琶湖博物館に行って見学、その後宿泊地まで移動してミニ運動会、キャンプファイヤー、夕食にクラスの班ごとの劇の出し物という非常に盛りだくさんのもの。

P4060051_fi

このプランに肉付けをして、事前の細かい指導を含めてまさに担任のように動き回ってくれていたのだ。

私は、去年の国語科教育法、キャリア開発演習、特別活動論などで学生たちを鍛えてきたのだが、その中で指導したことが、こういう場面で具体的に使われているのを見ると、とても嬉しかった。それ以上に、教えたことを実行に移せる彼らの力量も凄いと思った。

大学は小さい方がいいなあ。直接指導することができる。学生に深く関わることが出来る。それを改めて思った。

そんなことから夜の反省会では、教員一人一人からコメントをオリターに伝えた。そのどれもが、感謝の言葉であった。

            ◆

その後私は、夜の見回りを自主的に行う。
流石に、こういう部分をオリターに任せるわけにはいかない。
男子学生が男子学生の棟、女子学生が女子学生の棟に全員いることを確認して、長く充実した一日を終えた。

2007/04/05

この議論がいい

ふう。何年かぶりに風邪を引いてしまった。
明日から新入生キャンプだというのに、何をしているんだ、オレ。

新入生キャンプは、大学の上回生がオリターとして引っ張ってくれている。というか、ほとんどやってくれている。私達は見守るだけ。見守りつつ、年度の頭にしなければならない様々な仕事をこなしている。

我らが児童教育学科は、新設学科なためにその学科の上回生がいない。だもんで、オリターも他の学科から来てもらっている。このメンバーが極めて優秀である。所属の学科の新入生に申し訳ないと思うぐらい頑張っている。

そんな彼らを見守りながら、新学科の打ち合わせは熱く続いている。

            ◆

「いい教育をしよう」
これは、教師であればまず問題なくクリアされる共通理解である。しかし、この「いい教育をしよう」は二つのポイントを持っている。

1)いい教育とはなにか?

本当は、いいと教育にも分けた方がいいのかもしれないが、ここでは一つにして考える。それでも、実は難しい。何を持って「良い」とするかは、人それぞれである。ま、話を簡単にするために「おいしい料理」と例えてみよう。

味が良い、見た目が良い、香りが良い、手間がかからない、適切な量である、有名料理人が作った、景色の良い店で食べた・・・。いろいろあると思う。これらが「おいしい料理」と一言で言う場合がある。

教育も、いい教育と言ったとき、その示す内容は多岐にわたるのである。

2)しよう

これのどこに問題があるかと言うと、仮にいい教育が一致したとしても、その方法についてはこれまた多岐にわたるのである。いい素材が手に入ったとして、それを和食、中華、フレンチ、イタリアンとどのような調理で行くのか。さらに、和食だとしても蒸す、焼く、煮る、生といろいろなものがある。

目的は一致したとしても、そこにたどり着く方法は無数にあるわけである。

            ◆

これまでにも立ち上げの前に、この学科に所属する予定の教員は全国から集まって議論を重ねてきた。しかし、学生を見て、新しい校舎の設備を見てとするなかで、さらに熱い議論が交わされるのである。

この議論がいい。
なんとかして学生たちを育てようと言う思いがみんなにあって、その中でどうやって1)と2)をクリアして行こうかと言う思いが議論の端々にある。

一年先に来て、立ち上げの業務をしてきて良かったと思う瞬間である。

さあ、明日は早いぞ。
さっさと寝て、汗をかいて、風邪を治そう。

2007/04/04

心地の良いざわざわ

ガイダンス2日目。
文学部全体のガイダンスと児童教育学科のガイダンスがあった。

文学部長の話が良かった。
京都の山科にある本学が、歴史的にどのような位置づけにあるのか地理、地名から説明して学ぶということの奥深さを端的に示していた。

知ること、学ぶことから自分が見えているものが変わって行くということが良くわかる話であった。

            ◆

児童教育学科のガイダンス。
開始までのちょっとした時間がざわざわとしていた。久しぶりに心地の良いざわざわを聞いた気がする。昨日会っただけの学生たちが、知り合いを見つけ話をしている。
(ああ、ひとりぼっちになっている学生は多くはないな)
と思える時間であった。

ガイダンスでは、学科の教員が持ち時間90秒で自己紹介の予定。が、とんでもなく長くなった。私はあいうえお順でトップバッターだったので、最初が長くなると後が、長くなってもいいんだということになり、延びてしまうと思って短くしたつもりだったがf(^^;。

自己紹介する先生は、もうはっきり言って研究者モードではなく、バリバリの教師モード。担任モードの先生もいる。これが嬉しかった。教師の先輩としての私達が、後輩の諸君を育てる。そんな感じが学生に伝わっただろうか。

伝わったと思う。あのザワザワしていた学生諸君がシーンとなり、きちんと顔を上げて私達の話を真剣に聞いていたのだから。

本学の梅本先生の話が具体的で特に分かりやすかった。

「先生の位置と、一番前に座っている学生との距離は120cmぐらいです。でも、この120cmはとても遠くいものです。みなさんは、4年後にこちら側、先生の側に立つことになります。この距離を埋めるには、一年間に30cmずつのノートを取る勉強をしてください。それが、4年間で120cmです。そのぐらいの勉強が、あなたを立派な先生に育てます」

のような感じであった。具体的な数字が入るので分かりやすい。

            ◆

こういう風に気分が良くなってくると、耳鳴りも気にならなくなるなあ。
それも嬉しい。
桜も満開。
来週から授業だ。

2007/04/03

第一回目の入学式

さあ、新しい学科が本格的に動き出した。
本日は、京都橘大学の入学式。そして、文学部児童教育学科の第一回目の入学式でもある。
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御陰さまで、定員の10倍を超える受験生が集まってくれた。残念ながら入学できなかったみなさんもいるのだが、今日集まった新入生の顔つきを見る限りでは、やる気に満ちていることが伝わってきて、
(こりゃあ、楽しみだわい)
と思えるのであった。

            ◆

私は、学科別懇談会で新入生全員に60分間ほど話をしたのだが、話を聞く姿勢が取れていたことを嬉しく思った。また、音楽の先生が一緒に歌を歌うということをしてくれたのだが、上回生のオリターの諸君の働きも良くて、楽しく歌うことも出来た。

初対面の人たちの多い集団にいて、柔らかくしかもはっきりと歌声を出すことのできる学生たちは、体とこころが開かれているんだろうなあと、嬉しく思った。

これから一週間は、新入生諸君は大学で学ぶために必要な大学のシステムの説明を受け続け、一方で週末に迫ってきている新入生キャンプの準備もありということで、大変だろう。

だけど、最初の良くわからないままに過ごす一週間を、エイやっと乗り越えて、ますます分からない学問の世界へときちんと踏み出してほしいなあ。

それが出来そうな学生たちであった。

            ◆

オリターは、新入生が帰った後、今日の反省をして遅くまで残っていた。
ありがとう。
私も、入学式後のガイダンスの後、いろいろと準備をしつつ、新年度の初日を過ごしました。
さあ、明日もあるぞ。

2007/04/02

『一瞬の風になれ』

野中先生が絶賛していた『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子 講談社)を読み終えた。新年度のスタートに相応しい、気持ちの良い小説だった。

途中何回か、ウッと込み上げてくるところがあった。
私の青春時代は、音痴を直すのに懸命だったぐらいだが、スポーツ系をやっていた人には堪らない小説だと思う。

            ◆

以下、ちょっとネタばれありかも。

            ◆

思ったことを三つ。

1)師と仲間がいて、自分で答えを出せるものが成長する。

みっちゃんという先生がとても良い感じで描かれている。思うが、この小説を先生の視線で読み返してみると教職志望の学生にはいいかなあと思った。スラムダンクの安藤先生系列の先生だ。その競技の経験者で、専門的知識を多く持ち、挫折を経験し、上からの指導ではなく引き出す指導。そして、生徒からの絶対的な信頼感を得ている。こういうのが今の子どもにはいいんだろうなと思う。

で、仲間たちもいろいろなのがいて、主人公に彩りを見せる。その中で主人公は自分で考えて答えを出して行く。教わることはとても大事だと思うが、やはり自分で答えを出せないとダメだなあと思う。いや、正しい答えかどうかは別。自分で答えを出すことが大事。

2)小説家志望なら、この続きを。

ここで終わるか、というところでこの小説は終わる。この終わり方もスラムダンクに似ていると言えば似ている。小説家を目指す高校生なら、この続きを書くのはいい練習だと思う。

3)軽音楽、ディベートの青春小説が読みたい。

誰か書いてくれないかな。
ディベートの小説は、筑田さんが適任だと思うけど。
筑田さん、どう(^^)。

新しい年度が始まる

4/1

この一週間で移動した距離は1500キロは固い。疲れは移動時間ではなく、移動距離だと言われているが、そうだなあと思う。ふう、楽しかったけど疲れたな。でも、早起きしてしまうんだよな。今朝も5時半には起きていた。

読みかけの小説を読み進め、朝から興奮の私。
耳鳴りに良くないかもf(^^;。

            ◆

で、午前中は朝風呂に入り、体をリラックスさせていた。んで、旅行の荷物の確認をしていたら、で、電話がない。

はあ。
最後の最後に、またやってしまった。携帯電話の紛失。
タクシーの中で掛けたので、タクシーの中だろう。
ただ、領収書を貰わなかったので、会社が分からない。
タクシー協会に明日電話だ。
はあ。
どうして、馬鹿みたいに最後の最後は上手く行かないかなあ。

            ◆

でも、がっかりしていても仕方がないので駅前にいるタクシーに片端から確認。
だが、電話の所在は分からず。
最後の頼みの一社に電話をしたら、なんと、あった! 

まったくもってこのドタバタ。新年度が始まっても私はあまり変わらないようだ。

            ◆

新居の片付けや住み心地良さを上げるための買い物をしてと過ごす。携帯電話を預かってくれているタクシー会社の事務所まで行った時に、前から気になっていたスーパーに立ち寄ってみた。安い。びっくりするぐらい安い。春キャベツが、一つ80円。

これで昼ご飯は決まった。
「春キャベツとアンチョビのパスタ」である。

【作り方】

1)パスタを少し塩を少なくして、茹でる。
2)一人前につき、春キャベツ1/4程度を一緒に茹でる。
3)パスタを取り出して、キャベツを乗せる。
4)アンチョビペーストを好きなだけ掛ける。
5)はふあはああああふ、言いながら食べる。

5)は作り方ではないが、まあ、いい。
この季節ならではの単純で上手い料理だ。
ああ、美味しかった。

            ◆

新学期の準備をしているところに、愛車が戻ってくる。
奇麗に磨き上げ、調整も終わって、これがいい感じになっている。

            ◆

大学の教え子たちのブログを読むと、彼女らも着々と新学期、新年度の準備を始めているようだ。私は、教師になる学生には
『一度ブログを閉鎖しなさい』
とアドヴァイスした。何がどうなるか分からないから、学生時代のドタバタは一度人様の目に触れることのないようにしておく方が良かろうと。

また、夜型から朝型に生活のリズムを変えておくようにとも。これらを実行している。その素直さが、君たちの宝物だな。
おーい、娘たちよ、これからが楽しいぞ。体に気をつけてたっくさんの経験をするんだよ。

            ◆

さて、私も明日辞令伝達式で、助教授から准教授に変わり、午後の入学式から新しい一歩が始まります。楽しみ楽しみ。

満開の東京の桜も味わう

3/31

実家を出て、整体に向かう。
うーん、少し耳鳴りが良くなった。これが続けばいいのだが、さてどうだろうか。でも、すこしでも良くなると嬉しい。

            ◆

学生時代にアルバイトをしていた喫茶店の社員の方が、立川で自分で店を持って三年目。近況報告をしに伺う。喜んでくれた。嬉しいなあ。

            ◆

教え子の結婚式というのが今回の東京行きのメインのテーマ。ちょと早めに会場の霞ヶ関ビルに行く。文部科学省は改築中。外側を工事の壁が覆っている。そこに、看板。あれ、これって日産のあれと変わんないじゃん。なんだかなあ。

            ◆

荷物を一旦預かってもらって、所用で出かける。所用1を滞りなく澄ませて、結婚式所に向かおうと思ったのだが、地下鉄の駅名を見たら、「九段下」とあるではないか。これは行かざるを得ない。所用2、満開の東京の花見である。千鳥が渕である。

すっっごい人だった。千鳥が渕に向かう人たちはとんでもないことになっていた。私は武道館に向かう列で我慢た。ここでも十分である。さらに、靖国神社の桜を見て堪能した。

            ◆

靖国神社は、花見をする人たちで盛況であった。
私は、戦争は嫌いである。痛いのも、辛いのも、当然殺されるのも殺すのも嫌である。さらに言えば、一回死んだ人が、よみがえるとは、なかなか思いにくい。

だけど、国の力によって戦争に向かわされ、
「靖国で会おう」
と言って死んで行った人たちがいると思うと、色々と考えてしまう。

国の力で戦争に向かわされたのであれば、国は責任を取ってその後の関わりを行うべきなのであろう。それが戦後補償なのだと思う。しかし、英霊となるとこれが少し問題になる。そもそも例という存在を認めていいのか? 霊は神道形式でいいのか? すべての霊に神道形式でいいのか?国が宗教に関与していいのか?ということがある。

1)霊が存在していて、靖国神社に戻っていると主張して言る場合。
2)霊が存在していなくて、靖国神社に戻っていると主張している場合。
3)霊が存在していなくて、靖国神社に戻っていると主張している場合。
4)霊が存在していなくて、靖国神社に戻っていると主張していない場合。

私の立場は、基本的に4)なのだが、もし、1)の人があの場面を見たらどう思うのかと思う。

1ー1)ふざけるな。
国を守って死んで行った人のところで、何、どんちゃん騒ぎをしているんだ。
1−2)うれしいな。
私達が犠牲になったから、こうしてみんなが楽しくやれるんだ。これはいいことだなあ。

私には良くわからない。が、なぜこうしてこれが問題になるのかは、「ことば」だと思う。魂や霊ではなく、ことばなのだと思う。

ユダヤ教では、その人が死ぬというのは、その人のことを語る人がいなくなったときをさすのだと言うことだ。私達はことばを持っている。その言葉が伝えられる限り、考え続けて行く問題であろう。

ただ、一つ思うのは合祀をしてほしくないという人たちは、そうしてあげればいいのにということだ。それぐらいはしてもいいんじゃないの。

             ◆

結婚式から披露宴へと参加した。
私が中学三年生との時に、担任した子どもだ。初めての転勤でいきなり担任した。一年限りの付き合いであったが、その後の付き合いの方が濃いかもしれない。

今日、お母さんに会って話しをした。お母さんがおっしゃった。
「先生が、家庭訪問のときに、『彼には仲間になってほしいと言ってくださったことが、嬉しかったんです。そして、本当になりました』」と。

私も言った記憶がある。そして、彼は教師になった。美しく品のある奥さんと一緒になった。
私に品がないから一層思うのかもしれないが、そしてこれはジェンダー的にどうなのか欲は分からないが、男として言えば、品のある奥さんは良い。奥さんの友人たちを見ていれば、奥さんの良さが良くわかる。

そんなパートナーが傍にいてくれるという感覚はたまらなくいいはずだ。
私の教え子が、そんな結婚をしたというのは、嬉しい。

            ◆

3時間ぐらいの結構長い披露宴だったが、そんなことを感じることなく、楽しい式であった。主賓の挨拶、お父さんの挨拶、その他一人一人のスピーチがとても良く、ジン、人、仁と来たもんだ。

満開の東京の桜も味わうことも出来、新年度への充電も出来た。ありがとう、O君。そして、奥さんのY枝さん。またね。

            ◆

結婚式の横のテーブルにいたのは、新人の教師。
「ああ、私も早く奥さんが欲しいなあ」
と言っていたので
『若者。私と話している場合ではない。お開きの合図が出た。すぐに、会場を飛び出し、ほら、奥さんの友人たちを外で待ち受け、声を掛けて二次会を設定するのだ。ほら、行け!』
「分かりました!」
若者たちはどこかに行ったのだろう。私が一階にたどり着いた時は、静かなものだった.よいよい。

            ◆

披露宴会場からタクシーに飛び乗り、東京駅へ。10分で行けるということだったが6分で着く。その間、都内の夜桜見物。幸せだ。

東京駅で新幹線の指定を行い、時間を見ると発車まであと15分ある。そりゃあ行くしかないでしょ。気になっていた東京駅のオリジナル麦酒。

『発車まであと10分だけど、2分で持って来れる?』
「はい!」

黒のスタウト麦酒を東京の思い出とともに飲み干す。
幸せになるといいなあ、結婚おめでとう、教育をなんとかしようぜ、みんな元気で。
んでもって、新幹線に飛び乗る。発車2分前であった。セーフ。

            ◆

途中名古屋で大雨。新幹線が止まるかと思った。止まったら乗り継ぎがヤバい。でも何とかセーフで、京都駅構内を親から貰った米の入った重たい鞄を引きづりながら湖西線に駆け込む。ここも2分前にセーフ。

西大津も大雨だったので、ワンメーターだがタクシーに乗ってしまった。
そして、なんとかその日のうちに我が家へ戻る。
疲れたけど、いい時間だったなあ。
そして、明日から新年度だ。

今週二度目の東京行き

3/30

今までのマンションと最後の別れをして、東京に向かう。
今週二度目の東京行きだ。行く時は行くのね。教え子の結婚式が主な目的。

新幹線に乗り、東京に向かう。今回もちょっと気にしてみていた。
(あ、やっぱり我が家が見える)
びわ湖の対岸を走る新幹線から我が家が見えるのだ。ということは、我が家からも見えるはずである。新たな課題が設定された。

            ◆

新幹線でMacを開く。3/30締め切りの原稿がある。ちょっと躓いてしまって締め切りを延ばしてもらった原稿だ。

ところが、これが降りてきました原稿の神様。書き進めるに従って、気持ちよく降りてくる。そしてあることに気がついた。
(このままのペースで行くと、書き終わる前に東京についてしまう。あと1時間ぐらい時間が欲しい)

そこで、思い切って指定席をとったのぞみ号を名古屋で降りて、こだま号の自由席に乗り換える。これが大正解。品川駅に着く頃にちょうどいい感じでほぼ完成。いやあ、嬉しい。新幹線を書斎に使うなんて、自分でも信じられないが耳鳴りも気にならずに快適であった。

            ◆

あまりに嬉しかったので、五反田にあるお気に入りの立ち食い寿司屋に行くことにした。品川駅でロッカーに荷物を押し込み、軽くなった体で向かう。腹八分目まで食べ続ける。はあ、幸せ。

            ◆

実家に着いたのが9時過ぎ。
風呂に入り、読みかけの本をぐぐっと読み、
(ああ、もう少し読みたい)
というところで我慢して寝る。

(明日はいい結婚式になりますように)

と思いながら、寝る。

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