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2007/06/13

感想文の変化から君たちの学びの成長を少し確認する

一回目の合同の研究入門ゼミが終わった。君たちの感想を読みながら、(ほうほう、少しは成長したかな)と嬉しく思っている。

第一回目と第二回目の授業の感想にはこんなのがあった。特に誰ということではなく、ランダムに抽出してみた。

引用開始 ーーーーーーーーーー

大学生活を実りぁるものにするかどぅかは自分次第☆知りたいコトは調べたり・ゃってみたぃコトには進んで参加したい!!本をたくさん読むコトをがんばりたいです☆

本を読むのゎ嫌いゃけど、4年間本を読み続けたいと思いました!! 力を付けるを目標に頑張ります。

無駄なコトがなぃよぅに〜いろんなコトに挑戦し、体験して自分を成長させてぃきたぃです!!ぁともっとぃろんな本を読んでぃきたぃです☆〃

今日の授業では先生になるためにとても重要なことばかり教わったと思います。
基本的に言葉遣いが悪いと言われるので、正しい言葉を使うだけでなく言葉遣いにも気をつけていこうと思いましたヾ(o´∀`o)ノ

今日のゼミではとにかくメモって大切だと思いました。今までは板書を写すだけだったけど、先生は口で色々言って書かないので頭を使います。聞き取り、書き取る事が上手くなれたらいいと思いました。静岡県民としては長澤まさみは自慢の芸能人です!!アンルイスのあぁ無情カラオケでよく歌いますよ。

引用終了 ーーーーーーーーーー

ま、初々しくて良いと言えばそれまでであるが、最近の感想と比べてみると違いが分かるのではないかと思う。

            ◆

今日の合同ゼミで、教員の安定性は具体的にはどのようなものなのか、疑問に思い、最も関係性が強い給料(公務員)について調べました。参考URLです。http://www.pref.ehime.jp/010soumu/030jinji/00001232020926/002.html

都道府県により給与額に、少し差違があるのですが、約44歳での平均給与月額は、431,673円です。また、初任給での平均は、198,120円です。

池田先生が40代の女性でこれほど安定する職場はないと、おっしゃっていましたが、実際に調べてみて、本当に、女性は対等に優遇されるんだと感じました。安定性があるということは、それだけでも仕事が続けやすい環境におかれている。安定性だけを求めて仕事を決めてしまうのは、不都合が出てくると思うけど、自分のやりたい職業を何十年と続けるには、不可欠だと感じました。

            ◆

今日の合同ゼミでは、教員採用が増えた「なりやすさ」の裏に、「辞めやすさ」があるという教師の厳しい仕事内容に不安を感じました。しかし、ボランティアなどに積極的に参加し、何事も体験・経験して、芳田先生おっしゃっていた「仕事に対して柔軟に対応する力と的確に判断する力」を身につけていきたいです。

また、一発試験について興味を持ったので調べてみました。
次に引用するのは、小学校2種免許の一発試験の受験資格です。

引用開始

※大学(短期大学を含む。)に2年以上在学し、かつ、62単位以上を修得した者及び高等専門学校を卒業した者並びにこれらの者と同等の資格を有すると認められる者

※高等学校を卒業した者その他大学に入学する資格を有する者で、平成15年4月1日における年齢が20歳以上の者

引用終了

さらに、受験手数料は5,600円で、その他もろもろの費用を含めても数万程度です。大学へ入学するよりもはるかに安価ですが、そこには合格率10%という厳しい現状があり、一発受験は狭き門だなと思いました。
参考URLです。(http://allabout.co.jp/children/kidsenglish/closeup/CU20031003a/

壁画のことを全体の場で話して下さり有難うございました。とても嬉しく、やる気が出ました。大勢の前で誉められるのはいくつになっても嬉しいです。それでは、ごきげんよう。

            ◆

今日の合同ゼミでは、感じたことは二つあります。

一つ目は、「なぜ、教師を目指すのか?」と池田先生がおっしゃられていたことについてです。私は、まだはっきり考えを言えないと思います。きっかけではなく、根本的な考えを言えるよう、これからしっかりと考えていきたいと思いました。

二つ目は、疑問に思ったことです。
保育士の資格を持っていれば働けるところで、母子生活支援施設とは、どのようなことをする施設か?についてです。調べてみると分かったことです。
母子生活支援施設は、児童福祉第38条に基づいて、配偶者のない女子及びその子供を保護し、母と子が一緒に安心して生活し自立できるように援助を行う児童福祉施設です。
参考URL
http://www11.ocn.ne.jp/~asunnaro/boshiseikatushiennshisetutoha.htm

保育士の資格を持っていれば、保育園に就職するというだけでなく、このような母子生活支援施設でも働けるということです。もし、自分がこのような施設に興味があれば、保育士の資格を取得することによって、幅広いところで働けるということがわかりました。

以上で合同ゼミの感想を終わります。

            ◆

今日の合同ゼミで感じたことは2つあります。

まず1つ目は、教師の魅力とはなにか?ということです。
池田先生は「成長する人間のそばにいること」とおっしゃいました。私もそうおもいます。しかし、私はまだ教師の魅力を語れません。これから教育について勉強し、知識をつけて、教師の魅力をもっと見つけていきたいと思いました。

2つ目は保育園の民間と公立の違いについて、気になったので、詳しく調べてみました。
そこでわかったことは、
・公立保育所は民間保育所に比べ、特別保育事業の実施率が低いということ。
・公立保育所は待機児童がいるのに、入所率が84%と低いということ。
・公立保育所は民間保育所の2倍以上の運営経費を要している。
などが主に調べてみて、印象に残ったことです。
 (参考URL⇒http://www.moriguchi-kosodate.net/tosinsyo/05.html

ほかのサイトでも調べてみると
「障害児1,045人の受け入れ状況を見ると、公立60%、民間40%と比率が逆転している。このように、公立保育所の大きな特徴の一つとして、障害児の受け入れを積極的に進めてきた実績が挙げられる。」
と書いてありました。(参考URL⇒http://www.city.osaka.jp/kodomo/c/c_05.html

調べていくうちに、いろんなことが分かりました。そして、加用先生もおっしゃっていたように、保育園・幼稚園は、園の先生みんなで子どもたちを育てていくような温かい園にすべてなってほしいと感じました。

            ◆

今回のゼミで加用先生が仰った、生後10ヶ月の子供で食べ物の好みがでて、自分でやりたがり、皿をひっくり返す、という話がとても興味深かった。

私は、教師を志望しているがこれはたいへん面白そうなので「生後10ヶ月」という言葉で検索をしてみた。
その結果私が知ったことは、生後10ヶ月あたりから子供は言葉を話すなどの様々な発達があるということだ。
(参考URL)
http://www.3t1h.com/10-11kagetu.html

保育士という職業はこのような楽しさを知ることができるという魅力があるのだとわっかってよかった。

            ◆

随分違うのが分かるだろう。授業を受けた直後の400字程度の感想文としては、良い。

だが、目指すところは、まだ先にある。私が諸君に求めたいのは、以下の基礎構造である。


1)読書
2)メモ(事実の記録・観察・思い付き・疑問等)
3)感想
4)疑問
5)仮説
6)調査(HP・本・インタビュー・アンケート等)
7)答え
8)予想される反論に反論
9)結論

            ◆

簡単に説明する。
読書は、メモを生み出すための基本的な体力作りである。いろいろな種類の概念や事例を体に入れておくことが、君たちのメモを生み出すのだ。

自分の中に入っているものに反応して、言葉となる。当たり前であるが、本は言葉で書かれている。その言葉が体に入っていることが、メモを取る体には必要なのだ。

不思議なのだが、人間ってのはそのようにできている。実験してみると良い。なんらかの自分が気にっている本をただひたすら書き写してみる。原稿用紙に10枚も書き写してみると良い。すると、なぜだかは分からんが(いや、実際は仮説はあるが)反論をしたくなるのである。

自分の体の中に文章が入ってくると、それに反応するのである。ということは、たくさん自分の体の中に文章が入っている人ほど、たくさんメモが取れる。取りつつ、疑問や反論が浮かんで来るのである。君たちに読書をさせるのは、それが理由でもある。

            ◆

メモは、事実の記録、思考、まとめと三つの種類がある。まずは、事実をたっくさん書くことだ。ここで大事なことは、教師の話す「まとめ」をメモすることではない。もちろん、まとめの部分を書いても良いのだが、それだけではダメだ。教師が話した具体的な例を書くのである。具体的な例が教師の頭を通って「まとめ」として、授業では君たちに提出されている。目次だけでは出来ない。

まとめだけを君たちが書くとどうなるかと言うと、目次だけの本と同じようなノートになるだろう。君たちは、これから事例から自分の頭で考えて仮説を立て,検証をして、自分で「まとめ」を考えなければならない。

私達教員が、自分の頭で考えたまとめをそのまま使ったところで、君たちは自分で本当に理解することは難しい。自分で事例から考えて行かなければならない。君たちが考えなければならないのは、私達が「その事例」から「どのような過程を経て」、「そのまとめ」にたどり着いたのかと言う思考の過程、試行錯誤の過程を見つめることなのだ。

君たちが出て行く保育・教育と言う現場は、当たり前であるが具体的なことだらけである。だから、きちんとした理論が必要であり、具体的な事実から指導の方針を立てる力が必要なのである。

感想、疑問、仮説については説明しているから良いだろう。調査はどうだろうか。

今、やっとHPを見るところにまでたどり着いた。しかし、まだまだ。その先に、反対意見のHPを捜してみるとか、そのテーマに関わった本や論文を読んでみる。足りないデータはインタビューやアンケートで確認してみるってことをしていくのだ。

そして、自らの答えを出し、予想される反論に反論し、結論を出す。こうして君たちは書きながら思考を深めて行くのである。そういうトレーニングを重ねて、今ある理論を自分のものにし、新たな理論を生み出して行くのである。今、そのスタート地点に、いい感じで立ったところだ。

研究入門ゼミ通信 『起筆』NO15~17

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コメント

新潟の峰本です。
学生が成長している様子がよく分かりますね。しかし、その上をさらに見通して要求をされる池田さんの姿が素晴らしいです。あるべき姿を想定して、そこへ導くための具体的な手だてを提示されている。実にいいなあ、と思います。
学生へ要求しようとしている感想文の構造を参考にさせていただきますね。私も高校生に同様のレベルを求めたいなぁ。
ただ、先日第1回の読書レポートを提出させて、読んでおりますが、正直、その分量の多さに辟易し、2回目は生徒に書かせる量を減らすと公言してしまいました。うーん、自分の都合で教育しちゃぁいかんなぁ、と、池田さんのblogを読んで、反省させられました。

おはようございます。ありがとうございます。
実のところを言うと、最初の感想文を見た時には頭を抱えてしまいました。友人に宛てたメールそのまんまの文体、名前はないし,挨拶もない。込み上げてくる怒りを抑えてf(^^;、
(いや、この学生たちは教わっていないのだ。まず、教えなければならないのだ)
と指導を始動しました。

私は思うから考えるへの道筋として、感想、エッセイ、小論文という仮説を持って指導しています。そのために引用とか、HPによる検証とかを段階的に入れています。授業が終わって翌日の8:00までに行う課題としては、まず現状のレベルにたどり着けて良かったなと。

文章は書かせると読まないとなりませんから、これは仕方がないですね。かの宇佐美先生であっても時間がかかっているのですから、これは仕方がないかと。

ただ、私は大量の作文を読むために速読教室に通いました。活字の文字については多少、効果はありましたよ。

橘学生の小野です。
二週間ぐらい前から先生のブログを拝見させていただいております。
今回の記事に関して私は少々失笑してしまいました。高校生気分が抜けていないとはいえ、そのような感想文の書き方はなかろうと。しかしそれは今から直せばいいことであって現状を批判するだけではなく、それをいかに向上させていくかが重要なのだと感じました。
話は変わって・・・以前から常々思っていたことなのですが、私たちの世代では自分の意見を持っていても述べない人が多く、たとえ自分の意見をしっかり述べる人はいても、それに反論する人はもっと少ないような気がします。そのせいか、自分の意思を相手に細かく表現する方法を身につけていないようです。私も「いまどき」の一学生ゆえ、完全に身につけているとは思っていませんが。

感想文、レポート等の添削は学生の数だけ読むのが大変だと思いますが、学生へのご指導頑張ってください。

また、勝手な希望だとは思うのですが意見させていただきます。ブログの形式についてなのですが、ブログ機能の『続きを読む』を使われた方が見やすいと思うのです。池田先生の場合、ブログにしては長文が多いと思われるのでこの機能を使うとすっきりとまとまると思います。
よろしければこちらhttp://support.cocolog-nifty.com/howto/2006/03/post_ef3b.html
に掲載しているのでお時間があればご検討の方お願いいたします。

長文、乱文失礼しました。それでは。

小野君、池田です。

>話は変わって・・・以前から常々思っていたことなのですが、私たちの世代では自分の意見を持っていても述べない人が多く、たとえ自分の意見をしっかり述べる人はいても、それに反論する人はもっと少ないような気がします。

次の日曜日に膳所高校で行われる、ディベート甲子園近畿大会(全国大会予選)に時間を作って来てみると良い。きちんと議論をする中高生が目の前にいて、驚くだろう。

>感想文、レポート等の添削は学生の数だけ読むのが大変だと思いますが、学生へのご指導頑張ってください。

言わんとする気持ちは分かるが、これはおかしい。

「頑張る」の意味を調べてみれば分かる。

三省堂「大辞林 第二版」より
引用開始 ーーーーーーーーーー

〔「我(が)に張る」または「眼(がん)張る」の転という。「頑張る」は当て字〕
(1)あることをなしとげようと、困難に耐えて努力する。
「—・って店を持とう」「負けるな、—・れ」
(2)自分の意見を強く押し通す。我を張る。
「ただ一人反対意見を述べて—・る」
(3)ある場所を占めて、動こうとしない。
「入口には守衛が—・っている」
[可能] がんばれる

引用終了 ーーーーーーーーーー

私が運動会で100メートル走を学生諸君と走っている時ならば、
「池田先生、頑張って!」
というのは分かる。また、私と関係性の薄い方が、目上の方が
「先生、ご指導大変かと思いますが、頑張ってください」
というのも、分かる。

しかし、私が学生に行う授業に関して、学生の君が、
「学生へのご指導頑張ってください」
というのは、おかしい。そういう時は、
「私達学生へのご指導をよろしくお願いします」
というのが正しい日本語である。

>ブログの形式についてなのですが、

これは考えたこともある。が、私は
(毎日読みにきてくださる方が、読むためにわざわざもう一度クリックするのは面倒だろう)
という発想でこの形式を採用している。故に、このままで行こうと考えている。

前期の私の授業は登録していないようだね。
大学で会ったら、声を掛けていらっしゃい。

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