" Don't think. Feel!"
急に涼しくなった。
寝る前は琵琶湖から吹いて部屋を通り抜けていた風が、朝起きたら比叡山から吹き下ろしていた。昨日の天気図を見ると、まさに古今和歌集の夏の巻の最後の歌のような天気図であった。
朝起きて外を見ると曇り空。
空が青い。
ちょっと思い立って、キャンドルに火をつけてみる。
ベランダにキャンドルスタンドを置いて、海鞘をかぶせて点ける。
なかなか良い。
昔に行った、マレーシアのアンダマン海を思い出す。
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午後、大学に寄ってから、糸井先生の小学校の運動会を見に行く。伺うと歯医者の予約にぎりぎりになってしまうかとも思ったが、高速を乗り継げば何とかなると思い行く。
五年生と六年生の組体操を見るのが目的だ。遠くから見ていようと思い、関係の先生にちょこっと挨拶をしてみていたら、糸井先生がTシャツをを持ってきてくれた。なんだろうかと思っていたら、これを着て本部辺りにいてほしいとのこと。そうすると子どもが踊りに誘うと言うのだ。
周りを見ると、校長先生はじめ全ての教職員がこのTシャツを着ている。これって実は凄いことだということを保護者の方は分かっているのかなあ。このTシャツだって自腹で作っているわけで、それだけ職員がきちんと有機的に繋がっているということなんだけど。凄い先生たちだ。
ダンスが始まった。どこが即興なのかが良くわからないぐらいに一致していた。糸井先生の指示は、一カ所の笛だけ。これも凄いことなんだけど、見ている保護者には分かりに下ろうなあ。
タワーの時に、先生たちが補助に入った。子どもたちも先ほどのTシャツを着ている。補助に入った先生たちと同じTシャツなもんで、補助の先生たちが目立たない。これは大事なこと。先生が活躍しているように見えては良くない。
ダンスの最後に、子どもたちに呼ばれて一緒に踊る。最後の最後だけアップテンポの曲で、緊張を爆発させるような構成。なるほどである。久しぶりにちょこっとだけ踊って気持ちよかった。
ありがとうございました。
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ダンスの後、挨拶もそこそこに車に戻り、歯医者に向かう。
高速に乗って、大山崎の辺りの急カーブをゆっくりと走らせながら、ふとダンスのことを思った。
つい二、三年前のことなのに、しっかりと感じたのは、
(ああ、もうここには戻ってこないんだなあ)
という感覚だった。
いや、私の人生のことだ何があるか分からない。戻るかもしれない。でも、あの瞬間は総感じた。
そして、それが寂しいとか嬉しいとか、そういうのではなくただ、(ああ、もうここには戻ってこないんだなあ)という感覚であった。
それが何を表しているのか、良くわからないままであったが、こういう感覚は無理矢理分かろうとすることではなく、感じるままにしておくのがいいのだと、ブルースリーも言っている。
" Don't think. Feel!"
だったっけ。なんか違う気もするが、流れる景色の中にこの感情を置いてみよう。
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歯医者を終えて、夜は読書など。
秋の夜長は、読書だ。