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2007/09/03

『教師になるということ』

0041
新刊がいよいよ書店に並びます。単著としては三冊目、新書サイズの本としては初めての本になります。出版社のひまわり社は家本芳郎先生のご縁でお世話になるようになりました。とても丁寧に本を作ってくださるので、安心して全力を注ぐことができました。

『教師になるということ』

* 池田 修 著
* 本体価格 860 円(税別)
* 新書 ・ 184 頁
* 2007年9月10日 発行
* ISBN4-902232- 41-7

http://www.himawari.or.tv/cgi-bin_database/database.cgi?tid=list7&keys11=0041

            ◆

私が教師になった頃に比べると、今といろいろと違うことがあります。大きく違うなあと思うのは、授業の指導方法などはかなり整理されてきているということです。指示、質問、発問などの行い方、授業の展開の方法、ワークシートの開発などなど。

これはこれで素晴らしいことだと思います。私の頃なんてディベートを教えるためにアメリカの高校生の教科書を買って翻訳しながら指導していましたから。

            ◆

ですが、その一方でなぜこれを行うのか、という部分が重視されることが少なくなってきたのではないかなと感じるようにもなってきました。

技術や道具は、ある考えを具現化するために使われるものです。なんのためにこの「指示、質問、発問などの行い方、授業の展開の方法、ワークシートの開発」をするのかという部分を語ること抜きに、教育と言う営みは行われないはずだと私は考えています。

ところが、教員の超多忙化は、この「なんのために」という部分を考えさせることを許しません。そして、上から与えられた考えだけに基づいて、指導の技術を重視して教育を進めるようになりつつあるのではないかと感じています。

しかし、目の前の子どもたちの事実から教育を始めるには、この「なんのために」を幅広くじっくりと自分の頭で考える必要があるのです。

            ◆

私はディベートのワークシート、学習ゲーム、学活のコピー資料集の開発などをしてきました。つまり指導の技術に思い切り携わってきています。それは、私が教育を学んだ頃は「なんのために」が重視されていて、「技術」が弱かったということが理由の一つです。だからそこに力を注ぎました。

当たり前ですが、教育は哲学(基本的な考え方)と圧倒的な知識と指導の技術が必要な営みです。今回の本は、私が今まで実践してきた経験をベースにして語ってみました。そのことから、
(教育に関わるってどういうことなんだろうねえ)
ともう一度自分なりの教育に関する哲学を確認してもらうきっかけになってもらえればいいなあという思いで書きました。

            ◆

私が一緒に「明日の教室」を主催している糸井先生の書評です。

http://susumu.exblog.jp/6079010/
より 引用開始 ーーーーーーーーーー

「いやあ、参った!」
本を読み終えた時、思わず、叫んでしまった。
その本とは、池田修先生(京都橘大学文学部准教授)の新書「教師になるということ」(池田修著・ひまわり社)のことだ。
この本は、今、流行の(?)ハウツー本などとは違う。
池田修という一人の優れた教育者が、教育を真正面から語った哲学書とも言える本である。
この4月から、教育サークル「明日の教室」を共に立ち上げたこともあって、池田先生と話をさせていただく機会は多く、学ぶ点は多かった。
しかし、しかしである・・・・ここまで、理路整然と教育について語れるのだという事実を突きつけられ、「参りました」となった次第・・・・なのだ。
「まえがき」の書き出しは、こうだ。

この本でみなさんと一緒に考えてみたいことは、教師になるということ、教師であるということは、どういうことなのかということです。

そうなのだ、そのことを是非、教師をめざす学生に、若い教師に考えてほしいと私も思う。
そして、この本には、池田先生が考える「教師になるということ」「教師であるということ」が、真正面から語り言葉で書かれている。
まさに、現場からの提言である。
これが、現場で必要な力だと思う。

この本が、今後、真の教師をめざす若者のバイブルになることを願う。
まだ、読まれていない方!本屋に急がれることです!
(あっ、まだ、本屋には並んでいないかも・・・)

引用終了 ーーーーーーーーーー

ちょっと誉め過ぎだとは思いますがf(^^;。

新学期が始まり毎日の実践が次から次へと襲ってきます。そんな中でちょっと立ち止まって考える時間になれればと思います。

多くの方に読んで頂けますように。そして、子どもたちとの豊かな関係が生まれますように。

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コメント


 早速、注文させて頂きました。

 私も教育に強い関心があり、いくばくかの縁も頂いていますので、真摯に読ませて頂きたいと思っております。
 

私も早速注文させていただきました。
"How to"から"What for"への着目、池田さんの着眼点の鋭さに感心いたします。
クレーム対策ばかりに心を奪われている管理職、哲学に目を向ける暇もなく雑務に悩殺されている現場教師へのメッセージがこめられていると推察しました。
読むのが楽しみです。

私もアマゾンで早速2冊注文させていただきました。
1冊は自分用。もう一冊は若い先生に貸し出します。

私の全講座での必読図書とさせていただきました。

既に多くの学生が注文しているようです。

池田先生の教育への想い、指導の視点、着眼点などがたくさん詰まったこの書は、これから教壇に立つ若者にとっての必読書です。

僭越ながら近いうちに、私のブログに拙い感想(書評とまでは申せませんので)など書かせていただきますので、ご笑読いただければ幸いです。

masashi君、門島先生、佐瀬先生、河野先生。池田です。早速のご注文ありがとうございます。とても嬉しいです。

ひまわり社のHPに編集者さんからある通り、この本の元々は高校生に向けて話した模擬授業です。ですから文章は平明であると思います。お忙しいとは思いますが、どこかに感想を戴ければ嬉しいです。

社会を動かしていく世代に私達の年代がなったんだと、このごろつくづく感じます。車で言うとローギアかな。これからもいろいろと発信できればと思います。よろしくどうぞ。

夕食をはさんで、一気読みしました!
池田さんの生のキャラクターと声を知っている私としては、大学での講義を参観しているような気分になりました。

魅力的な具体例。多方面に亘る興味関心の高さ、遊び心に支えられた実体験。説得力のある例え話。どれをとってもピカイチです。教師を目指している中学生にも読ませたい気持ちになりました。「明日の教室」にも参加させていただきたいとは思っているのですが、普段の大学の講義を聴講したい気持ちにかられています。そのうちお邪魔させてください。

話は変わりますが、3年生2学期の国語授業は「模書(蘇孝慈墓誌銘)」からスタートしました。昨年度1本300円で購入した「下筆春蚕食叶声」を139円で注文することができました。予習のつもりで久しぶりに模書をやりましたが、全然手が動かなくなっていました。改めて継続して練習することの大切さを痛感しました。生徒と共に練習に励みます。

教育はラグビーの話が特に印象に残りました。後ろに走っている子へどんなパスを出すのかを心がけていきます。
先日、参加している特別支援教育の研修会で、新採の先生から、「支援を優先するべきか、自ら考える力を育てるべきか」との質問を受けました。ラグビーの話を紹介し、今、どんなパスを送るべきかを考えるのがよいのではないかと伝えました。研修会後、池田先生の本を教えてほしいとのことでしたので、紹介させて頂きました。

tnkさん、小書へのブログでの感想、ありがとうございました。教育はラグビーに似ているという思い付きは、教師になってかなり最初の時期に思ったのですが、ま、恐ろしくて大きな声では言えませんでした。

今回、勇気を出して書いてみたところ、多くの人にご賛同頂きました。もっと早くに言えば良かったかなf(^^;。

支援なのか、待ちなのか、指導なのか。そしてそれはどのタイミングでどの程度なのか。これは一つだけ答えがあると思っています。それは、ケースバイケースです。

でも本当にそうだと思うのです。ただ、構造としては
http://homepage.mac.com/ikedaosamu/kouseishugi.html
となっているのではないかと考えています。
新採の先生によろしく伝えてください。

はじめまして。『教師になるということ』を読ませていただきました。
池田先生が教師になられた理由、中学校を選ばれた理由、教師になっていいのかと悩まれていたこと等、すごく興味深く読ませていただきました。
私は、現在就職活動中の学生なのですが、学校でボランティアをしているうちに、教師になりたいという気持ちがあふれてくるようになりました。大学を卒業したら、通信教育で教員免許を取得しようと考えています。
しかし、自分なんかが教師になれるのだろうか、向いてないんじゃないかと、毎日悩んでおります。
池田先生は「教師に向いていない人」とはどんな人だと考えていますか?

稚拙な文章で申し訳ありませんが、お返事いただけると幸いです。

小書を読んでくださいまして、ありがとうございました。なかなか難しい問いですね。考えてみようと思います。ですが、その前に私から。

「学校でボランティアをしているうちに」
ということですが、何があったのでしょうか。教えて頂けませんか? 何がヒットしたのかがわかると考えやすくなるかもしれません。

お返事ありがとうございます。

すこしプライベートな内容がありますので、先生のホームページのメールフォームからお返事させていただきました。

よろしくお願い致します。

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