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2007/10/22

聞き取りテスト

もう10年ぐらい前になるかな、この聞き取りテストを始めたのは。
授業で話す、聞くの指導をしているのにそれを定期考査で行うことがないのはおかしいだろうと言うことで行った。

テスト問題を全て作り、それを朗読のボランティアをしていた奥さんに頼んで全部録音してもらい、テストではカセットテープで流した。

生徒は、
「先生、印刷するよりも楽した?」
なんてバカなことを言った。手間が二倍以上かかっていることに気がつかない。さすが、子どもである。

            ◆

ではあるが、これが一部に問題になっていたようだ。なぜならば、入試問題に出ないからである。
私は
(???)
であった。

入試問題を目指して義務教育は行われているのではない。目の前の子どもたちが10年後20年後に社会でバリバリ中心になって活躍する時に必要な力を育てる。平成3年の学習指導要領にもある項目である。ちょっと詳しく見ると、

中学校一年生の国語の内容の「表現」領域では、「ケ 自分の考えや気持ちを整理し、言葉遣いに注意して話すこと。」「コ 話合いの話題や目的をとらえ、的確に話すこと。」
とあり、
「理解」では「ク 話合いにおけるそれぞれの発言を注意して聞き、話合いの方向をとらえて自分の考えをもつこと。」
とある。
さらに、言語事項では「国語の表現と理解に役立てるため、次の事項について指導する。」として、「ア 話す速度や音量、言葉の使い方などに注意すること。」
とまである。

老婆心ながら教員採用試験を目指している学生諸君は、学習指導要領の変遷をたどってみると面白いよ。昔の試案の辺りの項目の具体的なこと!

ここを見よ。

            ◆

おかしいと言えば、書写もおかしい。同じく平成3年の学習指導要領には、

「エ 書写の指導に配当する授業時数については、第1学年は35単位時間程度、第2学年及び第3学年は各学年15〜20単位時間とすること。」
とある。35時間と言えば、週に一時間である。私は書写をこの時間どおりやっていたのだが、これも「他の学校は文法や作文をやっているのになんで書写をやるの?」
というクレームも来ていた。

うーむ。ま、こういうクレームは知らないでするクレームと、知っていて他のことが気に喰わないから知らんふりしてするクレームがあるんだろうが、
(やらなければいかんことをやっているオレに文句を言うなよな)
とも思っていた。

思想信条に関わるところを学習指導要領などの法律で縛るところには問題はあると考えているが、指導の内容に関しては、ま、指導時間や内容に少ないとか多いとかの違いがあっても、やるべきだろう。

            ◆

で、本論。
やっと広まってきたなあという思い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20071022wm00.htm?f=kから引用開始 ーーーーーーーーーー

千葉県立高校入試、国語の学力検査に「聞き取り」(千葉)

 2008年度の千葉県立高校入試から、国語の学力検査に導入される「聞き取り」。まとまった文章を音声で流し、内容理解を問うもので、すでに中国・九州を中心に7県で実施されているが、関東では千葉県が初の試みとなる。

 中学国語の学習領域には「書く」「読む」のほかに「話す・聞く」があり、スピーチや討論などで実践されているが、入試の際の学力検査には反映されてこなかった。

 今回の「聞き取り」導入には、「話す・聞く」力の重要性を見直し、より的確に国語の実力を測ろうとの狙いがある。

 「中学校生活で、人の話によく耳を傾け、伝え合う力を高めることにつながることを期待したい」と県教委指導課。実施にあたり試行期間は設けず、導入初年度から得点化する方針だ。

 「聞き取り」導入の先駆けは、1979年に始めた青森だとされる。その後沖縄、佐賀、山口と続き、2002年4月に現在の指導要領が施行されて以降、島根、鹿児島、岡山でも始まった。

 このように実施のすそ野が拡大していることについて、文部科学省は「コミュニケーション能力の不足が指摘される中で、話を聞き取り、それをどう表現できるかを問いたいのでは」と見る。読み上げられる題材も物語や小説から、会話文などへも領域が広がってきた。

 設問は、内容や趣旨の理解をみるもの、自分の意見を書かせるものなどが一般的で、所要時間は長くて10分程度。千葉県でも、国語の検査時間全体の50分間のうち、英語のリスニングと同程度の約10分間となる見込みだ。

 今回の「聞き取り」導入を受け、県内の中学校では定期試験に採り入れたり、また学習塾でも、他県で過去に出題された問題を生徒に解かせたり、といった動きが広がっている。

 千葉市若葉区の学習塾「青葉学院」では、中学3年生が夏季講習から「聞き取り」対策を始めた。9月以降も月に数回、模擬テストなどの機会に耳を慣らしている。今月3日の授業では、「ボランティア活動」に関する随筆文(約2分30秒)の聞き取りに挑戦。まず文章を放送し、その後で解答用紙を配り、続いて問題が読み上げられるという形式で、生徒たちは慣れた様子で要点をメモしていた。

 解答時間は約5分で、問題は、話のテーマを選択肢から選ぶものや、文の書き取りなど計4問。要約の問題には多少手こずった生徒もあり、「時間が足りない」との声も漏れた。

 佐久田昌知塾長(37)は「日ごろ人の話を聞く習慣がついている生徒は点を取れている。そうした習慣を身につけさせるためには(「聞き取り」導入は)良いこと」と話していた。

(2007年10月22日 読売新聞)

引用終了 ーーーーーーーーーー

もちろん、これにより新たな問題が生まれるという危惧はあるが、ことばというものを考えるとき、「読む書く話す聞く」の4領域を意識した指導は必要である。

10年一昔と言うことか。

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コメント

富山県でも入試には「聞き取りテスト」はありませんが、私も定期考査で行っています。ただし、ワークブックの付録CDを使っています。中学校3年生でも9月には5時間の書写(模書)をやりましたし・・・・。ただし、池田さんも私も少数派でしょうけれど。幸いにして、東京都のように保護者からクレームがつくことはありません。

やはりご当地は保護者の支援が厚いのでしょうねえ。あの結果を見るとそんな風にも感じますf(^^;。

一度、問題も全て録音するという問題を作ってみると面白いですよ。子どもたちは大変でしょうがf(^^;。

摸書の成果は出てきていますか?

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