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2008/02/29

『笑いの現場 ひょうきん族前夜からM−1まで』

私は「お笑い教師同盟」の会員でもある。

かつて会員たちで、明石家さんまさんの笑いを分析したこともある。
かつて「私のお笑い教師道」として、「『笑点』の「大喜利」からのスタート」という原稿を書いた事もある。

会員の笑いの好みは、落語系、漫才系の二つに大きく分かれ、私は前者である。が、この研究会に所属することで後者についても触れることが多くなった。関西に住まいを移してから今まで以上に多くの笑いに触れることになった。

そんな私が気になる芸人の一人に、ラサール石井さんがいる。
丁寧な、そして計算された立ち位置からでる、笑いやコメントに
(うーん、いいなあ)
と思っている。

            ◆

『笑いの現場 ひょうきん族前夜からM−1まで』(ラサール石井 角川SSC新書)を読んだ。

唸った。
興奮した。
一日で読み切れるのを、敢えてスローダウンして三日もかけて読んだ。

私の青春時代の笑いから今の笑いまでの歴史を、出演者の側からレポートして分析している。どのように笑いや笑いの番組が作られてきたのか、さらにはM−1の審査の行い方や内情まで書いている。これは、授業の作り方や生徒の評価の仕方について、多くのヒントを与えている。

授業や授業外での生徒とのコミュニケーションのあり方、また、教師の修行のあり方を考える先生には、とても勉強になる本である。

論題が発表されました

シーズン到来です。
さあ、今年も論題が発表されました。

            ◆

http://nade.jp/test/modules/wordpress/index.php?p=188

引用開始 ーーーーーーーーーー

全国教室ディベート連盟と読売新聞社は2月28日(木)、第13回全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)の論題を以下のとおり発表しました。
 
【第13回全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)論題】

中学: 「日本は中学生以下の携帯電話の使用を禁止すべきである。是か非か」
*携帯電話・PHSを所有することと、継続的に借用することを禁止する。
*身体に障害のある人については使用を認める。

高校: 「日本は労働者派遣を禁止すべきである。是か非か」
* 労働者派遣の定義は現行の労働者派遣法に従う。

引用終了 ーーーーーーーーーー

これから全国の中高の若きディベーターたちは、東洋大学で8/11に行われる全国大会の決勝を目指してリサーチ、試合、リサーチ、試合と重ね、地区大会を勝ち抜き、リサーチ、試合、リサーチ、試合と進めて行きます。

私もそうして子どもたちと取り組みました。

http://homepage.mac.com/ikedaosamu/debate/01kiroku.html

            ◆

全国で、ディベートを通して人間的成長を遂げる中高生が多く現れることを、楽しみにしています。

2008/02/28

この情勢とは全く違うこと

なんというか、日本の教育情勢は年々というか、日々悪くなっている。
これはあれこれの新聞記事を読んでいてそう思う。
データを見ていてもそう思う。
国立大学の二次試験だって教員養成系の学部は倍率が下がったという。

しかし、私が毎日読んでいるいくつもの教育仲間のブログの上では、この情勢とは全く違うことが起きている。

この悪い情勢を逆手に取ってなのか、活かしてなのか良くわからないが、非常にエキサイティングな教育実践や研究や、さらには研修会や学習会が行われている。手前味噌になるが、「明日の教室」だってその一部だと思う。

            ◆

二年前までは、自分や自分の仲間と懸命にやってきた。今もそれは変わらないが、その時と違うポジションに立つ事で、違う視点も手に入れる事が出来たと思っている。

(この大きなうねりは、何なんだろうか)
と問うことのできる視点である。

「人生は後ろ向きのジェットコースターに乗っているようなものだ」
と言われる。
何処に行くかは分からない。ただただ起こった事実があっという間に通り過ぎて行くのである。ではあるが、いまこのジェットコースターのうねりの頂点にいることを自覚できるのは、本当に面白い。五年後の自分が今の自分を見ている感覚でもある。

私もジェットコースターに乗っていることを自覚しながら、もう一つ別の視点でジェットコースターを見ているのである。

            ◆

おもしろがっているだけでは、つまらない。
あまり意味がない。

これを私の授業という具体のレベルに落とし込んで、行こうと思う。

それをすることが、教員養成の現場であり、
今の私の仕事なんだと思う。

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2008/02/27

首を攻撃される夢

うーん。首を攻撃される夢を多く見る。
昨晩も奥さんと娘を守る夢を見た。
私は
(うう、仕方がない)
と二人を逃がして、暴漢の犠牲になるのである。
夢の中とは言え、なんて良い父親な私なのだろうか。

しかし、この夢の正体は分かっている。両手を広げて時々ばたばたする娘のパンチが私の右の首に当たることが原因である。

ま、夜泣きで起こされるよりは良いだろう。

            ◆

御前中お客さんが来たが、満足した睡眠があったためか、娘はご機嫌。バシバシ殴った成果もあるか。まだ人見知りをしないので妙に愛想が良い。ま、あと少しだろう。

その後、研究室に移動してあれこれ。
なんだか良く理解していないが、面白くなりそうである。
って、理解しないと拙いんだけどねf(^^;。

            ◆

その後、会議を二つ。
提案性のある会議であり、案件にまつわる当時の状況や、今後の展開に関するいろいろなアイディアがでる。良い会議だ。

だけど、夜殴られた私は睡眠が浅かったためか、少し眠い。
珈琲を飲んで踏ん張る。

            ◆

で、研究室に戻って授業の準備。
集中してやりたいと思う一方で、今同時に読んでいる三冊の本に共通のテーマを見つけてしまって、早く読書に戻りたいという気持ちが動き出す。

この、一見関係のないと思われるものの中に共通したものを見つけたときの喜びは、なかなかのものである。自分が立体的に浮かんでくる感覚。いやあ、たまりません。

さ、今日は早めに帰るとするか。

池内さんのブログに衝撃情報

一日研究室にいた。
事務の仕事と、片付け。
新年度に向けてあれこれと。
まあ、なんと紙の多い研究室だことよ。

いつの間にか蹴飛ばして汚れていた机の角、壁などを磨く。
靴の汚れがついている。
インクや墨がついている。

水を少し付けて絞って磨くと落ちる道具を使って。
いやあ、実に簡単に落ちる。

            ◆

学内をうろうろしていたら、この春に卒業する自主ゼミの学生たちを発見。
寒そうなところで何やらやっている。
『を、一息ついたら研究室にいらっしゃい。珈琲でも振る舞ってあげよう』

女子大時代の最後の学生たちである。
一人は教師になり、一人はホテルに就職である。
卒業後のあれこれを話しながら、社会人としての裏技や旅のお勧めスポット等を伝授する。
さらに、間違えて二冊買ってしまった本等もあげる。

しっかり勉強するんだよ。

            ◆

で、決心がついたので大学の生協でこの春から使う予定の新しいMacを注文した。いろいろ考えたが大学の生協だとアカデミーMacが買えるし、その後のメインテナンスもやってくれるので便利である。

家に帰って何気なくみなさんのブログを拝見していたら、なんと池内さんのブログに衝撃情報。アップルストアが閉じられていると言うのだ。がーん。

アップルストアが閉じられていると言うことは、新しいMacが出ると言う事である。慌てて生協にメールを打つ。注文をキャンセルしてくれい。タッチの差で旧型になるのはなんとしても避けたい。

そしたら、夜中にキャンセルをかけたメールがきた。
た、助かった。生協に注文して良かった。

その後、HPを見るとマイナーチェンジしたMacが。安くなって性能が上がっている。

これで最新型を手に入れる事が出来るぞ(^^)。
楽しみ楽しみ。

            ◆

さて、明日はちょっといろいろある日になるぞ。

2008/02/25

甘酸っぱい香り

寝返りを打って、元に戻れるようになった娘。
いやあ、成長は早い。
いないいないバアも楽しむようになっている。

布団にうつぶせになって、飛行機をする。
お腹に体重を乗せて両手両足を浮かせてバタバタするポーズの事。
私もやってみるが、3秒でダウンである。

娘はなんやら楽しそうに続ける。
が、突然ばたりとうつぶせになる。
慌てて駆け寄る。

すると、
ニコッと笑ってこちらを見つめ
また、バタバタである。

なんか、いないいないバアをされている気になる。
うーむ、子どもにからかわれるってのもいいなあ。

            ◆

Ume


本日、梅花祭であった。
北野天満宮に向かった。
梅花祭は、菅原道真の命日の本日、その遺徳を祀る祭りである。

梅は三部咲きであった。
甘酸っぱい香りで、春の喜びを感じた。

Tenjin


町中には、緊張から解かれた顔つきの高校生。
(そうか、今日から京大の入試か)

私も来年度の準備を本格的に始めよう。

休日の研究室

午後から大学へ。
なんだか曜日の感覚が無くなってきているのが拙い。
きちんとしたリズムで生活をしなければなあ。

ではあるが、休日の研究室は集中して仕事もできる。
それはそれでいいか。

やってもやっても仕事は終わらないので、区切りの良いところで帰る。
ま、いいか。

本も読めたし。

2008/02/24

琵琶湖の夜の雪に月である

流石に疲れが出たか、昨日は寝ていた。
琵琶湖に振る雪を見ながら、お茶を飲み、娘と遊び、そして風呂に入れるという一日。

夜の琵琶湖を見ていたら、なんとも幻想的な光景になっていた。
雪の降る中、立ち待ち月が上ってきたのである。
琵琶湖の夜の雪に月である。

デジタルカメラの設定をあれこれいじくって、なんとか撮影した。
手前で夏の虫のように光っているのが、雪です。

Yorunoyuki


こんな光景は、一生に何回あるのかなあ。

第11回 明日の教室のご案内

第11回 明日の教室のご案内

梅の花が咲き始めました。本格的な春はそこまで来ていますね。

第11回の「明日の教室」は3/15(土)に行います。今回は、今年度最後と言う事で、代表の糸井と事務局の池田で講師を務めます。いま二人が大事だと思っていることを語るということでやる予定です。

申し込みは、こちらから。

ぜひ、ご参加ください。

            ◆

日時:3月15日(土)  13:30~17:00

会場:京都橘大学児優館 
http://www.tachibana-u.ac.jp/official/information/access.html

講師:糸井登さん@明日の教室代表 宇治市立平盛小学校
   池田修さん@明日の教室事務局 京都橘大学文学部児童教育学科

内容:糸井:「総合学習の過去・現在・未来」
   池田:「フォトストーリー3で振り返る実践」or「こんな時どう言い返す」*1

*1 この時期大学のメディアセンターのメイテナンスに当たるため、場合によってはメディアセンターのコンピュータが使えない可能性があります。そのため、使えない場合は「こんな時どう言い返す」をする予定です。

持物:
1)デジカメ写真を10枚程度、USBまたはCDに焼いてご持参ください。内容はなんでも構いません。ですが、何か一つのテーマがあると良いと思います。
2)自分のお気に入りの音楽CDを一枚お持ちください。

会費:一般2000円、学生1500円
なお、会の後、懇親会を予定しています。自由参加で3000円程度です。今回は年度の末と言う事で、参加者には豪華プレゼントを用意しております。

昼食:大学の生協食堂が開いております。安くて美味しい本学の生協の食堂をご利用ください。

申し込みは、こちらから。

お待ちしています。

2008/02/23

合計六時間ほど

滋賀に戻った翌日、高校で模擬授業。
高校一年生に、国語の授業の作り方を話してほしいとの事である。
なんとまあ、レアな依頼である。
高校一年生にこんなことを話しても意味があるのかなあと思うのだが、受ける方も受ける方だなあ(^^)。

二時間ほど授業をした後、大学に向かう。教育に携わる学生や社会人が相談にやってくることになっている。学び合いに関しての相談である。

ここでも二時間ほどあれこれ話す。
その後、場所を山科の店に変えてさらに二時間ほど話す。

合計六時間ほど話していたことになる。
大学で授業はなくとも、結構話しているのである。

2008/02/22

懐かしくその大使館を見ていた

母校の国学院大学の傍に、ペルー大使館がある。
授業の合間に、近所を散歩したり、青山学院大学の食堂に行って食事をしたりするときに見つけた。

竹内先生の最終授業の会で大学に向かう時、懐かしくその大使館を見ていた。

            ◆

その悲劇は、散歩中に突然起こった。
腹痛である。
これは大学のトイレまで持ちそうもない。

目の前に現れたのは、ペルー大使館である。
もう、行くしかない。

『す、すみません。トイレ貸してください』
「は?」
『あの、トイレです』

一国の大使館にトイレを借りようなんてのは大胆にして失礼である。
だが、背に腹は代えられない。

なんとか借りられ、事をなきを得た。

            ◆

それから教師になって5年目に、突然ペルーからやってきた生徒を担任する事になった。最初は思い出さなかったが、指導しながら思い出した。

(そうか、そういうことだったのね)

人生は面白い。

野中先生の口癖

(ん? 教室が暗くなったぞ)

野中信行先生の授業と教室を参観させて頂いた。
授業が終わり、帰りの学活が終わるとき、さようならの挨拶をする前に暗くなったのだ。
ここに野中先生の指導の哲学があるのだなあと思った。

通常、さようならをしてから日直が教室の電気を消す。
しかし、そうではなかった。
さようならをする前に、教室の電気を消す。

(すげー、そういうことか)

私は来年度行う予定の「学級担任論」のシラバスに密かに一項目を入れていた。

            ◆

教室中には、ありとあらゆる工夫がされていた。

本棚を見れば、その人がどんな勉強をしてきてどんな人柄なのかが分かると言われるように、教室の道具や掲示物は、その先生の指導の哲学が現れる。

間違えてはいけない。
道具を揃えて掲示物を同じにすれば、野中先生と同じになるのではない。

野中先生は、「○○という子どもを育てたい、人間を育てたい」という哲学があって、そのために道具や掲示物の工夫をされている。なぜ、その工夫をしているのかが分からないと真似だけしてもダメだろう。

例えば、教室にある先生の仕事机は、教室の窓側の一番後ろにある。通常は窓側の一番前にある。私は唸った。この凄さが分かる学生はどのぐらいいるのかなあと思いながら拝見した。

ではあるが、まずは真似をする事で、その工夫の土台となっている指導の哲学を考える事が大事なのだろうなあ。

            ◆

4時間目、私も授業をさせて頂いた。
40分の持ち時間で、六年生二クラス。飛び込みで小学生に授業をするのは、初めてではないかなあ。

なんとか時間通り(実際は3秒伸びた。ちょっと悲しい)に終わらせる事が出来た。子どもはぐっと集中して授業に参加していたし、一緒に見ていた先生方からお褒めの言葉も頂いたが、これは、野中先生が学ぶ体を作って下さっていたからのことである。

学ぶからだとは、簡単言えば教えてくれる人、または学ぶ内容への「尊敬」と「礼儀」である。これらを持たない者は、学ぶことは難しい。小学生であってもこれが持てなくなってきている。それでは、学ぶ事は難しい。大きく成長する事も難しい。

子どもたちは、とても良いプレゼントをもらっているのだが、小学生がこれに気がつくのはいつの事かなあ。

            ◆

口癖。

野中先生の口癖は、「〜ですから」というものである。「〜です」と言い切るところでも、「〜ですから」とすることが多い。

この口癖をクラスの多くの子どもたちが、受け継いでいる。授業中、休み時間と子どもたちの会話を聞くと「〜ですから」と言っている。

子どもは、好きな人の仕草や口癖を身につける。
私はとても幸せな気持ちだった。

            ◆

5時過ぎに学校を失礼する。
横浜の広い空に、14番目の月が出てきた。
そして、大きな夕日が沈んで行く。

(「菜の花や月は東に日は西に」かあ)

本格的な春を実感するあたたかな一日に、大事な事を学ばせて頂いた。
野中先生、ありがとうございました。


2008/02/18

恩師とは

木曜日から東京に来ている。
一週間の予定でこちらにいる。

昔の中学校のときの仲間と会っていろいろと東京の教育の現状を聞いたり、来年度共同研究する仲間と会って研究の進め方の確認をしたりしながら前半を過ごした。

            ◆

前半の最大のものは、竹内常一先生の「最終授業の会」の運営である。
大学の時にお世話になった先生が、今年度で大学での授業を全て終えられる。ご勇退である。
(誰か手を挙げてやらないのかなあ)
と思っていたのだが、どうもそんな雰囲気にならない。
(うーん、これは手を挙げるか)
と思って、仲間に声を掛けた。
『なあ、先生の最後の授業の会を開かないか?』

もちろん、還暦の会や専任での最後の授業は「最終講義」ということで終わっているので、良いと言えば良いのだが、そんなもんでもなかろう。それに、何より先生の授業を受けたい。実行委員会を組織して、先生にお願いをした。

            ◆

当日は、自主ゼミ関係者だけということであったが、学生たちも参加。そして、50人集まれば良いかなあと思ったのだが、90人を越えていた。

お名前だけ存じ上げている先輩や、久しぶりあう同級生等もたくさんいて、それだけでももう実行委員会を立ち上げて良かったなあと思う。会が始まる前に、各期でグループが出来ていて本当に同窓会の雰囲気。

            ◆

そして、先生の授業は「高瀬舟と私の教育学」である。2時間たっぷりと。
まったくもう、なんてエキサイティングなのだろう。

この授業を受けて、パネルディスカッション。私はパネラーとして参加。先生から学んだ事やいまの授業に関する質問をぶつける。それを受けて先生がさらに答えてくださるという流れ。贅沢である。私は贅沢が好きである。

            ◆

20年ぐらい経って初めて意味の分かる言葉を先生からは頂いていた。私はこの最終授業の会で、この先20年ぐらい経ってわかる言葉を頂きたいと思っていた。それは適った。

良くわからないけど、おそらくこれは凄いことを言っているのだろうなあという言葉をたくさんメモする事が出来た。先生は、大事な事をサラリと早口の高音で言われる。だから、話し振りがそうなってきたら、こちらも慌てて構えて必死にメモを取るようにする。

先生の話について疑問や反論が出てきた場合、それを考えていると話はどんどん先に進むので、そこはペンディングにして記録のメモを優先させる。Qの記号を書く。

私が自分の学生たちに指導していることは、実に竹内先生の授業を受けている私の必要性から生まれてきているものでもあるのだ。

で、この授業では私はパネラーなので、分からない事はその場で聞ける。ラッキーである。

『で、先生はそのようにおっしゃいますが、それはそう簡単には理解できません。どのようなことからそういえるのでしょうか』
「だから、それは○○なんだなあ」
『その○○が分からないので、もう少し説明をお願いします』

会場を見ると参加者のOB とOGたちが首を立てに振っている。
(を、みんなそうなのね。んじゃあ、もっと聞いちゃおう)

なんてことを思いながら色々と伺う。

            ◆

恩師とは、
自分の事を呼び捨てにしてくださる存在であり、
『そこは分かりません』と私が言える存在であり、
「ほら、あそこだよ」とご自身が進もうとしている方向を示してくれる存在であり、
「だから、池田、それは違うんだよなあ」と指摘してくださる存在であり、
「お前も、先生になったんだなあ」と誉めてんだか貶しているんだか分からない事を言ってくださる存在であり、
なんだかわからないけど、凄い事を言っているように感じる存在であり、
自らが学ぶ姿を見せ続けてくださる存在であり、
自分の存在を肯定してくださる存在である。

実に有り難い事である。

Kai

2008/02/13

ドラえもん短歌

2/12の夕方からは、国語の模擬授業自主ゼミの最後の会であった。

昨年度の国教法の受講生が手を挙げて、指導をお願いしたいとのことであったので、後期から2週間に一回行ってきた。大学で楽しいのは、自分がやりたい事を学ぶ事である。そして、一生懸命に勉強しても単位が出ないのが良い。私だって講師料をもらえるわけでもない。ボランティアである。

ただ、純粋に学びたいものを鍛えるという時間。これが良い。

            ◆

内容は、中学校二年生を対象にして「ドラえもん」を使って短歌を作るという授業であった。
私はなんのことか全く分からなかった。

ドラえもんが国語に関する場合、ディベートの論題にする事は知っている。「ドラえもんは二十二世紀に帰るべきである。是か非か」というのは、結構面白い論題である。であるが、今回は短歌を作るであった。

            ◆

授業では、ドラえもんの特徴、道具などの確認をした後、ドラえもん短歌の本と作品例を紹介し、
「さあ、短歌を作ってください」ということで進めていた。

生徒役の大学生はキャーキャー言いながら作っていた。ではあるが、うーん、これでは中学生は作れない。出来る子は出来るし、出来ない子は出来ない。短歌自体の説明も甘い。

            ◆

『なんで、ドラえもんにすると短歌が出来ると思うの? ドラえもんだからじゃないよ』
『できない子どもには、どうやってヒントを出すの?』

授業は性善説で作ってはダメであると言い続けている。が、どうしても出来る子どもを中心に作ってしまう。出来ない子どもから作るという発想になりにくい。もっとも出来ない子から作るという発想を持っても、どう作れば良いのか考えるのは難しいのだが。

このドラえもん短歌は、

「子どもの願い・思い」が「ドラえもんの道具」で「適う/適えたい/適わない」

という構造にすることで生まれるのであろう。57577で短歌などというのは、違う。57577に願いや思いが歌われた時に、短歌になる。そこの指導が弱かった。出来る子どもには何の指導も要らないが、出来ない子どもにはヒントは必要である。うーん、残念。

            ◆

なんてことを話す。

私の大学での授業も、これで今年度は最後。
彼女等も卒業である。
四月から教壇に立つもの、企業に就職するもの、捲土重来を期すもの。いろいろである。

懸命に学んだ事が、10年とか20年先のどこかで意味を持つことを願う。


ミッションを達成してほしい

寒さが戻ってきた琵琶湖である。本日は、来年度の新入生キャンプの宿の下見、その2である。もちろん、私ではなく私は引率。学生のオリターたちの下見に付き添うのである。

            ◆

中学校で言うと先輩としての修学旅行実行委員のような立場のオリターである。となると、児童教育学科の学生としては、特別活動論のスペシャル版といっても良いかもしれない。

集団を安全に動かすためには、この下見というものがとても大事である。頭の中だけではなく、具体的にものを見て触って動いて考えるのである。

今日の下見を受けて、オリターたちはミーティングを重ねて新入生キャンプを創って行く。私は去年のオリターたちに大きな方針を与えた。この方針を達成する事を求めた。そして、去年のオリターたちはそれに見事に答えてくれた。

今年のオリターたちにも同じように、方針を示しこれを達成する事を、今日の打ち合わせで求めた。

            ◆

そうである。
これは「学び合い」なのである。

私は新入生キャンプの事務的な打ち合わせと大まかな流れを創り、あとはオリターたちに方針を示す。彼らは話し合いを重ね、学び合い、新入生キャンプを作り上げて行ってほしいのである。ミッションを達成してほしいと考えている。達成するのを楽しみにしている。

            ◆

教師は、イベントの企画と運営でその指導の力量を鍛えるという考え方がある。実は、イベントの企画と運営を行うにあたって、集団で学び合う過程を経ることが肝要なのではないかと思う事がある。

自分の足りないところを、自分たちの足りないところを補い合い、良いところを活用し合って作り上げて行く喜びってのは、学校教育で是非体験させてあげたい項目である。それには、まず教師がそれを感じられる仕組みを作るべきである。そうであるならば、教師になる勉強をしている学生たちにもそれを感じられる仕組みを作りたい。

もちろん、私が学生の頃にはそんなことをほとんど考えなかったが、教師を二十年近くもやって教員養成に関わるようになったのであれば、教師を目指す学生には体験させてやりたい。

2008/02/12

「彩雲」が出ていた

連休最終日。読書をしながらのんびり過ごす。
床暖房に寝転がり、午睡。これは極楽である。

            ◆

その後、娘を連れて散歩に出掛ける。
ま、もちろん、娘を抱っこして琵琶湖のビーチを私が歩くわけである。

琵琶湖の水で一番奇麗なのは北西である。上から見下ろして左上ね。私のいる西大津は左下の方である。冬の南西の湖の水は、澄んでいて奇麗である。砂も白くて本当に心地よい。

小一時間ぶらぶらして、さて帰ろうかと思った時に、空を見上げている人がいる。
(凧でもあげているのかなあ)
と思って見上げると、そこには「彩雲」が出ていた。虹と違うのは、弧が下を向いているのでわかる。

雲の中の水に太陽が反射して、虹のようになる現象である。別名「瑞雲」ともいう。吉祥と言われている。つまり、これを見るとこのあと良いことが起きると言うのである。

我が家の上に出ている「彩雲」である。

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            ◆

今宮神社の「龍」、そして本日の「彩雲」。娘のなんという運の強さであろう。
(いま、そんなに運を使わないで大事にもっておけよ)
と娘に言っても仕方がないが、取りあえず呟く。

しかし、この娘は運を使いながら、新しい運を呼び寄せるタイプかもしれない。「龍」「彩雲」の他にも、実はいろいろと運の良い事が続いているのだ。

ああ、親ばか。

            ◆

散歩の後、買い物に行こうと奥さんとマンションのエントランスで待ち合わせ。そうしたら、娘の靴下がない事に気がつく。散歩の途中で脱げてしまったようだ。娘を預けて来た道を慌てて引き返す。

wii fitで鍛えている私は、ジョギングで向かう。うーん、信じられない。
で、二つとも発見。吉祥はこのことだったのか。

買い物は、娘の本。
お話を聞くのが大好きな娘なので、絵本ではなくて昔話を買ってあげる。「テキスト読み(音訳)」しかしない私だが、これからしばらくは「物語読み(朗読)」の世界に入りきる私である。

2008/02/10

短編アニメ「ほしのこえ」

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大津郵便局に行って速達便を出した後、近くのMac専門店に立ち寄ってMac book airを触ってきた。わざわざ閉じて、持ち上げてみて、タイピングをしてみてとほんの5分ほどだが、いじってきた。良く出来ているなあ。あれを持ち運んだら便利だろうなあ。

だが、メインマシーンとして使うにはどうかなあというのが、正直な感想である。メインマシーンで一台どーんとしたものがあれば、サブでMac book airはありである。大有りである。しかし、いまの私の環境としては、なしだろうなあと思った。

さ、ということは、あれか。
あれの最新機種は秋になる予測だから、いま買うのは妥当であろう。
いよいよ本格的に検討だ。

            ◆

研究室でひたすら学生たちのレポートを読む。評価する。
真剣にやっている学生のものは、真剣に読もうと思う。
そうでないのは、そうでないなりに。ここは義務教育とは違う。

明日の教室でお世話になった西川純先生が、先輩から教わった言葉を話してくださった。

「高校までは、意欲がなくても先生がなんとか焚き付けて勉強させてくれる。大学は、意欲のないものには教えない、学べない。大学院は、意欲があっても学べるとは限らない」

本当にそうだと思う。
児童教育学科の学生たちには、この高校との違いや自分から学びに向かうと言う部分を厳しく求めてきたこの一年であった。彼ら彼女らの多くはこれを理解し、自分たちで教職のサークルを立ち上げたり、すばらしい先生たちの教室にお邪魔して授業を見せてもらったりし始めている。

大学生は、意欲があれば学べる。そして、失敗しても多くの場合誠意を持って対応すれば許される。(ま、大人でもそうではあるが、大学生の方がハードルは低いf(^^;。)

で、評価はやっとめどがついた。ふう。

            ◆

高回転で回った頭をこのままにしておくのはもったいないので、研究室に置いてある未読の本を読みあさる。ほんの三十分程度の予定であったが、2時間弱読みふける。

いやあ、著者との対話の出来る本は面白い。今日の本は、大人論に関係するものをまとめて読む。そこで紹介されていたのが、短編アニメ「ほしのこえ」である。

早速ネットで確認して視聴。
危うく泣くところであった。
30分弱の映画なのに、思春期問題を奇麗に切り取って、作品に仕上げている。

未見の方はどうぞご覧下さい。
私と同じ年代の方は、タオルを持ってみた方がいいかも(^^)。

            ◆

さ、明日は少しゆったりできるかな。今週末は東京だしなあ。

大きく深呼吸である

ミルクの用意ができたので、娘を起こしに行く。
寝入り際に多少ぐずつくが、夜中はほぼぐっすり。
そして、朝まですこやかに寝ている。

娘を抱えて、琵琶湖に朝の挨拶をさせる。
お天道様が出ている時は、お天道様にも挨拶だ。

眩しそうに琵琶湖を見つめる娘。
(この子の人生はこんなふうに輝いてくれるといいなあ)
(どこに漕ぎ出して行くのかねえ)

悠久の光景と生まれたばかりの命を見ながら、大きく深呼吸である。

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2008/02/09

龍が迎えてくれたのである

雪だ。
スタッドレスタイヤに履き替えて、初めて本格的な雪である。
うひひである。

西大津から京都市内に行くにはいくつかのルートがあるが、私が好きなのは山中越えである。比叡山を抜けて北白川へと向かうのである。
今日は、大雪の中、山中越えで今宮神社へ向かった。

            ◆

山中越えは、私の車は大丈夫であった。快調であった。

が、途中に2台が立ち往生して5台が路肩に落ちていた。いやあ、何も装備しないであれを上るのは無謀でしょう。

ではあるが、立ち往生している車をみんなで助け合って道を作るって作業は、なんか楽しかったなあ。なんとなく、昭和という感じがした。

            ◆

私の父親の誕生日に御祝いと言う事で、今宮神社の「あぶり餅」を送るのが良いんじゃない?と奥さんに言われて、今宮神社に向かったのである。

正月にあぶり餅を食べさせてあげようと、今宮神社まで行ったのだがもの凄い人で諦めていた。
今日の雪なら人もいないだろうと思ったのだが、そうではなかった。3連休初日の京都を舐めてはいけない。なかなかの人であった。

            ◆

で、境内に入ってびっくりした。
龍が迎えてくれたのである。

Rimg0202


こんな姿は、一生に一回だろうなあ。
昇龍ということで、非常に目でたい。
よく見ると、2匹の龍である。

私達がお参りをし終えた時には、龍は崩れ始めていた。
なんというタイミングの良さであろうか。

「坊や〜良い子だねんねしな〜」

のテーマソングも脳内に流れていた。

結局、あぶり餅は、雪と賞味期限の問題で発送できなかった。また機会をうかがおう。

            ◆

その後、研究室に向かい仕事。
雪の大学も奇麗だったなあ。

2008/02/08

早春の味わい

採点日である。

カレーを食べると脳の血流量が4%アップするという記事を読んだので、朝から少しカレーを食べる。採点に良い影響が出るのを期待する。

            ◆

そのためか採点は順調に進む。
良かった良かった。

            ◆

終わった頃にお客さん。
四月からの新企画の打ち合わせ。

            ◆

夕ご飯は、早春の味わい。
菜の花のガーリックオイルがけである。

いやあ、うまい。
菜の花の苦みと、鷹の爪の辛さと、ニンニクの香りが絶妙。

植物繊維をたっぷりと取る。
なんか健康志向の私。

Rimg0378_2


            ◆

さ、明日もレポートチェックである。

今日は旧正月か

入試二日目。
順調に終わる。
相変わらず「出物腫れ物アイディア、所嫌わず」であり、嬉しい悲鳴である。

生徒の顔を見ているから浮かんでくるのもあるだろうが、一カ所にじっと座っているから出てくると言うのもあるかもしれない。落ち着こう。自分の生活を振り返る。

            ◆

昼ご飯で研究室に戻ってきたら、糸井先生から「吉報」のメール。
(をを、なんと上手く行きましたか)
と喜ぶ。

詳しくは後日。

            ◆

テスト後、レポートの山と格闘していたら、メールに電話。
うーん、こりゃあ評価が終わらないぞf(^^;。

でも、これもなかなか刺激的なもので、11月の予定が決まったり、明日の教室の良い外部評価であったりと嬉しいもの。明日の教室については2件の問い合わせがあった。

            ◆

『こんな時代に、それでも教師を目指そうとしている若者。現場で、経験不足、指導力不足にもかかわらず、子どもたちをなんとかして伸ばそうとして、自分に力を付けようとしている先生たち。そんな人たちを応援する記事を書いてくださいね』

と電話の向こう側の記者に一言。

            ◆

来週の末に行う「竹内常一先生 最後の授業の会」の仕事もしなければならない。ああ、すみません、先生最後までご迷惑をかけています。

            ◆

今年度でご退職される本学の教職関連の先生の、ちょっと早い「ありがとうございますの会」を夜から祇園で盛大に行う。

先生の教師としての40数年間をずっとお聞きする。いやあ、面白い。私の人生もかなり面白いと思っているが、上には上がいるというか、そうやって生きて行くのねえと思う。

レールから外れると不安でしょうがないと思う若者よ、実は、レールから外れるのはチャンスなのかもしれないねえ。ただ、脱線しているのか別のレールに乗っているのかは、その時には分からないんだよなあ。で、脱線していると気がついた時には、いまの日本は取り返しがしにくい状況にある。そこが厳しいところだ。

ま、私だったら昔も今も関係なく脱線していると思うし、それはそれで私の人生なのだが、それが出来ない、または許せない人もいるからなあ。

            ◆

そうか、今日は旧正月か。
別れと出会いの春なんだなあ。

2008/02/07

出物腫れ物、そしてアイディアは

入試初日。
きりりとした顔つきの受験生が多くいる。
いいぞ。

            ◆

三時間立ちっぱなしの試験監督は疲れる。
が、これも大事なお仕事。

困ったのは、受験生の顔を見ているといろいろと授業や研究のアイディアが浮かんでくる事である。
(を、あれをしたいなあ)
(となると、これもいいなあ)
とか浮かんでくる。

「出物腫れ物、そしてアイディアは、所嫌わず」
だと私は思っている。出てきてしまったアイディアを逃すのはもったいない。ブレザーに入っている紙を取り出して、急いでメモ書きである。

            ◆

私のアイディアは、浮かんできたものの先の先やら、先の裏やらである事が多く、自分でもメモをしておかないと何がどうなってこのアイディアが出てきたのかが分からなくなる事が多い。だから、常に筆記用具は持ち歩く事にしている。

「アイディアはその時身につけている筆記用具の数だけ浮かんでくる」

というのは、中谷彰宏氏の名言である。
メモ用紙なんぞなくても良い。手に書いてしまえば良い。
しかし、筆記具がなければどうしようもない。

監督しながら、来年度の浮かんでくる授業のことをあれこれ考える。
なかなか面白いのであった。

2008/02/06

風呂の水を集めようとするとき

教員採用試験の一次試験に合格した時に、自分の中学校の恩師のところに報告に行った。当時校長先生をされていた青木先生は私にこう仰った。

「池田は、金儲けはしたいか?」
私は、
『ま、普通に生活できればいいです』
すると青木先生は、
「なら、教師になって良い」
と仰った。

            ◆

教師は公務員であり、生活は安定している。ではあるが、当時バブルに向かおうとしていた日本は、とんでもない給料を手に入れる事が出来る時代であった。

お金が要らないかと言えば、いる。だが、そんな数千万とか数億円とか、現実味がないし、それだけの金額を得られる仕事を私がやることの想像もつかなかった。教師の年収がいくらになるのかも知らなかったが、まあ、喰って行けるだろうし、仕事の内容で教師を選んだということで『ま、普通に生活できればいいです』と答えた。

            ◆

川島先生、いいなあ。2008年2月5日(火) 20時36分 http://www.inside-games.jp/news/268/26854.htmlより

引用開始 ーーーーーーーーーー

川島隆太教授、『脳トレ』のロイヤリティは受け取らず

ニンテンドーDSで任天堂から発売された『東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』は続編を含めて世界中で大ヒットし、DSがここまで一般層に普及した一つの原動力になりましたが、監修し、ゲームにも出演した川島隆太教授はロイヤリティを自分では1円も受け取らなかったそうです。AFP通信がインタビューしています。

DSの『脳トレ』は2作品合わせて全世界で2000万本以上が売れている大ヒットで、任天堂から支払われるロイヤリティも多額です。その額は4億4000 万円にも上り、大学の規定によりその半額が川嶋教授本人に入る予定でした。しかし教授はその収入を新たな研究に投資する道を選んだそうです。

「1円も自分のポケットには入ってません。家族はみんな、バカじゃない?と言いましたが、お金が欲しければ自分で稼ぎなさいと家族には言いました」

川嶋教授は1100万円の通常の収入で十分で、大金が入って遊びに行くようなヒマがあるならば研究に費やしたいと話しています。「おかしいかと思われるかもしれませんが、僕の唯一の趣味は働くことです」そんな教授は現在、トヨタ自動車と共同で、お年寄りが安全に事故なく運転できるようなクルマの開発などに取り組んでいるということです。

ちなみに4人の息子がいるそうですが、ゲームは週末に1時間と決めているそうです。「ゲームが怖いと思うのは、何時間でも潰せてしまうことです。ゲームが悪いとは思いませんが、度が過ぎれば勉強時間や家族とのコミュニケーションがなくなるんじゃないかと心配しています」とのこと。

引用終了 ーーーーーーーーーー

            ◆

川島先生と比べるのも烏滸がましいが、私も本を書いているので印税とかが入る。青梅の教員住宅が壊れるから出て行ってくれと東京都に言われて追い出されて、マンションを買う事になったのだが、一部の中学生は、
「先生は、本の印税でマンションを買ったらしい」
と言っていた。

あはははは。
そんな本を書いてみたいねえ。

私の印税は、研究会の参加費と本代とMac代に消えています。
ま、規模は違うけど、やっていることは同じだねえ、と強気の発言f(^^;。

自分で稼いだお金で、自分の好きな事をさらに充実させる。
先生だけに、「先行投資」ってことです(^^)v。

            ◆

「風呂の水を集めようとするとき、手前に掻いてもダメである。向こう側に押すのである。すると、きちんと返ってくる。集まるのである」

司馬遼太郎の何かの本で読んだ気がする。風呂はまあ、向こう側が見えるから押そうという気持ちになるが、世間や研究に対して目の前に拘ることなく、向こう側の見えないところに向かって押し出す。

これが出来るかどうかってのは、胆が試されるなあと思う。だけど、これが正解なんだと思う。学問の成果が世に受け入れられて、その結果さらに自分の好きな研究が出来る。川島先生、幸せなんだろうなあと思っています。

本日もレポートの山

本日もレポートの山と格闘。
今月と来月の予定がどんどん埋まって行くのだが、この予定を見るとできるときに、できることをどんどんやっておかないと大変な事になりそうである。

明日は、本学の入試初日。
受験生の顔つきが楽しみである。

2008/02/05

【2027年開封】

wii sportsも同時に研究する事になり、忙しい時間を過ごしている。
私はテニスを集中的にやっている。
まじめに室内履きのテニスシューズを買おうかと思うぐらいのところに来ている。

            ◆

軽く汗をかいて風呂。そして読書。
美しい朝である。

しかし、体は筋肉痛である。
ふう。

            ◆

研究室では受け取ったレポート、課題、出席などを元に成績を付けはじめる。ま、正確に言うと成績は付けるではなく、付くである。

授業の最初に評価の規準と基準をしめしているので、それに従うと成績が出る。これを評簿に付けていくことになる。努力を重ねた学生諸君が力を付けたという結果を出せるような規準と基準を設定することがポイントだと思っている。

三回は見直す予定である。
来週が教務に提出であるが、今週は入試業務もあるので、成績をつける時間は限られている。学生諸君の奮闘の結果をじっくりと読もう。

            ◆

今日は父親の誕生日。
電話をすると元気そうで何よりだった。

御願いしておいた娘のための梅酒も
「【2027年開封】として仕舞っておいたよ」
と連絡を貰う。

その時、一緒に飲みたいねえ。
長生きして下さい。

欠落感の自覚

いまでも夢でうなされる事がある。それは、自分の欠落感についてである。自分が不完全な人間であると言うことは、良ーく分かっているのだが、教師と言う仕事をしていると、社会的にも通常より上のレベルで人間の良さを求められる。これが、辛いのだ。

若い頃は、自らの欠落部分を埋める作業に取り組んだ。足らないところを補うべく自分で頑張る。ところが、これには限界がある。あるとき、欠落感の充足のためには、欠落を探すこと、自覚する事の方が大事ではないかと開き直る事にした。


『ぼくを探しに 』は、言うまでもなく名著である。
足りないとき、自分でなんとかするのではなく足りない部分にぴったりのパートナーを捜せば良いということになる。

自分のどこに欠落があるのかを自覚する事は、ぴったりのパートナーを捜すためにとても大事な事である。自分に欠落があることが問題なのではなく、何が欠落しているかを理解しない事が問題なのである。

私の欠落部分は、多岐にわたり尚かつ多くの人が欠落していない部分にもある。だから、ここをなんとかするとユニークに人生が展開するはずであろうと思ってはいるが、まだまだ欠落をマイナスに捉えようとする自分がいて、夢でうなされるのである。

欠落を発見して喜ぶ夢ってのは、そのうちに見る事が出来るのであろうか。

2008/02/03

珍しそうにおひな様を見ている

ぐっすりと寝て起きる。
心地よい目覚めだ。
多少、ふらふらする気もするが、それは明日の教室の余韻だろうか、お酒が残っているからだろうか。たぶん、どちらもであろう。

            ◆

お昼前に、ピンポーン!と呼び鈴がなる。
うしゃあ、来た!
そうである。今日は娘の初節句のための、ひな人形が届く日なのである。

引用開始 ーーーーーーーーーー

(1) あかりをつけましょ ぼんぼりに
  お花をあげましょ 桃の花
  五人ばやしの 笛太鼓
  今日はたのしい ひな祭り

(2) お内裏様(ダイリサマ)と おひな様
  二人ならんで すまし顔
  お嫁にいらした ねえさまに
  よく似た官女(カンジョ)の 白い顔

(3) 金のびょうぶに うつる灯(ヒ)を
  かすかにゆする 春の風
  すこし白酒(シロザケ) めされたか
  赤いお顔の 右大臣(ウダイジン)

(4) 着物をきかえて 帯しめて
  今日はわたしも はれ姿
  春のやよいの このよき日
  なによりうれしい ひな祭り

引用終了 ーーーーーーーーーー

ネットで歌詞を検索して、歌う。奥さんがそれに合わせて並べて行く。
娘は、珍しそうにおひな様を見ている。

これから娘が、お嫁に行ってお母さんになるまで、ずっと見守ってくれるおひな様である。
ひな人形を見ながら、お茶を飲み、この先の娘の人生を思ったりしている日曜日であった。

「学び合い」である

今回の「明日の教室」も、充実していた。
上越教育大学から西川純先生をお招きしての、「学び合い」である。

            ◆

私はいま、実践するフィールドがないが、学び合いを知る前から、学び合いの考え方と似ている考え方を授業でやってきたようである。この実践は『学び合う国語』に「相互評価に基づく作文指導法」という原稿を書いた。中でも「書き込み回覧作文」は生徒を動かさずに、作品を動かす事で交流を促し、学びを深め合うというコンセプトであり、近いと思っている。

            ◆

私は、学び合いを次のように考えている。

学校教育を、大きく教科の授業と教科外の二つに分けて考えるとする。そのときに、例えば合唱コンクールは後者である。この合唱コンクールでは、生徒は優勝を目指して頑張る。勝つ事が目標になる。しかし、教師は勝つ事が目標ではない。合唱コンクールの活動を通して子どもたちの人間的な成長やクラスの質の高まりを目指す。そして、優勝したクラスは、子どもたちの人間的な成長やクラスの質の高まりができていることが多い。

学び合いは、この構造を前者でもやろうとしているのである。つまり、教科の授業で子どもたちは問題を解き合うなかで、子どもたちの人間的な成長やクラスの質の高まりが生まれるのである。その結果、成績が上がってしまうのである。成績を上げる事が目的ではなく、人格の完成に向かう事、向かわせる事が教育の目的である。「教科の学習」という課題に取り組んでいるうちに、人間関係は向上し、成績が上がってしまうのである。

            ◆

この考え方は、今年のALL関西教育フェスタで、今村先生と西川先生の話を両方とも聞く事で、整理される事が出来た。

(なんだ、実は2人とも同じ事をされているんじゃないか)

つまり、今村先生は、子どもの生活上のさまざまな問題を発達課題として捉えて、それを解決する事で子どもの成長を促す。西川先生は、子どもの学習上の様々な問題を発達課題として捉えて、それを解決する事で子どもの成長を促す。

(あ、これは富士山をどこから登るかの違いだ)

そう思ったのである。

            ◆

私は、上記の書き込み回覧作文をやるときに、非常に不思議な感覚にとらわれた事が多くあった。国語の作文の授業として、この書き込み回覧作文をやるのだが、やったあと、クラスがしっとりするのである。

なんというか、多くの生徒がすっと手をつないで、一歩階段を上がるような姿が見えるような気がしたのだ。作文の力を付けるためにやっているのに、クラスがしっとりするというこの構造はなんなんだろうなあと思っていた。

いまは、この理由が分かる。

            ◆

これを簡単な概念図にすると、以下のものである。

Manabiaigainennzu


西川先生に、2/1の夜にこの図を見せて伺ったところ、もうちょっと複雑な絵を描いてくださったが、それは西川先生にどこかで正確に描いて頂く事にして、私はこんなものを提出してみる。

            ◆

で、夜は大懇親会。いやあ、凄かった。
あちらこちらで熱い議論。そして、西川先生の周りには常に誰かがいて、話し込んでいた。話す事、分かる事、学ぶ事はこんなに楽しいのだということを、実感してくれているようだ。そして、もっと勉強したい、力を付けたい、やってみたいとなっているようだ。事務局としては、この姿を見られるのが嬉しい。

今回の明日の教室には、私の中学校ときの教え子が二人も、実は参加していた。一人は先日博士課程を終えて脳科学者としての一歩目を踏み出したばかり。もう一人は中学校の時の夢を実現して任天堂に就職。wii sportsのプログラムを一部書いていて、ブログで私がwiiを買ったのを読んだ彼は、私にプレゼントで持ってきてくれた。いやあ嬉しい。二人とも立派に成長。その姿を見せてくれるのは嬉しい。

さらに和田中学校の土曜日寺子屋のスタッフをしていた彼が、地元の愛知の小学校の先生になり、参加してくれていた。愛知は教え子も先生になっているし、いまの学生にもいるのでミニ県人会を開催。また、学生たちは手製の名刺を片手にあちらこちらの先生たちに話しかけて指導を受けている。

こうして関西でかつての教え子や、今の教え子たちがさまざまな交流をするのを眺める。これは一人の教員として嬉しいものだ。

楽しく充実した学びの時間はあっという間に過ぎて行くのであった。

            ◆

次回は3/15。糸井先生と私が行います。

2008/02/02

車を置いて山科駅へ向かう

筋肉痛である。
明らかにwii fitである。
こんなに体を使っていなかったかと思うぐらいである。
これは懸命に研究に勤しまなければならない。

            ◆

「ちりとてちん」が面白い。
師匠と弟子のあり方から、授業のヒントがたくさん出てくる。
伏線の貼り方が面白い。
人間ってこんなに良いんだよなあと思う。
それにしても、いつからこんなに涙もろくなったのかなあと思う。

            ◆

研究室で、明日の、明日の教室の準備をしていたら、あちらこちらから電話、メール、FAX。来年度の講演の依頼やなにやら。去年以上のスピートでスケジュールが埋まって行く。
(すごいなあ)
人ごとのように思う。

            ◆

一度家に帰り、車を置いて山科駅へ向かう。
明日の、明日の教室の講師の西川先生と前夜祭である。同志社大学の学生さんも一緒。さらに、スペシャルゲストとして、うちの娘f(^^;。

もちろん、待ち合わせのロビーであって頂き、抱っこして頂くだけだが。娘の誕生をとても喜んでくださった先生に是非抱っこして頂きたかったのである。

その後、盛大に前夜祭。
終電で帰宅。
いやあ、楽しかった。

明日も楽しみである。

2008/02/01

有り難いことに第二弾

夕方から娘と一緒に出掛ける。
娘の内祝いのためである。

既に内祝いは行ったのだが、その後もたくさん御祝いを頂き、有り難いことに第二弾ということになった。

滋賀で一軒、京都市内で一軒お気に入りのお店で内祝いを頼む。第二弾なのでお店の方も覚えてくださっていて、スムーズに進む。

            ◆

京都市内のお店で奥さんが伝票を書いている時に、私はちょっと娘を抱いたまま、筆屋さんに出掛ける。お気に入りの筆を買うのだ。

手に入れて会計を済まそうと思ったら、財布はウエストバックの中。娘を抱いたままでは無理なので、テーブルの上に置かせてもらった。
そしたら、

「かわーいー。桃さんみたい」

とレジの女性。
ピンクの洋服にくるまれた娘は、顔を赤らめていて確かに桃である。

            ◆

桃と言えば、我が家では「桃様」と呼んでいる。呼び捨てなんぞできない。初夏を迎えれば桃ビールを楽しみ、ひと齧りごとに美味しい美味しいと叫び声をあげている「桃様」である。

それに似ているなんてのは、うれしいなあ。

            ◆

食べないように気をつけようf(^^;。

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