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2008/06/28

「書写教育とは」

国語概論の中で書写について3回で講義をする。その集中講義の一回目が今日である。学生数が80人を超えるので、午前中と午後の二回に分けて同じ事を行う。合計4コマである。

一コマ目は 「書写教育とは」

  1. 学習指導要領での扱い
  2. 書道と書写の違い
  3. 脳科学と書写
  4. 文房四宝について
  5. 筆の手入れの仕方(おろし方、洗い方)
  6. 授業の準備の仕方、片付け方
  7. 筆法の基礎
  8. 結構法
  9. 練習の仕方(模書、臨書、集字、九宮格)
  10. 指導の仕方
  11. 作品掲示法
  12. 簡単な篆刻を楽しむ

二コマ目は「実習1 自分で作品を書く」

であった。

           ◆

実際は、一コマ目が結構時間がかかってしまったので、自分で書く時間が少なくなってしまった。本来の書写の授業としては良くない授業である。しかし、この授業はうまくなるための授業ではなく、書写の授業の意義や指導の仕方を学ぶ授業なので、どうしてもあれこれ説明をすることになる。

学生たちに手を挙げさせたら、小学校以来筆で書いた事のないというものもいれば、入試の勉強の時にイライラしたら気持ちを集中させるために書いていたというのもおり、実にバラバラであった。

学習指導要領に従えば、小学校では年間30時間程度の書写の授業を行わなければならない。ざっと週に一時間は行うのである。そして、三年生以上は筆を使って行うのである。

私が現場にいた時、私は書写の中学生に授業をやっていた。しかし、クレームが出たことがあった。
「他の中学校は書写なんかやらないで、作文や文法をやっているのに」
と。

違う。
私は間違っていなかったのだ。他の学校が違反をしていたのだ。中学校だって中学一年は週に一回。中二中三だって書写はやらなければならないと学習指導要領に書いてあるのだ。でも、そんな風に思われるんだろうなあとも思っていた。しかし、書写、書道はとても大事であると思っていたし、今でも思っている。その辺りの理由も学生たちには話した。特に「脳科学と書写」のところで。

          ◆

ぶっ続けて90分×4を授業するのは、久しぶりである。いやあ、疲れた。足首が痛い。だけど、やらなければなあと思ってやった。幸いな事に書道コースの学生諸君が助手として入ってくれた。採用試験前なのにありがたい。Hくん、Iくんありがとう。

ほとんどの学生たちは、書写の授業のしかたをもう度と聞くことはない。これから何年間小学校の教師を続けるか分からないが、大学では私の3時間が最初で最後であろう。そのうちのレクチャーが今日は150分。実習が30分であった。150分で彼らの教員人生に必要な書写の内容を伝えるのは、無理。と思うが、でもやらなければならない。

私はほぼ伝えきったと思うが、書写書道は頭で分かっても実際に筆で動かすことができなければ意味がない。このためには相当書かなければならない。しばらく時間を置いて、もう一コマずつ学生たちには集中講義で書写を指導する。この間に力をつけている事を期待するわけである。

次回は自分たちの書いてきた作品を交換して、朱を入れ合うのである。
私たちはレッスンプロを目指すのである。

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