竹内常一先生
この二日間、夢のような時間を過ごすことができた。
私の恩師の竹内常一先生に、本学に来ていただいて授業をしていただいたのだ。
初日が児童教育学科学生学会での講演。二日目が、基礎演習ゼミでの質疑応答である。
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今年度の前期の基礎演習ゼミで、竹内先生の本を読み込む演習を学科全体でやることにした。そうきまった時に、
『先生に来ていただくのはどうでしょうか?』
と学科の会議で提案した。
「それはいい」
と一致。
私の夢が実現する方向に動いた。
先生には学生時代からずっとお世話になりっぱなしである。仲人までしていただいているわけである。
すごいもの、本物を学生たちにぶつけたい。そうすることで、学生たちの中に何か良いものが生まれる。私はそう信じている。
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初日は講演。「教師・保育者は子どもとどのような関係をとりむすんだらいいのか」という演目。京都大学からも先生や院生が聴講に来ていたし、先生の教え子の関西大学の先生も来ていた。
90分があっという間。そして、その後90分も別の会場で振り返りの質疑応答の時間を取ってくださった。
一回生も一緒に講演は聴いたのだが、感想文を見ると先生の話がどーんと届いているのが分かる。
夜、久しぶりに食事を一緒にさせていただく。学科のみなさんにご迷惑かとも思ったが、娘もちょっとだけその会場に連れてきて、先生に会っていただく。ここでもあれこれと今まで聞いた事のない話を伺う。幸せだ。
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二日目。『大人と子どもが出会うとき 子どもが世界を立ち上げる とき』を読んできた二回生の学生たちの、テキストに即した質問をたっぷりと1時間以上にわたり答えていただく。
うーん、贅沢。
本当に贅沢。
途中で、先生は
「池田さんは、私の授業を受けていましたが・・・」
と暴露。
私は、学生たちにはその事は話していなかったので、学生たちはひどく驚いていた。そりゃあそうだろ。彼らの先生の先生に習うなんて、通常あり得ないからなあ。
授業後、私の研究室にお越し頂いて、教員からの質問にあれこれと答えていただく。学生が著書にサインを下さいとやってくる。そりゃあそうだろう。学科の先生たちもサインをもらっていた。私たちも学生に戻ったような気持ちになり真剣に学ぶことを堪能できた。さらに、新しい学生食堂で食事をしながらあれこれと聞く。
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3、4限に授業のなかった私は、この間ずっと先生の話を伺う。そして、京都駅まで私の車でお届けして、お見送りをした。車の中でもあれこれ話を伺う。いやあ、贅沢である。
私の教え子たちに、竹内先生の授業を受けさせたいと中学校の教員をしているときから思っていたが、大学に籍を移してやっと実現することができた。先生が長生きしてくださっているからできた事だ。ありがたい。
◆
京都駅で先生をお見送りして、国道一号線を大学に戻る。NHKの打ち合わせの電話と、5限の授業のためである。
途中、トンネルを抜けた辺りで新幹線が私の車を追い越して行った。ちらりと時計を見た。
(あ、あの新幹線だ)
先生が乗る予定の新幹線だというのが、分かった。
(先生、ありがとうございました。学生たちにもっと勉強させます)
運転をしながらなので、ちょっとだけ頭を下げた私であった。
また、来年授業をお願いしたいなあ。
よろしくお願いいたします。
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