常用漢字の改訂
常用漢字の改訂がもめているらしい。
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常用漢字改訂、「俺」で大モメ
7月13日8時0分配信 スポーツ報知
問題は「俺」−。文化審議会漢字小委員会の常用漢字表改定作業が、来年2月の最終案作成に向け大詰めに入る。現在の1945字からどれだけ増やすかが焦点。第2次追加案に残った188字の中では意見の隔たりが大きい漢字もあり、絞り込みには、まだ曲折がありそうだ。特にもめているのが「俺」という漢字。普段の生活ではごく普通に使われているこの字も「子どもに教えるべきものか」などとの意見もあり、結論は先送りされている。
小委は04〜06年の新聞や出版物から3500位までの漢字出現頻度を分析し、上位の漢字を中心に追加候補を選ぶ作業に入っている。
5月の1次案では「挨拶(あいさつ)」のように熟語としてのみ使用頻度が高い漢字54字を含め、274字まで絞り込んだ。6月16日公表の2次案では「鬱」が残る一方で「叩」「濡」「覗」といった漢字が「仮名書きで済む」などと落選した。
「匁」とともに外す予定だった「斤」は「パンを数えるのに使う」と一転残留。1次案では候補にもならなかった「嗅」が「日常生活でよく使う」と“抜てき”されるなど、議論は右往左往している。
その中でも1次案から特にもめているのが「俺」。もちろん日常生活で頻繁に使われている言葉で、本やドラマのタイトルなどにも普通に使われている(プロ野球の中日・落合博満監督の代名詞「オレ流」は自著の表記ではカタカナになっている)。
だが委員の間では「相手との距離を測る重要な言葉」「子どもに教えるべきものか」と賛否は分かれ、結論は先送りされている。
教育評論家の尾木直樹法大教授は「『俺』というのは、常用されている言葉。ある知事も『俺は〜』と言っている。『言葉として汚い』という意見もあるのかもしれないが、上品か下品かという対立的なとらえ方はできない。言葉というのは現実での使われ方で決まってくるもの。きちんと教えるべきです」と訴える。
「僕自身は『俺』という言葉を使わないが」とした上で尾木氏は「友人では『俺』という人が圧倒的に多い。ただ公的な会議では『私』を使うなど、きちんと使い分けをしています。僕にとっては『俺』と言われると親しみを感じますよね」と自らの体験を交えながら話した。
次の小委は15日に開催される。文化庁の担当者は「これから音訓など読み方を含め、一つ一つ詳細に検討するので、もっと意見の相違が出てくるのでは。予定通りに審議が進めばいいが…」と心配顔だ。
◆常用漢字表 法令や公用文書、新聞、放送など一般の社会生活で、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安。1946年に制定された当用漢字を基に、81年に1945字を定めた。ほかにも漢字使用の目安や基準としては、小学校6年間で学ぶ教育漢字(1006字)、常用漢字に含まれないが戸籍に記載できる人名用漢字(983字)、コンピューターで処理するために規格を定めたJIS漢字(第1水準2965字、第2水準3390字)などがある。
最終更新:7月13日8時0分
スポーツ報知
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080713-00000002-sph-soci
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◆
小学校1年生の頃である。時代劇を見ていた私は、父親が親父であり、出てくるの敬語が、お出ましであると理解した。そして、仕事から帰ってきた父親を玄関まで迎えに行って、最大の敬意を払って、
『親父のお出まし!』
と叫んだ。すると、父親は頭に来て一週間口を聞いてくれなかった。私は何がなんだか分からなかった。
◆
小学校3年生の頃である。俺が僕の別の良い方であると言うことを理解した私は、母親の前で
『俺は、こっちがいいな』
と言ったところ、「いつからそんな不良になったのだ!」と母親にこっぴどく叱られた。私は新しい言葉を覚えたのを使ってみたかっただけなのだが、何のことだ輪からなかった。
◆
子どもは、いろいろな文脈で言葉を覚えて行く。そして、その文脈でしか正しい意味を持たないことを理解せず、違う文脈で使ってしまい怒られるのだ。そうして一つ一つ使い方を覚えて行くのであろう。
だから、言葉遣いの悪い子どもや学生を見ていて時々思うのは
(こいつ、悪気があって使っているんじゃないのかもなあ)
ということだ。あのときの自分を思い出し、
『ちょっと待て。ここではそういう風には使わないが知っているか?』
と時間の許す限り教えなければなあと思っている。
ああ、教育とは実にかくのごとしである。
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コメント
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ということでしたが、決着がついたようです。
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http://www.excite.co.jp/News/society/20080715/Kyodo_OT_CO2008071501000794.html
2008年7月15日 18時42分
共同通信
新常用漢字の骨格固まる 「俺」も入り2128字
社会生活でよく使われる常用漢字の改定作業を進める文化審議会の漢字小委員会は15日、2次案の188字を加え、現行の常用漢字から5字を外すとする暫定案を了承した。来年2月にまとめる最終試案に向け骨格が固まった。委員の間で意見が分かれた「俺」は「広く使われている実態がある」として盛り込まれた。合計漢字数は現行の1945字に暫定案を加え、2128字になる。31日の国語分科会に報告。
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来年の教員採用試験の問題候補だろうなあ。
投稿: 池田修 | 2008/07/15 20:14