さあ、東京だ
8/7
涼しい風が一晩中比叡山から吹いてきていたので、気持ちよく寝ることができた。
さあ、東京だ。
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新幹線に乗り、ちょっと一息ついたらもう名古屋。早いなあ。そして、ここから仕事を始める。「2008授業づくりネットワークin仙台」の講座のテキストづくりだ。プロットはできているので、そこに肉を付ける仕事である。
気がついたら、熱海。新横浜で下車する予定なので着地地点を決めて励む。思ったよりも早く仕上がりそうだ。
新横浜からは、横浜線快速で八王子まで。行きつけの美容室に向かう。久しぶりに紙を切ってもらう。さっぱり。かれこれ彼には10年近く切ってもらっているんだなあ。
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JRで両国に向かおうと思ったら、事故だか故障だかで中央線が動いていないとのこと。慌てて京王八王子に向かう。まったくもって中央線は困る。
で、京王線の車内で新幹線で途中になっていた仕事を仕上げる。8/9の締め切りだったから、まあなんとかその前に仕上がったぞ。
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両国の江戸東京博物館では、書道展を見学。
すごかった。
王羲之の「蘭亭序」の神龍半印本が、初めて中国を離れて今回、本邦初公開である。書道をやる人間で、このお手本を模書、または臨書したことのない人はいないだろう。私も学生時代にずいぶん書いた。
さらに、中国を旅したときにこの「蘭亭」に実際に足を運び、流水曲しょうの宴をした場所を見たりもした。
私の義理の祖父、そして母の兄の叔父は書道を嗜んでいた。その二人が見たいと願っても見る事のかなわなかった、本物が目の前にあった。
会場は思ったよりも空いていた。私は「蘭亭序」を見るための列に三回ほど並んだ。時間を空けて、あれこれあれこれ見続けた。「本物」のすごさを改めて思った。
書道では、「目習い」ということばがある。いい作品をじっくりと見る事。そして、その先に「手習い」を行うのである。4世紀に書かれたこの作品は時空を超えて、今私の目の前にあった。これが1300円で見られるなんて、驚きでもある。
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もちろん、他にも黄庭堅(を、一発で変換)やらなにやら本物の作品が出品されていた。音声ガイドの解説を聞いていると「〜の時代を表しています」のような説明が割とあった。
うーんと唸ってしまった。時代を表すか。
その時代に生きている事を自覚して、文字を書いているのであろうか。そんな事はない。時代の評価はその人が生きているときには行うことができない。そうだとすれば、その人が必死に生きていることが、やがて後世の者が学ぶときに「〜の時代を表している」と評価される字を書いていたということである。
時代を表す書道作品。いろいろと奥の深い言葉だ。
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その後、デックス東京ビーチで行われている明日の講座の懇親会に向かう。デックス東京ビーチは、嘗てディベート甲子園が東京ビックサイトで行われていたときに打ち上げ会場としてよく使っていた場所だ。懐かしい。
私の講座は明日だが、大会そのものは今日から始まっている。会場には九州の菊池先生がいらっしゃった。講座を二日間担当されるとのこと。それから何人かの先生や編集者の方と名刺の交換をして軽く食事をして、新橋に向かう。
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新橋では、最初の中学校のときの最後の教え子たちが待っていた。卒業して、15年ぐらいか?わざわざ青梅から5人、私の東京行きに併せてやってきてくれた。もう、31歳だと。ひえー。
それぞれいい大人になっている。顔を見るとよくわかる。あのときに私がしていた授業を良く覚えている。ある元生徒が私がこんな話をしていたと証言。
『あ〜、諸君はタモリ倶楽部という番組を知っとるか?』
「知りません」
「あ、知っています!」
『何? そんな時間まで起きていないで早く寝なさい!!』
『ではあるが、空耳アワーってのが面白いんだな(^^)』
という話をしていたとのこと。なんてことを覚えているんだ、この子たちはf(^^;。しかし、まだタモリ倶楽部は続いているし、彼ら彼女らはタモリ倶楽部の面白さが分かると言う。いいともではなく、タモリ倶楽部が面白くなったら大人という定義が世の中にはあるようだが、彼らも大人になったわけだ。
(そういえば、今日、タモリさんは赤塚不二夫さんの弔辞を読んでいるんだよな。どんなだったかな)
と思う。
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車の話、彼女の話、合コンの話、奥さんの話、仕事の話・・・。
尽きる事なく話は続く。
あの頃のレクリエーション大会の話、あのときの授業の話もでる。
あの授業が忘れられない。もう一度受けたい。中学生の感性ではなく大人の今受け直してみたいなんて言ってくれる。私はこの子たちに授業を提供しつつ、自分が学び、成長して行った事をよく覚えている。
今だから話せる事と言うことで、何のためにあの授業をしていたのかという「授業の種と仕掛け」についても、求めに応じてあれこれ話した。
「そーだったんですか!!」
とあれこれ言われる。
『そーだったんですねえ』
と、にんまり。
「先生、あの頃の先生は何歳ですか?」
『ん、もちろん今の君たちよりも年下だよ』
「ひえ〜」
「もう一度先生の授業を受けたい!」
『京都にくるか(^^)。授業の課題は多いぞ』
楽しい時間はあっという間に過ぎ、11月に本格的にやる同窓会に出席してくれと言われ、スケジュールが合えばねと話したところでお開き。青梅に帰る最終電車が迫っているとのこと。
機関車の前で記念写真を撮って、サヨナラ。
元気で過ごせよ。
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ホテルにたどり着く。
うーん。すごい一日だ。さっさと寝よう。明日の講座は2時間だ。
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