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2008/10/01

学級担任論の授業が始まった

学級担任論の授業が始まった。

             ◆

私が大学院に行った時、学校経営論の授業があった。それならば、学部には学級経営論や学級担任論があるだろうと思い、シラバスを確認した。しかし、なかった。とても驚いた。

(担任の仕事を教えないで、教員を養成するのか)

と。
嘗ては、先生は教科の教育を行えるようになれば授業は成立し、学級もうまく運営することができると思われていたのであろう。確かにそういう時代もあった。

しかし、いまはそれはありえない。モンスターペアレンツどころか、モンスターチルドレンまで出てきている時代に、学級担任の仕事とそのやり方、哲学等を学ばないで担任を持つなんてことは、かなり恐ろしことである。

             ◆

昨日の授業では、学級開きでの最初の担任のスピーチの演習や、児童と教師の距離感についてあれこれ行った。小グループを作って実際にスピーチをやり合って確認してみるのである。

教育実践は、つねに具体である。頭の中ではこうしたいと思っているなんてのは、実際に具体化できなければ何の意味も無い。2分間、子どもたちの前で話すこと。簡単なようでいて実は難しい。自己紹介だけではない。クラスをどうするのかということについて、正しい伝え方で伝えなければならない。演習の後、解説を行う。

             ◆

距離感は、端的に言えば言葉遣いに現れる。
私は学生たちに常に言うことがある。

『教師の目的は、子どもと仲良くなることではない。教師の仕事は、学校教育現場の指導の中で、子どもを大人に育てることである』

若い先生はそれだけで子どもとの距離が近い。子どもが好いてくる。それを自分の実践の力だと思い込むことがある。そして仲良くなりすぎて、注意や叱ると言うことができなくなるのだ。仲良く無ければならないという強迫観念があるように感じられる。

担任は、学級のリーダーである。リーダーは、先頭を歩き、最後尾を歩き、励まし、促し、時には肩を貸しとする。そして、場合によっては禁止や制止も求めるのである。山登りのときのリーダーの役割に非常に似ている。集団をよく理解して、ダメなときはダメという必要がある。

だから、そのダメを伝えるためには、児童との間に適切な距離が必要になる。この距離をどのぐらいに保つのかという距離感をつかむことが大事である。私は若い教師は広めにとる方がいいと考えている。それでなくても若いと言うだけで狭い間である。先生のことを友だちのように思っている子ども。子どもの側からすれば、
「この先生、らくしょー!」
とかなるだろう。
そして、その友だちのような先生が怒ったら
「なんであいつ怒るんだよ」
となるのだ。これで指導ができるわけがない。
そんなこんなを授業で扱った。

本当は、もっと進みたかったのだが準備をした分まで進まなかった。15回のうち、もう1回が終わった。あと14回でどこまでいけるかなあ。きちんと行くところまで行こう。

             ◆

研究室に戻るとメールが届いていた。

やった! 今年の採用試験二次合格第一号だ。
神奈川県の中学校国語に現役で合格だ。
おめでとう。
努力の内容、方法、方向が正しく、きちんと手に入れることができたのだね。
嬉しいねえ。
四月から、先生だ。

             ◆

その後、ある出版社の方が研究室に来て、あれこれ相談を受ける。
私は基本的にそういう相談は受けるようにしている。
大学人としての社会貢献だと思っている。

いろいろな人がいる中で、私に相談してくるのであるからして、相当厄介な案件もあるにはあるのだが、出来る限りのことはしたいと思う。その会社の利益になることもあるが、その会社の利益になると言うことは、その先にいる学校教育現場の子どもたちのためにもなるということである。

そんなつながりを想像させてくれる人たちであれば、そういう相談は、できるだけ引き受けようと思っている。

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コメント

池田先生

すばらしい!!!!!
私は雑誌ではじめて先生を知った時、
先生の教育に対する内容に感動しましたが

このブログの内容も
当たり前のことをズバッと言って下さり

とても気持ちがスカッとします!

>>セレンディピティさん、池田です。

ありがとうございます。
私にとっては至極当たり前のことなのですが、なかなか現実はそうはなっていないようでして。

私の研究と授業はごく限られた本学の学生たちにしか届きませんが、彼らはしっかりと学んで、いい教師を目指してくれると思います。それを楽しみに毎週授業を作り続ける15週間になりそうです。

はるか昔、5年次研修の時、金田一春彦先生の講演を聴きました。その時「若いうちは実年齢より10才年上、年をとったら実年齢より10才若い気持ちで子どもに接しなさい。」という言葉がありました。子どもとの距離の取り方は、学級経営の要のひとつですね。

f(^^;。
私、結果的にそうなっていたかもしれません。自分の写真を見ると、中学生の頃が一番おっさん臭いですから。5年前のわくわく授業のテレビを学生に見せると、今の方が若いと言いますしf(^^;。

池田先生

「学級担任論の・・・行くところまで行こう」までを
うちの若い先生と中堅に見せたところ
反応がおもしろかったです。
中堅は「グサッ」ときたようですし、若手は「わかっているけど
難しいですね」と。
中嶋先生との勉強会に参加している
若手みんなに見せようと思います。
教室ではフォーマルな対応、廊下ではインフォーマルな対応を
と助言しています。
一番難しいのが授業(教室)規律の確立です。
今まで多くの新任を見てきましたがここが悩みどころです。
教師を目指す学生にはこの学習も必須です。
11月が楽しみです。
一番楽しみにしているのは校長ですから。

私が授業で伝えるキーワードは「距離感」です。センスのある若手教員は、ここを十分に理解して実際に出来ていると思います。

そして、ここに潜む問題の一つは、恐ろしいことに教師が大人としての自覚がないのではないかということもあるのではないかと思っています。

なんであろうが、「もう大人である」と腹をくくることをしないと大人になりにくいと思いますが、それが出来ていない可能性が。

11月、私は何をすればいいのか、ちょっと心配になってきましたf(^^;。よろしくお願いいたします。

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