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2008/11/07

娘の誕生筆

いやあ、うれしい。
やっと出来上がった。
娘の誕生筆である。

筆に使う毛は、いろいろな動物の毛である。イタチ、羊、馬、なかにはウサギなども使うことがある。ではあるが、一つだけ共通していることがある。それは、ハサミを一回も入れてない毛であると言うことである。

正確に言うと、始めて刈り取った毛を使っているということである。ハサミを入れてしまった毛は、筆先には使えないのである。人間も同じである。

子どもが生まれたら、作ってあげたかったのがこの誕生筆。胎内毛から作る。娘は生まれた時から髪の毛があったので、一歳になる前にカットして毛を手に入れることができた。

本当はもう少し伸ばしてもいいかな、そうすればもっと筆が作れるかなと思ったのではあるが、夏の暑い時期に長い髪の毛で汗をかいている娘を見ると、さすがに可哀想になり、誕生日の一ヶ月前にバッサリと切ったのである。

そのバッサリと切ったときには、女の子であった娘が男の子ではないかと思われるようになり、一部では悲しい思いをしている奥さんもいた。私の父親は、その姿を見て絶句していた。

後で聞いたら、
「いや〜、あまりにも赤ちゃんのときの修に似ていてびっくりした」
とのことであった。なんだ髪の毛を切ったことにショックを受けたのじゃなかったのね。

ちょうどその時、あごに出来ていた腫れ物も膨らむことがあって、可哀想な状態になってしまったのは、事実。でも、今は髪の毛も伸びて、あごも治って、そして、筆が手に入ったのである。

一生に一回しか作れない筆。
まあ、書道をやらない人にはどうでもいいのかもしれないが、私は作ってあげたかった。

大筆と小筆のセットで桐の箱に入れたのを一つ。
小筆を桐の箱に入れたのを一つ。

セットのものは嫁入り道具に持たせよう。
もう一本の小筆は、私が大事に持っていようと思う。

Fude

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