1/23 臭い酒、臭い食べ物が欲しくなった
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授業が終わった後、顧問をしている教職サークルの新年会に向かう。授業が延びたので、遅刻して到着。すまん。
やっていればいいのに、待っている律儀な学生たちであった。
◆
あれやこれやと話をしながら、彼ら彼女らの今年のこと、これからのこをと聞く。
院を終えて地元に帰る準備をする者。卒業して非常勤講師をしながら採用試験に挑戦する者。教育実習を前に力をつけねばと意気込む者。いろいろである。
そんなこんなを話していたら、最近連絡がない、九州にいる元学生のことを思い出す。早速そこにいた同期生に電話で連絡させる。
『おーい、大丈夫か』
「せんせ~い」
と。
なんとか生きている声であった。
この不景気で大変だと思うが、それはあなたの責任ではないので、あまり落ち込むことのないようにね。また京都に来たら会いましょう。
◆
大学を出る。希望通りの進路先を得た学生は、本学の場合どのぐらいいるのだろうか。去年の就職率で言うと85%ぐらいで、関西の私学では結構上位の所にいるのだが、第一希望はどのぐらいなのだろうか。
専任の教員をめざして頑張ってきて、ダメだと分かり非常勤をやったり別の種類の免許状を手に入れようと努力を重ねようとしたりする学生たちに話をしていて、ふと思った。
(ん、俺、第一希望ではない人生だぞ)
と。
高校を選ぶところからして、ほとんど全てのところで私は第一希望通りに人生が動いたことはない。唯一は結婚ぐらいであろうか。あと、進路、就職、異動など希望が叶ったことはないということに気がついた。
気がついたというくらいだから、もう自分の中ではどうでもいいことになっていたのだろう。でも、思い出してみるとその時は確かに、
(なんで、俺がこの校務分掌なの?)
と思ったり、
(なんで、この学校なの?)
と思ったこともあった。
しかし、今ではすべて
(ああ、良かったなあ。あの仕事をやっておいて、あの学校に行っていて)
と思えるようになっている。だから、第一希望でなかったことを忘れていたんだろうと思う。
いや、そうじゃないかもしれない。今も大した人間でもないが、第一希望通りに人生が進んでいたら、私はとんでもなく嫌な奴になって、なおかつ何も力をつけることなく、周りに不満を言い散らかしながら生きている人間になっていたんだろうなあと、簡単に想像できる。
第一希望でなかった人生が、私を育ててくれていたんだなあと、学生たちと話していて気がつく。うれしいことだ。
◆
家に帰った。
臭い酒、臭い食べ物が欲しくなった。
スモーキーフレーバーのウイスキーとブルーチーズを出してきて
この日を閉めた。
授業に新年会にと良い一日だった。
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