『心ってこんなに動くんだ』(新日本出版社)
2限の児童教育総合演習のゼミは合同ゼミにして、西條昭男先生にお越し頂いて講演をお願いした。
先生の書かれた『心ってこんなに動くんだ』(新日本出版社)を、後期のこのゼミではテキストにして、子どもの作品から子どもの表出や表現から、子どもに迫ろうとしてきた。
小説の読解もそうだが、テキストリーディングはトレーニングしないと身に付かない。このゼミでは
1)指定された範囲の中にある児童の詩の作品から一つ選び、
2)400字詰めの原稿用紙に手書きで写し書きをし、
3)A4一枚でその作品の解釈をまとめ
ということを授業に出るための課題として学生に課し、その解釈をもとにテキストリーディングのレッスンを行ってきた。つまりは、子ども理解のためのレッスンである。
西條先生には、事前に学生たちからの感想と質問などを手紙で渡しておいた。
◆
西條先生は、物腰やわらかく丁寧に学生たちに話をしてくださった。37年間の教員生活のうち、35年間を担任として過ごされたそうだ。凄いの一言である。
「教師の道は、子ども発見の道なんですね」
と語られたその中に、多くの子どもたちとの出会いから先生が学ばれた姿を、私たちは学ぶことができた。
「教師の喜びなんて、一週間に一個あればいいほうです」
という言葉には、学生たちもショックを受けていたようだ。しかし、私たち大学の教員は大きくうなずいた。今回のゼミを担当している教員はみんな現場上がりの教員なので、よーくわかるのだ。
話を伺いながら、まるで事前に十分に打ち合わせをしたかのようなお話であることに驚いたのである。日頃私たちが学生に話していることを、さらにクリアに丁寧に話してくださるのである。
(京都橘大学、児童教育学科の学生たちは贅沢だなあ)
と改めて思う。
ありがとうございました。
« 『つ、つなぎ?』 | トップページ | 『世界の終わりと夜明け前』(浅野にいお 小学館) »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント