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2009/01/13

関係づくり

1/13

曇っているかと思いきや、雪だ。
湖面に降る雨や雪は確認しづらい。テラスから外を見て、晴れていると思って外に出ると雨ということもある。

だが、今朝ははっきりとわかる雪であった。
曇り空から太陽が顔を出したりもしているが、その光を乱反射させながら雪は降っていた。

全ての光がモノクロームに収斂してしまっていた。
なかなか幻想的な光景であった。

Mono

2限は、学級担任論。残すところ本日を入れてあと三回。
今日の導入は成人式の話。この受講生は多くが昨日成人式をしてきて、今日の授業に臨んでいる。遊びすぎたのか眠たい目をこすりながら授業に出ている者が多い。
いつもは授業中に寝ている学生なんぞいないのだが、今日は
『そこ、寝ているぞ。起こしてあげよ』
という指示を出す。

成人式であるからして、大人である。日本人のライフイベンツの中で、成人式だけが税金で行われている。これが意味することは何なのかを多少考えさせる。

そして、大人とは何か、である。
これを扱うきちんとした授業は、残念だがこの学年ではどうやらできそうにもない。
だが、これを考えることはとても大事。成人式を切り口にして少し考えさせた。

『私は小さい頃、子どもが良いと大人に言われてきて、大人になるのが嫌だったが、それは大人になって間違いだということがわかった。はっきり言う。子どもより大人の方が良い』
学生たちは怪訝な顔をしている。
『だってね、・・・』
と話を続けた。

本日のメインテーマは、保護者との関係づくりである。具体的には、保護者会、家庭訪問、面談をどうするかということである。
なんで、保護者との関係を作ることが大事なのか。そして、保護者会、家庭訪問、面談が必要な意義は何か、どうしたらその必要な意義を導くような運営ができるのかなどについて講じる。

モンスターペアレンツは、いるかいないかと聞かれれば、私はいると答える。
しかし、それは本来は校長に任せれば良いことである。新人の教員が引き受けることはない。
竹内常一先生も仰っていたが、日本の教員は校長の仕事を引き受けすぎるとのことである。校長の仕事は校長に任せるのが良い。

担任の先生は、多くの普通の、そして子どもたちを育てようと思っている保護者との良好な関係を作り、学級の子どもたちを育てることに全力を注げば良い。そのために教師が行うことをあれこれ講じる。

授業後、何人かの学生が声をかけてくる。そのうちの一人が、
「先生、以前に先生が紹介してくださった『葉桜の頃に君を想うということ』を読みました」
と言うではないか。
『何! 読んだか!!』
「はい!!」

もうそれだけで良い。
この本は、読んだものだけがあの感動を味わえるのである。分厚い本で、その4/5を読み終えても
(これ、本当に解決するのか?)
と疑心暗鬼に満たされつつ読む本。
そして、感動の、いや、やられた~~~~~~と言う思いを抱くエンディング。
そして、もう一度最初から必ず読み直すことになるのである。
で、読み直すと
「チクショウ、チクショウ」
と嬉しく叫ぶ本なのである。

その学生は
「とにかく読んで」
と母親に勧めたそうだ。

未読の方。
『葉桜の頃に君を想うということ』は、読書の醍醐味を知ることができますぜ。
私も、さらにもう一回読もうかなあ。それはそれで面白いんだろうな。

赤坂さんの所もそのようだが、本学も今日が修論提出日。
私が大学に異動したときに四回生であった学生が、院生となり、修論を提出したとのことであった。
そうか、もう三年が過ぎるのだなあ。
中学校だったら、一年生が三年生になって卒業なんだねえ。

午後は、事務あれこれ。書類を書きまくり、あちらこちらに持参。
研究室の整理もしなければなあと思いつつ、仕事を優先。
うーん、片付かない。

仕事中にGBMで流していた音楽で「年下の男の子」が流れてきた。うーん、参った。やっぱり蘭ちゃんは可愛い。

さらに流れたのが「We are all alone」。やっぱり絶品だ。最近はアンジェラアキが歌っているようだが、やっぱりBoz Scaggsでしょう。「ふたりぼっち」なんて、凄いラブソングだよなあ。

そんなこんなで興奮しながら2008年の研究業績をまとめる作業をしている。印刷関係で締め切りがあったものはもう既に提出したのだが、その提出の土台となるこの一年の仕事をあれこれ記録している。

iCalに残るスケジュールメモと、その時に使った(作った)資料や原稿などを書き出しながら、私はこの一年、2008年に何をしてきたのかを振り返っているのである。

大学に籍を移す時、今まで自分がしてきた仕事(業績)の一覧を提出することになる。というか、その業績がないと大学に奉職することはできない。私はこの業績の一覧を作るのに、大学院にいた一年の夏休みのまるまる一ヶ月を要した。

自分で言うのもなんだが、かなりの量の業績を持っていたのだとそのときに気がついた。だってほら、大学の教員を目指して中学校の教員をしていた訳ではないので、こまめに業績をまとめるという作業をしていなかったから、そのまとめるときに自分でびっくりしたのだ。

だから、毎年一回まとめることの大切さをわかっている。こつこつとやっている。

これもまあ自分で言うのもなんですが、よくこんなに授業以外にあれこれしているもんだと思う訳です。あ、大学の業績は大学での授業はカウントされません。私は大学でFDということに力を入れるのであれば、大学でも授業はカウントするべきであると思います。

あれば、というのは宇佐美先生のFD批判本に納得することが多いからですが、このFDがなくなることはないのでしょうから、業績にカウントすべきかなあとも思います。ただ、どうやってカウントするのかは難しいですが。

そしてこのiCalには仕事のことだけではなく、プライベートなことも記録してあって、特に娘の通院のことの記録、初めて歩いた時の記録などを見ると、あの時、心配を重ねていたことや喜びがが思い出されてしまいます。そこに「Tears In Heaven」が流れてくると、もう、ダメですねえ。

音楽は心に直接響いてくるわけで。
参ります。

私の若い友人が今月一杯で有名なコンサル会社を退社して、独立し、やがて音楽の道で、この一回しかない人生を生きて行くことを決意したというメールが昨日届きました。

彼が就職するとき、私は「夜明け前」という日本酒で東京の我が家で乾杯をしたのを思い出しました。彼は、新たな夜明け前を迎える訳です。もう一度乾杯したいねえ、Y君。

だって、音楽だぜ。よくわからない人生を、さらになんだかよくわからない学問とか芸術とかに投げ出すってのは、最高の贅沢だよなあと思う訳であります。そこに挑む無謀さと才能に私は拍手と乾杯を送るものであります。

さ、業績のまとめの取りあえずの下準備は終わりました。明日の高大連携の授業の準備も終わりました。週末にはセンター試験が待っています。体調を壊さないように丁寧に過ごして行く一週間にしましょう。

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