『つ、つなぎ?』
学生たちが相談に来た。来年度、児童教育学科のオリターをやる諸君である。何のことかと問えば、ユニフォームを決めたいとのことである。
『うむ、良きに計らえ』
と言おうと思ったら、彼らの方から
「つなぎにしたいとのですが、どうでしょうか?」
と聞いてきたのである。
『つ、つなぎ?』
「はい」
◆
ま、学生のやることは基本的に、やれ、であるが、ここはちょっと意見を言った方が良いかなあと思うのであった。
服にはいくつかの要素がある。簡単に言えば三つあると思っている。
1)機能
2)コード
3)ファッション
機能というのは汗を吸い取ったり、寒さを防いだり、皮膚を守ったりというものだ。コードというのは、その場に応じているかどうかということと言い換えても良い。そして、ファッションは流行り廃り、またはセンスや好みと言っても良いかもしれない。
新入生キャンプのオリターとして、つなぎをユニフォームにするということは、この1)から3)を考えたときにどういうことになるのかを考えさせたのである。
◆
『新入生キャンプは、琵琶湖でドラゴンボートを漕いだり、カヤックに乗ったりする。転覆の恐れもある。もちろんライフジャケットは着ているが、全身びっしょりになる可能性があるときに、全身を包むつなぎは、危険性が高まるものであろう。
つなぎは、機械作業などを行うときに着るものである。シャツがひらひらしていると、機械に巻き込まれることがある。だから、それが無いように上から下まで一つなのである。教育を扱う新入生キャンプが、機械作業と同じイメージで行けるのであれば、構わないがどうだろうか。私がコック服を着てキャンプに行ったら君たち笑うだろ? もちろん、ファッションという領域を重視するのであれば、これはまた話は別であるが。
ファッションは、流行らされている格好良さを表すので、それがかっこいいと思う人にはかっこいいし、ダサイと思う人はダサイのである』
◆
『ちなみに私はあのキャンプのときには、オレンジ色のウインドブレーカーを着ていたのを覚えているだろうか。あれは、何かあったときに、さっと諸君が私のことを発見しやすいように着ているのである。
リーダーというのは、いざというときに見つけることが簡単な出で立ちでいることが私は重要だと考えている。だから私はオレンジ色なんだな。ちなみに、デイパックも今はオレンジ色だが』
「わかりました」
どう分かったのかはよくわからないが、あの学生たちだ、1)から3)のことを考えた上で、最上のものを用意してくるだろう。
« ユニークな実践 | トップページ | 『心ってこんなに動くんだ』(新日本出版社) »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント