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2009/01/24

こうして授業を続けていく

日本語コミュニケーション技術1(ディベート)の授業も終わった。

最後の90分間は、まとめである。この半年でどんな力をつけようと考えて指導してきたのかを軸にしながら、あれこれと振り返った。

『中等教育におけるディベートの研究』とシラバスを手がかりにして、何を学ばせようとしていたか、そのために何をしていたのかと語り、それを受けての学生たちの語り、そして、私のコメントという形で授業を終えた。

ある学生は、
「この授業がなんで教職の必修でないのか分かりません」
と言っていた。

(この授業の目的と内容を理解しているな)
と嬉しくなった。

ディベートの授業は、やっている私が言うのも変だが、大変である。その学生たちが言うのだから、それは良かったと思う。

ただ、大変には二種類あることは理解しなければならない。
大変だが、大変なだけであるもの。
大変だが、それを乗り越えることで自分の成長に繋がるもの。ディベートの授業は明らかに後者である。

成長した彼らが、今後の学生生活で活躍することを願う。

国語科教育法2の授業も終わった。
私が言うのも変だが、ディベートの授業よりも大変である。

ある学生は、振り返りでこんなことを言った。
「前期の三回目までで、いつ辞めると言おうかとタイミングを見ていました。でも、先生が恐くて言い出せませんでした。前期が終わったところで、生き残ったと思いながら後期は大丈夫か?と思いました。そして後期が終わる今、この授業が楽しくて終わってほしくないと思っています」
と。

もちろん私は
『希望があれば、単位はDをつけますが(^^)』
と言いました。
当該学生は
「できれば遠慮をしたいのですがf(^^;」
と。
こんなくだらない会話が出来るぐらいに育っている学生たちであった。

通常の授業の後、さらに1時間ぐらい終わらずに、あれこれ話す。

・授業を作るとはどういうことなのか
・人生の選択の際に、何を規準にするのか
・学び、学び続けるということはどういうことなのか

学生たちは、もう完全に習慣になったメモを取りながら話を聞くというスタイルで、最後の最後までメモを取り続けていた。

私はその後のことがあったので、そのまま後にしたが、
学生たちは、あれこれしなければならないことや
やりたいことをしていた。

そんな彼らが最後に自分たちで撮った写真である。課題提出用の掲示板に貼付けてあった。
黒板には、一年間書き続けてきた板書の練習の成果を表す自分の名前の字。その字の下に笑顔で学生たちが写っている。私の名前もしっかりと書いてくれてある。

個人情報丸出しなので、画素を落とし、画質も荒くして雰囲気だけ載せておこう。

08kokkyouhou_2

さ、来年度の教育実習に向けてさらに力を備えよ。
そして、それぞれの道に向かって、新たな一歩を踏み出すがよい。

大学は意欲のあるものだけが学ぶことができる。西川純先生の言葉である。そうだと思う。

私たち大学教員は、学生の意欲に灯をともし、風を送り続け、大きな炎にしつつ、学びを引っ張ったり、後押ししたりしながら、こうして授業を続けていくのだと思う。

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コメント

教師としての池田さんに脱帽するとともに、多くの学生さんを得られたことに対してうらやましく思います。よかった、よかったね。

>>西川先生

恐縮です。
研究者としてもなんとかせんならんなあと思っています。
ご指導よろしくお願いいたします。

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