日付が変わる前には
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一泊二日で小浜まで出かける。中学校の校内研修会に呼ばれたのだ。中学一年生に授業をして、その後、校内研修会で講演をするという二本立てである。
久しぶりの中学生への授業ということで、ちょっと嬉しかった私である。
漢字の学習方法と勉強の仕方を一緒にしたような授業をした。福井県は白川静先生のご生誕の地。そこで、漢字の授業をしてしまおうってんだから、私も無謀と言えば無謀だ。だが、先生を尊敬する私としては、漢字でやりたいという思いも持ったのである。
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小浜までは、雪景色を見ながら移動ということになる。なかなか美しい。花粉も飛んでいないので気持ちがよい。
小浜は、かの「ちりとてちん」の舞台の町である。であるからして、私は落語を聞きながら移動した。絶品だったのは立川談志の「芝浜」である。
落語そのものも良かったのだが、下げのあと太鼓が鳴り響く中、談志が
「ありがとうございます。ありがとうございます。良いお年をお迎えください。ありがとうございます」
とお礼を言っていたところが、とても良かった。
この「良いお年をお迎えください。ありがとうございます」だけで、あの芝浜の風景が、もう一度蘇り、目頭が熱くなった。
もともと「芝浜」と言えば、年末の落語で、この「芝浜」を聞かなければ年を越せないという落語ファンもいるぐらいである。私が聞いた談志の「芝浜」も年末に行われたものである。
それは当たり前のことなのだが、「良いお年をお迎えください。ありがとうございます」で、噺にもう一本別の筋が通ったように感じられた。
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ちょっと早めに到着してしまったので、昼ご飯を小浜のフィッシャーマンズワーフで食べようと思ったら、本日社員研修のための臨時休業とのこと。残念無念。
ではあるが、お寿司屋さんを発見したのでそこで食す。握りのひと皿に盛られたのは、全部この港で上がった魚だと言う。
ん? サーモンがあるが。
聞いてみると、小浜に流れ込む南川と北川に遡上するのだと言う。たしかに、食べてみると養殖のサーモンとは違う食感に、味である。満足であった。
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授業も、校内研修会も、つつがなく終了。
中学生も、先生方も熱心に話を聞いてくれたので、つつがなく終了。
研修会は、学級経営と生徒指導に関するもの。
最近の依頼は、国語よりこちらの方が多い。
ホッとして、宿に向かう。
宿でひと風呂浴びて、懇親会会場に向かう。
私が小浜に泊まる時は必ず行く店である。筑田さんとも行ったことのあるあの店である。
実はこのお店、お招きいただいた先生もご存知。というか、ここのご子息を教えていたことがあるということ。世間は狭い。
残念ながら、海が時化ていてたくさんの種類の魚にお目にかかることは出来なかったが、出てきた魚は本当に美味しかった。
先生方とも、あれこれ話し込む。日本の教育を良くしたいと、みんな思っている。私に出来ることは少しだが、その少しをきちんとやりたいと思う。
日付が変わる前には、宿に戻った。
良い一日であった。
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コメント
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なつかしいですねえ。
投稿: イクトス | 2009/02/21 08:07
はい、懐かしいです。
小浜のお魚は、相変わらず美味しかったですよ。
投稿: 池田修 | 2009/02/23 15:36