醒井(さめがい)養鱒場
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こどもの日。
滋賀県では子どもと保護者が無料になる施設が5つある。今回は、醒井(さめがい)養鱒場に行くことにした。
名神高速道路を行き、北陸自動車道路の米原で降りてすぐのところにあった。
台所から食卓まで料理を運ぶお手伝いが出来るようになった娘である。お手伝いができるのであれば、もうこどもの日を盛大に祝ってあげていいだろう。
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魚の餌(50円)を購入し、まずはニジマスにやる。ものすごい勢いで食べる。娘は驚くかと思いきや喜んでやっている。水に落ちないようにスカートの裾を握ってコントロールする。
続いて釣りである。
ニジマスを釣る。1キロ1400円ぐらいで釣った魚は買い取る方式である。入れ食いのように釣れるものでもないが、楽しく釣っていたらびっくりするぐらいの値段になってしまうだろう。私は3匹に留めた。
最後の一匹は針に掛けて、娘にもその引きを体験させた。釣り上げたニジマスを触らせたが、ニジマスが動いていても大丈夫。まだ分からないのかな。
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釣った魚はその場で捌いてもらえる。そして、氷詰めにもしてくれる。
『すみません。このニジマスは、刺身で食べられますか?』
確認してみた。
「うーん、どうかなあ。この大きさだとぎりぎりかな」
問題はそこですか。
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釣りの後、場中を歩いて回る。結構広い。
至る所に魚影を認めることができる。勉強にもなる。
今回私が感動したのは、以下の三種類の魚である。
1) チョウザメ
2) イトウ
3) コバルトブルー色のニジマス
この場内には、魚と戯れる池がある。まだ暑くないので中で遊んでいる子どもはいなかったが、ニジマスやカラフトマスなどの他に、なんとチョウザメも泳いでいるのである。たまたま池の渕にいたチョウザメに近づき、私は触ってみた。いやあ、チョウザメに触れるなんて感動である。
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さらに、園の奥の方に向かって歩いて行ったら、とても大きな魚が泳いでいた。
もしや?と思って看板を見たらやっぱり「イトウ」であった。『釣りキチ三平』でも取り上げられている幻の魚である。
サケ亜目は、サケ科、アユ科、キュウリウオ科の三つに分かれる。その中のサケ科は、さらに、サケ属、ニジマス属、イトウ属、イワナ属に分かれている。そのイトウ属のイトウである。
サケ属は、8種類ほどいるが、イトウ属はイトウしかいない。顔つきはイワナとサケを足したようなものだ。体長は1メートルを越えるものもある。実際に見たのは初めてで、興奮してしまった。これが北海道の湿原でヒットしたら凄いことになるだろうなあと思った。
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そして、コバルトブルー色のニジマスである。
金色に輝くニジマスは、アルビノ種であることは知っていた。自然界では目立ちすぎて他の動物の食料になってしまい、なかなか見られないが、養殖では珍しいには珍しいが、いる。で、コバルト色のニジマスである。これは何だろうかと思っていたら、脳下垂体に欠損があり、この色になるのだそうだ。そして、生殖機能がないので遺伝としては発生しないとのことであった。非常に珍しいのだが、ここでは数匹見ることができた。
魚好きとしては満足である。
場内は、青紅葉だらけであり、秋も楽しめそうだと思うのであった。
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帰ってきてからは調理。
二匹のニジマスは、塩焼き。
普通に焼いては勿体ないので、炭火を起こして強火の遠火で焼く。
「餅は貧乏人に焼かせろ、魚は大名に焼かせろ」
のことわざの通り、じっくりと焼く。
もう一匹の半身はそのまま刺身で。
もう半身は、塩をして軽く水分を取り除きルイベにする。
結局この夜は、塩焼きと刺身を食す。
ニジマスってこんなに美味しかったかなあと思う。
身が柔らかくて甘い。娘もどんどん食べてしまう。
付け合わせは、醒井で買ってきた新タマネギ。
これをスライスして水にさらしただけのもの。
辛みはなく、ただ歯ごたえと甘みが広がる。
ビールは、「梅花藻」というヴァイツェン。
醒井の地ビールである。
うまい。
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ああ、こどもの日は、良き日かな。
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