http://www.asahi.com/politics/update/1014/TKY200910130370.htmlから、引用開始 ーーーーーーーーーー
教員免許の更新制、10年度限り 文科省方針
2009年10月14日5時31分
教員を続けるために10年に1度大学などで講習を受け修了することを義務づけている教員免許更新制をめぐり、文部科学省の政務三役は13日、10年度限 りで廃止する方針を固めた。制度は今春始まったばかりだが、現場にはかねて「教員としての技量向上に効果があるかどうかは不透明」「ただでさえ忙しい教員 がさらに疲弊する」という批判がある。文科省が同日開いた有識者との会合でも批判的な意見が強く、制度を続ける必要性がないという判断を固めた。
文科省は、現在の制度下で講習を受講しなくても免許が失効することがないよう、11年1月の通常国会で関係法令を調整する考えだ。
教員免許更新制は、安倍晋三政権の目玉として設けられた教育再生会議などが提案。幼稚園から高校までの教員が対象で、制度化に当たって文科省は「最新の知識技能を身につけてもらうことが目的」と説明してきた。
ただし、現場には不満も多く、民主党は今年7月、無駄な事業を洗い出す「事業仕分け」の中で、廃止すべきだとの結論に至った。
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ということである。政権が変わるとこういうことがあるのね、ということを学ぶ国民である。
確かに伝え聞くところによれば、仮に更新講習制度は良いものだとしても、更新講習の内容が実態に合っていないという声を聞く。幸いにして私が行ったものは、それなりの評価を得ているがf(^^;。
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だが、この免許更新制度が廃止されたとしても、二つのことを考えなければならない。
一つは、10年に一度の免許更新制度は無くなっても、10年次研修等はあるということだ。いまも10年次研修があって、その上に免許更新講習があったという大変なことになっていたわけである。だから元に戻ると言えば言えるのである。
もう一つ。教員免許を手に入れるための教職課程が6年制度にするという話も、現政権は考えているのを忘れてはならない。
さて、この6年制だがどのようなスタイルになるのであろうか。
1)学部が終わったらそのまま大学院に2年間行く。
というのがまず考えられる。この場合、専門知識と教育の知識を6年間かけて身につけるというものと、学部のときには教育以外の専門知識を身につけ、大学院で教育の専門知識を身につけるというやり方がある。
どちらのパターンであっても、教育実習が一年間になるのではないかと噂されている。
2)学部が終わったら、一度現場に出てその後大学院に2年間戻る。
というスタイルを、私は理想と考えている。つまり、学部卒でまずは一種免許を出す。そして、現場に出て3年後から10年以内に専修免許を取得するのである。
その場合、専修免許も「管理職」「授業職」「生活指導職」「事務職」「担任職」「特別活動職」「研究職」などのそれぞれに特化した領域の専門を持つようにする。管理職を目指す教員は、この「管理職免許」を取得するようにするのである。
本学の看護学部の先生に聞いたのだが、看護学を教える先生方は、必ず3年間以上の現場経験が無ければならないとのことである。教育学も3年ぐらいは現場経験があっていいはずである。
また、ストレートで大学院に行くのも良いが、現場にでて問題点や課題、または自分の力の無さを持って大学院に戻ってくることは意味があるのではないかと考えている。だから、2)がいいと考えている。
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で、問題はいま4年間で免許を取得して現場に立っている先生たちである。ここに6年制度は波及するのかしないのか。一般的な法解釈では、新しく法律が成立した場合、それ以前の法律で動いている部分には影響しないものである。
だが、私が現場にいて専修免許を持っていなかったとしたら、
(えー、俺も大学院に行かせてくれよ)
と思うだろうなあ。
だから、さらに理想を言えば、現状で一種免許を持っている先生も希望があれば、大学院にきちんと行けるようにするということか。
ただ、授業料は自腹であろう。これはそうだろうなあ。
となると、一種免許と専修免許の先生で給与体系も変わるようになるのかなあ。高度な専門教育が出来る(と想定されている)先生とそうでない先生で給料が同じって言うことになるが、それでいいのかわるいのか。同僚性の観点から言えば同じ方が良いし、専門性から言えば違う方が良い。
医者の場合、新人でもベテランでも保険の点数は同じ。ただ、歯医者の場合、インプラント等の専門治療は保険外治療でそこで稼げるようになっている。ちなみに、歯学部の教育ではインプラントのやり方は習わないそうだ。保険外治療なので。だから、インプラントが出来る歯医者は自腹で高額の研修を受けて、できるようになるのである。
ま、医療と教育が同じ視点で論じられるものでもないのだが。
うーむ、どこに落としどころを見つけるかな。
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【日本は、教職課程を6年間にするべきである。是か非か】
ディベートの論題としてもいいかもしれない(^^)。