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2009/10/03

でも、何があるか分からないよ

10/3

今年度の採用試験の結果が発表されてきている。
児童教育学科はまだ採用試験を受けていないが、他の学科の学生や卒業生から連絡が入ってくる。

もちろん、全員合格してほしいがこれだけはいかんともしがたい。合格した諸君、おめでとう。君は採用試験に合格することが目標ではなかったはずだ。それは通過点でしかないはずだ。現場に出るまでに、いまできることは何かを考えて、やりきっておこう。

残念だった諸君、来年に向けてスタートを切ろう。何かあったらメールで相談していらっしゃい。京都橘大学は、在校生に厳しい愛を。卒業生には優しい愛を、なのである。池田先生が優しい愛というのは、気持ち悪いかもしれんがな(^^)。

採用試験は、もちろん、現役で合格することを目指すのである。始めから浪人で良いやとか、非常勤講師で良いという人は、ま、いないであろう。

だが、結果としてそうなってしまった人は、この経験を生かせばいいのである。

私も浪人しているし、留年もしているから気持ちは分かる。自分が置いてけぼりになり、社会から不必要な人間であるという烙印を押されたかのような感覚。そして、次の結果が出るまでに一年間掛かるという呆然たる思い。さらに、一年後にしっかりとした結果が出るかどうか分からない不安。分かる。分かるがここをじっくりと乗り切ることで、あなたに人間的な力量や魅力が出てくるのだと私は考えている。

人生は不条理で、思い通りにはならない。それは社会に出る前に体の芯で理解しておくのが良い。もちろん、その最中にいるときには
(ふざけるな!)
(なんであたしだけ!!)
という思いになる。私もそうであった。また、いまでももちろん不条理に苛まれるばかりである。

しかし、ここをくぐり抜けた先生とそうでない先生では、現場に出てからの構えが違うだろうなあと思う。もちろん、現役で合格した先生だって違うところで不条理を経験していることもあるから一概には言えないが、生徒の進路選択の指導の際に、一度自分が進路選択でうまくいかなかった経験を持っている先生はやっぱり強いと思う。

失敗した。だからダメになった。
失敗した。だからウマくいった。

同じ出来事から、人は別の道を歩くことができる。
私は多くの生徒、学生を指導しながら思う。

合格した諸君、おめでとう。でも、何があるか分からないよ。
不合格の諸君、ざんねんだ。でも、何があるか分からないよ。

目の前にある、やるべきことをやりながら、次に襲ってくる不条理に立ち向かい、人生を豊かに作って行こうとあれこれしていってほしい。期待しています。応援しています。

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