期待値を評価する
11/18
大学の推薦入試の日である。
今年は担当で、大阪会場でお仕事。入試は、細心の注意を払って準備され、運営される。
私は会場責任者。仕事は、場の空気を整えること。ここは試験会場なのだという雰囲気を作りだすと言っても良い。
細かいが大切な実務に関しては、キチンとした担当者がしてくれる。私は、受験生が持っている実力を最大限発揮できるように、あれこれ。お寺さんを借りて会場にしているので、ご本殿にもキチンとお参りもする。お寺で入学試験なんて、実に由緒正しいものである。
準備が完了してから、他学部の先生方としばし懇談。こうして交流する時間は大学ではありそうでなかなかない。情報を交換し、へー、ほーってな感じで今後の指導に生かす話題を伺ったり話したりする。いいもんだ。
◆
試験は恙無く終了。
ああ、良かった。
会場を整理して帰ることになる。
そのとき思うことがある。使った椅子を机の下に丁寧にしまってある諸君は、合格‼としたいなあと。
勿論、入試は学力考査である。であるからして、学力がいま現在どのくらいあって、それを元に判断されるシステムである。だが、現行のシステムでは今後の成長の期待値は、ほとんど判断されていないだろう。*1
だが、どうテストするかはよく解らないが、期待値を評価するテストと言うのは、あっていいんじゃないかなあとときどき思うのだ。
試験終了後、椅子をキチンと直せるなんて、
1)物事を時間の流れの中で見ることが出来る。
2)けじめをつけることが出来る。
3)他人への配慮が出来る。
と言うことが出来ている可能性が、やらない人よりあると思うのである。とくに推薦試験ではそんな気がする。
私が言いたいのは、全部学力で、いまの学力の結果だけで判断するのではなく、期待値のようなものを入れたらどうかということである。そして、その一つの例として、椅子を直せるってのは、結構ありなんじゃないの?ということである。
さらに、念のために書いておけば、これは本学の入学試験とは全く関係のないことであり、私、池田修が、試験会場の片付けをしながらぼーっと思ったことであることを、きちんと断っておきたい。
◆
大学に戻って、ハイおしまいではない。
学科の会議である。
私は、ちょっと都合が悪くて最後まで参加することはできなかったが、来年度のことをあれこれ話す会議は続くのであった。
*1
私が現在、期待値も判断しているのではないかなと思うのは、芸術の分野である。バレリーナ、親の体型を参考にするという。将来身長や体重がどんな風になるのかは親族を見ればだいたい分かるらしい。そして、それはある一定以上のレベルのバレリーナには、最初から越えられない資質として必要になるものらしい。
さらに声楽なども、いまの声が今後のレッスンでどのような声に伸びるのかなどは、考えているのではないかと思う。声の質は、変わりにくいものである。が、いい資質を備えた声は、正しいレッスンで磨かれるのではないかとも思うのである。そこいら辺りを考慮したり見抜いたりしないと、試験にならないと思うのだ。
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