授業は、具体であり具体の上に想像と創造が生まれる
12/9
本日は、明日の教室のDVD製作をお願いしている平井さんに来て頂いて、学生の指導もお願いする。メディアリテラシーとフォトストーリーの作り方についての講義である。
ここが今年度から始まったGPのプロジェクトの中核となる部分の一つである。オリターと呼ぶ先輩のリーダー達が、後輩のためにあれこれするのであるが、彼等自身の活動をポートフォリオすることで、彼等の学びを豊かなものにしつつ、後輩のためになるというものを考えている。
ポートフォリオは、文章でやるものという考えがあるのではないかと思う。それはその通りである。しかし、それだけではないはずである。今回のGPでは映像によるポートフォリオをさせようとしている。それがフォトストーリーである。
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嘗て写真を撮る撮られるというのは、特別なことであった。ところがデジカメ、さらには携帯電話にこれが搭載されたことから、普通のことになった。私もバシバシ撮影していた。そしてここに「写真」による問題が発生するのであった。
一つ目の問題はインク代がかかるという事であった。いまでも職員室には先生個人のためのパソコンが用意されているところは少ないだろう。という事は自腹でパソコンを買うことになる。であるからして、プリンターもインクも自腹でとなる。学校教育現場はBサイズが残っているので、B4サイズがプリント OUTできるちょっと高い物を買わざるをえなかったのだ。
だがまあ買えばすむものであれば、良いか悪いかは別として、お小遣いの許す範囲で自腹を切れば良かったのである。
二つ目の問題は、個人情報、または肖像権の問題である。学級の情報を学級の中で扱う分には、特に大きな問題はない。だが、インク代を節約しようとしてインターネット上に載せようとすると、この問題が発生する。
校内LANがあってインサーネット環境が整っていて、図書館の司書教諭のような情報司書教諭がいる学校であれば問題無い。だが、そんな公立中学校は存在しない。だから、情報を扱う者がそこを配慮してやるならやるのである。これが非常に面倒くさい。だから、私はこの方法もやらなかった。
三つ目の問題は、一つ目と二つ目にも関わるのだが、手に入る写真が多過ぎるということだ。行事などがあると、保護者からも届いたりして嬉しいひめいとなる。選びきれないのである。
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これらの条件をなんとかクリアしようと考えて私が最後の中学校にいた頃にやっていたことがある。それはPCによるスライドショウでの展示である。学校に余っていた古いノート型の98PCを持ち出して、そこに「窓の杜」からダウンロードした無料のスライドショウソフトをインストールして使っていたのだ。
これであれば、インク代はかからず、校内LANも必要なく、大量にデータがあっても大丈夫である。子どもたちにも、学校にやってきたお客さんたちにもとても好評であった。
いまなら、WindowsXPには標準で入っているし、Macならさらに昔からスクリーンセーバーでいけるし、今ならiPhotoのスライドショーでも楽しむことができる。
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前置きが長くなった。
で、私はこういう実践をしてきたわけで、これを踏まえて児童教育学科の学生たちを育て、その上で彼らがここで学んだものを踏まえて学校教育現場、保育の現場で頑張ってほしいと考えてやってきた。
これを文学部全体に広げるにはどうしたら良いのであろうかと考えて、今回のGPの基本構想を考えたのであった。
授業は、具体であり具体の上に想像と創造が生まれると考えている。
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で、フォトストーリーである。これであれば、写真、文章、音楽、ナレーションなどを入れて、一つのムービー作品を簡単に作ることができる。デジタルポートフォリオを作ることができるのである。
写真は、携帯電話で取れる。文章やナレーションは授業の感想文などで鍛える。音楽は十分楽しんでいるので、著作権の問題をきちんと学べば良し。あとは、作り方を教えていただければオッケーということで、平井さんにお願いをすることにしたのであった。
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授業は平井さんの丁寧な説明で、どんどん進み、あっという間に学生たちは作品を作り上げた。
来年度の新入生キャンプを始めとして本格的にスタートするこのDVD作成。これを受けて、実はもう一つGPではプロジェクトを動かしている。それについては、また事業の進行とともにご紹介したい。
楽しみ楽しみ。
平井さん、ありがとうございました。
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