だが、これが良かった
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大学に行って仕事をしようと思う気持ちが半分。もう半分が、家でゴロゴロしていたいという気持ち。後者の勝ち。娘と遊ぶことにした。
朝ご飯を食べて、風呂に入り、昼ご飯を食べる。ああ、休日。しなければいけない仕事はあるのだが、急に行かなければならなくなった東京の仕事をしたのだからいいんじゃないのと、自分に甘い私は家で仕事。
だが、これが良かった。
◆
夕方、奥さんの携帯電話が鳴った。なんだろうと思いながら娘を寝かせていた奥さんのところに持っていく。奥さんは
「077? なんだろう」
と思い出すのだが分からない様子。だが、突然思い出した。
「あれ〜〜〜〜。ひょっとしたらインフルエンザの予約の日かも」
◆
慌ててかかってきたところに電話をする。するとやっぱりそうであった。受付終了まで15分しか無い。道路が混んでいなければその時間で到着。しかし、娘は熟睡。
『いいから電話しよう。それで「向かう」と連絡しよう』
と話して連絡する。大津市民病院は待ってくれると言う。ありがたい。325iにまだ寝ぼけたままの娘を乗っけて走り出す。
帰省の荷物を全部空にした325iは軽い。荷物が入っているつもりで踏み込むとあっという間に制限速度の所まで来てしまう。慌ててアクセルを戻す。
◆
新型インフルエンザの集団予防接種の予約が取れたのは奥さんから聞いていた。だが、帰省があったことや、予約が取れたことだけで安心してしまって、さすがの奥さんも忘れてしまったのだろう。気持ちはとても分かる。私はそんなのばかりだから。
病院には、受付終了の時間を10分遅れて到着。有難いことに、何も問題なく対応してくれた。私はこのドライバーのために、家にいたんだなあと思う。
◆
接種を終えてから30分は病院から出られない。接種後の急変に備えて30分はその場で待つようにとの指示であった。なるほど。これはありがたい。
病院は土曜日の夕方ということもあり、本当に誰もいない。待合室の電気もかなり消されている。それでいい。使わない電気は消すのである。
娘は、最初は大泣きしていたが、次第に遊び心が首をもたげてきたようで、あれこれ興味を示す。大きな窓の枠の下にはちょっと腰掛けることのできるような場所があった。そこには、
「ここに座らないでね」
と書いてある。娘はそこに向かって
「お父さん座って」
と言う。うーん、ちょっと悩んだが、
『あのね、ここにはね、ここに座らないでねっ、て書いてあるんだよ。だからお父さんは座れないんだ。あっちの椅子なら座れるよ』
と言うと、娘は不満顔。だけど、小さいことで「ダメなことがある」ということを教えていかなければ、大きなことでいきなり「ダメ」と教えても子どもは受け入れないだろう。小さな戦いだけど、大事な戦いをする。
すると、娘はしばらくしてから
「うん!」
と言って、椅子の方に向かう。ああ、嬉しい。そうなるとお父さんは、さらに遊んであげたくなる。そうだ、かくれんぼがいい。
◆
ということで、お父さんが隠れる。誰もいない広い待合室なのでできることである。隠れて
『お父さんは、ど〜こだ?』
とやると探しに来る。
「み〜つけた!」
と。何回かやった後に、娘に隠れてと言うと、隠れる。びっくりだ。もうかくれんぼができるんだ。体を縮めているだけで、隠れていないのだが、意味は分かっているようだ。
『み〜つけた!!』
とすると、とても嬉しそう。
◆
嘗て、恩師竹内常一先生は、
「伝承されている子どもの遊びには、人間の真実の多くのものごとが含まれているな。たとえば、かくれんぼは、【死と再生】だな」
と仰っていたが、娘を見ていてそんな気がする。twitterなど当然なかった頃だが、恩師の呟きをなんとなく心に書き留めていたんだなと改めて思う。
◆
で、無事に新型インフルエンザの予防接種を終えて、帰途につく。直接帰るのもなんなんで本屋に寄る。娘と奥さんは、浜大津の公園へ。この公園は我が家の対岸にあり、ベランダからも見えるので、わざわざ出かけることはないのだが、いってみてなかなか良かった。
まあ、東京で言えばお台場に噴水があるような感じかな。だけど、冬とはいえ、本当に誰もいない。いいのか、こんなにロマンティックな場所なのに。京滋の恋人同士は何をしているのだ。
あまりにも美しかったので写真を二枚。
ISOを800にした上で、シャッター速度を2秒に設定して撮影。昼でも夜でもないような絵になったかな。良かったらクリックして拡大してみてみてください。
明日こそは、仕事をするぞf(^^;。
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