「教員養成大学には、学級担任論を設置すべきである」
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二限の「学級担任論」で今年度の授業はすべて終了。いつもながら駆け抜けてしまえば、早い早い。
本日は、一年間の振り返り。まとめである。その前に、少し話す。
『学級担任論の授業を受けて、本当に教師になれるのだろうかと不安になる学生が多いであろう。私にこんな仕事ができるのであろうかと。だが、ちょっと待て。誰も今のキミにそんなことを期待してはいない。
学級担任の仕事の最先端のあれこれを君達に講義しているのであって、それが大学二年生の君達にできるなんてことを期待してはいない。というか、なんで最先端のことをできないとガッカリ来るのか。君達は相当自信があるのか、ないのか。
10年後に、追いつけ。20年後に軽々と追い越し、颯爽と学級経営をして授業に取り組んでいる君達であれば良い。そのために、一年目を生き抜くために、守りとしての学級担任論を後期はやってきているのである』
私に言わせれば、野球を本格的に始めたばかりの中学生が、大リーグの野球を見て
(ああ、無理だ。僕は野球選手になれるのであろうか。諦めた方が良いのか?)
と言っているのと同じような気がする。
野球の例えならおかしさは分かるであろう。
悩んでいる暇があったら、努力を重ねるのだ。
◆
で、今日の講義は先週と同じく、『こんな時どう言い返す』方式で行う。シラバスに一回について学級担任の仕事で重要なものを一つ取り出し、その場で口頭で答えさせる。
三人一組になって、私が課題を読み上げ、学生が2分で解決策を考え、1分で他の二名に話す。そして、それを三回やる。その後、私の方で解答例と解説をするという方式である。
例えば、
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1)あなたは小学校3年生の学級担任です。採用試験に合格して初めて担任を持ちました。
以下の状況になったとき、担任のあなたはどうしますか。
引用終了 ーーーーーーーーーー
始業式後の休み時間が終わり、学級活動の時間になりました。ところが全員そろっていません。
外でドッヂボールをしているらしいのです。
しばらくして、ドタバタとやんちゃな男の子集団が教室に帰ってきました。小学校3年生といえど、やんちゃ坊主はなかなかのものです。遅れてきてごめんなさい、の一言もありません。何でもない顔をして、席に着きました。
初日にして、式の最中に騒ぎ、時間を平気で守らない子どもたち。
学級開きの最初から、多くの問題が発生していました。
新卒草々の私は、クラスを統率する者として、さっそくひとつの決断を迫られました。
「子どもを叱るべきか」「最初だから、不問にし、楽しくやるか」
引用終了 ーーーーーーーーーー
『ちょっと先輩からアドヴァイス 若い教師の成功術』(大前暁政 学陽書房)p.p.16~18より
さて、諸君ならどうするであろうか。この立場の教師になって、この後の台詞を述べること。
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である。
全部で17問作ったのだが、実際にできたのは6問。残りは、来年度4月から『授業づくりネットワーク』で四月から一年間連載予定の「やさしい学級担任論(仮題)」の中で論じていくことにしよう。
◆
学生たちからの授業の感想を見ると、この授業は昨日のディベートの授業と違って、児童教育学科の必修ではなくて、教員養成課程のある大学の必修授業にすべきであるという意見が出ていた。これは素直に嬉しい。
「国語科を実技教科にしたい、学級を楽しく経営したい」というのが、私の従来の主張であるが、もう一つ
「教員養成大学には、学級担任論を設置すべきである」
という主張もこれからはきちんと始めたいと思う。
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