一時間美しい時間の中に身を置く
3.22
ホテルの朝ご飯が8:30までということなので、8:00に起きて食事に向かう。
パン、サラダ、ジュース、珈琲、バナナとシンプルなメニューだが、これで十分。
食後に朝ブロを浴びて、さあ、京都に戻る準備だ。
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ホテルから高知駅に向かう道すがらに、八幡神社があった。立ち寄って、卒業生を見守っていただけますようにとお祈りする。
高知駅前では、「土佐・龍馬であい博」なるものの入場者がいちまんにんだか、十万人だかになったということの記念セレモニーをしていた。流石、龍馬伝yearである。
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高知から我が家までは、電車の乗り継ぎで四時間。飛行機を使うと三時間。値段は数千円しか違わない。
一瞬、飛行機かなぁー、と思ったがやめた。理由は二つ。今日が三連休の最終日ということ。恐らく飛行機は物凄く混んでいるだろうと思えたこと。
もう一つは、到着時間が変わらないということだ。つまり、高知を出る時間は一時間ゆったり出来るということなのだ。ホテルのチェックアウトが11:00なら考えても良かったが、10:00では意味がない。駅前で一時間観光ってのもねえ。
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で、特急南風で高知駅から、岡山駅を目指す。南風の指定席は予約で一杯で取れなかったが、自由席でもなんとか座れた。三両編成の特急ってのも珍しいなあと思いながら、シートに体を埋める。
列車は四国山脈の中を駆け抜ける。これが結構気持ちがいい。大杉では眼上の緑の波に洗われ、大歩危の清流を眼下に納める。
さらに何と言っても、桜だ。四国三郎、吉野川沿いに桜並木が続く。線路脇にも桜並木が続く。
今年の開花は高知が沖縄を除いては一番早いとのことだが、まさにこれをあじわっているのだ。贅沢だ。
一時間余計にかかるのではなく、一時間美しい時間の中に身を置くために乗ったと言ってもいいくらいだ。
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唐突に、父の母親の葬式を思い出す。山形での葬式で四月の末であった。私が唸ったのは、山形の桜であった。
東京の桜が葉桜になったあとの、山形での葬式であった。学校を休んで田舎に向かったわけである。そこでであったのが、満開の、その年二回目の桜であった。
(ああ、人は人生の最後にこうして葬送の人の目を喜ばせる人もいるのだなあ)
と思った。
もちろん、人生の最後は自分で選べるものではない。だから、
願わくは花の下にて春死なむ その如月の望月の頃
と願うわけであるが、ただ、ただ、そうなんだなあと思ったわけだ。おばあちゃんは、桜の花の下に、土に還るんだなあと思ったわけだ。
ちなみに、祖父の葬式は紅葉の頃であった。これも見事であった。
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ライフイベンツには様々なものがある。予定できるもの、できないものがある。初恋、進学、就職、結婚するタイミング、子どもを授かるタイミング、病のとき、快癒のとき、事故に怪我にと。天気だって選べない。雨も、晴れも、嵐も、雪も、快晴もある。あるが、選べない。
多くの人は選んでいるように思っているが、多くの場合選ぼうとしながら、選べずに訪れるものを受け入れて、または背負って生きて行くのである。
そんなことを改めて思い出させてくるのが、旅なのだなあ、四季の移ろいなのだなあと思う。
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んでもって、景色も楽しみながらではあるが、ブログもの記事も書きながらの乗車である。BGMは高中正義さんの「ブルーラグーン」。これを繰り返し聞いている。
ヘッドフォンから流れる音とは別に、電車の振動は体に伝わってくる。その音が変わった。
(ん? なんだ?)
と周りをきょろきょろすると、車窓の向こうが真っ青。ああ、瀬戸内海である。
瀬戸大橋を渡っていたのだ。
レールのつなぎ目が長くなったのと、反響が変わったのがあって、体に伝わってくる音が変わったのだな。
この景色もいい。
繰り返し聞いているブルーラグーンにぴったりだ。
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岡山駅では、8分の乗り換え時間で新幹線に接続。しかもn700系。MacBook Proの設定を変更したので、新大阪から先きは無線LANにばしっと接続。いやあ、快適。
岡山駅から京都駅まではほんの1時間。実に早い。
あっという間である。
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京都駅ホームは、人で溢れていた。さすがに三連休の最終日だ。巻j高知から自宅に戻る人たちで一杯であった。
京都駅で娘と待ち合わせ。
久しぶりに見るお父さんに少し照れるものの、すぐにべたべた甘える。私も久しぶりの抱っこなので、いつもより余分に抱っこのサービスをする。
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4日ぶりの自宅。
琵琶湖の夜景は、やはり奇麗で、いいものだ。
ふう。
明日は、休むぞ(^^)。
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コメント
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池田さんが帰宅されたころ、私は家族旅行(大相撲大阪場所)からの帰りでした。名神高速の京都から米原までは渋滞20㎞! 途中で高速を下りて、大津市内を走りましたが、やっぱりダメ。大津市内で琵琶湖のほとりに高層マンションがちらっと見えました。もしかしたら池田さんのお住まいだったかも? そんなことを考えながら、諦めて高速道路に戻ってまたまた渋滞の中へ。これまでテレビでしか見たことのなかった大渋滞・・・・大変な目に遭いました!!
投稿: こだわり国語教師 | 2010/03/24 23:57
痛み入ります(^^)。
琵琶湖の東岸は、とにかく混みます。
一般道も高速も混みますねえ。
それに対して、湖西はまだ大丈夫です。
湖西バイパスを通り抜けて、余呉湖のあたりから北陸自動車道に入るのが良いかと思います。
私の家は、湖西バイパスから見えますが、東岸からは知らないと分からないと思います。20キロですか。私は35キロを経験したことがあります。燃費は悪いしやってられないですよね。
噂では、大阪場所はガラガラだったとか。実際はどうだったのでしょうか。
投稿: 池田修 | 2010/03/25 09:12
大阪場所の中日は「満員御礼」でした。
私自身も初めての大相撲。やはり生はいいものです。息子は花道で待機しているお気に入り力士に直接声をかけることができて大満足でした。
溜席で見ることができれば最高だったのですが・・・。庶民には、桝A席でも十分贅沢です。もう少しチケットが安いと有り難いのですが・・・。
湖西ルートも調べておきます。ナビなし車に乗っているものですから、自力で地図を読まないと・・・。
投稿: こだわり国語教師 | 2010/03/25 18:22