全国教室ディベート連盟近畿支部の地区大会
本日、全国教室ディベート連盟近畿支部の地区大会である。熱い戦いの日なのである。
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ディベートは、試合が始まると監督は何もできない。ただ、頷くことしかできない。正しい議論であろうか、間違っていようが、頷くことしかできない。
(間違っている、違う)
と思ったところで、試合中に伝えることはできない。それどころか、不安げな表情を選手に見せてしまえば、それが伝わってしまう。
だから、常に笑顔で頷くしかできないのである。顧問の中には、この辛さに耐えられず、試合中は、会場の外で待つという顧問もいるぐらいである。
私も、その感覚はよく分かる。
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ジャッジは、目の前で展開される議論の事実のみを資料として、判定を下す。
生徒諸君が重ねて来た努力。ご指導頂いた先生方の時間。家族の応援。そう言うものはすべてリアルに分かる。
分かるが、全てを白紙にしてジャッジとして臨むのである。
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今日は、全ての試合で五人のジャッジを揃えて大会を運営することができた。スタッフが育って来てくれている。
近畿支部は、学生、院生、卒業生が中心になってアットホームに運営してくれている。これが良い。私と言えば彼等が作った段取りの上に乗って、指示されたまま動くだけである。
今日は、開会の挨拶、二試合の主審、賞状書きを頼まれた。ハイハイと引き受ける。
才能があって、如何にも、俺はあたしはできるんだぞ、という感じの人間がここには居ないんだなあ。阪大、京大、関関同立ばかりなのだか、居ないのである。
力のある若い人間は、静かにしていて、力を蓄えるのだなあと思う。
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ちなみに地区大会の結果は、以下の通り。
■中学(2校)
1 京都教育大学附属桃山中学校(京都市・国立)
2 神戸大学附属明石中学校(兵庫県・国立)
奨励賞
明星中学校 (大阪市・私立)
■高校(3校)
1 明星高等学校 (大阪市・私立)
2 私立洛南高等学校(京都市・私立)
3 滋賀県立膳所高等学校(滋賀県・公立)
奨励賞
京都市立堀川高等学校 (京都市・公立)
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大会終了後、懇親会に向かう。少し体調が良くなったので私も参加する。
予てから疑問であった、算数の問題と、法律の問題を、理科系の学生院生と法学部の学生院生に質問して楽しむ。
いや、からかっているのではなく、そもそも論と、その学問の立場からの見え方について質問するのであった。
この時間は実に楽しい。
私は40歳を迎えるときに、
(これからは、自分よりも年下の人間の意見をきちんと聞こう。彼らから学ぼう)
と決めた。
自分よりも年上の人や同世代から学ぼうとしてきたが、意識して年下から学ぼうと思い始めた。すると、これがまあ実に楽しい。
(こんなことも分からないの?)
という労りの眼差しで丁寧に教えてもらえる。実にありがたく、面白い。
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実に幸せな一日であった。
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