子どもは親の似て欲しくないところが似るものだ
10/19
9時32分発の京王線順特急に乗り京都に向かう。新幹線通勤である。
もう少し早く出ることも考えたのだが、電車に詳しい義父義兄よると、この時間の京王線からが、昼間の通常ダイヤ通りの運転になり、この前までは朝のだらだら運転になるというので、これにした。運良く聖蹟桜ヶ丘から座ることができたので、寝て行けた。
品川駅で、新幹線を予約。一番早いN700系の電源のある席を取ることができた。慌てて昼ご飯を購入して乗り込む。
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あるゼミ生が本日採用試験の最終面接である。席に座ってから試験会場のある方向をiPhone4のコンパスで確認して、しっかりやれのオーラを送る。科学的なのか非科学的なのかわからないが、使えるものは何でも使うのである。
新幹線の中では、iPhone4のWi-Fi接続の設定を試みるが、今ひとつうまくいかない。ヨドバシカメラのワイヤレスゲートは解約したのだが、その設定が残っていてうまくいかないのかなあ。
諦めて昼ご飯を車内で食べたら、もう京都。
滋賀の自宅に戻ったのは、大学の授業開始70分前。
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研究室には、授業開始15分前に到着。日本の公共交通機関の安定性に感謝である。
早速本日の4限の授業の最終確認をする。本日は、「国語科の授業をつくる」の第三回目。どうやって授業を開発して行くのか。これを私が作った学習ゲームを例にして講じる。この部分は、来週の関西青年塾で講じることのベースにする予定。
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授業の始まりは、季節の話をすることが多いのだが、今日は娘の七五三の話から始める。そのうちに、子どもは親の似て欲しくないところが似るものだと言う話をする。
『で、私は自分の父親が暇があると食卓の上にあるポットを磨くのが気に入らなかったのです。なんというか、貧相に見えたのです。一家の主が、お湯を入れておくポットを台布巾で磨く。これがどうも貧相に見えたのです。
で、学生時代に一人暮らしをするようになって、ポットを私も買うことになります。ところが、ある日私は、気がついたら自分でポットを磨いている自分を発見するのです。愕然としました。
それから、私は娘のミルクを与えるために常にお湯が必要になるつい最近まで、ポットは持っていませんでした。親が似てほしくないところや、子どもが似たくないところが、似るものなのです。そう。君達もそろそろ自分の母親に顔が似て来たと思っていないかな?女性は20歳ぐらいから似始めるからなあ。それまでは父親にだったのに』
という話をすると、ほとんどの学生が嫌な顔をする。そして、更に話す。
『私も、「自分の親に似るのをいやだなあ」と思って、教師をしている大学の同級生の友人に話したことがある。ま、そんなに強い言い方でいったのではないが、話したわけだ。すると、こんなことをいわれたのだよ。「だから、池田は甘いんだ。そんなんでよく教師がやっていられるなあ」とね。
君達は、私の発言のどこに問題があるか分かるかね?
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その友人がいうには
「世の中には、自分の親がどんな顔をしているのかも分からないで生活している子どもたちは、たくさんいるわけだ。自分の顔が親に似て来て嫌だなあという言い方は、親のいない子どもにとっては、自慢話でしかないんだぞ」
というのである。私は、そうだなあと思ったのだよ。似ていることを確認できるのは、それは幸せなのだよ。
七五三のときにあれこれ変なことをしている娘を見て、私の母親が「お前の小さい頃にそっくりだねえ」という。それを聞いて、親の命長からんことを願い、私も娘のためにも長生きせねばなあと思ったのだよ』
その理由は言わなかった。その理由はもちろん、
「もう、嫌になっちゃう。私、お父さんの嫌なところばかり似ている」
って娘に言わせたいからである(^^)。
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その後、研究室に籠って事務仕事を続ける。サーバーの不調や体温の上昇や学生の訪問、さらには原稿依頼の電話を乗り越えて仕事を続ける。
すると、来週の関西青年塾で行う「知的な国語の授業の作り方」の講座アイディアが降って来た。湧いて来た。慌てて新しいドキュメントを開いて、そこに書き込みながら一方で仕事をこなす。
気がついたらもう既に19時を回っている。体温の上昇が顕著になって来たので、20時には研究室を出ようと、その日のうちに終わらせておかなければならない仕事に絞って、あれこれ。
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体は疲れているのだが、精神的に高揚しているのであろう。結局寝たのは日付が変わってからであった。
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