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2010/11/13

チョークの持ち方等に関する連続ツイート

11/13

チョークの持ち方等に関する連続ツイート、まとめ。
初級、中級、上級に分けて説明しています。

■□■

リクエストもあったので、チョークの正しい持ち方等について連続ツイートしたい。なお、ここで言う「正しい」とは、板書をする際にしやすく、学習者から見やすいということを指す。先ずは、初級から。

初級では、自分の人差し指で黒板に文字を書くことをイメージするのが良い。手をグーにして、人差し指だけをのばして、その指で黒板に文字を書くイメージである。この人差し指の下にチョークを一本持つのである。人差し指の第一関節を黒板に押し付ける感じで書くのだ。

実際にやるとすぐに分かが、これで書くと線がどんどん太くなる。二、三行書いたら、書きはじめと書き終わりの文字の太さがバラバラで見にくい。これを防ぐために、二つのことを行う。1)チョークを研いでおく。チョークは円柱形だ。その円柱の角を黒板で削る。つまり研いでおくのである。

2)書きながらチークを回転させる。これが非常に肝要。初級というよりは基礎である。これは初級の者も上級の者もできなければならない技術。ただし、初級の者は、動きを止めて意識して行うがよい。指先で回転させて改めて黒板の上に添える感じだ。

チョークを研いで、回転させると安定した線の太さを保てるようになってくる。保てるようになると初級は及第である。ただし、念のため言うが、縦線、横線、回転の線、さらには表の長い線も安定して書けなければならない。

気をつけておかなければならないのは、チョークの上下である。チョークに上下があるのかと思うかもしれないが、あるのである。家本芳郎先生によれば、チョークは型に液状のチョークの元を入れて、熱して乾燥させて作る。乾燥したらひっくり返して取り出す。だから、出てくる方が幅が広い。

で、細い方が上のように思えるが、そちらにはチョークの粉の不純物が溜まるのである。細い方を下にして書くとその不純物が黒板に引っかかって、黒板が傷つき、さらにあの不愉快な音を発生させてしまうのだ。だから、上の確認は大事。

とまあ、このぐらいが身に付いて初級は及第というところでしょうか。中級、上級はまた時間を見つけてということで。なお、http://bit.ly/dc4tXa にシラバスではありませんがf(^^;ちょっとした授業の記録があります。

チョークの持ち方等に関する連続ツイート。中級です。ちなみに、初級は昨日ツイートしました。中級では、四つのことができることを目指しましょう。を、 NHKラジオ基礎英語講座のようになってきたぞ。

一つ目は、手首の回転です。初級者は、手首を回転して書くことはほとんどしません。というか、回転させて書くと線が安定しないので、書けないでしょう。ですが、ここに挑戦します。イメージとしては、手首から先が筆の毛の部分になった感じです。上下左右の四カ所を意識します。

二つ目は、文字の大きさです。これは初級にいれてもいいかなと思いますが、文字の線を安定させることが先と判断して、中級にいれてあります。板書の文字は大きく三種類と考えましょう。見出し、小見出し、本文。規準にするのは、あなたのチョークを持っている手です。

見出しは、グー4つ。小見出しはグー2つ。本文はグー1つ。この大きさで書くことを心掛けましょう。恐らく見出しをグー4つ分で書くと、子どもたちからは「大きすぎ!」という声が出るでしょうが、構いません。板書の字は、美しい文字を求めていません。

板書の字は、美しい文字ではなく読みやすい文字を必要とします。40人の子どもたちが教師のどこからでも一瞬で分かる文字です。そのために必要なのは、先ずは大きな文字です。クラスには弱視の子どもいます。ですが、弱視の子はそれをあまり知られたくないわけです。大きくて良いのです。

自分のグーを物差しにして、そのグーで隠れてしまう字を書いていないかどうかをときどきチェックしながら、本文を書きます。単純ですが非常に効果があります。

三つ目は、体の向きです。家本芳郎先生は、四分六の構えと言いました。板書は子どもへの説明のために行うものですが、ときに黒板に説明してしまう人がいます。そうではありません。子どもに体を向けます。その時の比率が、黒板に4。子どもに6ということです。

子どもの方に体を開いて書く。右からでも左からでもできる。そして、斜めから黒板に字を書きながら、尚かつ黒板の正面に向かって(つまり、十分0)で書いた時と同じような字が書ける。ここがゴールです。勿論、子どもの実態に合わせて、三分七とか、五分五というように変えていきます。

中級の最後、四つ目です。これはチョークの種類に拘るです。種類と色があります。種類は、通常青色でコーティングされている硬めのチョークと絹ごしの柔らかいタッチのチョークがあります。速記のときには硬めのものを筆の質感や絵を描く時等は絹ごしのものを使います。

さらにこれには太さもあります。通常のチョークの他に、極太もあります。http://bit.ly/9mbc6Z 子どもに受けます。さらにさらに、食べられる「チョーク」もありますが、これは極秘なので捜して下さい(^^)。

最後に、色です。基本は白と黄色の二色で行います。赤は色弱の子どもがいないことを確認してから使います。多くの色を使い、色ごとに意味を持たせて板書することもありますが、色を使うことに意識が行ってしまって内容が頭に入ってこない子どもたちが出ます。これは避けます。

また、多くの色を持ってこない子どももいますし、多くの色を使っているとチョークの持ち替えだけで時間のロスになります。二色でいきましょう。その際、変化を付けたいのであれば、籠字にするとか、アンダーライン、波線、四角囲いなどで付けることができます。

以上、チョークの持ち方等に関する連続ツイート、中級編を終わります。担当は、池田修でした。なお、http://bit.ly/dc4tXa も併せてお読みください。さて、次回は上級編です。これ以上何を?と思われるかもしれませんが、やります(^^)。

さて、チョークの持ち方等に関する連続ツイート。いよいよ最終回です。今日は上級編です。早く書いておかないとみなさん、忘れてしまうでしょうから(^^)。今日は三つのポイントと、練習方法についてツイートしましょう。

上級編の一つ目は、肘と肩の回転です。手首でチョークを回す感覚を掴めたら、それを肘や肩に持って行くようにしましょう。黒板に書かれる文字の線が伸びやかになって行きます。また、書いているときに余分な力が抜けるようになります。最初からこれをやると、文字が乱れてしまいます。

二つ目は、筆で書いたような文字を書くです。特に、ひらがなを筆で書いたような筆跡で書けるようになると、免許皆伝も近いです。これが書けるようになるためには、絹ごしチョークを使うのがいいでしょう。速記用のチョークでも出来ますが、絹ごしチョークでコツを掴むのが良いでしょう。

絹ごしチョークを使いつつ、今書いている線は、チョークのどんな角を作っているのかが分かってくるようになってきます。すると、次にどの角を使って書けば理想とする線が描けるかが分かるようになってきます。自分の持っているチョークで何が出来るのかが、瞬時に分かっていることです。

さらに、指先、手首、肘、肩、下半身の踏ん張り。これらがきちんと出来ていることも大事です。そもそも、板書は通常とはあり得ない角度で文字を書きます。90度腕を上げてかきます。本学の書道コースの学生たちは大学書道展日本一を7年連続ですが、それでも最初は全く書けません。

三つ目は、数種類のフォントを持つということです。三つぐらいはあるといいでしょう。つまり、丁寧に書くためのフォント、早書きのためのフォント、自分のメモのための(自分だけわかる)フォントです。もちろん、縦書きと横書きを変えたり、タイトルだけ隷書体にするとかもありです。

最後に、訓練方法です。二つあります。一つは、鉛筆を常用するということです。鉛筆は芯の部分が太く、そのまま書いていると線が益々太くなります。ですから回転させないと書けません。これがチョークの回転に多少繋がります。手で削った鉛筆だと角が分かりやすいので最初はこちらから。

私の授業では、板書課題を課しています。最初は自己紹介のときに必要な自分の名前。大きく書きます。これを掛かった時間と本人と一緒に写真にとって、学内のネット掲示板にアップします。これをいろいろな課題で最低15週間行います。この指導で初級通過を目指しています。

私がどうやってレッスンしたかと言えば、大学の書道の恩師の板書の文字です。その文字の上からなぞり書き(摸書)をしていました。そうすることで、チョークの動かし方などを"手探りで”理解していました。そして、見て(臨書)書いていました。実はとても効果的な練習方法です。

恩師の名前は木村東洋先生。天皇の祐筆をされていた先生です。『先生は、どうしてそんなに上手いのですか?』今から思えば失礼な質問をした私。先生は微笑んで「それは池田くん。年期が違うからねえ」と一言。そして、私は上記のように摸書を重ねました。

また、漢文の吹野安先生。先生が授業にいらっしゃる前に、私がその日のうちに習う部分の白文を黒板に書いておかないと、「全員、来年も頑張れ」と言い、本当に実行しそうになるので私は月曜の1限の30分前に教室に行って書き続けていました。今から思うと感謝です。

そして、それ以来書き続けて上達を目指して来たといことです。最後に、チョークの管理について。チョーク箱にいてれマイチョークを持ち歩くことが多いと思います。私は桐の箱(恐らく主たる使用方法は、名刺入れ)に入れて管理していました。チョークは乾燥しすぎても湿りすぎてもだめ。

適度な湿度を持ちつつ、ある程度乾いているのが良い。黒板は梅雨の時機の湿り具合が、私にはベストだったのでそれに合うように桐のチョークボックスで管理しつつ使っていました。ま、そんなことをしている人は他に見たことはありませんがf(^^;。

ということで、チョークの持ち方等についての連続ツイート初級中級上級編を終えたいと思います。最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

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