娘(4)に小さな嘘をついた
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娘(4)に小さな嘘をついた。
◆
ちょっと遅いが娘と海に行った。
遠浅の浜で広々としていてとても気持ちのよい浜だ。
季節が少し遅いので見渡す限り誰もいない。
貸し切りで娘と二人で遊んだ。
ちょっと休憩と思って砂浜に上がった。
何気なく見たら、波打ち際にカタクチイワシが一匹打ち上げられていた。
まだ生きているのではないかと思う位に綺麗に輝いている体。
でも、目はもう溶けていた。
『あれ、お魚さんだ』
「本当だ!」
どうしようかと思ったが、見つけたものだから娘に教えてあげた。
娘は死んでいるようには思っていない。
『慌てんぼうの魚さんで、上がって来てしまったんだね。海に帰してあげようか』
「うん!」
というので、私は捕まえて海に戻してあげた。
娘は拾った貝殻を
「お魚さんの食べ物。元気出してね」
と海の中に投げ入れていた。
◆
暫くまた貝殻を捜したりして休憩した後、また波打ち際に体を浸した。
お尻を据えて、足を伸ばし両手を体の斜め後ろに置いて波に戯れようとした瞬間である。
右手の掌の中で何かが動いた。
『え〜〜〜、何か動いている。あ、魚だ!』
と本当にびっくりしたのだが、たまたま置いた手が魚を捕まえてしまっていたのだ。なんとも驚き。すると、
「あ! お父さん、お魚さんが元気になったんだね。良かった!」
と娘。
そうか。そこに繋がったのか。
『そうだね。ご飯をあげたから元気になったんだね。それでありがとうって言いに来たのかな?』
「そうだよ! 良かったね」
『良かったね』
◆
小さな嘘をつきました。
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